出典: SCP-2547
著者:AbsentmindedNihilist
作成日(EN): 2016/11/14
・SCP-2547はそれぞれの種が異なる約4000頭のイヌ科の生物が所属する群れです
分かりづらいというか不自然というか、若干意訳気味に「種々のイヌ科動物からなるおよそ4000頭の群れ」くらいでしょうか。
・member of SCP-2547、members of SCP-2547、他
このmemberは「構成員」ですね。構成員は人っぽいですが動物の群れ等にも使われます。
・木製の十字架を身につけるために骨格が変化した、革のコートを着た1頭のオスのコヨーテ(Canis latrans)が出現します。
altered to accommodate its skeletal structureはコートの方の修飾ですね。(犬の)骨格に合うよう改造されたコートです。
原文にないならば学名の記載はいらないでしょう。学名を書かなければいけないという決まりはないです。
・この実体は“牧師”と自称しますが、この実体はSCP-2547-1に指定されています。
ここは前後を入れ替えた方がいいですね。主題が「SCP-2547-1に指定されている」事なので。「この実体はSCP-2547-1に指定されています。しかしながらこの実体は自身を牧師と称しています。」…接続詞はもっといいのがあると思います。
・そして彼らがかつてそうであったようにどのように夢を見る能力を失ったかについての罵倒という内容から構成されます。
この後に抜粋も出てきますがdiatribeは「罵倒」というよりは「非難」ですね。
how they have lost the ability to dream as they once didは「如何にして彼らがかつて行っていた(持っていた)ような夢を見る能力を喪失したか」かな。
・如何なる種類の肉
「どのような種類の肉」では尻切れトンボです。「あらゆる種類の肉」…ちょっと弄って「肉(どのような種類であっても)」とか?
・最後の物はSCP-2547-1の好物のようであり、そのような物語と引き換えにこれまでの最高記録の量の水が生産され、続いて性的接待と引き換えに水が生産されました。
「好物」は普通飲食物です。「好み」でしょうか。
全体としては「物語との交換が一番多く水を生産するよ。二番目に多いのは性的接待だよ。」という話です。
とりあえずここまで
ヘルプ:翻訳のフォーラムに8/14に返信していたのですが、気付かれずに投稿されてしまったようなので、こちらに一部転記します。現状に合わせて若干修正していますが、重複や既に修正済み等ありましたらご容赦下さい。
Towns determined to be susceptible to SCP-2547 manifestation events are
SCP-2547の出現による影響を受けやすいと判断された町は
説明項の中にある"The town must have a population of less than 3,000, as well as a reservoir and a church."の条件を満たしている、と同義かと思います。
"susceptible to attack"/攻撃されやすい を援用しまして、「発生しやすい」のような表現が良さそうに思いました。
訳案1:SCP-2547が出現しやすいと判断された町は
訳案2:SCP-2547出現イベントが起こりやすいと判断された町は
Towns undergoing an event are to be dosed aerially with Class A amnestics at the end of the manifestation event.
出現の影響を受けた町の住民には、出現イベントの終了後にクラスA記憶処理が施されます。
・aerially:空気中に、のニュアンスが落ちています。となると住民に直接投与するのではなく散布する、のイメージになるのかなと思います。Townの訳も、町民というよりは町そのものの方が文が組みやすくなるように思いました。
訳案:出現の影響を受けた町に対しては出現イベントの終了後にクラスA記憶処理剤が散布されます。
A male coyote wearing a leather coat altered to accommodate its skeletal structure and a worn wooden crucifix will appear.
木製の十字架を身につけるために骨格が変化した、革のコートを着た1頭のオスのコヨーテ(Canis latrans)が出現します。
・上で指摘されていますが、骨格の下りが変わっていないですね…。
・alteredが係るのはcoatなので、(コヨーテの)骨格構造に合うように形が変わっているコートを着ている、のではないでしょうか。
・worn:使い古しの、すり切れた が訳抜け。
・a worn wooden crucifixが係るのはwearingなので、~するための部分とは完全に切り離されていてほしいです。
訳案:骨格構造に合うように仕立て直された革のコートと、使い古された木製の十字架を身に着けた1頭のオスのコヨーテが出現します。
SCP-2547-1の教誨からの抜粋が参考のために提供されています。
この直後、引用ブロック(> )で名詞句ことに関して。可否は判断しがたいですが、疑問符はあります。
any kind of meat,
如何なる種類の肉
肉(どのような種類のものであっても)
「如何なる」は「どのような、どういう」の意味ですので、「~であっても」といった語が必要で、今回のような体言止めの状態では不安定に見えます。「あらゆる種類の肉」辺りが一番短く安定するのかなと。
flint arrowheads
矢じり
石鏃。素材のニュアンスが欠落。
The latter appears to be a favorite of SCP-2547-1, and the highest recorded amounts of water were produced in exchange for such narratives, followed by the volumes produced in exchange for sexual favors.
