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パレジミニ エンドポイント
基礎概要
終焉地点名称: パレジミニ
└ 一般的な物理法則の作用する岩石惑星です。
所属宇宙: ユニバース523
└ 複数の紛争宙域が存在する要注意宇宙です。ただし、パレジミニが紛争に参戦していた事実はありません。
介入深度: I
└ エルマによる発見時点で文明が消滅しており、介入の対象が存在しません。
終焉要因: 自滅?
└ かつて存在していた支配種によりパレジミニの環境は破壊されています。
終焉地点概要
パレジミニは終焉済の惑星であり、現在は知的生命の存在を確認できません。
パレジミニでは中等規模の文明遺構が各地に点在しており、かつての支配種が一定水準以上の文明を興していたことを示します。遺構に存在する文明的痕跡から複数の文書を獲得しており、かつてパレジミニには複数の国家が存在し、パレジミニ歴で約12年に渡り軍事緊張が続いていたことが明らかになっています。この軍事緊張は思想イデオロギー的対立に根差しており、解決は困難だったと予想されます。
パレジミニ全域に、一部金属に対して強い腐食性を示す有毒物質(以下、パレジミニ有害物質)が蔓延しています。この汚染蔓延はこの国家間緊張が原因であると思われますが、有害物質による環境への干渉は限定的であり、パレジミニ終焉の直接的な原因ではないと考えられています。詳しくは天導台の検分を確認してください。
パレジミニの極点付近には不明な大型機械の残骸が大量に存在します。この大型機械はパレジミニに存在する遺構群ともの意匠が異なる他、搭載されている機構の技術力はパレジミニのものを大きく凌ぎます。残骸群の上空には空間の損傷痕と思われる不可視の歪みが存在しており、時空間断裂或いは空間兵器による干渉が示唆されています。
アトラル=エルマ天導台 検分
パレジミニ有害物質:
遺構などから発見されている情報から、パレジミニ支配種は有機的な生物種であり、地球人類と類似する特徴があります。パレジミニ有害物質は有機生命体に対しては無害であり、化学兵器として有毒物質が散布された可能性は疑問視されています。有害物質はパレジミニで一般的な物質であり、各国の工場で大量かつ安価に生産されていたと思われます。
パレジミニ有毒物質は、パレジミニ固有物質"パレジミニM-08"に対して強く作用し、急速に腐食/崩壊させます。パレジミニM-08は加工が容易且つ強靭であり、方法によっては暗黒物質や反重力物質へ加工が可能です。当初、天導台は、パレジミニM-08を軍事利用した兵器への対抗策として、パレジミニ有害物質が散布されたと推測しましたが、パレジミニ上に存在するパレジミニM-08鉱脈は、地中深くに存在することからほぼ全てが手付かずの状態で放置されており、採掘された痕跡を発見出来ませんでした。
極点の残骸群:
残骸には着地の衝撃を和らげる緩衝チャンバーが設置されており、航空機の一種だと推測されますが、揚力/推進力を得るような機構は存在せず、特殊な方法で飛行する能力を有していたと推測されています。自由落下を想定していた可能性が指摘されましたが、残骸の中にはパレジミニの対空砲兵器で撃墜させられた痕跡を持つ個体も存在することから、あまり支持されていません。
残骸はパレジミニM-08で構成されていることが判明しています。パレジミニM-08を利用した反物質加速器が存在しており、指定座標に照射された反質量が空間を破壊することで位相空間内ゲートを発生させることが可能です。この位相空間内ゲートは、ゲートを構成している反物質が物質と対消滅することで時間経過と共に消滅します。蔓延しているパレジミニ有害物質の影響により、この機能を発動できる機体は存在しません。
パレジミニ各国の記録には、極点付近に不明な航空機の出現が記載されており、各国間の軍事緊張の中で他国の新兵器に畏怖していた様子が示されています。この不明な航空機は残骸と同一の物であると考えられ、パレジミニの覇権国家が撃墜に成功しています。
