SCP-3636を取り扱う全ての研究員は現在のブラックリストを把握し、そして自身の選択するいかなる楽曲の歌詞の内容も考慮に入れるべきです。SCP-3636が自分自身で楽曲を選択できる能力をこれまでに示しているため、研究はSCP-3636についての理解をさらに深めることに重点を置いています。
実験記録フォーマット:
実験は以下の形式に則って記録してください。
実験番号
選択した楽曲:
SCP-3636-1の事象:
効果:
メモ:
実験13
選択した楽曲: ピンク・フロイドの「Have A Cigar」
SCP-3636-1の事象: D-71829が突然髪を肩までの長さに伸ばし濃い口髭を生やし、彼の着衣もゆったりとしたTシャツと青色のデニムジーンズに変化します。灰色のスーツを着た60歳代半ばの年齢であるように見える1人の未特定の男性がD-71829に葉巻1本とシャンパンボトル1本を差し出します。D-71829はそれらを受け取り、そして二人は曲が再生されている間聞き取れない会話をすることを始めます。曲の最後の音が流れる間に、灰色のスーツの男性はデヴィッド・ギルモアがライブ公演でよく使用する黒色のフェンダー・ストラトキャスター1本へと変化します。
効果: D-71829は直ちに上記のギターを演奏し始めました。D-71829は以前には音楽に関する才能も興味も一切示していませんでした。D-71829はチリ出身であるにもかかわらず現在もっぱらイギリス訛りの発話をしています。
メモ: D-71829は現在さらなる実験のため拘留されており、また日中に上記のギターを使用する許可が与えられている。D-71829は財団がこれから先自分の音楽を商業化しようと企むのではないかという懸念を繰り返し口にしている。
実験14
選択した楽曲: DJクールの「Let Me Clear My Throat」
SCP-3636-1の事象: D-94812は曲の全体を通して外見から判断すると痛みを伴う咳の発作を起こし、曲が聴き手に「make some noise (騒ぐ)」ように求める時のみそれを止めて歓声を上げます。曲が始まって約2分で、D-94812の頭の上に1つのコーン紙製の「パーティーハット」が出現するとともに、天井からパーティー用の風船群が出現します。
効果: D-94812からパーティーハットを取り外そうとするこれまでのあらゆる試みは失敗に終わっています(外科的手段も含む)。D-94812は以前の検査で長年にわたる薬物およびアルコールの乱用によるいくつかの臓器の障害を示していたにもかかわらず「信じられないほど健康であると感じる」と主張しており、また標準検査の結果良好な健康状態であることが確認されました。D-94812は以前は暴力行為や無礼かつ怒った態度を示していましたが、この実験の終了以来それらは指摘されていません。D-94812は財団職員に敬意を持って接するようになり、そして今後の財団の行事のために「究極のパーティープレイリストを作り上げたい」という欲求を示しました。
メモ: プレイリストの作成は承認された。D-94812の終了処分はSCP-3636から得られる可能性のある心理的および医学的利益のさらなる検証のため現在長期にわたって延期されている。
実験15
選択した楽曲: ウォーレン・G ft. ネイト・ドッグの「Regulate」
SCP-3636-1の事象: 現代のカリフォルニア州ロングビーチにおいて若い頃のウォーレン・Gのように見える1人の男性が4人のアフリカ系アメリカ人男性による強奪に遭っている様子が映されます。ネイト・ドッグに似た外見を持つ1人の男性が到着するとともにその4人の男性を殺します。二人はそれから女性の集団を見つけるとともに1軒のモーテルへと入り、それと同時に曲が終了します。
効果: 4人の死体はロングビーチ市内のとある放棄された区画で発見されました。4人の男性は全員以前にギャング絡みの犯罪で有罪判決を受けていました。映像内の女性らは特定されそして映像内の事象群を記憶していました。関与した女性らにはクラスB記憶処理を施しました。
メモ: 映像内に出現した1人の女性は妊娠していることが確認され、またDNA検査によりお腹の子の父親はネイト・ドッグであることが確認された(彼が実験の6年前に死去していたにもかかわらず)。ウォーレン・Gはインタビューにおいて事象の記憶が一切ないということを主張した。
実験16
選択した楽曲: スティーリー・ダンの「Deacon Blues」
