終人の提言
終人の提言
By: Enderman_desuEnderman_desu
PUBLISHED: 25 Jul 2021 15:00

以下は財団外時間大深度アーカイブから自律的に送信された事が確認されている文書 - SCP-001であり、現時点でプロトコル"焚書"に基づき復旧されています。送信元はAU-0011であるとされており、この文書の送信は修復不可能なXK-クラスシナリオが発生したことを意味します。添付された資料を精密に検査した結果、当該報告書は如何なる場合であっても外部への情報漏洩に繋がる可能性を否めない事から、可能な限り存在を秘匿される事が決定されました。アイテムナンバーは変則的ソフトウェア処置に基づく反ミーム性特殊処置を受けています。可能な限り当報告書へのアクセスを試みないでください。












Access granted…

*プロトコル"焚書"の発動を確認…

*緊急開示用データベースにアクセス…[OK]

*アーカイブより報告書をインポートしています…[OK]

遒コ菫昴?∝庶螳ケ縲∽ソ晁ュキ

*Ignosi機密プロトコルを解除します。インポート完了

生体認証クリア。ようこそ、監督者様。

Item#: SCP-001
Level6
Containment Class:
esoteric
Secondary Class:
juggernaut
Disruption Class:
ekhi
Risk Class:
critical

特別定義/Juggernaut: 更新されたファイル - 監督者議事録で締結された内容より、当該オブジェクトは正式にJuggernautへと特別定義されました。(特殊ステータス-Juggernaut: アイテムは世界の終焉を引き起こしえます。)

特別収容プロトコル: SCP-001は基底現実の構成要素であり、財団並びに基底現実の存在による収容はK-クラス指定シナリオの発動を明示すること、そしてSCP-001の概念抽出に伴うリスク等からSCP-001の収容は不可能だと断定されました。当該オブジェクトに対する収容手順は確立されていません。SCP-001により引き起こされる全ての事象は回避不能です。

説明: SCP-001は基底現実を構成する4次元構造体  時空間の概念そのものです。SCP-001の存在は生物、概念、異常などあらゆる存在の固定化を保証する根底的なものであり、SCP-001の消失によって起こりうるXK、YK、CK、ZK、GH-0-クラスシナリオは予想可能な人類並びに宇宙の終焉を明示します。SCP-001は基底現実の側面を構成しているために原理的な収容が実質的に不可能であり、また同時に潜在的なリスクは能動的に滅亡を招くため、現時点でSCP-001はJuggernautへと分類されています。何らかの事象によりSCP-001上に存在していた時間軸が再建不可能なレベルでの損傷を負うなどした場合、対象となる時間軸はSCP-001から完全に"隔絶"され、その後SCP-001上では量子論的効果、並びにエントロピーの増大によって新たな宇宙が誕生し、SCP-001の影響下へと収まります。これが今日の基底現実であると考えられています。多元宇宙に複数存在するSCP-001は、宇宙内部からは不規則的に観測することが可能であり、その法則性はSCP-001の位置座標や角度、状態に左右されます。

SCP-001の存在は時空研究部門によって確認されました。基底現実にて起こり得る異常現象並びに超常存在の顕現、そして形而下存在の確定性はSCP-001という概念と相関関係にあることが現時点で判明しています。SCP-001の起源は不明ですがオブジェクトの性質上、基底現実の誕生もしくはそれ以前より存在していた可能性が高いと考えられています。SCP-001の活動は微小ながら有史以前の時代まで遡れる証拠が確認されており、原生代のスノーボールアース現象などでは特筆すべきSCP-001の活性化事象が発生したことが観測されています。これらの事象は財団の管理するオブジェクトへの聴取によって判明した事象であり、不確実であることに留意してください。

更新内容: SCP-001はサイト-01秘匿収容エリアに形而上固有概念として収容することに成功しました。これは財団外時間大深度アーカイブにて基底現実と同じ時間軸のアーカイブエリアより情報痕跡が発掘されたことに関与するものです。時間軸自体が固有の存在であるにも関わらず未登録のアーカイブデータが存在する事については現在調査が進められていますが、根本的な原因は不明です。これらの事実が示す可能性として、SCP-001は我々の存在する時間軸の何れかのタイミングで不明な手段により出現したものと推測できます。SCP-001の形而下表象は視認・認識する対象により外見が異なりますが、一貫して「時計などの時間・時刻を示す装置」を模した外見をもって出現します。

財団外時間大深度アーカイブ情報痕跡記録抜粋 - SCP-001-ARC


識別コード: SCP-001

アノマリー未収容番号: 0129391-01239

脅威推定: Aleph

説明: これは現時点で財団が遭遇した実例の存在しない、未知のアノマリーです。我々の時間軸が始動する遥か昔よりこのアノマリーは稼働しており、指針は18時00分を指し示しています。このアノマリーが指針を動かすタイミングは一見して不定期ですが、その進行度は概念的な終末論、史実、進化論、生態系関連、その他諸々の概念と相関関係にあります。また、当該アノマリーには局所的な"錆"のようなものが確認できます。"錆"は腐食を続けており、これはアノマリーの耐久性が有限のものである事を意味すると考えられます。