撃墜後、航空機の調査が覇権国家により行われ、航空機に搭載されたテクノロジーがパレジミニに於いてはオーバーテクノロジーであることが明らかになりました。結果として、パレジミニ各国は、航空機はパレジミニ外の存在であり、各国共通の敵性存在であると認識し、各国の連携が始まりました。背景には、軍事緊張を円満に解決したいという各国政府の内情が存在していたと思われます。程なくして航空機にはパレジミニ有害物質が有効であることが発見され、軍事緊張緩和の祝砲代わりに世界中でパレジミニ有害物質が散布されたことが明らかになっています。
回収された文書:
残骸群の1つにパレジミニ覇権国家宛の文書を積載した残骸が発見されました。文書の内容は概ね以下の通りです。
- 我々は敵ではない。
- 我々は未来のパレジミニ覇権国家である。
- 観光タイムマシンを撃墜しないでほしい。
- 撃墜してしまったタイムマシンは記録から完全に抹消して欲しい。
文書の内容が正確であった場合、タイムマシンとされる残骸が飛行していた原理が説明できます。パラドックス飛行と呼ばれる飛行原理であり、タイムパラドックスの際に発生する因果のループを利用します。これはアトラルを含める多くの先進文明では禁止されている飛行方法です。
一切の動力を必要としない飛行が可能になる反面、当該事例のように対策不足によって外部的な要因で撃墜されてしまった場合に、脱出不能なパラドックスに陥る脆弱性を持ちます。以下はそのループ手順です。
- タイムマシンが未来で誕生し、過去で墜落した場合、過去では先進技術であるタイムマシンが回収されることで過去の技術水準が跳ね上がり、タイムマシンの製造が早まる。
- 墜落したタイムマシンが製造される未来が改変されるため、タイムマシンが墜落した過去時間にタイムマシンが墜落しなくなる。
- 過去にタイムマシンが墜落しない場合、過去における技術躍進が発生しないため、墜落するタイムマシンは本来通り製造される
- 親殺しのパラドックスに類似したパラドックスは無限のループを形成し、「奇跡的な作用で何故かタイムマシンが墜落しなかった」という確率未来を引き当てるまでループが永遠に継続する。
- タイムマシンが奇跡的な作用により墜落しないため、飛行機構が無くても飛行が可能になる。
パレジミニ滅亡:
パレジミニの滅亡については、直接的な原因として、重力兵器の影響が考えられます。パレジミニ土壌から僅かに重力波爆縮を浴びた痕跡が確認されており、パレジミニは無関係ながらもユニバース523で発生していた紛争に用いられた重力兵器の流れ弾を受けたと思われます。ただし、この兵器の影響はパレジミニM-08を用いれば容易に対策が可能であり、パレジミニ有害物質が散布されたことで対策が不可能になってしまったと思われます。
未来のパレジミニはパレジミニM-08を用いて文明を発展させたと考えられており、パレジミニ有害物質の散布後に未来文明が隆盛することは困難だと思われます。パレジミニはパレジミニ有害物質の散布によって自滅してしまい、未来の文明を消滅させてしまったと思われますが、その場合は未来からタイムマシンが飛来しないため、パレジミニ有害物質の散布が行われないはずであり、この現状も重大なパラドックスであると言えます。
この現状についてエルマ天導台は、複数のパラドックスが交差的に発生したことで、複数の因果と時空間連続体が再びループすることで慢性的なタイムパラドックスが引き起こされたと結論付けています。このパラドックスは、時空間連続体が天文学的な回数に渡ってループし、元凶であるパレジミニ文明が不明な原理で消滅する結果が抽選されることで解決したと思われます。エルマ天導台はパレジミニのケースを時空間跳躍における初歩的な事故のモデルケースとして、各文明に警鐘を鳴らしています。