ES支部要注意団体候補面接記録
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求む! 要注意団体!

何故なら全てのヒーローはヴィランあってこそ輝くからである。

何故なら大いなる力には大いなる責任が伴うからである。

なぜ、人は落ちるのか? 這い上がるためだ。

何であれマイルス…自分を信じて跳べ。

SCP財団スペイン ヒスパニック ラテンアメリカ スペイン語 カスティーリャ語支部は要注意団体の候補を探している。そういった団体はSCP財団(ES支部)に敵対し、そして良い引き立て役となる。 また、我々に本部との差異を与え、単なるコピーになるのを防ぐことにもなる。

面接は2月23日、█████████の████████の街にあるサイト-34のD棟のM.オザワ博士のオフィスで行われる。正確な位置はミーム的な封印措置が施されている。もし住所を見ることができたなら、君をその場所で待っているぞ。

無料の飲み物は出ません


M.オザワ博士は早めにオフィスに到着し、将来のES支部GoIの候補者が既に到着しているか、彼女の助手であるベリオスに尋ねた。

—はい博士、少なくとも26名の候補者が到着しています。

—26?それは予想以上ね…じゃあ5分後から到着順に私のオフィスに案内してね。


次元ポータルが開き、ダエーバイトの獣が出現。

M.オザワ博士: こんにちは!ようこそいらっしゃいました。どうぞ椅子にお座りになってくだ…いや、足がいっぱいあるから座れないかもしれませんね…

獣が遠吠えする。

M.オザワ博士: ちょっと何を言ってるかわかりません…

獣は机の上に数枚の紙を置く。 博士はそれらを読む。

自己紹介

こんにちは!私たちはダエーワといいます!非常に豊かで強力な文明であり、超常現象を封じ込めるあらゆる秘密機関に対する理想的な敵だと自負しています。私たちにはまだまだ探求されていない、あるいは深く利用されていない長い歴史があります。一冊の本だけで語り切れるものではありません。解剖学から、致命傷を与えずに苦痛のみを与える方法に関する研究、戦術、建築学まで、あらゆる分野の知識が集められた図書館を擁しています。しかもその図書館は石灰、砂、血、人間の骨を基にした超硬質セメントでできていて、これは注目に値する業績なのです。なんとかかんとか…

(オザワ博士が最後のページまで飛ばす。)

そして、かの有名なDokhlugg(人間の肌で作られたタペストリー)のような芸術作品や、あのすばらしいGrakkakhj(貴金属、象牙、真珠で作られた我々の日常生活を表現した工芸品)のような金細工も忘れてはなりません。血、炎、そして燃え上がった肉が、銅、青銅、そして琥珀金1の自然な色で鮮やかに表現されたことは今までにありません! なんとかかんとか…

M.オザワ博士: ふむ…そのアイデアは確かに魅力的ですが、貴方達は既に本部に存在していて、我々はES支部独自のものを求めています。加えて、その存在はアジアや東ヨーロッパに限られています。アメリカ大陸に来られたことは…?

ダエーバイトの獣は遠吠えし、ポータルを通って退出。

M.オザワ博士: …怒らせていなかったらいいのですけれど。


何か、あるいは…誰か、はっきりとしない人間の形の何か、まるでピカソが描いたようなやつ、5歳の時に酒を飲んで目がおかしくなった時に見たような物が入室。

変なもの: こんにちは!私たちは"抽出部隊の工場"です! 私たちは地球上で創作された、あるいは考案された最高のGoIだと自負しています!

M.オザワ博士: さて、「最高のGoI」を自称するのは結構ですが、選考とは関係ありませんよ。貴方の主張と最終目的はなんですか?

変なもの: 壊れた神の教会が彼らの神を修復するのを助けること!そして、カオスインサージェンシーが力を得て、その最終目的を達成するのをそれが何であれ助けること!

M.オザワ博士: 二つの目的が同時にあるのですか?しかし…どちらにも意味がないようです。カオスインサージェンシーの計画は壊れた神の教会の計画とは全く異なります。共同作業するのは意味がありません。

変なもの: 二つを同時にやってもいいし、どっちかを優先してもいい!そしてそれが、それこそが最高のGoIである理由です! ダブルに危険だから!

