文書096-1
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文書 #096-1, 実験 096-1

実験はダン博士の指揮のもと行われた。目的は、SCP-096の能力の検証と、SCP-096の完全な外見についての情報を得ることである。

D-9031は32歳の重犯罪者で、かつてはタトゥーアーティストだった。D-9031はニュージーランド沖のトンガ海溝に沈められた潜水球303-Aの中に配置された。この位置はサイト██のSCP-096一時収容セルから約███キロメートル離れた位置だった。以下は潜水球303-A内の監視装置からニュージーランド本島にあるダン博士の実験管理室へ元へ届いた記録と会話を文字に起こしたものである。

潜水球が最終深度10,800メートルに達した。

D-9031: 止まったみたいだぞ。どうすんだ?

ダン博士: 体調は大丈夫かね?どこか悪いところはないかね?

D-9031: 耳が痛いかな。

ダン博士: 想定の範囲内だな。さあ、君の左手のところにスチール製の容器があるだろう。それを開けたまえ。中にはフォルダに入ったいくつかの写真がある。それを取り出して、最初の写真について説明してくれたまえ。

D-9031は指示に従った。カメラは、写真が見えない位置に配置されている。

D-9031: 何も映ってないぞ。空の部屋かな。

ダン博士: ありがとう。ではその写真は君の右手にある容器に伏せた形でいれて、その後次の写真を見てくれ。

D-9031: 同じ部屋だな。でも…足みたいなのが見えるな。

ダン博士: 詳しく説明を。

D-9031: あー….青白くて骨ばってて、なんだか気色悪いな。

ダン博士: その写真も、伏せて、容器に入れて、そして次の写真を同様に説明してくれたまえ。

D-9031: あいよ… [少し固まって]なんじゃこりゃあ!

ダン博士: 写真を説明してくれたまえ。

D-9031: こりゃあ、見たこともねえ…気持ち悪くてケツの穴が締まりそうなヤローが写ってやがる。

ダン博士: 詳細に説明を頼む。

D-9031: 畜生、わかったよ!肌がクソ青白くて、目ン玉が白くて、口がメチャクチャのグチャグチャのワケわかんねえことになってやがる。何だよこのバケモノ?

この時点で、時刻は世界標準時で13時32分、ダン博士の実験管理室にSCP-096の脱走の報告が入った。SCP-096-1への最短経路からは民間人や他の撮影機器が遠ざけられた。SCP-096の位置は追跡首輪を通して衛星から追跡を行った。

ダン博士: 君の右手に、もうひとつスチール製の容器があるだろう。開けたまえ。

SCP-096-1: メモ帳と、鉛筆がある。

ダン博士: うむ。それに、君が見た写真をスケッチしてくれ。

SCP-096-1はボソボソと何か口汚く呟きながら、12分かけて写真をスケッチした。書き上げた地点で、SCP-096はSCP-096-1から███キロメートル離れた位置にいた。

SCP-096-1: 終わったぜ。

ダン博士: よろしい。では描いたものを左手の容器に入れて、フタをしてくれたまえ。

SCP-096-1は指示に従い、スケッチは潜水球303-Aの防水浮揚性容器に収められる形となった。他の写真は搭載された焼却装置で焼却された。

SCP-096-1: で、次はどうするんだ?

ダン博士: 少し待ってくれたまえ。

4分が経過した。この地点でSCP-096がSCP-096-1の位置を発見して、水中に潜っている。水深9,339メートルの地点で発信機が水圧のため壊れ、信号が消失した。カメラには、潜水球が少し揺れているところが映っている。SCP-096-1の反応から、SCP-096が外殻に張り付いて覗き窓に姿を見せているものと思われる。

SCP-096-1: Oh fuck! Shitshitshit! なんだこいつは?!

潜水球303-Aが破られたため、映像と音声がカットされた。SCP-096は水上にて、チームFoxtrot-303-Aの手で何事もなく回収された。SCP-096のスケッチも同様に回収され、すぐ実験した結果、SCP-096が危害を伴う反応を起こすことはなかった。

SCP-096は無期限の収容のために移送され、スケッチはニュージーランドの実験管理室に送られた。

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