下記はSCP-860-1の探査ⅢおよびⅣに記録の写しです。
探査Ⅲは██/██/████。
探査Ⅳは██/██/████。
探査Ⅲ
(D-2562は35歳、白人男性、体格は良好。精神的背景として[データ削除済]。被験者は圧力が掛かると暴力的な行動を取り、██名の人間を殺害したと記録されています。D-2562はLEDライト、中継のできるハンディカム、管制室の███博士と連絡の取れるオーディオ・ヘッドセット、さらに消防斧を装備。)
D-2562はイングランドの██████にある██████通りの███████氏の家に続く扉にSCP-860を挿し込む。鍵を回し扉を開くと、SCP-860-1が現れる。D-2562は二の足を踏むが、扉を通り抜ける。2歩進むと、大きなバタンという音が聞こえる。D-2562は素早く振り返る。巨大なコンクリートの壁に取り付けられた扉が閉まっている。
D-2562: こりゃ…なんだ?
███博士: 斧で扉を壊してみてください。
D-2562: あー…大丈夫なのか?
███博士: 指示通りにしてください。
D-2562はカメラを壁と自分が映るように地面に置き、扉に斧を向ける。4回扉を叩くと、素早く振り返る。
D-2562: ████!聞こえたか?
███博士: 特に音声は拾っていませんね。
D-2562: ███████の大きな轟音、人の、聞こえないわけ―
███博士: 落ち着いて、仕事を続けてください。
D-2562は森を見続けている。
███博士: D-2562、同意書を思い出してください。もし指示に従わないのなら―
D-2562: ああ、わかってる、ただ…大丈夫…大丈夫だ、心配ない…
D-2562は扉の破壊を続ける。扉を2回叩くと、小さな木の欠片が飛び散る。これに励まされたのか、D-2562はされに激しく扉を叩く。9回欠片が飛び散った後、非常に大きな轟音が聞こえる。D-2562は叫ぶとカメラに向かって斧を振り回し始める。大きな[データ削除済]の足がレンズの前に現れる。D-2562は襲いかかり、[データ削除済]。その後、[データ削除済]音は██時間鳴り、バッテリはまだ残っているにもかかわらず、何の前兆もなしにカメラは止まる。███博士は██時間後、音声を編集する。
探査Ⅳ
(█████(以下被験者-1)は41歳、アフリカ系アメリカ人男性、平均以上の体格。精神的な問題はなし。被験者は探査を志願しました。被験者-1はLEDライト、中継のできるハンディカム、管制室の███博士と連絡の取れるオーディオ・ヘッドセット装備。)
被験者-1はサイト-██の空室に続く扉にSCP-860を挿し込む。鍵を回し扉を開くと、SCP-860-1が現れる。被験者-1は扉を通り抜ける。2歩進むと、大きなバタンという音が聞こえる。
被験者-1: 扉はただ閉まった、だよな?
███博士: はい。道なりに進んでください。出口は先にあります。
被験者-1は道なりに歩く。木立が以前の探査と顕著に変化している;霧はわずかに赤みを帯び、解読不能な低い声がオーディオを通して聞こえるが、被験者-1は気づいていない様子。被験者は123m進む。
被験者-1: 説明されたものと違う場所みたいだぞ、先生。こんなんで―待ってくれ。なんだ?
被験者は立ち止まる。道がふた手にわかれ、一方は砂利道。
被験者-1: んー、先生?どっち…どこに向かえばいい?
███博士: これは…えー、新しい方。以前私達が見たことない方を。
被験者-1: …了解、つまり―[叫び声]あぁ、████!
被験者-1は振り返る。道は消えている;たくさんの木々に替わっている。霧は突然[データ削除済]に変わり、低い声の音量が増加する。
被験者-1: [叫び声]████、先生、████どこに向かってるんだ?この音はなんだ?
███博士: 落ち着いて、砂利道を進んでください。
被験者-1: 俺は███████なモルモットじゃないんだぞ、先生、ただ志願して、俺は―[叫び声]あぁ、なんてこった!
███博士: どうした?█████、応えるんだ、何を見た?
被験者-1は叫ぶと、砂利道に向かって走りはじめた。低い声は突然聞こえなくなり、被験者-1の叫び声だけが響き渡る。143m走ると突然カメラを地面へ放り投げる。被験者-1の悲鳴は終わる。カメラは森の方向を向いている。霧は更に濃くなり2m先の視界は完全に遮られている。
███博士: █████、聞こえますか?
被験者-1: [データ削除済]
███博士: █████?
被験者-1: [データ削除済]
███博士: ああ、クソ。
それ以上被験者-1からの応答はなし。カメラのバッテリが切れる3秒前にとても低いノイズが聞こえる。ビデオ映像を解析すると最後の1秒に少しだけ黄色い影が映る。後に拡大した音声ファイルは こちら。███博士の提案により音声を逆再生:修正したファイルは こちら。