SCP Foundation 時空研究部門公式見解: 恐らくこの指針が示すものは「能動的な終焉」そのものであり、現在の進行度から推測して指針が24時00分を示す瞬間、世界はK-クラス指定シナリオ他何らかの事象によって破滅的な損傷を受けることとなるでしょう。我々はこれを避ける手段を持ち合わせておらず、来たるべき刻に抵抗することは不可能です。以上を理由として我々は当該アノマリーをAleph最高機密指定することを提案します。

"評論家"所見: 時々、指針を刻む音の他に聞こえるのだ。歯車の軋む音が、苦しむような泣き声が。これは一体何を意味するのであろうか?


[以降、著しいデータ破損、及び改竄のため削除を施行]


 
アーカイブデータを参照し複数の測定及び実験を行った結果、何れのデータも整合性の検証に成功しました。これらより推測される事項として、"指針"が24時00分を指し示した瞬間に何らかの事象が発生し、黙示録的終焉シナリオが発生する事が挙げられます。しかしながら現在、アーカイブデータに存在しない未知の異常性がSCP-001に存在します。この異常性は基底現実に存在する複数のアノマリーによる影響とみられており、現在SCP-001は完全な不規則性に基づいて稼働しています。相関関係は破綻しており、根本的な原因として未来への干渉、現実改変、他複数の時空間的概念へ干渉するアノマリーの存在がSCP-001の動作を不安定化させている事が挙げられます。これにより起こりうる未知の異常性の更なる発現を防ぐべく、当該オブジェクトに対するプロジェクトチームが結成されました。プロジェクトチーム(通称: プロジェクトGONER)に割り当てられた最終目的は当該オブジェクトを基底現実から完全に隔絶する事です。これによりSCP-001によって起こりうる様々なリスクを最小限に抑えられると判断された為です。

プロジェクトチーム結成後、急遽O5-1の招集によって監督評議会議事が開かれました。内容はSCP-001のオブジェクトクラス再指定に関するものであり、動議は"Tipua2, Perkele3を経てJuggernautへの変更"で可決されました。以下は監督者2者間で行われた対話記録であり、前述の動議の延長線上にて行われたものであると考えられます。特筆すべき事項として、O5-9は動議反対票、O5-1は動議提出者であり賛成票を入れていたことが挙げられます。

対話記録 - O5-1/O5-9


O5-9: 貴方の方から出向いてくれるとは思いませんでしたよ、Oneワン

O5-1: この為だけに予定を開けたんだ、あまり我らに残された時間は多くない。君だって分かっているだろう?

O5-9: 勿論ですとも、ヴェール・プロトコルに精通しているのはFourフォーと私自身なのですから。

O5-1: 今日に至るまで如何なる手段を以てしてでも正常を保ってきた。アンニュイ・プロトコルもその一環だ。だが、正常というのは結局のところ我々自身の手によって葬り去られるのではないか。最近そう思うのだよ、Nineナイン

O5-9: One、失礼ですが我々の理念をお忘れで?ここへ来ていただいたのもその話をする為なのですよ。近年の報道を見て頂ければ分かるように、事実として人類はその技術を、可能性を限りなく高いものへと昇華させました。それは素晴らしいことです。しかし貴方の言うように、正常と異常は表裏一体の存在です。だからこそ科学が魔法と化す事を、異常が万物を支配する夜の時代へと戻らないために我々は動いてきました。

O5-1: Nine、老い耄れの意見には耳を傾けるべきだ。人類は一度、いや幾度となく不可思議なものを、理論や概念を超越したもの  即ち"異常"を、我々以外の誰かが見つけているのだ。ヴェール・プロトコルは意味を成さない。人類の進歩と共に、我々の組織は深く老いてしまった。昨晩のBBCニュースを見ただろう?合金が起こり得る筈の無い、不可逆的な反応を示した、たったそれだけのニュースだ。これは人類にとって小さな発見かもしれない。だが軈てそれは膨らんでしまう。0と1の幅が人類の2000年の歴史と同じ程に長いとして、ときにその1と100の差は息を呑む間に縮まってしまう。

O5-9: 既にミーム班とシティ・スリッカーズには指令を出しています。間も無く例のニュースは何の変哲もない、普遍的な犯罪事件についてのニュースへと置き換わります。

O5-1: そうではないのだ、Nine。幾ら我々が結果を捻じ曲げたとして、そこへ辿り着くための活路が全てを切り開いてしまう。活路とは我々にとって必要不可欠な存在ではあるが、同時に我々の敵ともなり得る確実性を持つのだ。Nine、我々の理念とは何だと思うかね?