M.オザワ博士: …あまり設定が練られていないようですね。ぼやけて見えたのはそのせいでしょうか。 部屋から出てドアを閉じてくださいね。


全裸で、体調が良くなさそうな50代くらいの男がオフィスに入室。6枚の葉を持ち、へそから生えて、心臓の位置で睡蓮のような花を咲かす植物の絵が胸に描かれている。

緑の男: こんにちは! プレゼントを持ってきました。(机の上に紫色の花のついた小さなサボテンの入った鉢を置く。)これは週一回、毎回異なる色の花で咲いて、決して同じ色の花が咲くことはありません。

M.オザワ博士: ええと…ありがとう…まず第一に、あなたは誰ですか?なんで私の目の前に立っているおっさんは全裸なんですか?

緑の男: 私の名前はフアン・カスティージョ。私は緑の男オンブレ・ベルデ、偉大なる緑の神(略してGDV)の代弁者であり、司祭、癒し手、霊的な導き手、立法者の役割を持つ者です。私たちは古代の自然の神、より具体的には植物を崇拝する古代の宗教であり、財団の大きな敵になることができます。ただし、悪意からの敵対ではなく誤解による敵対です。将来的には財団を認め、受け入れ、共通の敵と戦い、協力関係になることすらできるかもしれません。

M.オザワ博士: 面白いですね。そして繰り返しますが、なんで全裸なんですか?

緑の男: ああ、これには象徴的な意味があるのです、貴方のエゴと虚栄心を取り除き、貴方の人間としてのアイデンティティを放棄し、同胞の木と草と象徴とによるアイデンティティを得る。理解できましたね。分かりますか?私はこの会合に本当に興奮しています!

M.オザワ博士: …あまり興奮しすぎないで下さい…(コンピュータをチェック) ふむ、財団にも貴方達に関する文書がいくつかあるようです。壊れた神の教会に似ていますが、メカの代わりに植物を扱っていると…

緑の男: 頭のイカれた時計とネジ大好き教会と一緒にしないで!…しないで下さい。

M.オザワ博士: あんまり大声を出さないで下さいね…次の質問ですが、まだ「組織的な儀式」をやっていますか?

緑の男: …質問の意味がよく分かりません。

M.オザワ博士: SCP-ES-041の報告書に書いてあるんです。

緑の男: 信じてください。これらは単なる悪意のある噂です。私たちはセックスをしません。いや、全くしないわけじゃないですが、少なくとも儀式でそういうことはやりません。それはむしろ…声を出して祈り、健康的に食べることです。実際はそれよりも複雑ですが、皆非常に献身的に取り組みます。私たちは皆衣服を捨て去りますが、それは象徴的なものであり、虚栄心を捨て去り、富や身分を超えて皆が平等になるためです。ヒッピーっぽいと思われるかもしれませんが、それは違います。私たちはちゃんと毎日風呂に入っていますから。で、私が言いたいのは…

M.オザワ博士: 分かりました、もう一つ質問があるのですが、なぜ「偉大なる緑の神」なのですか?

緑の男: なぜなら私たちの神は偉大で…緑だからです。

M.オザワ博士: …あまりにも当たり前で、あまりにも単純ではないですか?まあ壊れた神の教会の神も、「壊れたる神」ですが…

緑の男: だから一緒にしないで下さいよ!

M.オザワ博士: ハイハイ、分かりました分かりました。我々はより良い名前、よりエレガントまたは恐ろしい感じの名前を考えます…データは十分集まりました。お越し下さってありがとうございました。正式に認証されたらまた連絡します。

緑の男: サボテンにも少量の水が必要だと忘れないでくださいね!あと朝に太陽の光に当ててあげてくださいね!


