アイテム番号: SCP-6246
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 現在SCP-6246は収容されていませんが、収容の優先順位は低いままです。公になったSCP-6246の目撃情報はデマであるとして処理してください。必要に応じて他の偽情報プロトコルまたは記憶処理の使用を許可してください。
説明: SCP-6246は正体不明の実体で、ヒトであると推定され、頭部は常に炎に覆われています。SCP-6246の炎は、燃料なしで無期限に燃焼し続けています。SCP-6246実体には火傷等の損傷が見られず、SCP-6246は自身の炎の存在に関心を持っていません。顔を大きく覆い隠し、他者からの識別を避けていることを除けば、SCP-6246実体は公には目撃されていません。SCP-6246は炎以外の外部刺激に反応しており、財団に対して敵対的な姿勢は示していません。
SCP-6246は平均的な身長で、約1.8Mであり、通常はコートとカーゴパンツを着用しています。服装の変化は、そのすべての症状を通して確認されています。
SCP-6246は瞬間移動を介して不規則な場所に出現します。到着した後、SCP-6246はその場所にとどまり、約10〜20分の間、顕在化する前まで残ります。SCP-6246が持つ可能性のあるの他の異常性は現在判明していません。
目撃された場所の相関関係は、識別可能な範囲では確認されていませんが、これらすべての場所の確認されている詳細は、低レベルの汚染に加えて人間の居住地への遠隔が含まれています。詳細はまだ判明していません。
補遺6246.1 — 発見経緯: SCP-6246は当初は異常実体として認識されておらず、異常現象の存在を推測することを目的とした人気サイト"Parawatch.net"で目撃情報が報告されていることから、都市伝説の一種であると考えられていました。
当初はデマとして軽視されていましたが、財団のエージェントであるフィンリー・モスが勤務中にSCP-6246実体に遭遇したことで、SCP-6246の存在が後に財団に認知されました。
エージェント・モスは、あぜ道を一人で運転している。遠くにある煙の柱に気付く。
減速させ、煙の上昇を観察する。エージェント・モスは腕時計を確認し、道路の端で車を止める。発生源を調査するため、金網を乗り越えて畑に侵入する。
エージェント・モスがさらに中へ入り込み、高い草を押しのけると、開けた場所が見えてくる。SCP-6246は、茶色のコートとベージュのカーゴパンツを着てそこに立っている。コートのポケットに手を入れて、小さな空間に一人で立っている。
エージェント・モスは、SCP-6246のエージェント・モスに無関心な態度と頭部の炎に気づき、SCP-6246から数歩ほど後退する。エージェント・モスは拳銃を引き出す。瞬きもせず、ゆっくりと前に出て行く。エージェント・モスの照準は、前進するとき、その頭を見るのに十分すぎるほど、SCP-6246実体に当てられている。その顔は炎で隠れている。エージェント・モスには反応を示さない。
エージェント・モスは数分間その姿勢のまま動かずにいる。そのうちに、エージェント・モスは拳銃を下げる。
SCP-6246: そいつを下げてくれるのを待ってたよ。
風が強くなり、2人の周りに高い草が生えている。SCP-6246実体の頭の炎がちらつき、音を立てている。
SCP-6246: そよ風か。
エージェント・モスは行動を躊躇する。
モス: ああ。いいな。涼しくて気持ちがいい。
2人は遠くを見つめる。風が落ち着く。
夕日が沈みだすと、虫のさえずりの音が聞こえ出す。風が再び強まり、草がざわめく。遠くの木の枝も激しく揺れている。
SCP-6246: あー、君はずっと俺と一緒にいたな。君の名前は何だ?
モス: ああ、フィンリーだよ。俺の名前。
SCP-6246: じゃあフィンリー。ここに何をしにきたんだ?
モス: え?
SCP-6246: 確かに、君は俺に会いに来たよな?
モス: ああ、ああ。そうだな。
SCP-6246: なぜだ?
モス: ああ、俺は仕事にしばらく時間があったんだ、俺はその頭についてるのが火なのかどうか見たいと思って。あんたは知ってるんだろ?そして、俺はあんたに会った。
SCP-6246: うーん。
2人の間に沈黙が起きる。
以前は晴れていた空に、大きな雲が横切って移動している。まだ光があり、月が昇っているのがかすかに確認できる。月に向かって雲はゆっくりと漂っている。
モス: それで、ええと、あんたはどうなんだ?
SCP-6246実体は頭を上げて月を見上げるが、すぐに月は雲に覆われる。牛の鳴き声が聞こえる。エージェント・モスは周りを見回すが、場所を特定することまではできない。
SCP-6246: 俺はこういう景色を見るのが好きだ。ずっと聞いて、ずっと感じてる。この特別なものに。
風が再び吹く。蚊がエージェント・モスの手の甲に着く。エージェント・モスが蚊をはじき飛ばす。
SCP-6246実体は首を掻く。
SCP-6246: あらゆるところに素敵な瞬間なるものがあるんだ。いつでも、どこでも、誰とでも見られる。常にあるからな。
太陽はほぼ沈み、暗闇を照らす光はほとんどSCP-6246実体の頭部の炎である。
SCP-6246: 俺はそれらの場所に出向くのが好きだ。それらが見られる場所にね。
モス: だからあんたはここにいるのか?
SCP-6246: 欲を言えば、全部見たいさ。それらすべてを感じて、それらすべての匂いを嗅いで。できれば味わってでも!はぁ!…でも悲しいことに、一度しか起こりえない。そして度々、俺はその光を見られるところにさえ居合わせられない。
別の鳴き声が聞こえる。遂に太陽が沈み、地平線から橙色の輝きだけが残る。
SCP-6246: 君は何を思う?
数秒間の沈黙。
モス: 美しいな。
コオロギの鳴き声が最も大きくなる。コウモリは空を飛び、音を出している。
SCP-6246: 俺もだよ。君が気に入ってくれてうれしいよ。
2人は地平線を見続ける。
モス: あっ、あんたのことを教えてもらって—
エージェント・モスは振り返るが、SCP-6246実体はもう傍にはいない。エージェント・モスはSCP-6246を探すために、周りを見回す。
草の後ろから牛のシルエットが再び浮かび上がる。
エージェント・モスは捜索をやめ、月を見上げる。雲が遠ざかり、月がはっきりとする。
エージェント・モスは地面に腰を下ろし、手に持った拳銃を見つめる。エージェント・モスは拳銃を置き、肘で目を擦る。そして彼はため息をついた。

エージェント・モスのボディカメラからのフレーム。