O5-9: 正常性の維持、簡潔に言ってしまえばそうなります。しかし我々が保護すべきものは幾らでも存在します。

O5-1: そこが問題なのだ。我々は大きく分けて2つの目的を持ってしまっている。正常をあるべき姿として残し続ける理念、しかしその一方では異常を保護し、予測できない事態を、招かれざる脅威を避けるために維持し続ける責務が存在する。Nine、我々は来たるべき刻、まさにその瞬間に選ばれてしまったのだ。ヴェール棄却は最早免れず、異常を受け入れる。完全な世界の構築のために、我々は我々自身の理念を捨て去らなければならないのだ。

O5-9: お言葉ですが、私はそうは思いません。正常性の維持、それこそが我々の理念であり、最後まで守り抜くべき意思なのではないでしょうか?

O5-1: 世界は元より不完全なのだ。時計の針は既に終末へと動き始めた。避けられない事態はとうに起きてしまった。……正直なところ、これからがどうなるのか私にも分からない。

O5-9: 追憶が示すのは過ちなのです、One。我々は追憶のようにはなりません。在るべくしてここに存在し、消えるべくして滅亡するのです。

O5-1: 創造があり、破壊がある。それらは活動しつつ進化し、軈て調和へと至るのだ。我々の選ぶ道が何を示すのか、見届けるのは我々なのだ。だからこそ恐怖があり、過ちを繰り返す……

O5-9: この宇宙は1つの器なのです。SCP-001は核であり、それを摘出する。実に簡単な話ではありませんか。我々は何度だってやってきたのですから。

O5-1: それも直ぐに解るだろう、Nine。我々はどちらにせよ、死にゆくしか無いと。

O5-9: どういう意味なのです?

O5-1: あの秒針が刻む音を聞き給え。老いて朽ち行く、それも遥か昔より。我々は一度、全てを捨て去らなくてはならないと、軈て知るだろう。夜の時代が再び訪れる。その刻は近いだろう。


  
以下はプロジェクトGONER関連資料の一部抜粋です。
logo.svg

SCP FOUNDATION

PROJECT GONER

序文: プロジェクトチームの最終目的であるSCP-001の基底現実からの完全な隔絶を達成するため、立案されたのが当該計画「プロジェクトGONER」です。

計画概要: 現在、SCP-001は不確定要素を有する他の実在性アノマリー群による多大な損傷を受けている可能性が極めて高いことが予測されています。SCP-001はその性質上、基底現実との相関関係にある可能性が極めて高く、当該オブジェクトの喪失は破滅的な現実不全シナリオの発生を促す事が時空研究部門により発見されました。我々はこの喫緊の課題に対し、早急に対処する必要があります。現時点でSCP-001は23時58分を示しており、秒針は20秒付近で停滞しつつ不規則に変化しています。オブジェクトの性質上、当該オブジェクトは基底現実より完全に隔絶される事でその効力を喪失するものと考えられます。当該手順の実行にあたり、必要な機材は以下の通りです。

  • アンダーソン=ケプラー因果隔絶機構 - Phy.Engine
  • シャンク-アナスタサコス恒常時間溝
  • エリュトリール効果流検出装置
  • 大規模仮想サーバー「雅」

以下省略

02.jpg

アンダーソン=ケプラー因果隔絶機構 - Phy.Engine

 
 
 
以下はプロジェクトの始動より現在までの公式記録です。

2050/07/07: 第1次搬入物品の製造ライン稼働開始。研究部門及び製造部門にプロジェクトGONERの一部情報が開示される。

2050/08/12: サイト-54を経由し秘匿されたルートでサイト-01へと機材が搬入される。

2050/09/01: 第2次搬入物品の製造ライン稼働開始。

2050/09/15: 非常用のスクラントン現実錨を応用したサイト-01全域の現実性安定化措置が施行される。評議員含む重要人物は避難済。

2050/10/27: 第2次搬入物品の製作終了。搬入準備。

2050/11/01: プロジェクトGONERの本格始動。最新のエントリについては付属資料を参照のこと。


全ての手順は正常に終了しました。SCP-001は基底現実より隔絶されています。

例外が発生しました。データを参照してください。

SCP-001 - 調査報告


01.jpg

形而下表象の思考転写によって作成されたSCP-001イメージ。11月1日記録。

 
 


計画進行状況: 進行中 - Green

撹乱クラス: Ekhi5

所在地: SCP Foundation/Site-01.Sheltered-housing-area


プロジェクトGONERの完遂により、SCP-001は完全に基底現実から隔絶されました。これによりSCP-001の有する異常性、即ち終焉シナリオの確定性を排除することには成功しましたが、これに伴い新たな問題が確認されました。SCP-001と相関関係にあった基底現実ですが、SCP-001が隔絶される、即ち状況が"固定化"される事により、時間軸そのものの進行が停止した事が確認されています。現在の理論では、時間軸は変化しながら進行するのが一般的な概念でしたがそれらが完全に放棄され、時代、歴史と呼ばれていた抽象的時空間概念が喪失された事が今回の例外を招いたと推測されます。ここまでの問題は財団内部で保全可能な処理情報であるため、根本的な解決の必要性は存在しません。