非常に高級そうな、気品のあるスーツに身を包んだ50歳の男が入室。スーツの胸の部分には破れ目があり、彼の乳首が露出している。さらにその乳首には金属製のクリップがはめられ、ケーブルでバッテリーと繋がれている。バッテリーは、20歳ほどの半裸の女の子の手の中にあり、彼女の乳首も同じバッテリーに接続されている。彼女の顔にはあざがあり、怯えた目つきをしている。そして首にはスパイク付きの首輪が装着されており、その手綱を男が握っている。

不気味な男: (強く、深く、威圧感のある声で)こんにちは!私たちは“Cabal”。最もおぞましく、最も堕落した要注意団体です。私たちは財団がこれまで直面してきた中で最も愚かで偽善的で危険な組織です。

M.オザワ博士: あなた達は…

不気味な男: 私たちは、世界を絶望、屈辱、堕落に陥れるため、そして社会が笑顔で既知および未知の最も忌まわしき習慣を受け入れるようにするために日夜活動しています!皆が小児性愛、屍体性愛、動物性愛、児童性愛、老人性愛、妊娠性愛、聖依性愛、脚部性愛、創造論、地球平面説、真空嫌悪説に喜びをもって没頭できるように!

M.オザワ博士: …はい、ではまず初めにあなた方の目的とはなんですか?

不気味な男は息を吸い、単調に暗唱し始める。

不気味な男: 私たちは、一般からは人権を守っていると思われている組織の背後に存在する秘密結社です。世界中の様々な地域や職業から億万長者や政治的有力者のメンバーが集まっています。彼らは大抵社会的に悪とみなされており、独裁者、麻薬密売人、テロリスト、武器商人、など堕落した人たちです。

(1分後)

これは、国々の漸進的な経済的貧困の追求とともに、一種の道徳的、制度的な終焉をもたらし、世界を我々の遊び場に変えることになります。それで私たちは闇の欲望を満たすことができるのです。

息継ぎ

組織の中枢は、政治家、メディア、多国籍企業家、国際機関の指導者、大規模投資グループ、そして世界的に有名な芸術家など、約500人のメンバーで構成されています。

(1分後)

その起源はベルリンの壁の崩壊から数ヶ月前のことで、比較的最近になって出現した組織です…

(1分後)

私たちは、人々に一見して良性と思われるようなイデオロギーを広め、身につけさせることで、徐々に洗脳します。そして大衆に対し、その倒錯(例えば少年愛や近親相姦など)を受け入れ、正当化するようなメッセージを発信します。

(数分後)

GOCも私たちの標的のリストの一つですから、財団とGOCの共同作戦で私たちの野望を打ち砕く…という展開が良いのではないでしょうか。以上です。

M.オザワ博士: わかりました、中断指示も無視して長々と話されたので率直に言いますね。我々はあなた達に興味がありません。"Cabal"は面白くありません。

不気味な男: 本当に? 私たちはおぞましく、非常に危険なんです!私たちは、財団がこれまで直面してきた中でも最も恐ろしい脅威なんですよ。

M.オザワ博士: 別にそんなことはありません。それにあまりにも…エッジが効きすぎていますし、ダークすぎますし、グロテスクすぎます。そして何より漫画的すぎて非現実的です。MC&D株式会社は完全に非道徳的ですが、目的は利益の追求だけです。イデオロギーや宗教を行動原理としたGoIもあります。一方あなた達は悪のための悪、その設定に説得力はありません。

不気味な男: だからこその恐ろしさです!

M.オザワ博士: それに、あなた達はあまりにもハードです。乳首にクリップをつけて、20歳の女の子をSM性奴隷みたいに引きずって部屋に入ってくるとか…

不気味な男: えっ!この娘は20歳よりずっと幼いですよ!性ホルモンを注射してちょっとした手術を…

M.オザワ博士: 警備員を早く呼んで!!


Gula: こんにちは!私はGula暴食八つの大罪の代表者です。

M.オザワ博士: 普通「七つの大罪」じゃないですか?それにあなたは豚に見えます…しかも金色の。

Gula: いいえ!私たちは8人です!そしてさっき言ったように私はGulaです。きっとあなたは既に私の友人、Avaricia強欲を知っています。

M.オザワ博士: ふむ、それであなたの主張は?

