SCP-7777-JP-1中にいるSCP-7777-JP
アイテム番号: SCP-7777-JP-EX
オブジェクトクラス: Euclid Keter Explained
特別収容プロトコル: SCP-7777-JPの死亡のためSCP-7777-JPの調査は終了しました。
SCP-7777-JPは太平洋上に建造されたI5サイト群で1m×1m×1mのガラス製の水槽の中に収容されます。収容時に使用する水槽は一日おきに水槽内部のSCP-7777-JP-1を取り除き、サイト内のタンクに保管してください。
SCP-7777-JPは太平洋上に建造されたI5サイト群から13km離れた場所に建設されたSCP-7777-JP専用収容施設で10m×10m×10mのガラス製の水槽の中に収容されます。この水槽は100m×100m×100mのタンクに接続され、このタンクにSCP-7777-JP-1が常に放出されるようになっています。
例外なくSCP-7777-JPへの接触は禁止されています。SCP-7777-JPを視認したい場合は、SCP-7777-JPを撮影しているビデオカメラを使用してください。また、SCP-7777-JPとの接触経験がある人物は可能な限り生存のための努力を行う必要があります。
全ての人間が生息する地域にクラスCの記憶処理剤を散布してください。記憶処理の内容はSCP-7777-JP-1-aは塩(NaOH)という物質で古代より海中に存在していたというストーリーとSCP-7777-JPの影響によって絶滅した生物に関しての記憶の消去です。
SCP-7777-JPの存在の疑いを無くす為SCP-7777-JP-1に汚染された海域での生存可能な生物は淡水中での生存は困難であるという事をあらゆる情報媒体に対して大規模な情報改竄を行ってください。
説明: SCP-7777-JPはSCP-7777-JP-1を目から放出する体長約20cmのメンダコ(Opisthoteuthis depressa)に類似する生物です。SCP-7777-JPは毎秒約0.7mlのSCP-7777-JP-1を目から常に放出しています。SCP-7777-JPは6歳の人間と同等の知能を保持しており、簡単な会話をする事が可能です。また、SCP-7777-JPは捕食活動を行いません。
SCP-7777-JP-1は無色透明の液体です。水槽から取り出したSCP-7777-JP-1を使って実験を行いました。以下はSCP-7777-JP-1を使用した実験記録です。
実験対象 |
実験方法 |
実験結果 |
人間(Homo sapiens) |
皮膚との接触 / 口からの摂取 |
身体への影響は見られませんでした。/SCP-7777-JP-1に含まれる多量のSCP-7777-JP-1-aの影響による浸透圧の上昇が脱水症状を引き起こし、酸素の運搬機能が低下しました。 |
ニホンアマガエル(Dryophytes japonica) |
SCP-7777-JP-1に接触した状態で24時間飼育 |
SCP-7777-JP-1-aの影響による浸透圧の上昇が体内の水分の消失を引き起こし、実験開始から19時間が経過した時点で死亡が確認されました。 |
マダイ (Pagrus major) |
SCP-7777-JP-1内で24時間飼育 |
SCP-7777-JP-1-aの影響による浸透圧の上昇が体内の水分の消失を引き起こしました。その為SCP-7777-JP-1を大量に摂取しSCP-7777-JP-1-aを体内から放出しました。実験終了後衰弱状態でしたが淡水内に戻すと症状の回復が確認されました。 |
コイ(Cyprinus carpio) |
SCP-7777-JP-1内で24時間飼育 |
SCP-7777-JP-1-aの影響による浸透圧の上昇が体内の水分の消失を引き起こし、実験開始から7時間が経過した時点で死亡が確認されました。 |
アマツ(Midriam tgalano) |
SCP-7777-JP-1内で24時間飼育 |
SCP-7777-JP-1-aの影響による浸透圧の上昇が体内の水分の消失を引き起こし、実験開始から2時間が経過した時点で死亡が確認されました。 |
19 ██/██/██:SCP-7777-JPの研究に参加をしていた川口博士の死亡とほぼ同時刻にSCP-7777-JPが通常の50倍の量のSCP-7777-JP-1を放出した事により、SCP-7777-JP-1が水槽から溢れ出しました。それによりサイト内をSCP-7777-JP-1が流れ、最終的にSCP-7777-JP-1のサイト外への流出が発生しました。また、事件発生の翌日までにI5サイト群から半径約200kmの海域でSCP-7777-JP-1による汚染が発生し、事件発生から1週間後までにI5サイト群から半径700kmの海域でSCP-7777-JP-1による汚染が発生しました。この汚染によってI5サイト群から半径500kmの海域に存在した生物の35%が死亡したとみられます。
以上よりSCP-7777-JPの異常性は地球上の生物の死亡により引き起こされ、SCP-7777-JPに接触した生物が死亡した際にSCP-7777-JP-1の放出が活性化することが判明しました。
当該事案よりSCP-7777-JPのオブジェクトクラスと特別収容プロトコルは改定されました。
以下はSCP-7777-JPによるSCP-7777-JP-1の放出を停止させる為に行われた滝道博士によるプロジェクトの音声データです。
対象: SCP-7777-JP
インタビュアー: 滝道博士
<録音開始, 20 ██/8/29 >
ガチャ(ドアが開く音)
滝道博士: 久しぶりだなメンタ。
SCP-7777-JP: 博士!