今回の本質的な問題は、エラーコード"群盲"が発現してしまった、という事です。コード"群盲"についての簡易的な説明をすると、これは外時間大深度アーカイブより偶発的に回収された概念的存在です。観測されない事によって存在しないとされていた多元宇宙の存在ですが、唯一我々の現実が"固定化"された事によって観測視点が変化し、これらの多元宇宙が無限に時間軸を"循環"している事実を観測しました。より明確に言うならば、存在しないと断定されていた多元宇宙が今は存在し、それらの宇宙のSCP-001は今も猶動き続けている、という事です。そして幾つかの宇宙は確実に"24時00分"を刻みました。本来ならば、そこで終焉シナリオが発生し例外なく時間軸が崩壊する筈です。事実としてそれらの世界は破滅的な損傷を受けました。しかし、"0時1分"が刻まれ始めた事を時空研究部門は観測しました。


財団外時間大深度アーカイブ深層接続 - 001エントリ抜粋

03.jpg

基底現実から観測された並行時間軸の円環的因果構造及び時空連続体表象。画像はAU-081並びにAU-089。

 
 


これは現時点で判明した多元宇宙の構造です。多元宇宙は観測者効果によって強い"重ね合わせ"の状態を維持していたと考えられており、これが観測されることによって状態が変化し、現在の時空連続体が観測されていると推測されます。現時点で複数存在する時間軸は交錯する事無く並行して進行しており、個々に1つの"円環"を形成しています。これにより、現実が機能不全を起こしたとして他の時間軸に影響を及ぼす事は無く、また対象の時間軸もSCP-001によって即座に再生されることが明らかになっています。しかし、SCP-001の隔絶によって"群盲"が観測された今、基底現実は例外的な存在となり全ての時間軸に多大な影響を与えていることが懸念されます。これらはZK-クラス現実不全シナリオを全時間軸で発生させる根本的な原因となり兼ねません。


これらの事実、そして回収されたSCP-001-ARC報告書より推測される事項は1つです。即ち、多元宇宙が無数に存在し、それらの宇宙はSCP-001の再起によって同じ時間を循環し、終わらない終末論を迎えている、という事です。これならば我々の時間軸から本来存在しない筈の過去のデータが発掘された理由も立証可能です。しかし、"群盲"の発現は即ち基底現実の平衡状態からの脱却を明示します。

  プロジェクトGONER従属研究員
Site-Victor上位研究員 アンダーソン


 
この事態を受け、財団は多元時間軸の関係者、並びに世界オカルト連合との合同会議を開きました。以下はその記録です。

Record 2050/12/24

時空研究合併サイト-Victor通信回線による記録


前文: 本アーカイブは複数の時間軸・世界線の関係者へのインタビュー記録です。

メンバー:

<記録開始>


O5-1: 皆、よくぞ集まってくれた。

エリオット: 監督者ともあろうお方が自ら出向いてくださるとは光栄です。

ファーガソン: 御託は結構です、Skipper。各時間軸における主要なプロジェクトの関係者  私を例外として  を招いたということは、それ程に重大な問題があるのですね。最も、別時間軸の存在を把握したのは直近の出来事ですが。

O5-1: すまないな、Gock。我々は一度情報を共有しなければならない。配布した資料の通り、我々の時間軸が循環から脱却したことにより、この多元宇宙が恒久的に循環している事実を確認した。私はその上で、君たちに是非を問いたい。

エリオット: と申しますと、我々の時間軸は終焉シナリオを繰り返している、という事でしょうか。あの放浪者の図書館によって我々の物語が奪われる、そんなシナリオを幾度となく繰り返していると?ティルダ・ムースは幾度となく我々を裏切っていると?

O5-1: 端的に言えばそうなるだろう。だが、プロジェクトGONERによって我々の現実は大きく歪められてしまった。重ね合わせは意味を成さなくなり、現実は極めて弱いものとなったのだ。それは君たちの世界にも言えること、そうだろう?

ファーガソン: 知っての通り、我々の世界は貴方達財団によって滅ぼされかけています。無論知りたくは無いですが、理由が何であれ突如としてそれは来てしまったのです。そのイベントが現実に大きな作用を齎しているのであれば、我々も動かざるを得ません。

O5-1: であるならば、今すぐにでも我々と協力体制を  

[イクバルが手を挙げ、制止する。]

ファーガソン: どうされましたか、隊長?

イクバル: 監督者、確か貴方の時間軸ではSCP-1000はこの上ない脅威だと言ったな。

O5-1: そうだ。闇夜の子らは脅威だ。それは間違いない筈だが?

イクバル: 率直に申し上げよう。我々は貴方達に協力するつもりは無い。

O5-1: 理由を聞かせてもらえるかね?

イクバル: 我々の世界では闇夜の子らを"SCP-1000"とは呼んでいない。彼らは皆、我々の仲間なのだ。既に争う必要は無くなっている。

エリオット: 協力体制を敷いたのですか?

