アイテム番号: SCP-3666-JP
オブジェクトクラス: Safe Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-3666-JPはサイト-8139内の標準人型アノマリー収容ユニット内に収容されます。本オブジェクトに対しては、定期的な脳波計測を実施してください。
説明: SCP-3666-JPは1987年4月3日以降における財団の上級研究員である戸崎修一氏で、かつて胡座の常態で全身が破壊不能な赤銅色の物質で覆われていたという異常性を有していました。
戸崎修一研究員は1980年に東京大学を卒業した後、SCP財団に雇用され、異常に対する研究を行っていました。1983年にサイト-8139に転属した後は、当サイトにおける収容プロトコル制定に専念し、100程度のオブジェクト1の収容の成功を支援しました。
1987年3月14日に、カオス・インサージェンシーの特殊部隊がサイト-8139を襲撃し、大規模な収容違反を引き起こしました。これにより、最終的にサイト-8139は放棄され、23個のオブジェクトが逃走しました。また、戸崎修一氏を含む92名が死亡、あるいは行方不明となりました。数日後に財団は[編集済み]にサイト-8139を再建し、数個機動部隊の支援の下、逃走したオブジェクトの大部分の再収容に成功しました。
4月3日に元サイト-8139跡地の調査において、財団のエージェントは異常な状態の戸崎研究員を発見しました。発見当時の彼は胡座をかき、両手を膝の上に載せ、目を閉じた状態で地面に座っており、全身は所々赤銅色に発光する未知の物質に覆われていました。
事後の検査によると、戸崎研究員の脳波は非異常性のヒトと同様の活動を見せています。これは戸崎研究員の意識が依然として明瞭であることを示しています。しかし、戸崎研究員の身体を活動させるための、外部からの誘導や刺激などを含むあらゆる試みは失敗しました。
この時より、戸崎研究員はSafeクラスオブジェクトとみなされ、SCP-3666-JPとなりました。正式に番号が割り当てられたあとも、当オブジェクトは胡座の姿勢から何ら変化を見せていません。
SCP-3666-JPの状況は、財団に未知で、かつカオス・インサージェンシーが掌握している奇跡論的方法で引き起こされたものと見られています。
補遺:
SCP-3666-JP体表の赤銅色の物質に対する研究を進行するために、財団は燃焼、鋭利な物体による殴打、強腐食性化学物質の使用、奇跡論的爆破を含む手段で当該物質の破壊を試みましたが、いずれの試みも失敗に終わりました。事後の検査によれば、これらの方法は効果がないばかりではなく、SCP-3666-JPの脳波中のβ波を増大させたとのことです。これは当オブジェクトがこれらの行為に起因する苦痛を感じていたことを示しています。1992年2月28日より、サイト-8139管理感の強い要求の下、上述の実験は全て停止されました。
外界から栄養の供給を受けていないにも関わらず、SCP-3666-JPの脳波は活発です。本オブジェクトの収容以降、脳波のうちθ波とδ波2が主に検出されています。特にδ波が強く検出されており、1997年以降、基本的に他の二種の脳波は検出されていません。財団は現状を緩和するためにSCP-3666-JPと意思疎通を図ることができる精神科医の捜索を行いましたが、大きな成果は挙げられませんでした。
2005年8月にサイト-8139は大幅に増築されました。当サイトにおいてはより多くの人員を招集し、より多くのオブジェクトの収容が行われるようになったため、SCP-3666-JPに対する関心は時間経過とともに減少していきました。また、当オブジェクトと交流を図るために招聘される精神科医の数も大幅に減少しました。
2023年5月12日更新:
2023年5月10日において、「壊れた神の教会」の構成員によって引き起こされた大規模インシデントの最中にSCP-3666-JPは無力化されました。当該インシデントの録画によると、本オブジェクトを覆う赤銅色の物質が次第に小型の機械と歯車に置換されていき、当該プロセスが完了した後に、本オブジェクトは大量の破砕した部品へと崩壊しました。事後の生存者へのインタビューによると、目撃者は全員SCP-3666-JP崩壊の瞬間から、一般に「超然とした、慈悲深い」と形容される「南無阿弥陀仏」の声を反復して聞いたとのことです。