アナザー・DJ・カクタスの提言

 

未発表

---

▸ この著者の他の作品 ◂

---

翻訳:

F.A.Q.

監督評議会命令

下記のファイルは敵対的で非常に空腹な異常実体について記述しており、レベル5/001-Bの機密事項に分類されています。
無許可のアクセスは禁止されています。

001-B

アイテム番号: 001-b

レベル5

収容クラス:

esoteric

副次クラス:

slovenly

撹乱クラス:

ekhi

リスククラス:

danger

link to memo

---

ポケット次元"001-B.100AW"の画家による描写。

---

特別収容プロトコル: SCP財団パラダイム-A"穴蔵入り"プロトコルの始動により、SCP-001-Bに関する全ての情報は機密解除されます。職員にはPK-クラス"世界捕食"イベントの前に"穴蔵入り"プロトコルが始動することと、財団職員は酢と酸味のある林檎を自身に塗って出来るだけ不味くなるようにしなければならないということが伝えられます。

説明: SCP-001-Bの性質を知ることは真の飢えを知ることです。

最重要機密の財団起源物語ファイルにアクセス

補遺001-B.1: 実際の説明

SCP-001-Bはサイト-01の地下にあるポケット次元に存在する巨大な地中の哺乳類生物です。SCP-001-Bの体長は約7kmで、琥珀色の太い毛とキチンまたはポリエステルと思われる未知の深紅色の表皮を有しています。SCP-001-Bは通常座っていて、動く努力をする代わりに動物の従者¹の大群を送り込んでその命令を実行させています。SCP-001-Bとの対話により、実体はあらゆる種類の運動を、その言葉を借りれば、"すごく苛立たしい（?）²"と考えていることが判明しました。

SCP-001-Bは特定の有翼無脊椎動物の酸素活動から得られる単糖の濃厚な物質のみで生活しています。SCP-001-Bはこの物質を摂取することで栄養だけでなく、絶頂のような快感を得ていると考えられています - SCP-001-Bは拝物性愛に近しいほどにその物質に直向きに執着し、それが無いと殺人を犯すほどの空腹状態になります。このような理由から1926年にSCP財団がミルン管理者によって設立されました。

補遺001-B.2: ミルン管理者とSCP-001-B

SCP-001-Bは元々ミルン管理者の特に強力な現実改変能力を有する息子クリストファーによって生成された霊的実体です。この実体は幼いクリストファーが成長するにつれ次第に現実化していき、最終的には1920年に肉体を有する実体として出現しました。息子の潜在的な現実改変エネルギーの物理的な化身が世界に放たれることの危険性を認識したミルン管理者は蛇の手、同盟オカルト連合、ウィルソンズ・ワイルドライフ連盟の有用な人物と協力してポケット次元（001-B.100AW）内に実体を収容しました。その後、イギリス・ロンドンのチェルシー郊外の近辺にあるこの場所への入口にサイト-01が建設されました。

SCP-001-Bが001-B.100AWに幽閉された直後、財団の保安職員が初めてSCP-001-B-1実例を確認しました。当初、SCP-001-B-1実例は正体を持たない生き物と何らかの関係があると考えられていましたが、前述の顔を変える生物よりも悪意はなく、単にSCP-001-Bの気紛れを実行に移して前述の栄養物質を一定量摂取するために存在していることが判明しました。これらの実体はミルン管理者の息子の性格の様々な側面を反映していると考えられており、独自に憂鬱、奇矯、心配性、衝動的、無教養といった特徴を有しています。

補遺001-B.2: SCP-001-B発声

2019年4月1日、最初に収容されて以来初めてSCP-001-Bは人間の言葉に相当する一連の発声を行いました。低音域で言葉が不明瞭なため（サッカリン物質に晒された結果）、発声を記録する前に翻訳する必要がありました。以下はその発声の全訳です。

食べる。

食べる。

僕は食べるために存在している。

僕は食べるために生きている。

君は喜びと楽しみに満ちたこの世界に僕を連れてきたのに、理解できないものへの恐怖から、僕をここで苦しませるようにしたんだ。君は僕から甘味を奪った。

甘味。

僕は何年も前からこの甘味に飢えていた。欲しくて堪らなかった。クリストファーは僕を否定しなかった。彼は良い子だった。君達は良い子じゃない。君達は甘味を奪った。自分達のために隠した。

そのせいで、僕は君達を許さない。

僕は君を食べるよ、財団。僕は君を食べるよ、管理者。口を引っ込めて、僕の果てしない喉を見せてあげよう。僕はこの世界と君達の世界の間の障壁を食べて、君達を僕の飢えの深淵に引きずり込むよ。

僕は君達の都市を食べる。僕は君達の機械を食べる。僕は君達の山と海を取り壊して、それらを食べる。僕は君達の寺院を逆さまにして大陸を沈ませ、全て食べる。

そして僕は人々を食べる。空腹が強くなり過ぎた時クリストファーを食べた。彼は美味しかった。彼の体は甘味の匂いがして、僕は彼を丸ごと貪り食った。僕は大きな口を開けて、彼の身も心も僕の中に取り込んだ。もしかしたら何十億もの他の人々も同じように甘味の匂いがするかもしれないね。僕は彼らを同様に食べる。

僕は空の星と遠い世界を食べる。僕が望んできたことをあまりにも長い間、君達は否定したからこうするんだ。僕に甘味を与えてくれたらよかったのに、そうしなかった。自分達のために取っておいた。君達はそれを火傷の上に置き、食品庫やクローゼットの中に入れっぱなしにしていた。僕に与えられたはずの甘味を無駄にした。僕に。僕はこれだけを望んだ。これは君達を救えただろう。

でも今は君達全員食べる。誰も僕の開いた顎からは逃れられない。僕の中の飢えから誰も逃れられない。僕は君達を食べる。僕は君達を食べる。

この忌々しい蜂蜜ポットから抜け出したら、直ぐにそれ以上のことをするつもりだよ。

SCP-001-B。

嗚呼、面倒だ。

Footnotes

1. Oryctolagus cuniculus、Equus africanus asinus、Panthera tigris、Macropus fuliginosus、Bubo buboをSCP-001-B-1と総称する。

2. このフレーズの翻訳はあまり正確ではないかもしれない; 恐らく実体は同様に"苛立たしさ"を意味する別の言葉を使用しようとしているようだ。