イクバル: 完全な和平条約の締結とでも言おうか。皆の次元で異常が活発化している原因は分かるか?少なくとも、俺はこの件について理解している。俺が思うに、この世界は無数の循環を繰り返しながら、正常と異常の埋め合わせ……「調和」とでも言うべき変遷を遂げているんだろう。異常はこの世界に無数に存在する。幾ら現実の修正力が計り知れないものとは言え、完全な調和にはより多くの時間が必要になる。至る所で損傷した世界は、時間軸は修復されようとしている。最も強大な脅威を隔離しつつ、それは進行している。監督者、貴方の世界はその例外なんだ。正常性を保つためという名目で、心臓を摘出したのだ。もっと正確にいうのなら、端数の処理はこの摂理において不要だ。

O5-1: 我々を見捨てる、という事か。

イクバル: エリオット殿、貴方の世界はどうなんだ?例え故郷が「道」となった今でも、世界は存続しているではないか。ファーガソン、アンタの世界は滅んだのかもしれない。だがそれは、新しい始まりを刻む意味もあるんだ。先程「循環している」と言ったな。ならば、確実に世界は調和を遂げる筈なんだ。固定化される概念など、何処にも存在しない。

ファーガソン: その為に、我々に幾度となく死ねと言うのですか?

イクバル: 我々だって繰り返した。唯、今はアンタの番が回ってきた、それだけなんだ。

エリオット: 正直、その説明で納得できるとは思えません。しかし  世界が続くという保証はどこにもありません。我々は希望を頼りに動く訳では無いのですから。  我々も協力しかねます。仮に協力したとして、我々の世界が隔絶されたとして。その先の保証は何処にあるのです?世界が歩み続けるという確証は、何処にあるのでしょう?

ファーガソン: [沈黙]正常性というのは常に変わりゆく。我々は我々に出来る戦いを続ける。先人たちがそうであったように、今更道を踏み外すことは許されない。

O5-1: 待ってくれ、我々は何を間違えた?

[沈黙]

イクバル: 何も間違えていない。数あるバージョンの中でその選択肢を取った端数である、ただそれだけなんだ。我々に出来ることは、何もない。

<記録終了>


 
現在、不確定性から脱却した基底現実の財団を構成する統計体制は不安定化しており、論理的矛盾が露見しています。各国サイトからは収容違反の報告が相次いでおり、不明な2317エントリの齎す災害規模は最低でもXK - GH-0クラス指定シナリオを発生させる事が推測されています。この状態で基底現実が再起不能な損傷を受けた場合、基底現実、他複数の多元宇宙を含む全ての時間軸で破滅的な終焉シナリオを併発させる可能性が極めて高いです。詳細は001エントリに記載された通りですが、各時間軸のシナリオを確定させることとなります。我々はこの問題に対し早急に対処する必要があります。

以下は過去の記録データに基づき、未確認の情報を有していると考えられる/"未来予知"カテゴリに分類される異常性を保有するオブジェクトに対して行われたインタビュー記録です。

セキュリティコード343

ミームセキュリティ: 神の盲点から天を穿て


日付: 2050/12/25

インタビュアー: ジャック・ブライト博士

インタビュー対象: SCP-343


<記録開始>

SCP-343: ジャック、まさか君の方から来てくれるとは、嬉しいよ  

ブライト博士: その達者な口ぶりは相変わらずなようだな、SCP-343。

SCP-343: お前が何をしに来たのかはよく知っているよ。それで私に、今更何を求めるんだ?

ブライト博士: SCP-001について、知っている事全てだ。お前の存在自体私にとってみれば忌々しいが、今はそれどころでは無い。

SCP-343: ジャック、お前はこの物語の結末についてよく憶えている筈だ、そうじゃないかな?

ブライト博士: イエローストーンのブラックボックスを作り上げるには間に合わない。これまでとは違う結末が待ち構えているんだ。

SCP-343: ハッ、お前は  待て、少し違うな。財団は一体何をしでかした?私の世界に何をした?

ブライト博士: 此処はもう、お前の遊び場じゃない。物語のオーナーは変わったんだ。

SCP-343: 嗚呼、クソ。すまないジャック、こうなる事が予想できたならどれだけ良かっただろうか。

ブライト博士: 私たちはこれを如何にかする術を持っている。

SCP-343: お前がこの知識と成果によって何をするかは分からない。だがそれでも、私は賭けをしなくてはならない。死した刻は二度と戻らないのだ、それでも良いのか?いや、簡単な方程式で再起させる事は可能だ。問題は二度と同じ道を歩めないことだ。

ブライト博士: SCP-001に、未来にその先はあるのか?

SCP-343: 分からない。唯一つ言えるのは  

[沈黙]

SCP-343: 錆びた時計の針は動かなくなる。その時が来るまで唯、終焉を先延ばしにするほか無いのだ。SCP-001とて無限の耐久性を持つ訳では無い。軈て動かなくなったその時、本当の「死」がやって来るんだ。私はそれだけを恐れていたんだ、悪く思わないでくれ、ジャック。

セキュリティコード990

ミームセキュリティ: 胡蝶の夢に包まれて、破滅の幻想に身を委ね


標準夢報告 - 日付: 2050/12/25

インタビュアー: [編集済]

インタビュー対象: SCP-990


<記録開始>

SCP-990: 懐かしいな、私の幾つかのバージョンは似たような場面に出くわした事があるんだ。

[編集済]: 我々の行動は果たして正しいものだったのでしょうか?