SCP-3636-1の事象: 「This is the day of the expanding man」1という歌詞が流れる間に、D-19223がカリフォルニア州マリブ市の外側にある広大な野原の中へと移動されます。D-19223はフットボールの競技場のサイズにまで拡大します。アラバマ大学のクリムゾン・タイドと、外見から判断するとマリブ大学のディーコン・ブルースと称される架空のものであるチームがD-19223の上に出現し、フットボールの試合を始めます。クリムゾン・タイドが34-7で試合に勝利し、そしてディーコン・ブルースの全てのメンバーが姿を消します。
効果: D-19223は曲の終了後直ちに多臓器不全により死亡しました。アラバマ大学のチームはD-19223の死体から3マイル離れた場所で混乱し助けを探し求めている状態で発見されました。
メモ: アラバマ大学のフットボールチームの全てのメンバー、そして事象を目撃した近隣住民に記憶処理を施した。D-19223の死体を破壊するとともに、野火が発生したというカバーストーリーを流布した。
実験17
選択した楽曲: ナパーム・デスの「You Suffer」
SCP-3636-1の事象: 曲の選択後直ちにD-17891の顔のクローズアップが映され、それと同時に彼女が極度の痛みを経験します。
効果: D-17891は曲の再生時間である1.316秒の間自身が極度の痛みを感じ、その後直ちに痛みが治まったということを認めました。
メモ: D-17891の財団標準身体検査の結果では長期的な異常な影響は一切見られなかった。
実験18
選択した楽曲: クール・アンド・ザ・ギャングの「Ladies Night」
SCP-3636-1の事象: SCP-3636が収容室から姿を消し、それと同時にサイト-17の4人の女性研究員も姿を消します。
効果: SCP-3636は失踪した研究員らと共にニュージャージー州ジャージーシティー市内のクラブの外に駐車された1台のピンク色の1979年モデルのクライスラー・コルドバの車内で発見されました。SCP-3636は車の運転席で銀色のロングドレスを着てタッチスクリーンにマスカラと口紅を塗り付けた状態で見つかりました。4人の研究員は全員同様の衣装を着ておりそして目に見えて酩酊していました。研究員らはSCP-3636と共に「夜通しパーティーをし」ていたと主張しました。
メモ: SCP-3636は曲をお気に入りに追加した。SCP-3636が今後の実験においても自らを女性として扱い続けるかどうかを見るためさらなる研究が提案されている。
実験19
選択した楽曲: ジンジャーの「Pisces」
SCP-3636-1の事象: D-1879がSCP-3636の収容室内でノーザンパイクの成魚に変化し、短い間床に横たわった後ウクライナのドニエプル川に出現します。彼女は曲が再生されている間泳ぎ、その後1人の漁師に捕らえられ、続けて曲の最後の1分の間に料理されて食べられます。
効果: D-1879の痕跡は一切見つかりませんでした。映像内で描写された漁師は最終的に捜し出されましたがいかなる異常な影響も示しませんでした。
メモ: 研究員らはSCP-3636が複雑な隠喩を理解するのを苦手としているかもしれないということを提唱している。
実験20
選択した楽曲: ラッシュの「The Camera Eye」
SCP-3636-1の事象: D-12281の両目がそれぞれカメラのレンズに変化します。D-12281の静脈群と動脈群が一時的に彼女の皮膚の下で見えるようになり、そしてゆっくりとXLRケーブル群のように見えるものに置き換えられていきます。D-12281の両手の指がそれぞれ標準的なカーディオイドマイクロフォンに似て見える形と色に変化します。曲が始まって約3分で、D-12281はマンハッタンのミッドタウンに出現しそして外見から判断すると誰の目にも見えない状態で密かに市民らを監視し始めます。曲の後半で、D-12281のいる場所がロンドンの中心街の人通りの多い場所に変化します。
効果: D-12281は最終的にロンドンで捜し出され財団の管理下へと戻されました。影響を受けた近隣住民には用心のため記憶処理を施しました。
メモ: D-12281の外科的分析が検討されている。
実験21
選択した楽曲: ナイトウィッシュの「Endless Forms Most Beautiful」
SCP-3636-1の事象: 独立したいかなる効果も観察されませんでした。映像は原始生命体のコロニーのように見えるものを顕微鏡を用いて観察したショットから始まり、その後素早くズームアウトし、そして推定上時間を加速させ、多数の種類の節足動物の類似体(地球のカンブリア紀に関連する節足動物群に似ている)が生息している海底を映します。カメラの視野はそれから1個の文書化されていない地球のような惑星の多くの地域にズームし、時折時間を加速させてその世界の生命の進化を映し出します。映像はヒト科の類似体の1部族を見せ、そして繰り返し2つの石を打ち合わせている(外見から判断すると火花が散る結果をよく見るために行っている)1体に焦点を当てながら終了します。