Gula: 私たちは大罪の擬人化的な化身/表象であるので、それぞれが私たちが表す罪に関連した象徴的な異常性を持ちます。例えば、Ira憤怒はアルミニウムでできたサソリですが、人間を傷つけると、その人間は怒りを感じることができなくなります。怒りは消えるわけではなく、ゆっくりと蓄積していくのです。限界を超えると文字通り爆発し、その破片が壁や天井など至る所に飛び散ります。

M.オザワ博士: なるほど。

Gula: 血、腸、目が至る所に!肉や骨の破片が天井からケチャップのように滴り落ちる!

M.オザワ博士: うわ。やめてください。

Gula: Luxuria色欲もいますよ。よく調教された15歳のティーンエイジャーで…

M.オザワ博士: 分かりました、もうこれ以上はいいです。

Gula: しかし、これはあなたの興味を引くでしょう!元々Luxuriaは巨大なナメクジでしたが、貴女の同僚のフォン・ブラウン博士が次のような提案を…

M.オザワ博士: 今、私は詳細を知ることにあまり興味を持っていません。いずれにせよ私は既に考えを固めています。

Gula: そして私たちだけではありません!他の多くの宗教的概念も現れることができるんです。例えばカトリックの七元徳、モーセの十戒、アッラーフの99の美名、ブッダの四聖諦、それから108の…

M.オザワ博士: はい、はい、はい、わかりました。

Gula: 後は…四方八方とか…あと…えっと…アキヴァ放射がたくさんあります!

M.オザワ博士: アキヴァ放射とは?

Gula: えっと…ご存知かと思ってましたが。

M.オザワ博士: いや、知りませんね。

Gula: 実は私もよく知らなくて…


M.オザワ博士: えーと…ダンテさんでしたよね?我々はあなたに関連したSCPをいくつか収容しているようです。

ダンテ: そうです、全部で4つです。

M.オザワ博士: ですがまだ十分な数ではありません。財団があなたを要注意人物として受け入れるには、少なくとももう1つはSCPを収容する必要があります。

ダンテ: おや、解決は簡単です。私に関連したSCPをもう1つ見つけてください(ウィンク)。

M.オザワ博士: そうですね、その内見つけられるでしょう(ウインク)。さて、あなたはどういった点において特別で、他のGoIと何が違うのでしょうか?

ダンテ: 私は、アメリカ大陸の先住民達が生存し繁栄し、彼らの精神、文化、知恵が失われていない、暴力、奴隷制、疫病によって荒廃していない宇宙から来ました。気高き人々は調和を保って暮らしており、忌まわしきシスヘテロ白人野郎がやってくるまでは欲望、暴力、戦争を知らずに…どうかしました?

M.オザワ博士: ダンテさん…すみません…スペインとヨーロッパの征服者は強姦魔のような卑劣漢であることは知っていますが、ヒッピーの誰にも相手にしてもらえないようなプロパガンダはやめてもらえないでしょうか。

ダンテ: …さて、先ほど言いましたように、私は侵略と追放以前にこの美しき大地に暮らしていた原住民達を代表しています。現在の西欧諸国の視点から、彼らの対立と野蛮とされる慣習を見たとしても、クロマニョンの時代から生態学的バランスを維持するために殺し合ってきたヨーロッパ人よりは悪くなかったでしょう。要するに、強制収容所の発明者はアラカルーフの民やトゥピナンバ族ではなかったと…

M.オザワ博士: はい、はい、はい、わかりました…実際のところ、我々はあなたを要注意人物に指定することに意欲的です…

ダンテ: 私もこの一連のシリーズが大好きです。

M.オザワ博士: …あなたは非常に不思議な存在です。我々はあなたの目的が何であるかを知りません。それにあなたは財団に対してさほど攻撃的ではありませんね。

ダンテ: それで、私はこのラテンアメリカ支部にふさわしい者だと自負しています。

M.オザワ博士: あの、ラテンアメリカ支部ではありませんよ。ここには多くのスペイン人もいますから。

ダンテ: はあ、スペイン人ですか(彼の手で曖昧なジェスチャーをする)…自分達だけの財団でも設立したらいいのに。2

M.オザワ博士: スペインが嫌いなんですね。

ダンテ: いや、そんなことはありません。私はスペインという名のハリボテ国家の不安定な寄せ集めが大好きです。尊敬するスペイン人もたくさんいます。例えばゴンサロ・ゲレーロ、アルトゥーロ・ペレス=レベルテ、皆素晴らしい人たちです、それとサンティアゴ・ラモン・イ・カハール…それくらいですかね。