ぴちゃぴちゃ(SCP-7777-JPが跳ねる音)
滝道博士: 騒ぐな!今日ここに来たのはお前と遊ぶ為なんかじゃない。お前に知ってもらいたい事があるから来たんだ。黙って聞いてろよ。
SCP-7777-JP: 分かった…
滝道博士: お前は全ての生き物の死を泣くことが出来る。俺はそんな優しい奴見た事ない。でもお前はそのせいで沢山の生き物を殺した。
滝道博士: 確かに俺たちの収容の仕方が悪かったかもしれない。それでもお前が沢山の生き物を殺す危険な奴だって事は変わらないんだよ。
滝道博士: はっきり言わせてもらう。全生物がお前の事を嫌いだ。
滝道博士: お前なんかに自分が死んだ時泣いて欲しいって思ってる奴なんて1匹もいないんだよ。ただただ迷惑なだけさ。
(12秒間音声データ無し)
滝道博士: もちろん俺も!お前の事が…大嫌いだ!
SCP-7777-JP: 博士…
滝道博士: なんだよ!
SCP-7777-JP: どうして泣いてるの?
滝道博士: それは…
SCP-7777-JP: どうして?
(20秒間音声データ無し)
滝道博士: 本当はこんな事言いたく無いからだよ!てか、お前にだけは言われたくねーよ!
SCP-7777-JP: 確かに。
滝道博士: ははは、お前には敵わないな。やめたやめた!ごめんなメンタ…俺お前の事大好きだ!
SCP-7777-JP: 本当?
滝道博士: おう!本当だ。それでさ…
エージェント泉澤: おい!話が違うぞ滝道博士!
滝道博士: あっ、そうだった。聞かれてたんだった。すいません。でも俺思ったんです。俺には身内も友達もメンタ以外には誰もいません。だから別に俺が死んだ後この世界がどうなろう関係無いんですよ。
エージェント泉澤: 何をしているのか分かっているのか!財団職員としてあるまじき行為だぞ!
滝道博士: 分かってますよ。あのー、邪魔なんで通信切りますね。
エージェント泉澤: おい!ちょっ…
ぶちっ
SCP-7777-JP: そんな事して大丈夫なの?
滝道博士: もうすぐ死ぬし関係無いよ。
SCP-7777-JP: えっ、もうすぐ死んじゃうの?
滝道博士: あぁ。もう1ヶ月も持たないかもしれない。だからさぁ…俺と一緒に来てくれないか?俺が死ぬまでの短い時間お前と一緒に居たいんだ。迷惑かな?
SCP-7777-JP: んーん。うれしい!
ざぱーん(SCP-7777-JPが水槽から飛び出す音)
滝道博士: ちょっ、いきなり飛びつくなよ!濡れるだろ。
SCP-7777-JP: えーっと、ごめんなメンタ…俺お前の事大好きだ…だっけ?
滝道博士: 真似すんなよ。恥ずかしいだろ!
SCP-7777-JP: とっても嬉しかったよ。まぁ嫌いって言ったのは許してないけど。
滝道博士: それは本当にごめんって。
SCP-7777-JP: じゃあ許してあげるから長生きしてよね!