効果: この時にはいかなる持続的な効果も観察されませんでした。しかしながら、映像内で描写された惑星の存続およびそこに存在する生命は無視できません。
メモ: 「この曲は完全にはブラックリスト入りしていないが、この曲でのさらなる実験にはO5の承認が必要となるだろう」―サザーランド博士
実験22
選択した楽曲: アラゴルン(アラソルンの息子)の「Song of Beren and Lúthien」
SCP-3636-1の事象: 「ライブミュージックビデオ」のバナーは出現しません。映像は俳優のヴィゴ・モーテンセンに似ている1人の人物が1人の不明な人物(人間でないが外見から判断すると女性)に向けてアカペラでセレナーデを歌っている様子を描写します。前者の人物は灰色の目とモーテンセンよりもがっしりとした体格を持っており、女性は尖った耳を持つとともにとても青白い見た目をしています。映像の終わりに、上記の男女はキスを交わします。
効果: 再生の直後、検索エンジン群において「Beren and Lúthien」、および『指輪物語』やJ・R・R・トールキンの中つ国に関連する他の用語群の検索数の急上昇が記録されました。この他には、これまでのところいかなる効果も観察されていません。
実験23
選択した楽曲: ジョン・ケージの「4'33"」
SCP-3636-1の事象: 曲が再生されている間画面が砂嵐を表示します。
効果: 収容室内の全ての音が無効化されました。
メモ: この曲は本当のインストゥルメンタルとは見なされないということか? もしかしてSCP-3636はこの曲が歌手によって歌われていると「想像し」たのか? ―N█████博士
実験24
選択した楽曲: カンニバル・コープスの「Devoured by Vermin」
SCP-3636-1の事象: D-27542が直ちにサイトから姿を消し、そして映像内においてとある非公表の場所に再出現している様子が映されます。様々な害虫や害獣が地面から彼に接近し、そして様々な昆虫が空中から彼に接近します。D-27542はSCP-027の現在の宿主が有している体力を有しているように見えます。曲が始まって33秒で、D-27542は害虫や害獣に完全に覆い尽くされ、そして映像の残りの部分が表示される間姿の見えない状態になります。映像が表示される間さらに多くの害虫や害獣が接近し続けます。
効果: D-27542はSCP-3636-1の事象の4時間後にリヒテンシュタインのV████で発見されました。D-27542は害虫や害獣に完全に覆い尽くされた状態でした。D-27542は終了されました。
メモ: 曲をブラックリストに追加した。
実験25
選択した楽曲: リック・アストリーの「Never Gonna Give You Up」
SCP-3636-1の事象: D-29234が姿を消し、そして映像内において曲のオフィシャルミュージックビデオの一部が撮影された場所であるロンドンの地下道にいる様子が映されます。彼はアストリーが曲のオフィシャルミュージックビデオの一部で着ていた衣装(黒色のシャツとスラックスの上に黄褐色のロングコート)を着ています。彼はアストリーのそれに似た動きのダンスを踊りながら自身の隣に立っている1人のブロンドの女性に向けて歌詞を歌います。女性は彼の愛情に対して積極的な反応を示し、そして映像の終わりに、D-29234は彼女を自身の腕の中へと抱き寄せます。
効果: D-29234は上記と同じ地下道において両手で頭を抱え、人目もはばからず泣き、そして「彼女はあいつにそっくりだった」という言葉をブツブツと呟いている状態で発見されました。映像内で描写された女性は数ブロック離れた場所で発見されました。職員がインタビューを行うと、彼女は歌が終わったその瞬間にD-29234が慰めようもないほどに泣き崩れたということを報告しました。女性および他の全てのSCP-3636-1の事象の目撃者にはクラスA記憶処理を施しました。
メモ: D-29234は以前に元ガールフレンド1人を殺害したかどで有罪判決を受けていた。その元ガールフレンドはSCP-3636-1の事象内で描写された女性と似た外見をしていた。過去の行動に基づいて分析するに、SCP-3636はひどく間違った思いやりから行動していたと思われる。
実験26
選択した楽曲: アル・ヤンコビックの「Ode to a Superhero」
