拷問はなおも続く
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「あぁ、今度は火あぶり、か」

ジー、ジー、ジー…………


「い、痛そうな槍だな。どこを突グッ」

ズサッ、ズサッ、ズサッ…………


「どうだシスター。俺の罪は、軽くなって、いるか?ほんとに片岡は生き返るんだよな……?」

「神を疑ってはならない。汝が罪はまだまだ償うにはほど遠い」

「疑ってるのは神様じゃなくてお前なんだがな……」

ギシッ、ギシッ、ギシッ…………






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「あ?」

何百、何千回後の死の後、エージェント・蒼井が目を覚ますと色鮮やかなステンドグラスの並びが目に入った。殺され続け疲弊した精神で自身に当たる多色の光を眺めているうちに、彼のぼんやりした頭はある疑問に至った。なぜ死なない?

起き上がる蒼井。そこは SCP-606-JP、あの教会の中だった。自身に一切の拘束はなく、五体満足の身だった。周りに刃物など危険性を感じるものはなく、教会内は荘厳な雰囲気の中静まり返っていた。

「汝の罪は雪がれた」

蒼井が振り返るとシスターが説教壇に立っていた。

「おいおい……本当か?神が俺を許したのか?」
「そうだ。神は汝を赦し給うた。二度と過ちを犯すな」

そう告げるとシスターは蒼井に背を向けて立ち去ろうとした。あっけにとられる蒼井であったが、彼はここで引き下がるわけにはいかなかった。

「待てよ」

彼は全てを投げ打ってこの教会に来た。人間の精神の限界を超えて、数多の拷問と死を耐え続けてきたのはただ彼女への贖罪への一心だった。

「理奈……片岡理奈はどこだ!」

シスターは無言で教会の隅に置かれた木椅子を指さした。そこには一糸纏わぬ姿の女性が横たわっていた。

「理奈!」

蒼井は駆け寄り腕を取る。体は教会の空気で冷えてはいるが、確かな温もりを感じた。

「理奈!おい、俺だ、わかるか」
「蒼井さん……」

そう言うと彼女は気を失った。一瞬焦る蒼井であったが、寝息をするのがわかると安堵の表情になった。蒼井は彼女にスーツの上をかける。シスターはいつの間にか姿を消していた。教会の中には男女二人きりだった。

片岡理奈はかつて蒼井の相棒として背中を預けた女性だった。拳銃を用いての制圧を得意とする蒼井の後方をサポートする片岡は抜群のコンビであるように見えた。しかし彼女はスパイであった。収容違反を起こそうとする相棒の頭を蒼井はためらいなく撃ち抜いた。財団のエージェントである以上それが当たり前だと思っていた。しかし蒼井は自分が思ったより人間らしいことに後から気が付いた。夜中一人になると理奈の顔が浮かんできた。折り合いをつけたはずの感情は胸の中で渦巻いて消えなかった。

そしてこの教会で、その押しとどめた感情はあふれ出した。


蒼井は彼女を担いで歩きだした。彼女を取り戻した以上もはやこの教会に用はなく、一刻も早く立ち去りたかった。しかし彼の研ぎ澄まされた耳は教会の出口から来るかすかな足音をとらえた。足音は殺されており、音の主はただものではないことが伺えた。蒼井は彼女を柱の陰に下ろし、銃を構えた。現れたのはすこし白髪が混じり始めた中年の男性。くたびれたスーツの胸には黒百合を模したピン。

蒼井はその顔を見たことはなかったが、銃を胸元にしまった。その表情にかつてのかわいい後輩の面影を見たからだ。

「やっぱり……蒼井先輩ですか!」
「お前……戸神か。ずいぶんと老けたな」
「蒼井先輩はお変わりないですね」


「おかえりなさい」
「おう、ただいま」


戸神は蒼井のエージェントの後輩であり、弟子ともいえる存在である。大学生であった戸神を見出して財団に紹介したのも蒼井だった。片岡亡き後、蒼井は後輩指導として戸神とツーマンセルを組むことになった。それから数年、右も左もわからなかった戸神はスポンジのように蒼井の技術を吸収していった。蒼井が装うエージェントらしさに近付いていくのがわかった。だが、蒼井のエージェントとしての姿は自身を守る鎧でしかなく、内に渦巻く胸の痛みは次第に誤魔化しが効かなくなっていた。そしてまもなく、蒼井はこの教会で償いをすることに決めた。愛しの後輩には「俺みたいになるな」と言い残して。