最後の物はSCP-2547-1の好みのようであり水の生産量は最も多く記録されており、次に多いのは性的接待です。
・「水の生産量」を修飾する語が無いので如何せん不安定です。2文に分けても良いと思います。
訳案:最後のものはSCP-2547-1が特に好物としているもののようです。水量の最高記録はそのような物語を引換にした時に記録しており、次ぐ記録は性的接待の引換の時でした。
payments
支払い
「対価」と訳揺れしていますが、3か所ある「支払い」は全て「対価」の方が個人的には好みです。
If the payment given is deemed acceptable,
与えられた支払いが許容できると判断された場合、
許容の条件は前文のリストに該当するか否かかと思いますので、acceptableの訳は「許容する」「受け取れる」よりかは「条件を満たしている」「条件に合致している」の表現がより適切な気がします。ただ好みの問題かもしれないです。
upon which SCP-2547-1 will lead SCP-2547 away from town, using SCP-2547 to transport the goods it obtained.
同時に、SCP-2547-1は取得した物品を輸送するためにSCP-2547を町から遠ざけます。
・upon whichは「"the next full moon"になると同時に」かと思います。もう少しwhichの中を訳してもいいのかなと感じます。
・「町から遠ざける」の表現に違和感が強いです。leadのニュアンスが欠けているせいかもしれません。
訳案:その当日、SCP-2547-1は得た物品をSCP-2547に輸送させながら、SCP-2547を率いて町から離れます。
Once I was woven into you, all your kind, deep in the pit of yourself from which you pull your wildest tales and strangest desires?
一旦私があなたたちの中に織り込まれると、あなたたちは穴の奥深くからその一番広い物語と奇妙な欲望を全て引っ張ってきますか?
・Once、一旦ではなく「かつて」の意味合いかなと。文の構造的には、into の対象として、(you), (all your kind), (deep in … desires)と3つの句が並列されているものと思います。
・wildest、広いとは異なるかなと。野性的・荒々しい・突飛な・ワイルドな など。
・"from which"はpull してくる場所、つまり「荒々しい物語や奇妙な欲望を引き出してくる大穴の深み」みたいな感じになりそうです。
szh_tmhさんの訳案を転記します。
"かつて私ら貴方達の中に組み込まれていました、貴方達の全てに。貴方達の途方も無く愉快な物語や不可思議な欲望の源である、それは奥深い場所に組み込まれていたのです。"
I would have been your Eden, I would have tended you as a shepherd his sheep.
私はあなたたちのエデンの園だったでしょう、私はあなたたちを彼の羊にしたでしょう、まるで羊飼いのように。
・tend:世話をする のニュアンスが抜け落ち。私はあなたを羊飼い(が羊にするか)のように世話をしてきた。のニュアンスかなと。
And you, though the only way you gibbering sheep of apes survived is through deceit, you have forgotten me!? You have replaced me with a serpent who crawls on the ground!?
そして、あなたたちが生き残る類人猿の羊をつかむための唯一の方法は詐欺ですが、あなたたちは私を忘れました!?あなたたちは私を地面を這う蛇と交換しました!?
・gibbering: 早口でしゃべる。 gibbering idiot、gibbering wreckなど、馬鹿にするニュアンスで使われます。
・gibbering sheep of apesはyouを修飾しているものと思います。
訳案:サルの中でもキーキーまくし立てていたあなたたちが生き残る唯一の方法は詐欺だったにも関わらず、あなたたちは私を忘れ去りましたね!?あなたたちは地を這う蛇と私を取って変えましたね!?
You dare not look upon me, for fear of burning in brimstone.
あなたたちは私を見そびれます、硫黄が燃えるのを恐れて
・そびれる、「機会を失って出来ない」の意味なので、「しようとしない」とは意味が異なるのかなと。
・brimstoneですが、聖書由来で、灼熱地獄(inferno)の訳語が"fire and brimstone"であることから「地獄」「地獄の責め苦」辺りの意味があるようです。
訳案:あなたは私を見ようとしない、地獄の火に落ちるのを恐れて。
So be it, then. Let me be something that you should truly be repulsed by.
では、それでは私はあなたを本当に撃退されるべき何かにしましょう。
・私がsomethingになろうと言っているので逆かと。
訳案:好きにするといいでしょう。それなら、私はあなたたちが真に厭うであろうものへとなりましょう。
You looked back as Sodom burned.