SCP-3636-1の事象: 映像は曲の中で描写されている通りに2002年の映画『スパイダーマン』の劇中の様々な出来事の再現を描いたモンタージュの形をとっているように見えます。全てのエキストラと背景キャラクターは実際の現代のニューヨーク市の住民が演じていますが、モンタージュ内に出現している全ての主要キャラクターは映画が撮影された期間におけるものと同じ見た目をした各自の俳優の正確な複製体が演じています。
効果: 目撃者らおよび異常性のない参加者らには記憶処理を施しました。キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、ローズマリー・ハリスの複製体(そしてクリフ・ロバートソンとウィレム・デフォーの複製体の死体)は捜し出され財団の管理下へと入りました。医療検査により彼らは元の俳優と遺伝的に同一であることが確認され、そしてインタビューによりキルスティン・ダンストとジェームズ・フランコの複製体は両者とも自身の演じたキャラクター(それぞれメリー・ジェーン・ワトソンとハリー・オズボーン)に対応する記憶を有しているとともに自身のことをそのキャラクターであると信じていることが判明しました。他の主要キャラクターに対応する複製体群の捜索は現在も続けられており、そしてトビー・マグワイアの複製体が自身の演じたキャラクターと同じ異常能力を有しているかどうかは未だ不明です。
メモ: この曲を偶発的にもう一度選択してしまったところ複製体群は1回目のミュージックビデオの始まりにおけるものと同じ物理的状態と場所へと立ち戻り、その後全ての事象を全く同じように再演した。財団の管理下に入った複製体群はこれらの同じ事象を2度体験したことの記憶を一切示していない。
「まだたったの、何だ、2、3日しか経ってないんだろ? 彼はじきに姿を現すだろうと私は確信している。本物の生きたスパイダーマンは見逃しようがないだろう」―リー研究員
実験27
選択した楽曲: メルツバウの「Woodpecker No. 1」
SCP-3636-1の事象: D-21512が姿を消します。ミュージックビデオは窓とテレビ(いくつかの点滅する色と眩しく飽和した画像を表示している)を備えている1つの放棄された汚れた部屋で構成されています。D-21512がテレビの映像の一部の中において見られます。
効果: ミュージックビデオ内で描写された部屋は[編集済]にて捜し出されたものの、D-21512が発見されることはありませんでした。室内のテレビは検査され、その結果[データ削除済]が明らかになりました。
実験28
選択した楽曲: カーリー・レイ・ジェプセンの「Call Me Maybe」
SCP-3636-1の事象: トンプソン研究助手が、曲のオフィシャルミュージックビデオ内でカーリー・レイ・ジェプセンが着ていたのと同様の衣装を着ている様子が映されます。エージェント・ヘンドリックスも同様に出現しており、そして彼はトンプソン研究助手(そわそわした様子で扇を使いながら彼を背後から観察している)の手伝いをしています。彼らは会話をし、そしてトンプソン研究助手は1枚の折り畳まれた紙をエージェント・ヘンドリックスに手渡したのち素早く去ります。
効果: トンプソン研究助手はインタビューにおいて自身がエージェント・ヘンドリックスに惹き付けられており、そして彼とコミュニケーションをとりたいと思っているものの不安を抱いているということを認めました。両者とも上記のやりとりをした記憶を有しており、そしてエージェント・ヘンドリックスは自身のポケットの中に上記の折り畳まれた紙を所持していました。その紙にはトンプソン研究助手のプライベート用の携帯電話の番号が書かれていました。
メモ: もう一度曲を選択して表示された映像では異なる人物らからなる1組の男女が映され、そして彼らは似たような状況で描写された。その男女の両者とも特定されそしてやりとりの記憶を有していたが、彼らは当初はそれを夢だと思っていた。SCP-3636は曲をお気に入りに追加した。
実験29
選択した楽曲: ダフト・パンクの「Harder, Better, Faster, Stronger」
SCP-3636-1の事象: 機動部隊タウ-5 ("サムサラ")の隊員らが作り出される過程が映されます。
効果: 新しく作られたクローンらはタウ-5のつい最近の記憶を有しており、そして混乱を示しました。[編集済]に駐在していたタウ-5は倒れ全ての機能を停止したことが報告されました。原因は現在のところ不明です。
実験30
選択した楽曲: ケロ・ケロ・ボニトの「Flamingo」
