報告書001
日時: ████/03/15
執筆者: クーネル博士
探索001から010の結果から、接続先の環境が地球と一致する環境であり、人類(学名:Homo sapiens)が支配種であることが確認できました。また自然現象、主な歴史なども一致していますが、細かい部分で異なっており最も大きい変化として███████国の大統領が█████████████であることが挙げられます。現在、ヘルクレス座・かんむり座グレイトウォールに関する情報が民間に知られていないことも特筆すべき点です。
探索011~012で行われた基底世界における財団サイト-███3の訪問では、基底世界の財団と類似する機関が運営するものであると結論付けられました。
報告書004
日時: ████/03/20
執筆者: クーネル博士
インタビュー003~005にて正常性維持組織1690-JP交渉材料を用いて、対象組織を交流を図ることに成功しました。その結果、対象組織の所有するSCiP文書を数点入手することに成功したことから、最低限度交流を続けることは可能と判断しました。
しかし、収容管理番号は一致するものの報告書には不自然な点が多く協力を仰ぐ判断にはさらなる交流が必要と考えます。以下が入手した報告書の一部です。財団の保有する報告書との相違点は赤で記述しています。完全版の閲覧はE-2計画データベースNo.9201410にてお願いします。
アイテム番号: SCP-173
オブジェクトクラス: Euclid
説明: [中略]
コンテナの床の赤褐色の物質は排泄物と血液の混合物です。これらの物質の起源は不明です。職員はコンテナを定期的に隔週で 回収し、同サイト内処理施設へ運んでください。この物質の使用を希望する職員は同施設にて提供が可能です。
アイテム番号: SCP-682
オブジェクトクラス: Keter
説明: [中略]
SCP-682が脱走した場合、7名以上のチームの出動可能なすべての機動部隊によって追跡、再捕獲が行われます。(██-██-████)現在、脱走を試みた回数は17回、脱走に成功した回数は6回です。(補遺682-Dを参照)。 事案によって破壊されたSCP-682の生体組織は可能な限り回収し、指定サイト間で分配してください。
対象組織インタビュー006
対象: 鳥居 宗
インタビュアー: エージェントクック
付記: 2日前に行われたインタビュー005で得た対象組織の報告書についての質問事項をあらかじめ設定してのインタビューとなった。
<録音開始>
[低重要度のため省略]
エージェントクック: そちらの報告書について質問があるのですが、よろしいでしょうか。
鳥居研究員: [数秒通信をする。]ええ、構いませんよ。
エージェントクック: 報告書数点に存在するオブジェクト由来の物品の回収についての記述なのですが、回収した後に利用するような意味合いが読み取れます。例えば、このSCP-173の収容室内に発生する物体についてはどのように活用しているのでしょうか。
鳥居研究員: えっそちらの財団ではどのようにしているのですか?
エージェントクック: 通常の汚物と同じ処理を施して廃棄をしています。
鳥居研究員: あぁ……なるほど……見た目グロテスクですものね。[数秒通信をする。]
鳥居研究員: それでは、SCP-682の生体組織はどのように管理されているのですか。
エージェントクック: [監督者に情報開示の許可を求める。] はい、私たちは682の性質実験のサンプルとして数点保存し、その他は無力化の確認が出来次第、破棄しています。
鳥居研究員: 682もか……。[数秒通信をする。] それでは、あなた方の財団では異常物の摂食実験などはせずにオブジェクトを研究しているのですか。
エージェントクック: ……はい?えっと……摂食実験とはどういった内容のものでしょうか。
鳥居研究員: まず、異常性の研究が終わり次第食物として消費するのに害とならないか判断します。その後にいろいろな方法で料理をしてみるんです!まぁ毒味はDクラスがやるんですけどね。もちろん先の研究で検討をしているのでほとんど被害は発生していませんので。そうしてこのオブジェクトに一番適した調理方法を探求するのが摂食実験です。
エージェントクック: もし調理方法が確立したらどうするのでしょうか。
鳥居研究員: 大抵はその実験内だけですけど量産が出来次第、食堂や販売店で提供されるんです。
鳥居研究員: [数分通信をする。] もしそちらが大丈夫でしたらサイトの食堂でお昼にしませんか。
<録音終了>
終了報告書: 本探査の管理者の許可ののち、対象組織におけるサイト-███3内の食堂へ鳥居研究員同伴の元、食事をしました。エージェントクックは本探査の任務を解かれ、1週間の観察処置を終えたのち、探査任務に再採用されています。メニューについては基底世界のサイト-███3内の食堂のメニューと比較してカロリーが高い料理が採用されており、SCiP由来の物品を用いたと思われる名前がいくつか加えられていました。以下そのリストです。
商品名 |
価格 |
備考 |
イナゴの活力佃煮 |
$6.5 |
サイト-81██で養殖されているSCP-240-JPの佃煮。種の生命力にあやかり、好む職員が多い。 |
石油喰らいの天ぷら |
$9.0 |
SCP-030-JPの天ぷら。職員曰くいわゆるゲテモノ枠だが、身体の一部を機械に置き換えている職員には好評らしい。 |
彫像煮込み - 元祖 |
$30 |
職員曰くサイト-███3は当時食材として用いられていなかったSCP-173のコンテナ内に発生する赤褐色の物質のレシピ開発を最初に成功した施設として有名。 |
コラーゲンたっぷり!不死身ハンバーグ |
$2,000 |
SCP-682収容違反事に回収された肉片。職員いわく6年に1回程度しか販売されることはなく、ほとんどはスープの出汁としての提供。 |
報告書005
日時: ████/03/23
執筆者: クーネル博士
インタビュー006の後に実施したサイト-███3の探査記録より、対象組織職員のほとんどが肥満体質であること、SCiPも食料として扱われていることが推測されますが、この傾向はサイト-███3に限られるのかは判明していません。異常存在を摂食することの目的は、財団がこれまでに研究してきたSCiPの性質も考慮しても食欲あるいは食に関する探究心だと考えられています。
また、対象組織の反応より一定の信頼を築くことに成功したと考えられます。天文学施設の使用の交渉を本格的に視野にいれ、交流を続けていく予定です。