SCP-722-JP
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SCP-722-JP-1

アイテム番号: SCP-722-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-722-JP-1が発見された場合はカバーストーリー「爆破テロ予告」によって1km四方のエリアを封鎖し、直ちに財団職員を配置してください。その後、爆薬を括りつけたDクラス職員をSCP-722-JP-1に向かわせ、SCP-722-JPに襲われたことが確認され次第、爆薬を起爆させ、無力化してください。作戦終了後に発見されたSCP-722-JP-1は溶接し、扉としての機能を封じることで、再度利用されることを防いでください。SCP-722-JPが原因で建造物の倒壊事故が発生した場合、カバーストーリー「経年劣化による痛ましい事故」によって、事態を収束に導いてください。

説明: SCP-722-JPは人間を捕食することに特化したトタテグモの仲間です。SCP-722-JPは普段は土中を掘り進めながら生活しており、この過程で毒腺から分泌される毒液により、主にカルシウムや鉄などを液体に変化させ、それを消化吸収し、栄養の一部としています。この生態により、SCP-722-JPはコンクリートが埋め込まれた現代の土中なども自由に掘り進めることができます。またキチン質の外骨格に加えて節足動物にはありえないカルシウムで構成された内骨格も有しており、全長1m~2mという規格外の大きさを実現しています。SCP-722-JPの最大の特徴は、土中で入手することが難しいタンパク質の確保のために、巣穴の入り口に日本社会で広く用いられる開き戸に良く似た扉(以後SCP-722-JP-1と呼称)を作ることです。

SCP-722-JP-1の多くは、地下鉄やトンネルなどの横壁が地面と接しており、時間帯によって利用者の数が大きく増減する場所に制作されます。SCP-722-JPは地面に伝わる振動の数からSCP-722-JP-1作りに適した場所を見つけ、物音が完全に消え去ったことを確認するとSCP-722-JPは穴を壁の裏側まで掘り進め、SCP-722-JP-1を扉として機能するように壁をくり貫き始めます。そしてその作業が終わるとSCP-722-JP-1を開き、その外側を足に生えた細かい毛で磨き始め、光沢をつけます。最後に食道の直下に蓄えられている分泌液で液体化させた鉄を取っ手として球状や棒状に再加工し、取り付けることでSCP-722-JP-1は完成します。

完成後はSCP-722-JP-1の半径3m以内に獲物が入ってくる、SCP-722-JP-1の半径50m以内から獲物以外の物音が聞こえないという二つの条件がそろうまでSCP-722-JPは巣穴の中で待機を続け、条件が揃った瞬間にSCP-722-JP-1から飛び出し、獲物を巣穴の中に引きずり込み捕食します。この捕食行動によってSCP-722-JP-1は開かれますが、SCP-722-JP-1は全て、外開きとして機能する形になっているため、内側がSCP-722-JPの脚の一本と糸で繋がれていることで、巣穴に戻った瞬間に閉じられます。SCP-722-JP-1はSCP-722-JPの捕食時以外は開かれることはありません。使用中のSCP-722-JP-1以外はSCP-722-JPの糸によって内側から押さえつけられているため、人間の力でSCP-722-JP-1を開くことは適わず、重機による強引な開放や隣接する壁の破壊などは全てSCP-722-JPの巣穴の奥への逃亡という結果に終わりました。またSCP-722-JP-1内部への侵入に成功した場合もSCP-722-JPにより巣穴の天井を崩され、調査不能という結果に終わります。これまでのSCP-722-JPの生態から、事前に機動部隊を待機させる案が発案され、実行に移されましたが、機動部隊の呼吸音や衣擦れの音を察知され、失敗に終わっています。

