2つの側面からこの記事を読んだ感想を書きます。
まずSPCとして
既存のSPC記事群を読むと、彼らがいかに無知蒙昧で荒唐無稽で非常識で愚かで滅茶苦茶かが解るかと思いますが、本作の主人公は常識的すぎます。SPCはその出自が相まって「-J」のようなメチャクチャさや、思わぬ展開が求められるものだと思います。
またヘッドカノンの衝突も致命的です。結果的にSPCが鮫科存在を食すようになるという内容ですが、これは現在SCP-JPに存在するSPC記事達の世界観から浮いてしまっています。独自のカノンを切り開く試みは新興ジャンルであるGoIフォーマットシェアワールドにおいて歓迎されることではありますが、幾分この記事のみでは、或いはこの記事の内容の厚みでは難しいと思います。
続いてグルメものという観点から
グルメ漫画と呼ばれる作品は世の中に沢山ありますが、評価されている作品はどのようなものでしょうか?「そのグルメをめぐって、料理人同士の因縁が描かれる物」「そのグルメを食するものが持つ独特の世界観が、読者に思わぬ展開をあたえる物」「誰もが知るあのキャラクターがスピンオフとしてグルメを食し、そのキャラ特有の世界を広げる物」などが該当するかと思います。いずれも料理・実食以外の情景もしっかり描写し成功している例かと思います。
本作品は料理・実食フェイズに力は入っているものの、それ以外の部分は幾分速足で有り、『鮫を食う⇒うまい!』ぐらいの内容しか印象に残りません。
SPCが食うならば、そこに思わぬ"冒険"があれば、また一つ違うのかなと思います。