終焉観測: 21813

U設定: #58|地域設定: 地球|言語設定:日本語

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アトラント エンドポイント

基礎概要

終焉地点名称: アトラント
└ 一般的な物理法則の作用する岩石惑星です。

所属宇宙: ユニバース58
└ 少数ながら文明が確認できる宇宙です。文明間の交流が稀であり、文明の発達速度に限界がある関係上、中等規模の文明が多く存在する傾向になります。

介入深度: VIII
└ エルマにより以下の活動が行われました。

  • 滅亡回避の手引き
  • 技術供与
  • アトラルでの生存者保護

終焉要因: 母星崩壊・入植失敗
└ アトラントは宇宙規模の災害に罹災したことで崩壊しました。アトラント人は新天地を求めて入植地を捜索しましたが、失敗しています。





終焉地点概要

アトラントは終焉済の惑星です。アトラント歴3612年に惑星アトラントの存在する星系の恒星が超新星爆発を起こし、惑星アトラントはこれに巻き込まれることで崩壊しています。

アトラントという名前は現地の古語で「青い海」という意味であり、アトラントが海洋惑星であることに因んだ名称です。アトラントに存在していた知的生命体は約91億6千万体であり、内訳は約97.83%が人類種、約1.1%が機械生命体、残り約1.07%は分類困難種でした。アトラントには民族的特徴で分別された複数の国家が存在し、国家間に国力差こそあるものの、紛争等の発生は稀であり、交流も盛んでした。

エルマが超新星爆発の予兆観測に成功したため、現地エルマ支部を仲介してアトラント覇権国家に滅亡が警告されました。アトラント覇権国家は諸国に協力を集い、惑星規模の滅亡回避プロジェクトが開始しました。エルマはこのプロジェクトに対し、アトラントの文明規模で現実的に実現可能な回避方法を示し、技術供与を行いました。

アトラント人は、アトラントの衛星を解体することで物資を調達し、星間航行船の建造に成功しました。この星間航行船は直径約5 kmの中心円盤、その外側を環状に取り囲う幅やく12 kmの第2円盤、その更に外側を環状に取り囲う幅約20 kmの第3円盤、それを囲うシールド展開用のタキオンリングで構成されており、中心円盤では動力炉など星間航行において重要な装置を格納しており、第2円盤には居住区が存在し、第3円盤には自然環境の再現や農業が行われる自然区画が存在しました。

また、入植先の先住民により入植を拒否される場合に備え、対人/対物エネルギー兵器やエネルギーシールドが搭載されている他、入植先の環境を変化させるテラホーミング気象兵器が搭載されているなど、侵略を想定した兵装も完備しています。星間航行船は宇宙空間に遍在するダークエネルギーを吸収することで動力源としており、ほぼ永久に航行が可能です。

星間航行船への搭乗を希望したアトラント人はこの星間航行船を利用し、数世代に渡って新天地を捜索することを決定し、アトラント歴3601年に惑星アトラントを発ちました。




アトラル=エルマ天導台 検分

星間航行:

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防衛システム

星間航行船は問題なく稼働し、天の川銀河に存在する岩石惑星を目標に航行が開始されました。この惑星はユニバース#058主要惑星の1つである地球です。到着には34世代に渡る航行が必要であり、多くの乗組員は星間航行船で一生を終えます。この長期間の航行の最中には複数の事件が発生しましたが、何れも深刻な問題には発展せず、星間飛行船は太陽系外縁に到着しました。

星間航行船は地球まで約7,500万 km地点まで接近した段階で自動着陸シークエンスに移行しました。この時、地球から熱光線が照射される攻撃を受け、エネルギーシールドが破壊される事件が発生しました。シールドを貫通した熱光線は星間航行船の中心円盤に直撃し、星間航行船は機能を停止しました。この攻撃は、地球に設置されていた軌道衛星の防衛システムから自動で照射されたもので、地球が人類種に支配される以前の古代文明が設置していたものであり、地球人類種の意図する攻撃ではありません。

不時着:

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アトラント人による入植地

星間航行船は手動による操作で地球大気圏への突入を余儀なくされました。34世代に渡る星間航行の中で、手動操作技術の継承は失われており、星間航行船は不安定な挙動で地球へ突入しました。その結果、星間飛行船は北大西洋にかつて存在した名称無しの大陸の湾に落下し、落下の衝撃で星間航行船の航行機能は完全に破壊され、星間航行船の下部が地中に埋没しました。この落下で乗組員の多数が死傷しました。