財団がSCP-722-JPの存在を初めて確認したのは、200█年月██日、██県の█市の学校を中心に広がっていた、██トンネルの開かずの扉の怪談を調査していたときです。この怪談の実態の調査に向かっていた調査員が失踪、トンネル内にカメラを設置し、Dクラスを用いて再度調査をしたところSCP-722-JP-1に引き込まれるDクラスとSCP-722-JPをカメラが撮影したため発見されました。SCP-722-JPは初期段階では実験のために捕獲作戦が取られていましたが、獲物が一人にならないと顔を出さない慎重さと逃亡能力の高さから、生きたままのサンプルの入手は困難と結論付けられたことに加え、その生態ゆえに、トンネルや建物の基礎を食い荒らし、倒壊事故へと発展させるため、実験結果を元に現在の無力化作戦が取られています。20██年現在、発見されたSCP-722-JP-1は本州で██ヶ所に上り、そこから予想されるSCP-722-JPの総数は最低でも████匹と考えられます。

実験記録722-JP-1 - 日付200█/█/█

対象: 柴犬

実施方法: SCP-722-JPが人類以外を捕食対象とみなすのかの実験、柴犬をトンネル内に向かわせ様子を見る。

結果: SCP-722-JPは柴犬に興味を示しませんでした。

分析: SCP-722-JPは対象の出す物音によって獲物かどうかを見極めているのかもしれない、次の実験ではもっと人間の体重に近い動物を使用するべきだ。

実験記録722-JP-2 - 日付200█/█/█

対象: ニホンジカ

実施方法: SCP-722-JPが人類以外を捕食対象とみなすのかの実験、ニホンジカをトンネル内に追い込み様子を見る。

結果: SCP-722-JPはニホンジカに興味を示しませんでした。

分析: 対象の体重は関係ないようだ、SCP-722-JPは何らかの方法によって捕食対象を判別しているらしい。

実験記録722-JP-3 - 日付200█/█/█

対象: チンパンジー

実施方法: SCP-722-JPが人類の近縁種を捕食対象とみなすかの実験、チンパンジーをトンネル内に追い込み様子を見る。

結果: SCP-722-JPはチンパンジーに興味を示しませんでした。

分析: あくまで標的は人間らしい。彼らの進化は人類を捕食するという一点において最善の選択をしてきたようだ。今後の実験はSCP-722-JPの無力化に重点を置くことにする。

実験記録722-JP-4 - 日付200█/█/█

対象: D-42351

実施方法: D-42351にカメラ付発信機と自動小銃を持たせ、SCP-722-JPの戦闘能力とSCP-722-JP内部の規模を記録する。

結果: 自動小銃はSCP-722-JPの外骨格を傷つけることは出来ず、D-42351は捕食されました。また最終的にGPSはSCP-722-JP-1から██km先を指し、カメラには█匹のSCP-722-JPが写し出されました。

分析: 自動小銃程度では歯が立たないようだ。SCP-722-JPは獲物が一人きりにならないと顔を出さない、しかし人一人の力ではSCP-722-JPの瞬発力と防御力の前ではなす術がないだろう。人間一人でSCP-722-JPを無力化する方法はないだろうか。そして今回の映像でSCP-722-JPは一つの巣穴を複数の個体で使用している可能性が高まった。SCP-722-JPを無力化すると共にSCP-722-JP-1も無力化する方法を考えなければいけない。

実験記録722-JP-5 - 日付200█/█/█

対象: D-62378

実施方法: D-62378には中身を知らせず爆薬の入ったリュックを持たせ、SCP-722-JPの無力化を図る。

結果: SCP-722-JPの無力化に成功しました。しかし、同時に巣穴内部の天井を別個体に崩されたことによって、内部の調査にはいたりませんでした。

分析: 無力化には成功した。しかし一匹のSCP-722-JPを無力化するのに毎回Dクラス職員を消費するわけにはいかないだろう。もっと効率的な無力化の方法を探すこととする。また別個体によるSCP-722-JP-1の再利用を防ぐために、SCP-722-JP-1を溶接し、扉としての機能を無くすべきだ。

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