回収したUIU文書
品目#258検査の音声記録
場所: ネバダ州グルーム・レイクの米国空軍施設
前書: 品目#258はエクスカリバー計画- ██によって開発された未使用の人工衛星であり、SDI-██システム"Xye"の為に開発された。この検査は品目#234(SDI-██システム"Xye"の中心的な構成要素)への理解に繋がる情報の収集と、その修繕を目的とし実行する。"R"と"N"は宇宙探査の経歴を持つ工学技師である。"E"と"A"はこの処置を監督する捜査官である。
<記録開始>
R: このパネルからはパイプが見当たらないぞ…ただ見せかけか?
E: おそらくそうだろう、まだどうやって動いているかさえ判っていないんだ。
N: 上方のアクセスポイントを開放する。
金属音が聞こえる、"N"から唸り音が伴う。
N: 何だこれは-?
R: うわ-そりゃ血か?
N: 違う、血より明るく不透明だ、そして-
鋭い呼吸音が聞こえる。
N: 鉄のような匂いだが、これは違う。
A: どんな匂いなんだ?
N: 分からない。R、こっちに来てくれ、ラボにサンプルを持って行ってくれ。
R: 了解。
"R"が退出する音が聞こえる。
N: 検査を続ける。
湿った柔らかい音が聞こえる。
N: 部品23、24、27…が紛失している。驚きはしないが、すべての太陽エネルギー転換の為の部品が無くなっている。多くの配線がある、必要以上にだ。光ファイバのように見え、すべて淡い灰色をし、きつく束になっている。待ってくれ…電荷がない、ということは電気系ではない…ここは妙に暖かいな。
E: 内部温度は?
N: …摂氏37度だ。
A: その中は-
N: 98度。
A: …奇妙だな。
N: 確かに奇妙だ。本当に多くの配線がここにあり、元々の部品がかろうじて少し見えるぐらい-待ってくれ。
E: どうした?
N: 何かを…見つけた、これは私が認識する限り部品ではないと思うが-嘘だろ、これは-
かき回して探す音が聞こえる。
N: これは乱れていて-容器を形成していて、私にはこれが何で出来ているかは分からないが、金属ではない…配線はこの物体に集まっているようだ。
A: 大きさは?
N: おそらく幅最大25cm、厚さ最大15cm…とても軽い。
A: 何-
N: 暖かい。
A: 同じ温度か?
N: 暖かい…
A: N?
E: N、大丈夫か?
N: 十分にあったかいかしら?
E: N、何を-
N: さあ眠りましょう…あったかく心地よい…
A: クソ。
E: 彼を外へ出すんだ。直ぐにだ!直ぐに彼を出すんだ-開放しろ!
大きな鞭の音が聞こえる。"N"は泣いているか、笑っているようだが、不明。
A: ああ、そんな-
E: それを彼から引き離すんだ-
A: 更に長くなっている-
E: これは光ファイバじゃない-
N: [データ削除済]
E: 彼は誰の事について話したんだ?!
A: 配線を切れ!
<記録終了>