SCP-3636-1の事象: D-20357がこの実験の間姿を消します。画面には彼女がサイト-17のカフェテリア内におりテーブルの前に座っている様子が映されます。彼女の目の前には大きな深皿一杯の生エビがあり、彼女は続けてその全部を食べます。他の職員はその時点でカフェテリア内に存在していますが、D-20357には気付いていないように見えます。映像が表示される間に、D-20357の肌が徐々に鮮やかなピンク色になっていきます。
効果: D-20357の肌は実験の終了後もピンク色のままとなりました。分析により彼女の皮膚には大量のカロテノイドが存在していることが判明しました。これにもかかわらず、D-20357は上記の大量のエビを摂取したことによる悪影響を一切示しませんでした。
実験31
選択した楽曲: ミートローフ with パティ・ルッソの「I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That)」
SCP-3636-1の事象: ジュリア・"チンシー"・ペンラン警備主任(基礎セキュリティを担当しており以前にはSCP-3636の異常特性を認識していなかった)がSCP-3636の収容室から姿を消します。SCP-3636の映像内において、ペンラン警備主任がサイト-██の廊下に再出現し、同様に移動されたジェラルド博士の隣に立っている様子が映されます。
効果: [データ削除済]。いくつかのKeterクラスの実体の重大な収容違反に対する最終手段としてサイト-██の核弾頭の緊急起爆が行われ、サイト-██およびそこに配属されていた全ての職員が完全に消失しました。言葉遊びの結果として生じた数少ないSCP-3636-1の事象の一つとしては異例なことに、その映像には曲の歌い手であるミートローフとパティ・ルッソによるライブスタジオレコーディングセッション(2013年に行われたものの現在に至るまで未発表)の光景が織り交ぜられていました。
メモ: ペンラン警備主任とジェラルド博士はサイト-██の駐車場にあったオートバイに二人乗りをして脱出し辛うじて爆発半径から逃げ延び、重大な収容違反とそれに続くサイト-██の完全消失を生き残った。二人は以前には互いに面識がなく、またサイト-██の破壊より前にはそこに配属されたことも訪れたこともなかった。曲は現在ブラックリスト入りが検討されている。
実験32
選択した楽曲: 近藤浩治の「地上BGM」(『スーパーマリオブラザーズ』のテーマ)
SCP-3636-1の事象: 映像はサイト-77の職員の80%が曲のリズムに合わせてダンスを踊り、それからサイトのカフェテリアへ行って各自に提供されたキノコを摂取する様子を描写します。
効果: いくつかのSCPオブジェクトに対する監視の不行き届きにより、サイト-77にて高レベルの収容違反が発生しました。レベル4未満の全ての職員に記憶処理を施しました。
メモ: 曲をブラックリストに追加した。またサイト管理官ガレスピーはこの曲を選択した職員に対し罰則を科した。
実験33
選択した楽曲: ドリーム・シアターの「Scene One: Regression」
SCP-3636-1の事象: 曲のイントロの後、D-21928が姿を消します。映像内においてD-21928が治療施設の一室で横たわっている様子が映され、そしてそこで彼は曲の歌詞を歌い始めます。曲が終了した後、止めることのできない形でアルバムの残りが再生され始めます。映像はアルバムの全部の内容をその元の順序の通りに描写します。
効果: アルバムが終了する直前、D-21928はアルバムの始まりに登場したのと同じ催眠療法士によって「Open your eyes, Nicholas. (目を開け、ニコラス。)」という言葉をかけられながら殺害されました。SCP-3636の画面は最後の曲の終了後砂嵐を表示するのみでした。D-21928は帰還しておらず、そして彼の転送された場所がどこであるのかは未だ不明です。
メモ: この曲に始まるアルバムの歌詞と物語に関する研究の内容は映像内で描写されたD-21928の場面の内容とぴったりと一致する。アルバムを途中の曲から再生しようとするこれまでのあらゆる試みは強制的に最初の曲が再生される結果に終わっている。
実験34
選択した楽曲: 4キッズエンタテインメントの「PokéRap」
SCP-3636-1の事象: 映像は曲のオフィシャルミュージックビデオと同一の形式をとっているものの、名前の登場する全てのポケモンは問題となっているかつ生き物とほぼ同等のSCPオブジェクトに置き換えられています。例として、#006 ("リザードン")の場面ではSCP-1762、#052 ("ニャース")の場面ではSCP-529、#97 ("スリーパー")の場面ではSCP-4666、#130 ("ギャラドス")の場面ではSCP-169、#149 ("カイリュー")の場面ではSCP-682が映されます。曲のサビにおいて、サイト-17の様々な職員がそれら問題となっているSCPオブジェクトを「捕獲」(収容)しようと試みる様子が映されます。