「俺が教会に入ってから何年経った?」
「20年と7か月です。今は2036年の12月。おっと」

再開を喜ぶのもほどほどに、戸神は話題を変えた。蒼井はその戸神の様子にどこか違和感を覚えた。

「先輩、御帰還直後で申し訳ありませんが、あなたは財団の管理下に置かれます。全身の精密検査、対話部門によるカウンセリング、ミルグラム検査などを受けることになるでしょう」
「ずいぶんと"財団の犬"らしくなったな。けどエージェントにしちゃあ牙が抜かれすぎに見える」
「20年も経てば色々変わります。財団は恐るべきシステムで、ひどく正しい。僕は先輩とは違う。先輩のようにならないよう生きてきたんです」

正面切って自身を否定する戸神を見て蒼井は右の口角を少し上げて笑顔を見せた。戸神は口を引き結んだ。

「では従っていただけますね?」
「おれも収容される側になるとはな。そうだ戸神、エージェント・飛田、覚えてるか」
「……SCP-2X1Y-JPに曝露した方でしたね。先日、亡くなりましたよ。曝露してからずっと」
「そうか。彼は変わらず収容されてたと。あの時俺が何て言ったかも覚えてるか?」
「『お前が同じことになったら、俺が殺してやるから心配するな』と」
「よく覚えていたな。ならお前は俺を殺さないのか」

戸神は大きくため息をつき、髪をかく。

「先輩は飛田さんとは違いますよ。もちろん検査の必要はありますが、とくに大きな異常性の発現などはしていないじゃないですか。一定の手続きを経ればエージェントに復帰できると思います」
「はっ、エージェントに復帰」

蒼井は鼻で笑った。正常性の維持より感情を優先させた自身はエージェントとしての資格など無い。それを戸神が咎めるのでなく、再度エージェントにさせようとすることを滑稽に思ったのだ。

「俺は収容違反を起こした身だぜ。このままおとなしく復帰できるなんて思えねえ。いいとこ記憶処理されての解雇だ。殺されたほうがましだろ────あぁ。そういうことか」

蒼井は先ほどから戸神に感じていた違和感の答えがわかったような気がした。殺してくれというのは軽口のつもりだったが、それが正解のように思えた。

「なぁ戸神。なんでお前がここにいるんだ?」
「SCP-606-JPの担当だからです。先輩を知るためにここまで来たんですよ」
「けど一人でオブジェクトの中に入るのはおかしいだろ」
「先輩がそれを言いますか?機動部隊はすぐ外に待機させています。僕一人で来たのは先輩に警戒されないため、それと先輩が異常なく本物か判断するためです」
「本物、本物、くくく」

後輩が必死で取り繕う姿を蒼井を尻目に自身の装備を頭の中で反復していた。グロックには銃弾が詰まっていることを先程確認した。閃光弾はこの単距離じゃ使いづらい。ベルトは……。だが目の前の男によって思考は遮られた。

「どうしたんですか先輩。何かヘンですよ。もしかしてあなたは……」
「じゃあ俺からも言わせてくれ。安全装置を外した袖仕込み銃を掌に収めてるのはどうしたんだ」
「オブジェクト内ですよ!?警戒するのが当たり前じゃないですか!」

戸神の眉間が汗ばむ。20年という月日でお互いにお互いの記憶は薄れに薄れている。そのため目の前にいる人間が本当に自分の知っている人間なのかはなはだ疑問に思えてしまうのだろう。だが蒼井は戸神が偽物であると確信していた。

「くっくっく」
「何がおかしいんですか」
「なあ、俺の罪は本当に許されたのか?20年ごときの拷問で許されるような罪だったのか」
「オブジェクトの言っていることなんてでたらめです」
「そうでたらめだ。俺の罪は許されるもんじゃない……。神は俺を許したように見せているだけだ。そうだろ?」
「訳が分かりません。信じる神なんて存在しません。神が許したからじゃない、あんたは自分の努力でここに立っているんだ!」

戸神は銃を構えた。

「蒼井先輩、従ってください。あなたは通常の精神状態じゃありません。異常性の影響下にある可能性もあります」
「そうだ。そうして俺は撃たれて死ぬ……」
「コートから手を挙げてください」
「戸神、俺を撃てるのか?甘っちょろかったお前が」
「撃てます」

エージェントとしての蒼井は対人戦闘に長けている。対人戦闘においてオブジェクトや兵器との戦闘と最も異なることは瞬間瞬間での駆け引きが発生することだ。銃一つとってもどこに向けて撃つのか、それともただの脅しなのか、この判別が成功するか否かで生死を分けると言っていい。戦場で蒼井はいくつもの駆け引きに勝利してきた。その経験を以てして、目の前にいる男は引き金を引けると蒼井は判断した。