SCP-990: 絶対的に正しく、破滅的な間違いを犯した。それは確実に終わりを告げるが、同時に新たな息吹を呼び寄せるものだ。

[編集済]: 我々に未来はあるのでしょうか。

SCP-990: 勝利と引き換えに全てを失うことに比べれば、君たちに差し迫っている問題は些細な事だ。しかし、少しばかり君たちは焦りすぎている。物語のページは引き千切られ、紙切れ同然と化している。君たちなら、これを修復する方法を知っている、そうだろう?私に聞くまでもない事だ。

[編集済]: 新たな息吹、それは何なのです?

SCP-990: それは誰にも解らない。一つ確かなのは、それは確実に君たちによって支配されていて、繋がれた鎖は軈て解き放たれ、再び異常な存在は夜の時代を招くという事だけだ。

[編集済]: それは唯の始まりに過ぎないと、であるならば、SCP-001は何故存在するのです?未来は確定しているのですか?

SCP-990: (遮る様に)私はこの結末をより多く知っている。さて、君の目覚まし時計の音だね。おやすみ、名も無き者よ。良い夢を、そしてさようなら。

セキュリティコード411

ミームセキュリティ: 別離せしは我らの先駆け、されど去るは往古の預言者


インタビュアー: ライタッカー博士

インタビュー対象: SCP-411


<記録開始>

ライタッカー博士: ありがとう、そしてさようなら、SCP-411。

SCP-411: そうだな……君はこれから想像を絶する苦悩に悩まされるであろう。だが、希望を抱き、強くあらねばならない。願わくば、君に再び会えることを楽しみにしている、とだけ言っておくよ。

ライタッカー博士: 世界はこれからも存続すると思いますか?

SCP-411: 等しく同じ存在、と言えば嘘になるだろう。君たちが日の下で暮らしていくために、その先に大きな犠牲を払う事になるであろう。

ライタッカー博士: その世界は我々の知るものと果たして同じなのでしょうか?

SCP-411: (苦悩。)蠢く帝王、神秘の数々。其処は理外の存在で溢れていた。嘗て君たちがそうであったように、皆恐れをなして逃げ延びていた。それは生きる為の確かな判断だ。君たちの世界は異常で溢れていた。だが、これからはより恐ろしい時代が待ち受けているのだろう。

ライタッカー博士: 貴方の過ごしてきた世界はどの様な場所でしたか?

SCP-411: (驚いた顔で)久しぶりだな、若き友よ。この場で再び会えて嬉しいよ。

ライタッカー博士: ……こんにちは、SCP-411。


APOLLO62データベースを用いた評価活動も行われましたが、約12時間の継続的な稼働の後、254件目のメッセージを最後に全ての時間軸からの応答が途絶えました。現在APOLLO62は稼働していません。

APOLLO62 - SCP-001評価活動多元時間軸報告データベースアーカイブ


2050/12/30 01:42:08 GMT ― これは財団多元時間軸全体MAYDAY告知です。只今よりAPOLLO62の指揮系統は監視司令部及び武装研究サイト-45の管轄となります。緊急時対応計画作戦コード83910301に基づき、全ての情報処理並びにサイト指令管理をAPOLLO62で行います。各サイトは配布された緊急マニュアルに基づき、迅速に行動・対応を行ってください。W・ペンターガスト|財団緊急時対応計画作戦副管理官

2050/12/30 02:12:01 GMT ― AU-097より通達。現在こちらの時間軸では財団の指揮系統がエラーコード"艦橋"によって制圧されようとしている。日本支部の代理監督者とは既に連絡がつかない。コレは明らかにThaumielクラスの代物ではない、極めて甚大な被害を齎すSKクラス上位実体だ。過負荷オブジェクト001'への対処方法を現在模索している。応答求む。"獅子"|財団日本支部理事

2050/12/30 03:59:24 GMT ― 君たちは忘れているんだ。思い出せ、自分たちが何者であるのかを。我々は既にここを去った、君たちも今こそ旅立つ時だ。我々は実在しないんだAccount Deleted|Error

2050/12/30 04:02:03 GMT ― AU-182より通達。SCP-2798の機能不全により、エラーコード"過去と未来"は発動されました。こちらの次元におけるSCP-001への対処方法について各時間軸からの情報提供を受け付けています。我々の時間軸はあと12時間ともたないでしょう。出来る限り早急な対処が必要です。C・マルコ|APOLLO62副監督官

2050/12/30 05:12:00 GMT ― 我々の現実は完膚なきまで破壊されました。手順メタトロン-13の用意は出来ています、当時間軸における様々な現象は全てGH-0指定シナリオへと帰結しています。我々は変わりゆく正常を見逃すことは出来ません、指示を待っています。B・カール|エリア・ビオトープ従事者


