SCP-482により作られた既知の変異については、以下のようにこの文章に一覧化されます:
実験番号:
被験者の性別:
被験者の既知の精神病:
薬物:
接触(アルファ):
接触(ベータ):
注:
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実験番号: 01
被験者の性別: 男性
被験者の既知の精神病: 統合失調症
薬物: なし
接触(アルファ): 被験者は"不気味なほど落ち着いている"ことを報告した。被験者は単に座り、感情なく壁を見つめている姿が記録された。2時間49分の接触において他の効果は見られなかった。
接触(ベータ): 2時間50分の時点において、被験者が非常に大きな痛みを感じていると述べている間に、体がランダムな方向に捻じ曲げられていった。拘束衣は患者を閉じ込め続けたものの、被験者の頭蓋骨は質量とサイズを増した。被験者の体は劇的に質量を増加し始め、その成長は対称的ではなかった。観測者は被験者の口と目が膨らみ、拘束衣のマスクの下で変形し始めていることに気づいた。次に被験者は可能なかぎり多くの観測者とアイコンタクトを取ろうと試みる一方で支離滅裂に叫びながら、体を実験檻へ叩きつけた。時点ベータに到達してから34分後に終了指示が実行された。
注: 被験者の体は終了時に約180%質量が増加していたことが確かめられた。増加の多くは骨と筋肉組織であった。この成長を説明する外部の力は発見されていないものの、いくつかの遺伝子サンプルは異常なほど短いテロメアを持っていた。観測者はまた変異された被験者と目が合う度に不自然な感情を感じたと報告しており、完全な対ミームセキュリティ予防策を今後の全ての実験で行なうことが提案された。
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実験番号: 02
被験者の性別: 男性
被験者の既知の精神病: 妄想性パーソナリティ障害
薬物: █████████
接触(アルファ): 被験者は"頭の中が静か"であることを報告した。被験者が頭をぐるぐると回し、"畜生、こいつはおまえらがくれるクソよりいい……もう彼らの声が聞こえない!"と叫ぶ姿が記録された。その後2時間の接触の後に被験者からSCP-482が取り外された。被験者は拘束衣へ戻る願望を表明した。被験者は段々と興奮していき、最終的には要求が拒否されると暴力的になっていった。30分後、██████博士は被験者が拘束衣に戻ることを許可した。被験者は1時間30分の間前回の平静状態に戻った。
接触(ベータ): 3時間30分の時点で被験者は時点ベータに到達したようであり、この時点で変異が発現を始めた。頭、首および肩の辺りで目に見えて膨らみが拘束衣の表面に現れた。被験者は完全に包み込まれているため、当初これらの膨らみの性質を決めることが不可能であった。膨らみが出現してから4分後、被験者が"話すのをやめろ! 俺の頭から出て行け!"と叫ぶのが聞こえ、これは極度のパラノイアの事例と一致するものである。変異が始まってから15分の時点で、膨らみは体全体へと広がり下がっていった。この時点で音声には、アナリストが不明な言語で話された声である可能性を示した、少なくとも7つの異なる音が記録された。時点ベータが過ぎてから25分後、終了指示が下された。
注: 検死は拘束衣の下に発現したそれぞれの膨らみが、最低でも6mmの幅があり呼吸器と咽頭への小さな通路のある完全に形成された口であり、それらの口が話すことが出来たことを示している。その後の映像の再調査では、記録の最中に小さな影が不明瞭に現れたり消えたりしていることが示された。これについて問われた研究者たちは、実験を振り返ってみると周辺視野に動きがあった事を思い出しが、その時は被験者に焦点を当てていたためにその経験に注目しなかったと述べた。
今後の全ての実験では継続的なミーム効果の可能性があるため、実験後24時間、3日、2週間の時点で研究員に追跡インタビューを行なうべきである。
█████████博士
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実験番号: 03
被験者の性別: 男性
被験者の既知の精神病: 色情症
薬物: なし
接触(アルファ): 被験者は"勃起できない"ことを報告した。被験者は軽度の無気力感と、座って周囲を見る以外の行動を行うイニシアチブを欠いている兆候を見せた。被験者に対して性的な映像が見せられたが、それらに対して興味を示さなかった。この時点でその他の反応は見られなかった。初期ステージは3時間17分続いた。
接触(ベータ): 3時間18分の時点で被験者は震え始め、繰り返し痙攣し始めた。これらの反応が頻度と継続時間を増やしながら発生した。3時間39分の時点で、被験者は激しく震え始め、外部の観測者に拘束衣のマスクを通して見えるほど、口から白い液体を噴出し始めた。初めの反応が見られてから3時間45分後に終了指示が下された。
注: 検死は被験者の体全体が、外部は物理的に違いがないものの、内部は被験者が多量の精液を作り出し、高い割合でそれを存在している開口部から放出することを可能とする、一連の結合した臓器に変換されていたことを明らかにした。当初の痙攣は明らかに、被験者の苦しんだほぼ連続したオーガズムであった。放出された精液は全ての主要な開口部から出ており、被験者の皮膚の下に通路が形成されていることも検死は示しており、最終的には毛穴からも精液を出すことにつながった可能性がある。█████████研究員により、被験者の色情症の度合いが変異の度合いを決める要因であるという理論が立てられた。収集された精液の解析は完全に無精子であったことを示している。観測者は観測後のインタビューにおいて、通常よりも簡単に欲情するようになったと報告したが、この効果は█日後に消えていったようである。