M.オザワ博士: わかりました、あまり話を脱線させないようにしてくださいね…あなたの採用には前向きですので、連絡先を教えてください。

ダンテ: ありがとうございました。あっ!ちょっとしたプレゼントがあるのでした。繁栄と愛があなたにありますように。

ダンテは陶器の置物を鞄から取り出す。

M.オザワ博士: えっとこれは…これはエケコですね?3すごい!大学の時、同期のボリビア人が1つ持っていました。これはそれとほぼ同じようですね。食べ物の袋を持って、幸せそうな表情で、口にはタバコが…あれ、このタバコはマリファナ?…ダンテさん?


白衣を着ていて、頭頂部が禿げた眼鏡の男が入室。

Dr.クラウス: こんにちは!私はドクター・クラウス。人類の選択的改善のためのフェルグソン研究所の代表です。我々は謎に包まれた科学的/優生学的な組織です。何十年もの間姿を消したかもしれないし、そうでないかもしれません。目的のために復活を遂げたかもしれませんし、そうでないかもしれません。その目的とは邪悪なものかもしれませんし、そうでないかもしれません。

M.オザワ博士: そして、我々はそれらを受け入れるかもしれないし、受け入れないかもしれません…ふむ…私はあまり納得できません、あなた達はナチスを想起させます。我々はここでそれらを扱いたくないのですよね、まあ別にこれといって文句があるわけではないですけど4。それに、本部には既にナチの組織がいくつかありますから、それを使えばいいですし、チリのナチスってのもあるみたいですが、ちょっとしょぼいですね。

Dr.クラウス: いやいやいや、私たちはナチスとは違うんです。ナチスは私たちのアイデアのいくつかを真似しましたがそれらを…極端に解釈したのです。

M.オザワ博士: しかし優生学が常に人種差別主義の側面を持っていたことを否定できないでしょう。

Dr.クラウス: はい、それは……研究所の負の歴史です。しかし私たちは変わってきました。今、私たちは本当に新しく革命的な存在に期待を寄せています。すなわち、ハイブリッドパワーです!

M.オザワ博士: はい?

Dr.クラウス: それは人種の混合を通して様々な人間の優れた特徴を組み合わせることです。私たちはもはや近親交配を繰り返すだけの「純血」を望みません。あなたの民族的背景は何ですか?

M.オザワ博士: …?

Dr.クラウス: あなたの民族的なルーツはなんですか、あなたの両親はどの人種でしたか、いえ、答えないでください。私が推理してみせましょう。…まあ、あなたは明らかに単民族ではなく、混血ですね、経験のない素人からは単民族に見えるかもしれませんが。瞳の形、鼻、顎のライン、柔らかさのある表情、ここから推測するにアジア系とコーカソイドの血が入っているようです。そして白い肌、親が同じように白い肌であり、コーカソイドにルーツがあると考えられます。地中海人種も捨てがたいですが、ゲルマン系や北方人種ですか?違います?

M.オザワ博士: ……….?

Dr.クラウス: あるいはスラブ系、もしくはアルプス人種かもしれません。次にもう片方の先祖をたどっていきましょう。フィリピン系、モンゴル系、ベトナム系ではなさそうですね。もしそうであれば肌がもう少し暗みがかったような色になるかと思います。恐らくは東アジア系、日本人か韓国人か、あるいは中国人ですね。どうです?

M.オザワ博士: …….,;:::;,,.,_-.—.?

Dr.クラウス: ご年齢は?25歳、高くとも27歳は超えないと思いますが。

M.オザワ博士: 35歳です。

Dr.クラウス: おお、実際の年齢より若く見える、これはアジア系の女性に典型的です。ただし更年期に達するまでですが。

M.オザワ博士: ねえ、私は本当に驚いています、こんな分かりきった結論が出たことについて。部屋のドアに「Dr. M.オザワ」と書いてあったのを見ませんでしたか?