効果: 曲の再生中に重大な収容違反が発生しました。完全な収容は42時間後に再確立されました。
メモ: 曲をブラックリストに追加した。
実験35
選択した楽曲: ライズ・アゲインストの「Prayer of the Refugee」
SCP-3636-1の事象: D-38452が姿を消し、そして映像内において大型スーパーマーケットに出現している様子が映されます。D-38452は曲のオフィシャルミュージックビデオと一致する動きで曲の歌詞をリップシンクしながら通路をうろうろと歩き回り、そしてその一方で複数のヒスパニック系およびアラブ系の客と店員が曲の再生されている間各自の信仰する宗教における祈祷の姿勢をとり続ける様子が映されます。
効果: D-38452はのちに██の███████にある地元のウォルマートで発見され、財団の管理下へと戻されました。映像内で描写された全ての客と店員は尋問され記憶処理を施されたのち解放されました。事象を収めた全ての監視映像は財団職員によって回収され、店舗の記録から一掃されました。
メモ: 尋問の際、映像内で祈祷を行っていた人物らは職を求めてアメリカへ越してきた合法的移住者であると判明した。
実験36
選択した楽曲: トビー・フォックスの「MEGALOVANIA」
SCP-3636-1の事象: 1人の女性の声が「その曲はこれまでに頻繁に再生されすぎています、もう一度選択してください」と言うと同時に画面が5秒間にわたって真っ黒のままとなり、その後選択画面へと戻ります。
効果: なし
メモ: SCP-3636が曲を再生することを拒否した2度目の例だが、今回は遠回しだった。さらなる実験が必要である。 ―F███████博士
実験37
選択した楽曲: ブルー・オイスター・カルトの「Veteran of the Psychic Wars」
SCP-3636-1の事象: 財団のIDカードを身に着けた1人の未特定の女性がエレベーターの中に立っている様子が映されます。IDカードは血で汚れており、氏名は判読不能です。彼女は平均未満の身長であり、また50歳前後の年齢であるように見えます。彼女は製造元も出所も不明な1個のエネルギー兵器のように見えるものを携帯しています。エレベーターは無人かつ特徴のない廊下(突き当たりにエアロックのように見えるものを備えている)に向かって開きます。曲が始まって2分12秒で女性はエアロックへと入ります。D-39338および観察を行っていた全ての研究員は曲の残りの2分38秒の間に起きた事象を詳細に語ることができていません。
効果: D-39338および観察を行っていた全ての研究員は1つの未知の認識災害の影響を受けたことの徴候を示しました。
メモ: 曲が始まって2分12秒までの間映像内で観察されたのと一致する女性に関する記録は財団の人事記録において一切見つからなかった。上記のエレベーターはそれ自らが財団のサイト-41内に存在するということを示す標識を有していたが、そのようなサイトに関する記録は一切見つからなかった。
実験38
選択した楽曲: 広瀬香美の「promise」
SCP-3636-1の事象: D-72339が曲の途中までオフィシャルミュージックビデオを再演し、曲のサビの開始時点で急速なスピンをし始める様子が映されます。D-72339はサビの全体を通してスピンを続け、サビの歌詞の4行目と8行目が流れる間のみそれを一時中断して腰を左右に振ります。サビの終了後、D-72339は曲のオフィシャルミュージックビデオの再演を再開します。
効果: D-72339は曲の終了後倒れ、医療センターへと搬送されました。X線スキャンはD-72339の大半の関節が骨折したことを示しました。
実験39
選択した楽曲: ジャーニーの「Separate Ways (Worlds Apart)」
SCP-3636-1の事象: D-45383が映像内において80年代のロックをテーマとした宇宙服を着た姿で惑星█████におり、元恋人と思われる1人の人物を求めて泣き叫んでいる様子が映されます。曲が進行するにつれ、D-45383は次第に老化するとともにますます多くの鬱病の徴候を示すようになっていき、そしてアウトロまでには今や90歳近くを迎えた老人と化すとともに歌を歌うことを諦め、ただ単に泣くことのみをするようになります。最後の歌詞「No-no」が流れると同時に、D-45383は空に向かって泣きながら絶叫します。
