はい、本日もやってまいりました。
財団けもラジオ!のお時間です!
DJを勤めさせていただきますのは、サイト-8148に所属しております、アニマル職員のことならなんでもお任せ!
財団フィールドエージェントの斑座真利奈です!
さてさて、毎度ながらこのラジオ放送は財団所属の異常性保持職員、その中でもとりわけ"アニマル職員"にスポットを当てています。
財団内での彼らのお仕事のことや、動物特有の異常性持ちだからこそ持つ悩みなんかを、財団で働く気になるアニマル職員をゲストに招きつつ、ワイワイガヤガヤと楽しく放送してまいります。
どうぞこの時間も
楽しく聞いていってくださいね~
というわけで、早速今回のゲストをお招きしているわけですけども!
いやー、オオカミというのは素晴らしいですねぇ。
世には"一匹狼"なる言葉もありますが、今回お招きしたゲストはそんな言葉なぞ無縁とばかりに非常に仲間思いな、任務のためならどんなことでもやってのけちゃう、機動部隊お-13の部隊長・・・
"汝は人狼なりや?"の三峰庵さんに来ていただいています!
本日はどうも、よろしくお願いしますね!
おう、よろしく
こうやって喋るの初めてだから緊張するな。 何を話せばいいのやら……
あはは、そうですね!
思えば三峰さんと私がこうやって面と向かってお話しするのも、この機会が初めてですね
は?
お前いっつも俺の尻尾に抱き着いてくるくせに、初めましてみたいな態度すんじゃねーよ!
おかげで俺の尻尾はお前のヨダレで……
まあまあ……私は公私混同はしない性格ですからね?
ここは"初めまして"ってことにしておきましょう、ね?
あーもう、わーったよ。
……で、何をやればいいんだ?
善知鳥博士から「何か話せ」って言われてここに来たんだが、俺には話のネタなんてねーぞ?
もちろんノープランなんてことはないですよ! 話のネタは事前に用意しておきましたから
[いくつかの手紙を机に並べる]
げ。こんな沢山の手紙、いつの間に用意したんだ!?
というわけで、
早速恒例のコーナーに入りましょう!
【財団職員みんなのなぜなに質問コーナー】
お、おい!俺の質問に答えろ!
毎回このコーナーは人気なわけですが、説明しますとですねー
このコーナーでは、ゲストに来ていただいた職員に向けてのいろんな質問や疑問を、ご本人に直接伺って答えて貰おう!
といった感じのコーナーになっております。
主に財団質問箱に寄せられたものからピックアップしてご紹介する形ですが、もちろんこの番組に直接寄せられたものも含んでいますよ!
……それにしてもすごいですねー、
三峰さんアテにこんなにも手紙が届くなんて……
女性アニマル職員の中でもさすが人気上位ランカー
っていうだけありますね!ふふ
何か変にはぐらかされた気がするが……
まあ、
その手紙を読んでいけばいいんだろ?
ですねー
一体どんな内容が寄せられているのか、楽しみですね
じゃあ早速、最初のお手紙から
えーと、サイト-8148所属のエージェント・……ああ、茉島くんからですね!
なになにー……
失礼するっす!
三峰隊長ってプロフィールデータでは女性と書かれているっすけど、これってデータミスっすか?俺には筋骨隆々な男性にしか見えないっす。
……とのこと
確かに、三峰さんは
オオカミらしい屈強なフォルムが印象的ですからね~
ウンザリするほど言ってるが、俺は女だ
それ以上でもそれ以下でもねぇ
それと、逆に聞きてぇんだが、
お前らはどうして俺らの男女差が分かんねぇんだ?
あんなにもきっぱり分かれてるのに
うーん、まあ実際、私も初めて三峰さんとお会いしたときは
強そうなイケメンオオカミさんだなぁ~とは思いましたし……
狼自体、人間からすると雄雌関係なく強そうに見えるからなのかも?
俺達からしてみれば、
言葉に表せない違いみたいなのがあるんだ。
それに人間が気が付いていないだけなのかも知れねぇが…
…どうして全員こうなんだ?俺なんかオブジェクトからも一瞬男性と判定されて死にかけたんだぞ!?
えー!そんなことが…
あれは確か…ミズ・あめあめとかいうやつの取り巻きのウマだったな
クソ硬くて厄介だった…
あはは……まあ死ななかっただけ幸運ということで!
SCiPはどんな性質を持ってるか分からないものが多いですからね
でも、三峰さんは早々死ぬ事なんてないように思いますが!