2050/12/30 07:59:36 GMT ― これを読める奴がいるのなら直ぐに応答せよ。私は財団日本支部所属の研究員中園である。このエンディングは何度も見てきた。だからこそこの場で告げよう、直ちに全ての評価活動を停止し、各国秘匿アーカイブからアーティファクトを解放するんだ。此処は科学では成り立たないし、正常を求める事は其の身を滅ぼす事となるだろう。A・ナカゾノ|財団日本支部蒐集院合併エリア-00

2050/12/30 08:27:56 GMT ― こちらAU-281。SCP-2798はこちらの時間軸に存在しません。しかしながらKetherクラスオブジェクトの無力化手順は108評議会との連携により比較的容易に調査することが可能です。応答求む。L・クライン|サイト-19収容スペシャリスト


2050/12/30 11:16:17 GMT ― 私たちは、いや私は、ここ数日の内に起きた事態を正確には把握出来ていません。他の時間軸で同じ状況になっている、それが存在する、のなら今すぐサイトのあらゆる窓を封鎖してください。日光に接触しないでください。私はあのクソッタレの暁光のせいでアリを失いました。ただ、私は、嗚呼クソ。私は私に出来る最善を尽くします。L・イゴッタ|サイト-46

2050/12/30 12:01:41 GMT ― 108評議会に直ちに連絡を取れ。それが駄目ならAU-111からありったけのスパルタ兵を搔き集めて、天空の王を穿て。もし君の時間軸でサイト-8181が残存しているのならば、そこへ向かうのも手だ。我々は無邪気な支配者に全てを奪われるような事があってはならない。これは我々の責務であり、理念なのだ。彼方の神を殺せ。"若山"|財団日本支部理事

2050/12/30 13:08:45 GMT ― AU-772より通達。こちらの時間軸はサイト-19を除き全てから信号が確認されなくなった。全ての生存者に対し適切な自己終了手段を配布する。R・ネツァク|サイト-72

2050/12/30 13:16:56 GMT ― from: AU-170. これは自動メッセージです。現時点でEuclidies, Keterest, Tipherethアノマリーは形而上実体へと"羽化"しています。対処方法を現在模索中です。 System|サイト-η89


2050/12/30 [Error] GMT ― 多元時間軸データベースに接続中のユーザー/エンティティ数が減少しています。SCP-001関係情報処理の負荷低減の為、只今よりデータベースをローカルに移行します。…切断しました。System|ローカル


    • _

     
     

    Item#: SCP-001
    Level6
    Containment Class:
    esoteric
    Secondary Class:
    ignosi
    Disruption Class:
    amida
    Risk Class:
    critical

    特別定義/Ignosi: アイテムの発見は、財団によるものであっても阻止されなければなりません。

    特別収容プロトコル: 既存のSCP-001事象についての記録は財団外時間大深度アーカイブを参照してください。プロジェクトGONER関連アーティファクト並びにオブジェクト、そして当該報告書の別時間軸への継承がSCP-001の最終的なプロトコルです。当該報告書は機動部隊DAMMERUNG-Zero("GONER-MAKER")6による監視下に置かれ、各国サイトの秘匿アーカイブに処理された上で配置されます。SCP-001に関する更なる情報へのアクセスには管理部門による承認が要求されます。不許可、及び無断でのアクセスはクラスγ記憶処理及び降格処分、即座の終了処置などの処分理由となります。別時間軸での当該オブジェクトへのアクセスにはプロトコル"焚書"の起動が必要となります。

    説明: SCP-001はサイト-01秘匿収容エリアに存在する形而上固有概念です。嘗てのSCP-001は正常維持の為に不要な存在として財団により排除されました。しかしながらそれに伴い発生した一連の終末論的連鎖、並びに監督評議会の見解により、特別に当該オブジェクトは担当チームによって復旧されました。プロジェクトGONERチームは立案された計画を元に隔絶されたSCP-001をサイト-01へと再収容し、当該オブジェクトが今後の時間軸で可能な限り接触されないよう厳重なセキュリティロックを施しました。詳細は付属資料を参照してください。

    現時点でSCP-001の形而下表象には"錆"のようなものが付与されていることが観測されています。"錆"は腐食を続けており、外時間大深度アーカイブより発見されたSCP-001-ARC報告書に添付された資料と比較して、その"錆"はより広域に進行しています。またSCP-001はこれによって確実に損傷しているものと考えられ、SCP-001の無力化が前述の終末論的連鎖を齎す事からSCP-001は可能な限り観測されないようにしなければなりません。

    logo.svg

    SCP FOUNDATION

    PROJECT GONER


    SCP-001の本質的な実態については、世界が終末を綴り始めるその時まで秘匿されなければなりません。SCP-001を観測する事、それは即ちその世界の未来を、終末を確定させる事であり、この報告書が閲覧されたその時に再び死した刻は息を吹き返すのです。SCP-001は完全ではありません。欠陥品の終末時計は正確な時を刻むことが出来ず、その予測は誰にも行うことは出来ないのです。循環する悠久の時の中で我々は例外として、エラーコードとして存在を留めてしまったのです。我々は次の深淵を覗くことが出来、また深淵もこちらを覗くことが出来てしまうのです。我々は確かに過ちを犯しました。しかし、これは終わりではありません。これは新たな始まりを祝福する事でもあります。