効果: D-45383はまだ回収されていません。また彼の独房内のカメラが7秒間にわたって切断されたため、彼が姿を消す瞬間はカメラに記録されませんでした。
メモ: カメラの切断はカメラの動作にいかなる長期的な影響も及ぼさなかった。
実験40
選択した楽曲: AJRの「The Entertainment's Here」
SCP-3636-1の事象: D-62884がSCP-3636の収容室から姿を消し、そして映像内においてベッドルームに出現している様子が映されます。D-62884は両目を閉じた状態でベッドに横たわって曲の歌詞をリップシンクしています。カメラの視野はD-62884の顔の約1フィート上を起点としています。ベッドの隣のナイトテーブルの上に置かれた1台のデジタル式目覚まし時計が推定上曲を再生する形で鳴ります。D-62884はベッドを降りてベッドルームから出て行き、そして突然屋外の空間に入り、そこの地面に横たわります。曲が最初のサビに到達すると、D-62884が勢いよく直立姿勢になるとともに群衆が突然出現します。彼らの一部は楽器を持ってそれを曲に合わせて当て振りし、その間に他の人々は曲の歌詞をリップシンクします。曲が次の部分へ移ると、D-62884はダイナーに出現し、1個のチーズバーガーを食べ1杯のミルクシェイクを飲みます。D-62884はカウンターにそれらの飲食物を置き残してダイナーから去り、ネバダ州ラスベガスに再出現します。D-62884は1個の空の財布を握っており、それを背後へ投げます。しばらくののち、D-62884の頭部が爆発し、その頭部を失った死体が地面に倒れ、映像の残りの部分の表示される間そこに留まります。曲の2回目および最後のサビが流れる間、先ほどと同じ群衆(2、3人の新たなメンバーが加わっている)が今や動かなくなったカメラの視野の外から再出現し、先ほどと同じ動作を行います。風船群と紙吹雪が上方から出現し、群衆に向かってゆっくりと降り注いでいきます。映像の終わりに、群衆のうちラスベガスから新たに出現した以外の全てのメンバーがカメラの視野から去って姿を消します。
効果: D-62884および群衆の残りのメンバーはネバダ州ラスベガスで発見されました。D-62884は死亡したままでした。群衆の残りのメンバーおよび他の全ての既知の目撃者には記憶処理を施し、そして血痕、死体、風船群、紙吹雪は清掃しました。
メモ: SCP-3636は曲をお気に入りに追加した。
実験41
選択した楽曲: ニュートラル・ミルク・ホテルの「Two-Headed Boy」
SCP-3636-1の事象: D-59394が直ちに思春期前の状態にまで若返ったように見え、その後首から伸びる2つ目の頭を成長させます。D-59394は白バラの花畑の中でアンネ・フランクと一致する外見を持つ1人の少女と共にダンスを踊ります。ニュートラル・ミルク・ホテルのボーカルであるジェフ・マンガムが映像内のいくつかの場面において出現し、D-59394および少女のそばでギターを演奏しながら歌を歌います。
効果: D-59394は異質な感覚器官群を有しているにもかかわらずいくつかの視覚、聴覚、心理の検査に合格しました。人格は現在平均的な思春期前のそれと一致しており、またスキャンによればD-59394の2つの脳の機能は完全に同一でありかついかなる余病も引き起こしていないようであることが示されています。D-59394はさらなる研究のため収容下へと置かれました。映像内で描写された少女は現在のところ捜し出されていません。
メモ: ジェフ・マンガムはSCP-3636の収容室内において自身のギターをしっかりと抱きしめ静かに啜り泣いている状態で発見された。1週間にわたる異常の検査の後、対象には記憶処理を施して解放した。
実験42
選択した楽曲: ヤン・グレービー & ベイビーノーマニーの「Whip A Tesla」
SCP-3636-1の事象: 曲が始まって3秒でD-68319が姿を消します。D-68319は直ちに映像内において曲の歌い手であるヤン・グレービーおよびベイビーノーマニーと共に1台のテスラ・モデルXの車内に出現している様子が映されます。多くの女性Dクラスがその車から降りていく様子が観察されます。
効果: D-68319は自らを「Piper Johnny (笛吹きジョニー)」と称するようになりました。ヤン・グレービーおよびベイビーノーマニーは事象を一切記憶していませんでした。D-68319は全ての体力および心理の検査に合格しました。