お-13の部隊実績って任務遂行能力は群を抜いてますし
……ん、何か部隊のことを褒められるとなんか気分いいな
まぁ、ただ倫理性についてはなんとも言えないですけどね……
要注意団体の構成員を『投降した場合は殺さない』からと言って、
逃亡者や隠れた人をやたらと終了させちゃったりとか……
それはよく言われることが多いな
倫理委員会からも何回か警告書来たことあるしな
でも、これに関しては俺は悪くないぞ
お前らは『人間じゃない生き物』がお前らの邪魔をしてきた時、100%殺さないことを誓えるか?誓えないだろ?
残念ながら俺らは人間じゃねえ、SCP-LOUP-JP、まあ旧称だがそう呼ばれてた生命体だ
俺らにとってその『俺らじゃない生き物』にも人間は入ってくるんだ
だから、俺らが邪魔と思った生き物は、殺す
……ちょっと物騒な話になっちまったな
まあ、財団の人間には絶対に危害は加えないぞ
それが俺らと財団との間に交わされた契約だからな
まあともかく、警告止まりなのはそれだけ財団にとって有用だと思われてるからでしょうけどね……
でもそういう血の気がやたら多いところも
男臭さを感じられてしまう原因なのかもですよ?
んー、まあそこれは仕方が無いことなのかもな……
ただ、俺が女子トイレに入っただけで通報するのは流石に止めてくれねぇか?
トイレしてる最中に突然ドアを開けられて知らない誰かさんが俺の性別を聞いてきたときには……
それは、そうですねー……ちゃんと鍵を閉めましょ
すまん、元々居た組織のトイレには鍵が無くてな、その癖が残っちまってるんだ
まぁ、そこについては追々直していけば避けられそうですね
というわけで、三峰さんはれっきとした女性で、
データミスでもなんでもない、ということです
次からトイレで三峰さんを見かけても慌てて
サイト管理官に報告しないようにしましょうね!
では次の手紙に移りましょう
えーと、次は……
サイト-8169の此木博士からですねー
SCP-LOUP-JPはオオカミ由来の生命体らしいが、それはつまり
タマネギなどの球根類やカカオ製品は摂食不可ということなのだろうか?
という質問ですね
オオカミもイヌ科の生き物ですから、これらは確かに毒です
しかし三峰さんやお-13隊員は実際どうなのか、
というのは……ふむ、実際私も気になりますね
あー、そう言えばこのことについては人事ファイルにはどこにも書いてなかったな
質問の答えはイエス
俺らはほぼほぼそう言った類のものは食べれねぇんだ
あら、そうなのですか
食べても死ぬわけではねぇが、後でお腹の調子が悪くなるんだ
俺はよく職員向けにBBQパーティーをするんだが、一回間違えてタマネギを隊員専用の串に刺してしまった事があってだな……
まあ、その後は言うまでもなく地獄だったさ
いつもの食事は柊料理長に頼んでそう言った類の食材を使ってないメニューを特別に作ってもらってるぞ
性格はともかく、あいつの腕前には感謝してるよ
うーむ、パーティで盛り上がってるときにそれは確かにつらいですね
というか、むしろ人間のほうが毒素に対する耐性が高すぎるとも言えるのかもしれないけど……
それだとバレンタインデーなんかにうかうかプレゼントなんてもらえませんね
あー、それなんだが……
その、何故か俺よくチョコを貰うんだよ
食べられないから他の職員に渡してるんだけどな
おっと
何なんだろうなアレ しかも手作りなんだよ
気味が悪くって……お前、何か知ってないか?
……だ、誰がそんなプレゼントをあげてるんでしょうね!
食べられないのを知ってか知らずか分かりませんけどっ
頑張って作ったやつ、そっかぁ、他の職員に……
まあ、うん、仕方ない、仕方ないよね……
……うーん、まあ、ダメ元だったが
お前が知らなかったらそれでいいんだ
見ている奴らに犯人がいるかもしてないから言っておくと、
気持ちだけは頂いておくからな
うん、じゃあ、この話はここまでにしておくか
ま、まあ、
それだけその人に好かれてるってことなんじゃないですかね?
好意だけでも受け取ってもらえて、きっとその方も喜んでると
思いますよ……ええ、ははは
っと、じゃあ次のお手紙、いっちゃいましょうかー
んー、次は、これですね。エリア-8138所属の、仁田研究員から
これはイヌ科のアノマリー全般にいえる疑問なんですが、視覚よりも嗅覚で人を判断したりするんですか? きっと色情報などは認識できないんじゃないかと思うので、気になって質問しました
……とのこと
そういえばオオカミ、というかイヌ全般、
『鼻が利く』とは言いますものね
自分で埋めたものの場所なんかをすぐに特定したりとか、犬の得意分野みたいなところですし……
オオカミである三峰さんも
そうなんでしょうか?