拘束衣は被験者に発生するいかなる物理的変化にも耐性があるようであるが……被験者から放出されたものは魔法の様に消えたりしない。この様な結果が得られたため、毎回使用後に拘束衣は完全に洗浄、殺菌されるべきである。
█████████博士
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実験番号: 04
被験者の性別: 女性
被験者の既知の精神病: 過食症
薬物: ███████
接触(アルファ): 被験者には研究員による食事の補助とともに7つのフルコースが提供された。被験者は提供を断り、"こんなことは初めてだけど、私は本当にお腹いっぱい"と述べた。被験者は研究員と様々な話題について話し、そうでないときは食事の提供を無視した。1時間58分の間、他に注目される反応は無かった。
接触(ベータ): 初めての接触から1時間59分の時点で、被験者は胃を中心とした腹部に鈍い痛みがあることを示した。実験が続くに連れて痛みの強さは増していった。拘束衣は彼女の新しい体型に合い続けていたが、被験者の四肢が体の中へ後退を始めたようであった。強い痛みがあると言いながら被験者は胎位に丸まり、"なんてこと、私を食べてる、ああ痛い!"と言った。症状が発現してから15分後、大きな叩きつける音とともに四肢が内部に後退し、その時点で█████████博士が終了指示を出した。
注: 検死は分離した、完全に機能する消化器系が被験者の体に形成され、被験者の体の物質を消費し始めていたことを示している。この系は被験者自身の肉や骨、液体を自身の塊に加えるために活用しているようである。 █████████博士はこの臓器構造を放っておいたならば、被験者の体全体の物質を消費していた可能性があったと理論を立てた。この実験の後、観測者は通常の量の食事では空腹を満たすことが出来なくなったことを報告した。 █████████および█████████研究員はセキュリティ職員が制止する前に、財団カフェテリアで██kgの食料を消費し続けた。これらの衝動は接触から█日後に消えていった。
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実験番号: 05
被験者の性別: 男性
被験者の既知の精神病: カプグラ症候群
薬物: 文書████を参照
接触(アルファ): 暴力的な振る舞いのため、実験前に被験者は鎮静剤を打たれた。被験者はSCP-483を着せられてから17分後に完全に意識が戻り、彼の主治医が妄想のバイアスとなると述べた様々な話題について怒鳴り散らし始めた。しかしながら、数分後に暴言は落ち着いてき、完全な平静に置き換わった。被験者が"あれ……何が起こっているんだ?"と叫ぶ声が聞こえた。他に注目される反応は4時間54分の間無かった。
接触(ベータ): 時点ベータへ入ると、被験者は高速に皮膚と筋肉の変異を見せた。被験者の目は著しく膨らみ始め、記録デバイスは文書と思われるものが被験者の目の中をスクロールしていく姿を写した。被験者は各研究員と順番に顔を合わせていき、不自然な呼吸をした。被験者は拘束衣に対してもがき、"分かっている! おまえがリアルな訳がない、おまえが俺からやつらを離している……やつらの臭いは正しくない、やつらは隠れているに違いない……"と叫び始めた。被験者は48分の間怒鳴り散らし続け、その時点で終了指示が下された。
注: 検死は被験者の神経系経路のサイズが███%増加し、被験者の舌が味蕾を███%増加させ、目に新たな形成が発達していたことを明らかにした。被験者の脳もまた███%質量が増大し、神経伝達物質と伝導体が5倍の密度となっていた。目の中の形成に関する実験では、被験者は紫外線および赤外線の両方の範囲に拡大した視力を持っていた可能性が高いことが示されている。 ██████博士は感覚情報と神経クラスタの増加が、その人間がリアルであり、詐欺師ではないことを’証明'しようとするために、被験者にすべての有り得る種類の入力を試させることを可能にしたと仮定している。摘出された神経系に対して、移植へ使用できる可能性があるとして、その成長を複製し密度を増やすことができるどうかを確認するための実験が進行中である。実験後、観測者は███日の間パラノイア感覚の高まりとともに、聴覚と知覚が高まったことを述べた。
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実験番号: 06
被験者の性別: 男性
被験者の既知の精神病: 放火癖
薬物: なし
接触(アルファ): [データ削除済] 被験者は1時間32分の間、研究者により提供された可燃物を無視した。
接触(ベータ): 1時間33分の時点で、実験器具は部屋の室温が[データ削除済]に上昇したことを記録し、[データ削除済]の時点で収容違反が発生し、記録された温度は██████ケルビン以上になった。[データ削除済]が自然発火し全ての観測者が失われ、収容が再確立される前にサイト-███の通路A-13に破壊的な損傷を引き起こした。拘束衣は無傷のまま回収された。
注: 回収された被験者の体は密度が増加し、磁石の性質を持っていたため検死を難しいものとした。またそれは██████ケルビン以上の熱を保持していた。解剖は[データ削除済]を維持し、安定しているように見える新しい臓器を示した。今後の解析のため、その臓器は取り除かれサイト-███の磁気収容容器に保管された。
この実験による資源と職員の損失にもかかわらず、いくらかの生産的なものが手に入った。もし我々がこの臓器が未だに██████を保持し続けている方法を解明すれば、新たな研究領域を開くことができるかもしれない。
█████博士