Dr.クラウス: 気づいていましたよ。でも私は自分の推理技術を見せたかったのです。そして"M"は何を意味しているのですか?

M.オザワ博士: あなたの興味を引くものではありません。

Dr.クラウス: 私があなたの両親について正しく推理できていれば、少なくともあなたは私に言うことができます。

M.オザワ博士: はい、私は日本人のハーフ、ドイツ人のハーフ、ユダヤ人のハーフです。これはあなたにとって重要なことではありません。

Dr.クラウス: 3なのにハーフですか。

M.オザワ博士: 複雑な事情があるのですよ。

Dr.クラウス: オザワはあなたのお父さんの姓ですね。

M.オザワ博士: そうです。

Dr.クラウス: あなたのお父さんはアジア人でしたが白人女性と結ばれました、祝福させてください!

M.オザワ博士: そりゃどーも。面接は終わりですからとっとと帰ってください。必要があれば連絡を入れます。


カジュアルな服に身を包んだ不遜な態度の若い男が入室。

マクシムス: よう、ネーチャン。何の話があるんだい?

M.オザワ博士: ボク、ここにいちゃいけないわよ。ここは大人のビジネスの場なの。

マクシムス: うるさいな。アンタM.オザワ博士であってる?███████生まれ、社会保障番号[データ削除済]、17歳の頃[データ削除済]クンと付き合ってた…

M.オザワ博士: ちょっと!静かに!…どこでそれを…?

マクシムス: 俺の名はマクシムス。なぜなら俺はマックス、最高だから。告知のために来た。

M.オザワ博士: 応募者リストには載ってなかったはずですが。

マクシムス: 確かに、リストに載ってなかったな。俺は自分の名前を書き加えるためにデータベースに侵入してからここに来た。確認したかったら確認してもいいぜ。

M.オザワ博士: つまり、あなたはハッカーのスキルを持った道化師というわけですか。

マクシムス: そう言いたきゃそう言えよ。

M.オザワ博士: 基本的に、私はそれがとても弱いと思います。ハッカーは既に多くいますし、財団にも十分います。ハッキング専門の機動部隊すら所有しています。

マクシムス: (携帯端末を手に持つ) ああ、知ってるぜ。 ジョンソン、マイルス、ラミレス、スミス、サンダース…ちなみに、サンダースの奥さんが妊娠してるって知ってた?

M.オザワ博士: 私が言っているのは、単純なハッカーはあまりにも平凡だということです。

マクシムス: (端末を触り続ける) それマジ?まあ別にいいけどさ。承認されなかったら、俺は部屋を出て行って、アンタはコンピュータに表示された「不採用」ボタンを押すって話だ。

M.オザワ博士: 聞き分けのない子ではないようですね、それでは。

オザワ博士が「不採用」をクリックすると、「システムエラー。この超クールな候補を不採用することはできません。」というメッセージが画面に表示された。もう一度クリックするとこの表示は消え、別のメッセージ「ベイビー、唯一の選択肢は採用ですよ。;) 」が表示された。それに続いて、M.オザワ博士がマクシムスにインタビューをしている様子を描いたアスキーアートが添付されていた。ただし、マクシムスはサングラスをかけていてマッチョになっていた。1分後、3番目のメッセージが画面に表示された。「今夜の予定を尋ねたかったけど、もう見ちゃった。また別の機会に会いましょう。女の子へ、マクシムスより愛をこめて。」


(オザワ博士がふと顔を上げると、目の前で黒人男性がまるで彼の自宅にいるかのようにくつろいでいるのに気づく。男はハゲ、もしくはスキンヘッドと呼ばれるような頭で、黒いサングラスをかけていて顔がわからない。)

M.オザワ博士: 誰ですか? どこから来たのですか? どうやって音もなくこの部屋に入れたのですか?

