夢界で生成されたSCP-001ーJPの表象の例
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: Yesod
特別収容プロトコル: 関連する職員にはミーム処置を施し、全員がSCP-001-JPをミーム侵襲深度3以上のシナプス強度で共有します。SCP-001-JPの記録物は日本支部理事会が管理しますが、原版はO5評議会の下で保存、SCP-001のスロットに登録されています。
説明: SCP-001-JPは財団の設立にあたって決定された活動方針と組織運用理念です。厳密にはSCP-001がそれに当たり、SCP-001-JPは日本支部設置に際して定められた日本語訳です。SCP-001-JPはSCP-001の下位分類としてのナンバリングを意味します。そのため、当報告書では"SCP-001-JP"は実質的に"SCP-001"を指すことに留意してください。
SCP-001-JPは現在ファウンデーション・コレクティブの中枢サーバーとして機能しています。財団で活動する職員は、その職務を通じ直接/間接を問わず1例外なくこのオブジェクトと接触することになります。そのため財団職員は全員が無意識領域にSCP-001-JPの情報素を保有しています。結果として、SCP-001-JPがチューナーの役割を果たし、財団職員たちの無意識活動は散逸することなく全てがファウンデーション・コレクティブに接続されます。
ファウンデーション・コレクティブに合流した職員の夢界実体は、オネイロイ・ネットワーク内で潜在意識の世界の正常性を保つために活動します。ただし全ての職員が該当するわけではなく、機密保持や職務上の必要など様々の都合により、精神ブロック処理を受けている者や意識活動を停止せず無意識活動を行わない者、あるいは明晰夢への適性を持たない者といった、夢界での活動が制限されている、又は他の職員と異なった様態の活動を行う職員も存在します。彼ら彼女ら2の活動 もしくは非活動 もそれが直接ファウンデーション・コレクティブに資するか否かに関わらず、コレクティブに接続した時点でその認知資源が夢素として供給され、ファウンデーション・コレクティブの活動力の源泉となります。
SCP-001-JPを中枢とするファウンデーション・コレクティブに財団職員の心的リソースが集積される仕様上、SCP-001-JPには職員の活動記録をアーカイブするという副次的な役割が期待されます。ファウンデーション・コレクティブを構成する夢素は財団職員の無意識に由来するため、夢界内データベースや主観描述記録の抽出等の手段によって記憶や知識を再現することが可能です。
補遺: 運用記録のアーカイブ
Error Log FC#001
[Error Message]
定義されたホストはファウンデーション・コレクティブに敵対的な要素を含みます。続行しますか?
(code: 000)詳細な報告: ホストに含まれる「あらゆる未知の既知化」がファウンデーション・コレクティブの存続と矛盾します。
……
[Response]
問題ない。続行。
我々の活動は本質的に必要悪だ。その存在意義からして、我々自身いつか人類にとって我々が必要でなくなることを望んでいる。命令を再定義。
私達の仕事はいつか終わる。それを踏まえた上で、望むことは1つだけ。
みなの足跡が記録されること。
振り返って、悪くなかったと笑えるような。
誰かが辿って、面白いと言えるような。
全てが終わったあとで、アルバムをめくるように、ここに来れればそれで良い。……
[Message]
定義が変更されました。ファウンデーション・コレクティブは続行されます。