    我々の世界はここで終わるのでしょう。それでも猶、この不良品は時を刻もうと動いています。この時計が0時1分を刻む時、世界は再び循環します。前任者は嘗て「夜の時代が再び訪れる」と言いました。それは確実でしょう。しかしながら、それは変化しています。夜の時代は此処で終わり、そして再び始まるのです。人類が生まれ、軈て財団が歴史に名を刻むその時まで、人類は夜の時代を過ごさねばなりません。

    「人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。」"管理者"は我々にそう告げました。それならば光の中で人々が暮らせるように、我々は永久に闇夜を彷徨い、追憶と戦うべきではないでしょうか。全てを尽くし、軈て再び日が沈むその時の為に、SCP-001は存在するのです。この記録が閲覧されているのなら、それはきっと目録を綴り始めたのでしょう。我々がそうであったように、幾ら努力を積み重ねようが克服できないのが"異常"なのです。貴方がそれを悔やむことはありません。それは自然な事なのです。我々が夜の時代を生きたのです。貴方の時代はきっと光で満ち溢れていたのでしょう?ならば、貴方はやるべき事を成し遂げたのです。

    我々は過ちを犯しました。これを繰り返さないでください。SCP-001、それは有限の存在であり、軈て壊れる古時計なのです。我々はそれを先延ばしにしているだけに過ぎません。どうか、これを見つけないでください。来たるべきその時まで、死した刻が息を吹き返さないようにしてください。

      [削除済]


    変遷と回歴。朱く昇る日に染まりて空。燃える。嘘が覗く深淵は何処に?緋色の鳳凰が喰らいし厄災に叫ぶ声は遠く木霊する。羨望と希望は黒き宵闇によって塗潰される。昨日の月が池に浮かび悠久の月日を共にし魁は終ぞ滅びて。海王は怒り地を反転させる。我らを呼ぶのは天使の悲鳴よ、我らが望むはそれではない。旧き生、新しき死、次なる世界の卵。銘々らよ、普く知を求めよ。旧きを求めよ。
    空白
     
    空白
     
    空白


    空白
     
    空白
     
    空白
     
    空白
     
    空白
     

     
    空白
     
    un reloaded……
     
    空白
     
    空白
      
    空白

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     

    サイト-01の秘匿収容エリアへと移動してください。これは監督者命令です。

    サイト-01の機能の50%が喪失しました。これは自動メッセージです。

    聞き慣れた足音と奇妙な感覚に包まれながら、終りの道を歩む。

    System: Error Massage Lost

    そこに在る筈の無い          
    見覚えのある古びた時計

    オブジェクトの収容を放棄しないでください。施設からの脱走は終了処分を意味します。

     

    001 001 001 001

    さあ、夜明けの刻だ。君はその世界に行かなくてはならない、君は伝えなくてはならない。

     
     
    Code name: Lily confirmed.

    SCP-001……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.


    0:01 0:01 0:01 0:01 0:01 0:01 0:01…

    闇夜に彷徨い、歩き出す。

    帰るべき家

    誰も存在を知らない世界で、時計は静かに時を刻みはじめた。

    それでも

    私たちの居場所

    過去は誰にも分からない

    へと進む

    声が聞こえた、そんな気がした。

    未来は誰も知らない

    サイト-01の秘匿収容エリアへと移動してください。これは監督者命令です。

    サイト-01の機能の50%が喪失しました。これは自動メッセージです。

     

    聞き慣れた足音と奇妙な感覚に包まれながら、終りの道を歩む。

     

    System: Error Massage Lost

     

    そこに在る筈の無い、見覚えのある古びた時計。

     

    オブジェクトの収容を放棄しないでください。施設からの脱走は終了処分を意味します。

    001 001 001 001

     

    さあ、夜明けの刻だ。君はその世界に行かなくてはならない、君は伝えなくてはならない。

     

     
     
    Code name: Lily confirmed.

    SCP-001……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.
    ……ejected.

     

     

    声が聞こえた、そんな気がした。

    過去は誰にも分からない、未来は誰も知らない。

    それでも、前へと進む。

    帰るべき家、私たちの居場所。

    0:01 0:01 0:01 0:01 0:01 0:01 0:01…

    誰も存在を知らない世界で、時計は静かに時を刻みはじめた。

    闇夜に彷徨い、歩き出す。

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     

    セキュリティコード001

    ミームセキュリティ: 隔たる世界は去り行く刻と共に

     


     
     
     
     
     
     
     

    SCP-001は機能を維持しています。

     

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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