マリウス: 心配しないで、恐れることはない。

M.オザワ博士: 恐れていません、何者か聞いているだけです。

マリウス: 私の名はマリウス・カシェウェ。アンタレス協会の"鉄槌"だ。同胞団を代表してやって来た。

M.オザワ博士: アンタレス協会?マリウス?ああ! わかった。

マリウス: 私たちは君の興味深い告知を読んで、そして…

M.オザワ博士: 興味ありません、私はあなたの話など聞きません…私はあなたが何であるか、あなたが何をしているのかを知っています。そして私はあなたがかわいそうなべセラにやったことを忘れていませんよ。

マリウス: 私は本物だ。それは保証しよう。

M.オザワ博士: 本体は遠いところにいて、これは精神的に投影された幻像でしょう。何も怖くありませんよ。

マリウス: 怖がらせに来たわけじゃない。信じてくれ。

M.オザワ博士: そんな訳ありません。なぜ室内でダサいサングラスをかけるのか?それは精一杯威圧的に見えるように頑張っているからです。それに、「恐ろしい黒人男性」を演じていますね?そういうのがあなた自身の人種への偏見を助長してるんですよ?わかってますか?

マリウス: …え?

M.オザワ博士: とにかく、私の前から消えてください。まだ仕事が残ってるんです。

マリウス: もう一度言う、私は本物だ。私は実際にこの部屋にいる。

M.オザワ博士: 物理的に?じゃあ確かめてみましょうか。

(オザワ博士は机の引き出しを開き、拳銃のデザートイーグルを取り出してマリウスに向ける)

マリウス: わかった、落ち着いてくれ。そんなことしなくていい。

M.オザワ博士: あなたが本当にここにいるかどうか試してみましょうか…

マリウス: 君の言う通りだ。私は嘘をついた、私は単なる精神的な幻像だ。

(マリウスは起き上がり、デザートイーグルから目を離さずにゆっくりとドアの方へ戻り始める)

M.オザワ博士: よろしいですか?今、私は自分が間違っていたと思い始めました。

マリウス: 違う、私は本物ではない、私は幻像だ。私を撃っても弾は当たらずにすり抜けるし、ドアを貫通して、君の同僚に当たるかもしれないぞ。

M.オザワ博士: 信じられません、それに今は廊下に誰もいない時間帯でしょう。

マリウス: もう諦める、全ての精神的な干渉も切断する…ドアまで行ってそこから出て行く。

(マリウスがドアを通って部屋を出る)

M.オザワ博士: はー終わった、もううんざりです。


(M.オザワ博士がフォン・ブラウン博士のオフィスを覗き込む)

M.オザワ博士: フォン・ブラウン博士?…今忙しいですか?緊急の仕事が入っちゃったので、新GoI候補の面接官を代わってもらえないかと思っているのですが、忙しいかもしれませんがどうかお願いします!ね?ね?ね?いいでしょう?

M.オザワ博士が彼に微笑んだり、親切に話したりしたのは今回が初めてだったのでやや不安を感じているフォン・ブラウン博士: ええと…OK、OK、交代できると思う。応募者は多いの?

M.オザワ博士: 少ないですよ、11人くらいです。

フォン・ブラウン博士: わかった。引き受けよう。ところで、君が「ね?ね?ね?」と言ったとき、めっちゃ可愛かったんだけど。あれ、もういない?早すぎでしょ…


スペイン軍の指揮官: こんにちは。私は特別保安局(Comisaría Especial de Seguridad / CES)の代表です。

フォン・ブラウン博士: ちょっと待った!アンタはスペイン人か?

スペイン軍の指揮官: そうです、特別保安局が設立されたのは…

フォン・ブラウン博士: は〜〜〜クソクソクソ!いいか、私が聞きたいのはな、お前の母国はどこだ?いつもの"例の国"か?ってことだ。

スペイン軍の指揮官: えぇ…

フォン・ブラウン博士: 黄金を返せ!…いや今のは冗談だけど。でもカタルーニャ5は返したほうがいいんじゃないか?まだお前らが持ってるだろ?闘牛とパエリヤについてはどう思う?

軍人が退室

フォン・ブラウン博士: それからユダヤ人を火あぶりにしたこともあったよな、最近も何かした?(大きな音が聞こえる)よし、1人脱落、残り10人。

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