だから蒼井は立ち上がった。

「可愛い後輩に撃たれて殺される。神はなかなか粋な罰を用意したもんだぜ」
「先輩目を覚ましてください!あなたが信じる神なんて存在しない!拷問は終わったんだ!」

凪いだ水面のように張り詰める一触即発の空気。石を投げればすぐにでも崩れてしまう。戸神は大きく息を吐きだし、ふと一言呟いた。

「ところで先輩……。そこの柱に何かあるんですか?」

優秀なハッタリだった。蒼井は思わず片岡を隠した柱へと意識を向けてしまった。エージェントはその隙を見逃さす蒼井の右脚を撃ち抜いた。この場の駆け引きにおいては蒼井が敗北したように見えた。だが。

「判断が早いな。本物の戸神だったらもっとモタモタしてた。それにそんなピンポイントで狙えるほど銃は上手くねえ」

蒼井の感覚は度重なる死の苦痛の中で破壊されており、撃たれた程度の痛みではその足は止まらなかった。銃弾が放たれた以上、二人の硬直は解け戦闘は開始された。

「いい加減にしてください。僕は僕だ。僕は20年間、常に蒼井先輩の影を感じてきました。エージェントとして成長しても、蒼井の弟子と言われ続けた。でも、僕は逃げずにずっと抱え続けた!エージェントになるために、あんたとは違う方法であんたを救うために──!」

蒼井は片岡から離れるように移動し標的へと近づく。その耳は標的が放つ言葉を拾うことはない。エージェントは蒼井を行動不能にしようと銃を躊躇いなく撃つが、先程のような隙は蒼井にはなく銃弾は空を切る。そして、人を殺すことより人を生かして捕まえる方が難しい。その差が二人の勝敗を決めた。

「じゃあな、戸神の偽物」

蒼井が撃った弾は真っ直ぐに戸神の額に向かっていき、赤い花束が頭から噴き出した。戸神は倒れ、ステンドグラスのように床に赤が広がった。蒼井は短く息をつき、戸神の体に近寄る。拳銃は構えたまま。

「おら、どうした。起き上がって俺を殺せよ。これぐらいの抵抗で終わる拷問じゃなかっただろ?」

戸神の体を足蹴にするが、微動だにしない。だが教会の化け物が倒れるはずがない。20年間殺され続けたのだ。これで終わるはずはないと蒼井は警戒を解かない。

銃声を聞きつけてSCP-606-JP外部で待機していた機動部隊が突入してきた。蒼井は戸神の死体の横に立ちつくしている。

「俺を殺すのは戸神じゃないのか。ああ、後輩を自分の手で殺めて?それで殺されるという罰か」

ある機動部隊員は即座に状況を判断し、蒼井を拘束した。別の機動部隊員は戸神の体に駆け寄り、そして拳を床に叩きつけた。先ほどまで荘厳な静けさに包まれていた教会は今や混迷と喧騒で溢れていた。

「俺を殺すのはお前か?それともお前か?さぁ早く殺せよ」

「なぁ殺せよ。違う、理奈には手をかけるな。俺を殺せ」

「殺せ!俺を早く殺せよ!俺の罪はまだ償えてない!」

暴れる蒼井に機動部隊員は何も言わなかった。




財団の執務室。吹上人事官はかつて自身が書いた人事評価を読み返していた。エージェント・蒼井。SCP-606-JPにおいて意図的な収容違反を起こし死亡済み扱い職員と判断された。その評価や判断は一点の曇りもなく誤りだったとは思わない。だが彼が蒔いた種は、予想以上に弟子の胸の深くに根付いていた。

「失礼します」

エージェント・"シスター"・ルコが入室する。彼女はかつて片岡と蒼井の葬式を担当した人物であり、そしておそらく戸神の葬式も担当するのだろう。

「蒼井さんの紙の報告書をお持ちしました。もうメールされたのを読んでいるとは思いますが」
「ああ、一応読みはしたんだが、どうもな。また惜しい人物をなくしたものだなと」
「戸神さんですね」

戸神は死んだ。先輩である蒼井の手によって。戸神の蒼井に対する感情は敬慕、目標、畏怖、焦燥、鬱屈……辞書にあるような言葉では表せない複雑な感情であったことだろう。けれど彼の手で死ぬことは戸神は決して望んでいなかったはずだ。何がこの死を引き起こしたかという問いに対する答えは複雑怪奇であるが、どうすれば回避できたかという問いに対してはただ一つ、彼ひとりで蒼井のもとに向かわなければよかったのは確かだ。そしてそれを誰も止められなかった。

