SCP-574-JP
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アイテム番号: SCP-574-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-574-JPはサイト-81██の車両オブジェクト収容庫に収容されます。SCP-574-JPの実験・観察はクラスA認識補正処理を受けた職員と受けていない職員をそれぞれ1名以上、最低でも3名以上の人員によって行ってください。

(201█/11/4 追記)SCP-574-JPの亜種を確認した場合は速やかに回収を行い、少数の目撃者に対しては記憶処理を行います。目撃情報が広範囲に拡散した場合はカバーストーリー「動物園への輸送中に脱走した鳥」を流布してください。SCP-574-JP亜種の出現時期として、SCP-574-JP-Aの産卵イベントから約1ヶ月程度を目安に調査してください。またSCP-574-JPの確保の確率を上げるために、サイト-81██内に異常性を持たない車両を可能な限り設置してください。

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回収時のSCP-574-JP(認識補正処理済み)

説明: SCP-574-JPは[編集済]社製の油圧シャベルで、視認1した人物に対してSCP-574-JPをハシビロコウ(Balaeniceps rex)として認識させます2。この時知覚されるハシビロコウは、少なくとも生命活動を維持しているように観測されます。この影響はクラスA認識補正処理によって防止することが可能です。

SCP-574-JPの動作や外装の変化はハシビロコウに連動して影響が出ます。例としてSCP-574-JPを停止している場合はハシビロコウは直立不動のまま動きませんが、エンジンをかけた場合は周囲を警戒する素振りを見せます。逆にハシビロコウの動作に対してSCP-574-JP側の該当する変化が確認されていないケースも確認されています。詳細は補遺を参照してください。

SCP-574-JPは201█/8/10、石川県██町で、「工事現場に見慣れない鳥がいる」という警察への通報に注目した財団エージェントによって発見されました。発見時のSCP-574-JPは同エージェントチームによって回収され、SCP-574-JPを所有していた石川産業株式会社に対しては同型の油圧シャベルとすり替える事で対処済みです。

また、SCP-574-JPの座席には白いインクで「Until feathers cover the ground/from Invisible Crow」と書かれており、この文章が書かれた時期や筆記者の身元、およびSCP-574-JPが現在の異常性を発現した原因、時期に関しては現在調査中です。

補遺: 以下の表はSCP-574-JPの状態の変化とそれに連動したハシビロコウの状態のリストになります。


 
201█/9/3 追記1: ハシビロコウの行動に関する報告
SCP-574-JPのエンジンが停止状態であったにも関わらず、ハシビロコウがその場で踊るような行動を見せました。通常のハシビロコウには見られない動作ですが、目撃した職員はこれを一般的なハシビロコウが行う求愛行動であると認識していました。この異常行動の同時刻に同じサイトで行われていた[編集済]実験との関連性が見出されています。
当事案を受け、高山博士よりSCP-574-JPのオブジェクトクラスの変更が提案されました。

201█/9/29 追記2: SCP-574-JPの一時的消失に関する報告
11:30頃、SCP-574-JPが約3分の間、収容庫から消失していた事が判明しました。また同日、同サイトの食堂からサンマ3尾が職員の目前で消失する事案が発生しており、SCP-574-JP消失との関係を調査中です。消失したサンマの行方は不明です。
当事案の後、SCP-574-JPが一時的に消失する前のハシビロコウの姿と比較して、SCP-574-JPに関わった職員の8割が事案後のハシビロコウは「以前より元気に見える」「健康的に見える」と述べています。

201█/10/3 追記3: ハシビロコウの行動(産卵イベント)に関する報告
ハシビロコウの足元に卵のように見える存在が4個出現した事が確認されました。目測で長径約85mm、短径約55mmであり、一般的なハシビロコウの卵とほぼ同程度の大きさです。しかし物理的な接触が行えず、SCP-574-JPの状態に変化は確認されていません。
201█/10/4、これらの卵状の存在は消失しました。現在これらの異常行動による影響の調査、およびSCP-574-JPのオブジェクトクラスの暫定的な変更が行われています。

201█/11/4 追記4: SCP-574-JPの亜種に関する報告
サイト-81██の近辺でSCP-574-JPの亜種とみられる車両が発見されました。それぞれ-2,-3,-4,-5のナンバリングが割り振られ、サイト-81██に収容済みです。また、全てのオブジェクトの座席に白いインクで「Until feathers cover the ground/from Invisible Crow」の字が書かれていました。

SCP-574-JP-2: エージェント・██が所有していた普通自動車で、タンチョウ(Grus japonensis)として認識される異常性を有す。
SCP-574-JP-3: 大型オブジェクト移送用として使われていたトラックで、ヘビクイワシ(Sagittarius serpentarius)として認識される異常性を有す。
SCP-574-JP-4: サイト管理官の送迎用として使われていた普通自動車で、オスのホオダレムクドリ(Heteralocha acutirostris)として認識される異常性を有す。
SCP-574-JP-5: サイト-81██付近の月極駐車場に駐車されていた民間の軽自動車で、メスのダチョウ(Struthio camelus)として認識される異常性を有す。

さらに同日、ハシビロコウ(SCP-574-JP)の足元に再び卵状の存在が4個確認されており、SCP-574-JPのオブジェクトクラスが正式にEuclidへ変更されました。

201█/11/5 追記5: SCP-574-JP実験記録

対象: SCP-574-JP-4

実施方法: 収容したSCP-574-JPを解体、後に組み立て直す、さらに破壊する事で異常性がどのように影響するかを確認する。対象とするのは他のオブジェクトの中で比較的重要度の低いSCP-574-JP-4とする。

結果: SCP-574-JP-4を解体した場合、外部からはホオダレムクドリの羽を1枚ずつむしりとり、肉の部位ごとに解体しているように認識された。その後組み立て直した場合、ホオダレムクドリが生存した状態で再出現したように認識された。最後にSCP-574-JP-4を爆破処理したところ、異常性が完全に消失している事が判明した。

分析: ネズミ算式に増殖する危険性を有するSCP-574-JPの収容に際し、今後収容面積の圧迫は簡単に予想できる。しかし今回の実験でSCP-574-JPは異常性の無力化が可能である事が証明された。SCP-574-JPはサンプル以外を終了処理する事も視野に入れた、特別収容プロトコルの改訂を提言する。 ─高山博士

実験記録ではさほど重要としていないSCP-574-JP-4ですが、ホオダレムクドリは1907年に絶滅した鳥類です。そのような種として認識されるオブジェクトを「重要度が低いもの」とすることを、何より鳥類を専門とする私自身がまったく気付かなかった事実に強い違和感があります。
違和感はもうひとつ存在します。何故追記4の報告に、ホオダレムクドリが絶滅種であることが書かれていないのでしょうか。それ以外が現存する種である中で、1種だけ絶滅している鳥であることは注目するべき点であるはずです。
SCP-574-JPは未知の異常性を隠し持っている可能性があります。オブジェクト終了処理は今一度再考を願います。 ─阿南研究員

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