星間航行船の生還者たちは、星間航行船の無事だった機能を利用し、入植地の建造を開始しました。この入植地は星間航行船の上部に築かれ、都市化しています。また、当時の地球はアトラント人にとっては快適な環境とは言えなかったため、アトラント人は無傷だったテラホーミング気象兵器を起動し、地球環境を温暖化させています。このテラホーミングの痕跡は地球文明の記録に残されており、当時の有力国家ヒッタイト帝国など複数の国家は、温暖化を起因とする旱魃に関して、周辺国家へ食糧援助を要請しています。

アトラント人が築いた都市は、後にアトランティスと命名されます。当時の有力国家古代ギリシャ国はアトランティスについて記録しており、かつて地球に存在した別文明との混同があるものの、その内容は詳細であると評価されています。アトラント人はテラホーミングの後に、地球の有力文明へ侵略を開始しますが、アトランティスの情報が詳細に残されていることは、その侵略活動が精力的であり、他の国家に注視されていたことの証左です。

侵略行動:

アトラント人達は星間航行船が受けた攻撃について、地球文明が意図的に行った攻撃であると誤認していました。アトラント人議会は種の存続のために侵略を決断し、当時有力国家が密集していた地中海周辺へ進軍しました。34世代に渡る航行の中で軍事的な訓練は疎かになっていたため、練度の低い軍が結成されましたが、アトラント人が星間航行船に搭載されていたエネルギー兵器を取り外し利用したため、アトラント人は兵器の能力で他の文明を圧倒しました。以下は時空間跳躍で調査できた侵略活動に関する遷教師の手記抜粋です。

ミケーネ文明(地球西暦 紀元前1196年)
ミケーネ文明はエーゲ文明を構成する都市国家であり、当時の地球文明に於いては有力な国家であったが、アトラント人の用いたエネルギー兵器により即座に壊滅した。その後も周辺のエーゲ文明系の都市国家を一方的に侵略した。アトラント人は生き残ったミケーネ人を放置し、次の都市を制圧すべくアトランティスに引き返した。

ヒッタイト帝国(紀元前1195年)
ヒッタイト帝国は優れた製鉄技術を持つ帝国国家であり、古代オリエントにおける覇権国家である。内紛により国家運営に陰りが見えていた中、アトラント人によるテラホーミングで飢饉が発生してしまい、国力は大きく衰退していた。ヒッタイト軍は懸命に防衛したが、エネルギー兵器の前に溶けた鉄装備だけを残して蒸発した。

ウガリット(紀元前1195年)
ウガリットは貿易都市であり、周辺国家との外交も密だった。そのため、他国経由でアトラント人の進撃を知っており、侵略に備えた防備を行っていた。しかし、ウガリットによる抗戦を記録した資料は少ない。都市が誰の眼にも止まらない速度で滅ばされたか、生き残りがほとんど居なかったか。

エジプト文明(地球西暦 紀元前1190年頃?)
ウガリットを滅ぼしたアトラント人は南下し、エジプト文明と衝突した。ここでアトラント人の快進撃は終了することとなる。エネルギー兵器が破損し、多くのアトラント人が戦死、或いは捕虜となった。エジプト側がなんらかの原始神格を召喚し、この神格がエネルギー兵器を焼き払ったのだ。

アトランティス滅亡:

エジプト文明への敗北から程なくしてアトランティスは侵略を受けました。シベリアで隆盛したダエーバイト文明は特異なアーティファクトを操ることができ、テラフォーミングの元凶がアトラント人だと察知していました。テラフォーミングの影響で氷河が大量に融解し、水害によって大きな被害を受けたダエーバイト文明はアトランティスに最新兵器を差し向け、アトランティスを破壊しました。

この最新兵器は立方体の巨石であり、シベリアから北極圏を越えて射出されました。巨石はアトランティス大陸に着弾し、巨石内部から人型の特異実体が出現しました。この特異実体は褐色肌に悪魔の顔を模した魔術的な刺青が施された特徴を有しており、生物兵器として運用されたと推測されます。

特異実体は絶大な能力を有しており、約7日間に渡り破壊行動を行い、アトランティスを完全に破壊しました。この際、星間航行船の中枢区画が複合崩壊によって爆発し、アトランティスは大陸ごと消滅しました。地球へ入植していたアトラント人は、エジプト軍に捕虜にされていた人員を除き、この爆発で全滅しました。程なく捕虜たちも処刑されているため、惑星アトラント滅亡時点でエルマが保護したアトラント人を除き、アトラント人は全滅したことになります。

アトランティスに差し向けられたダエーバイト文明の生物兵器は、アトランティス消滅の際に爆死と思われていましたが、再生/現存が確認されており、現在は地球に存在する覇権正常性維持機関により管理されています。

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