カックという選択肢
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「君たちは今、原子爆弾の上に立って

BOOM!!!


日誌エントリ 0001-2

あの日、サイト-19の爆発に端を発して勃発した第三次世界大戦は、一人の死者も出さなかった  世界中に降り注いだミサイルは、何らかの力でそのあり方を変えられたのだ。

ミサイルが搭載していた核爆弾は、カック爆弾になっていた。

一体何者が? わからない。ともあれカック爆弾が降り注がせた灰、カック灰に触れたものは、皆カックになってしまった。

もしこのスーツに辿り着かなかったら、私もきっと。嗚呼。


編纂ファイル 0001-2

灰を浴びた者たちは、浴びてない者たちのカック化を開始した。

各地のサイトに設置されていた爆弾は全て変化し、職員の頭をおかしくしてしまったようだ。爆発は風や瓦礫を一切伴わず全てを透過し、精神のみに影響を与えた。

その後何が起こったか? 軽く纏めた。勝手に見ていってくれ。

関連アノマリー 各地で起きたカック行動
SCP-096 SCP-096の顔の画像がISS内で共有された。鬼ごっこは続き、現在SCP-096は地球の衛星の一つになっている。
SCP-169 ████国により「SCP-169諸島排他的経済水域」が制定され、付近で漁業をしていた相当数の他国船が立退を余儀なくされている。
SCP-662 24時間の間に、“デーズ氏”がメイド服姿で給仕をしている動画がソーシャルメディアネットワークに流布された。
SCP-610 SCP-610の改良サンプルがマクスウェリストの集団に散布された。ぐちょぐちょの肉漬けにされた彼らは、もはや「WAN♡」と鳴くのみだ。
SCP-682 自殺。

つまり、クソだ。


記録ファイル 0001-6

<記録開始>

(10代の少年が、SCP-1437の横に作られた焚火の前に座っている。ルビーの首飾りが首に掛かっている)

(知覚フィルターがオフになる。少年は一瞬警戒するも、すぐに得心のいった顔で話し始める)

少年: やあ君、また  いや、この世界では初めましてか。

ピエトロ: その、首飾りは。

少年: お察しの通り。君はこの世界でも逃げ延びたようだな。

ピエトロ: この場所  1437。ということは、君は別の世界から? それも、全人類がバカみたいになった。

少年: 話が早い。さっき起きたばっかりでね、こちらもやはり同じか、残念だ。もう一度飛び込むべきかな。

(少年が徐に目を向けたSCP-1437から、カラスのポーズをしたマネキンが飛び出す)

マネキン: ハロー! ヨガ・ラジオの時間です!

ピエトロ: ああ、報告にあった通りだ。

少年: は?

ピエトロ: そうか、君は目覚めたばっかりだと言ったな。この穴は、カックなものの吹き出し口になってしまったんだ。

少年: は?

マネキン: 五・七・九九九! 私の声が、聞こえるか? 五・七・九九九! 私はいつも、ヴェルサイユ。オウ、オウ、オウ!

少年: クソ。この世界はゴミ以下だ。もう一度世界旅行に出るとするよ。

ピエトロ: それがいいと思う。

少年: 今度普通の世界で君と逢ったら、特別にイジってやる。楽しみにしとけ、じゃあな。

ピエトロ: お手柔らかに。

(少年がSCP-1437を覗き込み首飾りに手をかけた瞬間、1437から液体が飛び出し少年の顔にかかる)

少年: ファック、私が垂れた小便だ。

マネキン: 私も君も、孵化している! みんなで孵化しよう!

<記録終了>


なんか色々あった。


日誌エントリ 0001-17

コードを入力する。このボタンを押せば、カック爆発を半ミーム性ですり抜けたSCP-055が超音速で飛来して、階下にあるSCP-579と合体するらしい。それで、この世界はリセットされる、と。

どうして? どうして誰もやらなかったんだ? たった一回。ボタンを押すだけなのに。どうして。

親指が怒りで震える。

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SCP-579

日誌エントリ 0001-18

ああ、そういうことだったのか。

生命反応が消失しました

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