滝道博士: おう!任せとけ!でもまずはここから出ないと。きっとすぐに財団の奴らが来る。急ぐぞ!
SCP-7777-JP: うん!
バタン(ドアが閉まる音)
<録音終了>
補遺1: 20 ██/10/15:地中海上に浮かぶ船上で滝道博士と思われる男の遺体が発見されました。即座に男の遺体の回収がなされました。
補遺2: 20 ██/10/16:地中海がSCP-7777-JP-1に汚染されている事が発覚しました。その12日後全ての海がSCP-7777-JP-1に汚染されました。当該事案により海に生息する生物の29%が死亡し、約13800種類が絶滅しました。SCP-7777-JP-1に汚染された海での生存が不可能な生物達の中には川などに生息し始めた生物も発見されました。
補遺3: 20 ██/11/6:地中海でSCP-7777-JPと思われる生物が発見されました。SCP-7777-JPは異常性がなくなっており、他のメンダコとの違いが確認できませんでした。発見から4日後SCP-7777-JPは死亡しました。
補遺4: 再度滝道博士の遺体が発見された船の捜索を行った時一つの日記が船内の便器に挟まった状態で発見されました。以下はその日記の一部を抜粋した物です。(一部読みやすくする為に漢字に変換している箇所があります。)
20 ██/9/4(快晴):今日から私が死ぬまで日記をつけようと思う。今日は日本にある私の両親が眠る墓に行った。私に友達が出来た事を喜んでくれるといいのだが。
20 ██/9/9(晴れ):今日インドに着いた。ガンジス川でメンタと遊んだからガンジス川の水質が少し変わってしまったかも。
20 ██/9/18(雨):今日ヨーロッパに着いた。最近体調が優れない。私はここで死んでしまうかも。メンタは相変わらず元気でいつも私を励ましてくれている。
20 ██/9/19(曇り):今日メンタと喧嘩した。私の事を嫌いにならないと良いのだが。
20 ██/9/20(晴れ):メンタと仲直りできた。メンタは便器の中がお気に入りみたいでいつもそこで寝てるんだ。汚いし邪魔になるからどいてって言っても全然どいてくれない。困ったな。
20 ██/9/23(晴れ):今日は特に何も無かった。きっと私が死んだ後財団はこの日記を見つけるだろう。だから一つ予言をさせてくれ、私の死体は笑っているだろう。だって今がこんなにも楽しいんだから。
20 ██/9/30(雨):薬を飲んでも症状の回復が全く無くなってしまった。私はもうじき死ぬだろう。この前私の死体は笑っていると言ったが訂正されてもらう。この時間がもっと続いて欲しい。どれだけ生きてもこの気持ちは変わりそうにない。
20 ██/10/1(晴れ):今日メンタが私の誕生日を祝ってくれた。幸せだ。
20 ██/10/4(雨):今日でこの日記を書けるのも最後になるかもしれない。死にたく無いよ。もっとメンタと生きたいよ。
20 ██/10/5(晴れ):今日からは僕が日記を書きます。博士としりとりして勝った。楽しかった。
20 ██/10/9(雨):今日博士が死んだって思った。博士は僕の目の前で寝てるのに、なんでだろう。死んだら天国に行くから見えなくなるんだよ。
20 ██/10/11(曇り):博士が死んだと思ってから他の生き物が死んだって思わなくなった。泣かなくなったし起きたら博士褒めてくれるかな?
20 ██/10/14(雨):博士が全然起きない。寂しいよ。
20 ██/10/15( ):昨日はずっと寝てたんでこれ書いてるのは16日の朝起きてすぐです。僕が泣く理由がわかった気がするので書きます。好きって気持ちを言葉で伝えるのは簡単だけど嘘だって簡単につける。博士が僕に嫌いって言った時博士は泣いてた。涙が博士の本当の気持ちを教えてくれた。だから僕は泣く。会ったこともないかもしれないけどみんなが好きだから。大好きな博士が死んだらもっと泣いちゃうと思う。涙は嘘をつけないから。
SCP-7777-JPの死亡によりSCP-7777-JPの異常性による影響は発生しないと思われるため、O-5職員の審議の結果、収容違反発生後の特別収容プロトコルの完遂後SCP-7777-JPはオブジェクトクラスがExplainedに変更されました。