メモ: 曲を再び選択しようとするこれまでのあらゆる試みはSCP-3636に「Piper Johnny ain't pipin' no more (笛吹きジョニーはもう笛を吹くこたあねえぜ)」と述べさせる結果に終わっている。
実験43
選択した楽曲: ザ・ウィークエンドの「Blinding Lights」
SCP-3636-1の事象: D-78912が直ちに極めて明るい光によって姿の全く見えない状態にされます。曲の終わりに、SCP-3636の収容室が元通りの状態に戻ります。
効果: D-78912は事象によって死亡しました。
メモ: 曲のブラックリスト入りが検討されている。
実験44
選択した楽曲: トビー・フォックスの「Bonetrousle」
SCP-3636-1の事象: 画面が空白のままとなり、5秒後に1人の女性の声が「やっぱり音楽はこうでなくっちゃ!」と言います。財団の40軒のサイトが影響を受けます。
効果: 2,124人の職員が曲によって骨折を起こしたため入院しました。それら折れた骨は影響を受けなかった職員に向かって飛びました。サイト-91内で折れた骨群が1週間をかけて推定19,202kmの距離を飛んで行き、サイト-45の全ての窓を割ってサイト-45へ侵入するという事件が発生しました。
メモ: 曲をブラックリストに追加した。
実験45
選択した楽曲: ███████研究員の「The Jukebox Song」2
SCP-3636-1の事象: 映像はSCP-3636が未特定の工場において同様のオブジェクト群と共に組立ライン上に製造され、バーへ出荷され、そのバーを全焼させ、そしてSCP財団によって回収される様子を描写します。映像は███████研究員がSCP-3636の前で「The Jukebox Song」を歌う場面で締めくくられます。
効果: SCP-3636が最初に発見された場所であるバーはひとりでに修繕された状態となった後に再び全焼しました。全ての目撃者にはクラスA記憶処理を施しました。
メモ: SCP-3636の性質と歴史についての理解をさらに深めるため「インタビューの歌」を利用することが検討されている。SCP-3636は曲をお気に入りに追加した。
実験46
選択した楽曲: スチーム・パワード・ジラフの「Fire Fire」
SCP-3636-1の事象: D-53085が直ちにSCP-3636の収容室から姿を消し、そして映像内においてSCP-3068と思われる宇宙ステーションに出現している様子が映されます。D-53085の周囲では一連の赤色灯(その背景においてのちに緊急警報のものであると特定された音を発している)が点滅しています。D-53085は1枚の隔壁に群がって1枚の小窓越しに1人の未特定の男性(炎上した部屋の中に閉じ込められたのち宇宙空間へと投棄される)を見ている人物の集団に接近していきます。映像は曲の最初のサビの流れる間炎の爆発のモンタージュを描写し、その後D-53085(パニック状態で目を覚ます)の場面にクロスフェードします。D-53085はもう1つの燃えている部屋(男女の集団が閉じ込められている)のすぐ外まで駆け付けます。D-53085は必死でボタンを押そうとし、そしてそれを続けているうちに曲の2回目のサビが流れ始めます。映像は2つ目の炎の爆発のモンタージュをD-53085(自身の行動を原因とする神経衰弱に陥っている)の場面と交互に組み合わせて描写します。
効果: 財団の外交チームは映像内で描写された事象群が実際にSCP-3068内で発生したことを認めました。2件目の火事の直後、エージェント・カートライトは「待てよあのミュージックビデオのモンタージュはどっから来たんだ? あれはいい曲だけど俺はあんな内容のことは書いた覚えがないぞ。」という言葉の書かれたメモ書き1枚を発見しました。
メモ: 今後の実験の際はくれぐれも正しい曲(今回はフライリーフの「Fire Fire」であったとされる)を選択するように。再生の過程で人を殺さない曲を我々が制作すれば、それはSCP-3068へ新たな使節を派遣するための手段となるかもしれない。
実験47
選択した楽曲: N████博士の「Death of a Lizard」3
SCP-3636-1の事象: 画面がSCP-682の収容室のリアルタイム映像を表示します。SCP-682は弱り始め、それから床に倒れ伏します。映像の残りの部分では世界中の様々な一般市民が平穏無事に日常生活を送る様子を映したショット群が表示されます。
効果: SCP-682は曲が再生されている間いかなるバイタルサインも示しませんでした。曲の終わりに、SCP-682は蘇生し正常な活動を再開しました。
メモ: [罵倒語]、あともうちょっとだったのに!