戸神は死亡扱いとなった蒼井の葬式の後、財団エージェントとして大きく成長した。我武者羅に働き続け、蒼井譲りの手練手管を駆使し、財団の牙となって手柄を上げ続けた。財団からドロップアウトした蒼井の弟子だと冷ややかに見ていた周囲の人間も次第に彼を評価していった。エージェントの鑑、素晴らしい財団の駒だと。蒼井の名は薄れていき戸神の名が広まるようになった。彼も蒼井という呪いを断ち切り前に進んでいるように見えた。

だが周囲にそうと悟られない範囲で、彼はじわじわと蒼井の過去について情報を手に入れていた。20年経ち、気づけばSCP-606-JPの管理担当にまでなっていた。財団の犬だなどととんでもない。彼は師とは別の手段で財団への牙をむき続けていたのだ。結局彼は蒼井というエージェントにはならないという呪いに縛られていた。そしてその呪いは蒼井に認められることでしか解けなかったのだ。誤魔化すことなく呪いに向き合い続けることで呪いに縛られていた。そしてその呪いは彼をあの教会に連れていき、死に至らしめた。

「戸神は……残念だった。どうしようもない。"もし"を考えたところで仕事の妨げにしかならない。……戻って来た奴のことを考えよう。蒼井は収容セルに入ってからはどうなってる?」
「変わらず俺を殺せ、と。彼にとってはここは現実ではなく拷問が続いてると思ってるんでしょう」

蒼井も蒼井だ。久しぶりに再会した後輩をそのまま向き合うことをせず、あの日の未熟な駆け出しエージェントとしか見ていなかった。20年という月日をもっと重く受け止めていれば、戸神に感じた違和感は幻影ではなく成長だったと気づくはずなのに。また彼は向き合うことをやめ目を逸らしたのだ。そこまで考えて、吹上は思考を打ち切った。

「そういえば、片山……いや片岡か。蒼井の贖罪の相手。彼女も教会で発見されたんだろう?どうなったんだ」
「ご覧になりますか」

ルコは携帯端末を取り出し吹上に渡した。端末には白い収容セル内の様子が映る。

『蒼井さん……』

室内に配置された椅子に座っている片岡理奈。その現在の様子がリアルタイムで流れているようだ。かつて財団へのスパイ行為を行い蒼井を誑かした女。財団の敵。彼女にとってみれば敵である財団に蘇生させられ敵の胎内にいるような現状であるが、はたして胸中はいかなるものなのだろうか。

『蒼井さん』

吹上は彼女に違和感を覚え始めた。何というか、妙に静かなのだ。椅子に座り身じろぎせず、何の感情も伺えない。

『蒼井さん』

『蒼井さん蒼井さん』

『蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん蒼井さん』

「っ」

思わず声が漏れた。ルコを見上げる。ルコはただ冷徹に画面を見ている。

「これが蒼井の20年間の成果か」
「はい。今は人型収容セルに入っていますが、後にAnomalousアイテム保管庫へと移されるでしょう。壊れたレコーダーのような生体人形として」

やるせないな。教会の神とやらを信じて死を繰り返し続けた結果がこれとは。人は生き返らないし、救いの神など存在しない。それが道理ではある。だがあまりにも救いがない。財団で生きる以上、いつか自分に死の順番がやってくるのだろうが、それも報いがない死になるのだろうか。

「報告ありがとう、エージェント・"シスター"・ルコ。蒼井の処遇はこれから検討しよう。引き続き保護と一応メンタルケアを頼む」
「わかりました」

ルコは端末を引き取り、一礼した。

「そうでした、一点報告なのですが、現在の蒼井さんは自身を殺すように言う頻度は減っています。しかしその代わりに別のこと請願しています」
「それは?」
「SCP-606-JP、あの教会に行かせてくれと」
「財団の中じゃ殺してくれないから教会でなら、というとこか」
「そうかもしれません。あるいはようやくここが現世であると認めたのかもしれません。そして戸神さんを撃ち殺したという現実を」
「……また懺悔をするつもりか。20年以上の死を繰り返したいと」
「片岡理奈を取り戻したという成功体験があります。拷問ですり減った精神ならいかにか細い糸であろうと縋るでしょう」

その糸はおそらく繋がることはない幻だろう。あの教会にいた怪物は二度と過ちを犯すなといった。もう"神"に赦しを得ることはできないだろうに。吹上は大きくため息をついた。

「シスター、どこへかはわからないが祈ってくれないか。戸神と蒼井、二人のエージェントがいつか報われることを」
「そうですね。私には祈ることしかできません。ですが」

ルコは手を合わせた。片岡の葬式も蒼井の葬式の時も祈ったことを思い出した。



「蒼井さんの心はとうに壊れて、あの教会から出ることはないのでしょう」

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