あなたはソドムが燃えた時のように振り返りました。
・ここの過去形、一つ前の文と同じく、話者の相手との心理的距離が隔たれている表現かと思います。突き放しているイメージ。
・asはwhenのニュアンスで、「~時のように」ではなく「時のことを」では。
訳案:ソドムが燃えた時のことを思い返すがいい。
How fitting, given our situation.
あなたのご希望に添えましたでしょうか?
「何と合致していることでしょう、与えられた私たちの状況に」で、つまるところ「私たちの状況にピッタリでしょう」では。SCP-2547によって町が封鎖されている状態で、自分たちをハエになぞらえての発言かと思います。現状原文との乖離が著しいです。
Has anyone ever dreamed of you, my beautiful man? I'll bet they have. If so, you'd never want it to stop.
これまでに誰かがあなたのことを夢見たことがありますか、私の美しい人のことを?きっとあるはずです。もしそうなら、あなたはそれをやめたくないでしょう。
・確かにmy beatutiful manはyouの言い換えで目的語として扱うのが良さそうではあるんですが、呼びかけとして、「私の美しい人?」と収める方が座りが良さそうに見えます。
・他人の夢の内容なんて当然分からないので、誰かが「夢にみるぐらい恋焦がれてる」を含意していると見て良いと思います。実際に訳に起こすかはさておき。
・want "it" to stop なので、止めたいではなくそれにやめさせたいなのかなと。
訳案:今まで誰かがあなたを夢に見るまで好いたことはありますか、私の美しい人?きっとあるはずです。もしそうなら止めさせようとしなかったでしょう。
Perhaps it was good I didn't have you after all - you might have a little too much of me in you for me to be properly in you, it seems. - pardon my pun, of course.
多分私があなたを飼っていなかったのは良かったのでしょう、結局——あなたは、私がきちんとあなたの中にいるには、少し私が入りすぎているみたいですね。駄洒落で恐縮ですが、もちろん。
・I have you、「あなたがいる」ぐらいのもう少しやわらかい意味で使われることが多いイメージです。
訳案:恐らくあなたが居なかったのが良かったのでしょう、結局——私にとって丁度良くとも、あなたにしてみれば少々私の存在が大きすぎたかもしれません、そうでしょう。洒落になってすみませんが、もちろん。
The myth field has been taken over by hacks and milquetoasts.
神話はハックと臆病者に引き継がれました。
ここでいうハックは作家を蔑む表現かと思うのですが、日本語で一般的な「ハック」はソフトウェア・ハードウェアエンジニアリングとか、あるいはライフハックとか、そういう別の意味が強いかと思います。うまく日本語に変えるか、訳注入れるのが良いと考えます。
But you can't spread legends the way you used to, not anymore.
しかし、あなたは伝説を今まで通りのやり方で広めることはできません。
ここのyouに関してはInterviewerを指すのではなく、漠然とした「人は」程度の意味で、一般にそういうものである、のようなニュアンスかと思います。主語に当たる部分は訳さず、「伝説を~広めることはできません」のようは表現が適当かと思います。」
Not in the bits of you that do all your numbers and lines, but the parts of you that paint and sing and fuck and leap.
数字や線を全部やるのではなく、絵を描いたり歌ったり、ファックして飛躍するあなたの部分。
・do、処理するの意味があるので、do numbersは計算する、do linesは文を書くの意味合いなのかなと思います。つまり左脳的というか、論理的な処理とか、そういうイメージかなと。
・paint,sing,fuck,leapは全部並列のはずで、「絵を描いたり、歌ったり、セックスしたり、歓喜したり」のような感じになるのかなあと。
I am yours, as you are mine.
あなたは私のものですから、私はあなたのものです。
このasは理由ではなく、「~であると同時に」「~と同じように」みたいなニュアンスではないでしょうか。
DESERT GRASSROOTS
デザート・グラスルート
音を起こすのであればルー"ツ"ではないでしょうか。
which conveys a canid-man hybrid's conversion to an odd religion.
作品はイヌとヒトのハイブリッド生物の宗教への改宗を促進する内容である。
・イヌとヒトの混合種「が」奇妙な宗教へと改宗している様子、を伝えているのではないでしょうか。
frontman of
の表看板
「バンドの表看板」の用例が発見できませんでした。リーダーが適切かもしれません。
who represents their primal desires and fears
彼らの欲求と恐怖を表す
primalのニュアンスが落ちているように思います。
but SCP-2547-1 no longer appears to accept stories as payment during events,
しかし、SCP-2547-1は事象中の対価として物語を受け入れることができなくなり、
「できなくなり」、可能のニュアンスは無いと思います。単に「受け入れなくなり」が自然に見えます。