読んでいただきありがとうございます。オネイロイ記事特有の雰囲気を出しつつアブサンの夢という魅力的なテーマを使いたかったので、気に入っていただけたなら何よりです。
また、詳細に考察していただきありがとうございます。記事について深く考えていただけるというだけでも望外の喜びです。以下、返答となります。
記事の流れ自体はご賢察の通り、睡眠中のヘミングウェイ視点での市長交代劇の閲覧です。
SCP-107-JPとオネイロイ、夢界の関係は元記事内では触れられていませんが、以下のような記述があります。
- "SCP-107-JPの存在する余剰次元は機動部隊オミクロン-ローによる検証により人の意識下に接続された夢と同一座標に重複している事が確認されています"
このことから、私はSCP-107-JPを「夢界にとっての異世界」と解釈しました。この記事は基本的に、オネイロイと彼らにとっての異世界人の交流記録です。
私の想定では、グレイブヤードはSCP-107-JPそのものではありません。夢界実体はSCP-107-JP-1(SCP-107-JPの現地住民)に近い存在ですが、正規の手順で入場していないため、SCP-107-JPのいち側面だけを見ています。SCP-107-JP-1は皆、SCP-107-JPに来ている最中に肉体が死亡した死者の意識です。つまり、SCP-107-JPの本質はアブサンを介して死者の意識が集う場所といえます(と、私は解釈しています)。そのため、その本質を反映してグレイブヤードは酒の霧が満ちた墓地に見えます。次元が違う(幽体ではない)うえに酔っ払っているので、グレイブヤードの住人とはまともに会話できません。
霊廟の中には、記事中で死亡したゴッホを含む、SCP-107-JP内で死亡した数少ない死者が埋葬されています。記事名のマウソロスはお察しの通り霊廟の名前から取っています。アブサンの主成分であるニガヨモギの属名Artemisiaはマウソロス王の妻の名から取られているという説があり、そこからの連想です。芸術家が集う墓地という意味で、よい名があったと思います。
ポータルが開いた原因は、SCP-107-JPから現実に密輸されたアブサンをホストが飲んだからです。霧の侵食やオネイロイたちのグレイブヤードへの入場は、それ自体が(夢界における)収容違反です。おそらく時間とともにポータルは修復されるのだと思いますが、正直に言えばその後の展開はあまり考えていません。夢酒はSCP-107-JP内でのアブサンをオネイロイ側から見たもので、これを大量に飲むとSCP-107-JP側にチューニングが合いますが、オネイロイに戻れなくなります。イメージとしてはヨモツヘグイです。
項目が多い、というご指摘はそのとおりです。どのようにオネイロイらしさを出すべきか悩んだ結果、効果的とは言い難い構成になってしまっており、コンテスト終了後に修正したいと考えています。ぜひお力添えをいただきたいです。
本来のアベニューとの関係性についても描写が足りないとは感じていますので、上記の項目を修正する際に内容を入れ替え、相互の関係性を示唆する内容にしようかと考えています。
時系列については完全に私のミスで、ヘミングウェイが夢を見ているタイミングは就任式典ではなく就任XX周年(あまり深く考えていません)なので閲覧しているのは21世紀なのですが、最後のセリフが修正前のものなのです。差し替えたいのですがオチの意味が変わってしまうため、コンテストの規定上しばらくは無理だと思います。勘違いさせてしまい申し訳ないです。
シェリー・ウィルソンはオネイロイ・ウェストを通じてSCP-107-JPが収容違反するのを防ぐために監視と情報統制を担当しているという設定です。小ネタ程度のつもりでしたが、確かに匂わせるのは面白そうです。イヴァノフもWiki編集等で収容に関わっているので、そのあたりの関係性を示唆してみようかと思います。ファウンデーション・コレクティブという名前が好きすぎるので登場させたかった