あー、ちょい待ち、まず俺は厳密にはオオカミじゃねぇ
確かにベースは殆どがオオカミなんだが、それ以外に色々な遺伝子を組み合わせて出来た存在なんだ
それを踏まえて言うんだが、
俺は人間と同じくらいに色はちゃんと視える
赤という色も認識できるからな
ただ、それが人間よりも鮮明かって言ったら
……どうなんだろうな?
ふーむ、なるほど
そもそも純粋なオオカミではない……雑種?
雑種というよりは、そうだな、
「SCP-LOUP-JP」という一種の生き物なんだ
オオカミに似ているが、別種だ
視覚や嗅覚もオオカミとは違うぞ?
まあ、基本的には人間と同じだ
視覚と嗅覚で判断する感じだな
少し嗅覚に偏るが
なるほどなるほど、じゃあ目を塞がれても人間よりは鼻で誰かが判別できちゃう、と
まあ、そんなことだ
ふーむ……ちなみに、ちなみになんですけど、私はどんな匂いがします?
……あっ、えっと、特に他意はないんですけど、ちょっと気になったので聞いただけですよ?
ああ、こういう匂いってあんまり形容出来ないことが多いんだが、お前の匂いだけは何んとなーく分かるぞ?
犬と、猫と、鳥と、鼠と…色んなケモノが混ざった匂いだな
今はそれに、強いイタチっぽい匂いが混ざってる……さては、
これの前にアマハルと触れ合ってきただろ
お前、ちょっと前に接触が制限されてなかったか?
ちょ、ちょっと!? これ生放送ですよ!?
その件はちょっと……
あ、あの、せ、制限っていうか、ちょっと距離を
置かれてるだけっていうか、その、なんといいますか
…って、ヘンな誤解をリスナーに与えないでくださいよ、三峰さん!!
あはは、すまんな
まあ、こう言っておけばお前にもいい薬になるだろうしな
確かに動物を愛でたい気持ちも分かるが……
いい加減、過度な接触は止めろよ?
うぅ……だって、私本当に動物が好きなんですもん…
財団日本支部はほかの支部と比べてアニマル職員も多いですし…
……はぁ
なら一度81ILに遊びに来ないか?
あそこは結構動物系職員が多いと感じるぞ?
コウモリやキツネ、ドラゴンなんかもいたりするな
えっ、いいんですか!?
ていうか、ドラゴン!!
そういえば龍人タイプのアニマル職員は今まで見たことないですね
まあ火は噴けないが、愉快な奴だぞ?
職員の中には共感性羞恥が働くと言っている奴もいるがな
アイツ、いっつも中二設定を抱えながら生活してるんだ
そしてその言動もその設定に従っている
ちょっと面倒くさいがな、根は良い奴だ
中二タイプのドラゴン…
かわいい……
いろんな性格の方がいらっしゃるんですね……
なるほどー、サイト-81IL……是非足を運ばせていただきたいです!
一度上司に許可を取る必要はあるでしょうけど、その時になったらよろしくお願いしますね!
それに関しては、俺が善知鳥博士に掛け合ってみるよ
アイツ、お前みたいなイロモノが好きだからな
……私、イロモノ扱いされてるんですか
そうだな
お前、鷹井研究員とほとんど同列に数えられてるからな
で、でも私はそんなぱっと見で異質な感じはしないでしょう!?
写真に撮られた時くらいしか発露しませんし!!
結構イロモノじゃねぇかよ……
まあいい、とりあえず善知鳥博士に掛け合ってみるからな
多分監視は付くだろうが、許可は下りるだろ
わかりました
その時を楽しみにしていますね
さて、少し本題から逸れてしまいましたが、
要するにオオカミ的な要素はあるけど完全にその性質を引き継いでいるわけではない、ということですね
まあ、そうだな
オオカミとは違う生き物だと思ってもらえればいい
ふむふむ。
ひとまず、仁田研究員の疑問はこれで解消できたかな?
というわけで、次のお便りに移りましょう
えーっと、次は……サイト-81██所属、エージェント・イチさんからですね
…んーなんか、封が固いですねこれ…
あー、あのビックリウサギか
一体何の質問が入ってるんやら…
同じアニマル職員からのお便りですからねー
気になりますよね うんしょーーー ぐうっ
へぇ固いのか、
貸してみろ、俺が開けてやる
あ、そうですね!
三峰さんならきっと開けられるはず…
[手紙を手渡す]
あーこれは瞬間接着剤で封されてるみたいだな
あいつらしいな
紙に瞬間接着剤って、
またなぜそんな面倒なことを…
ちょっと待ってろ…
よし!開い…