打ち消し線があるとはいえ、特別収容プロトコルが不足していると感じました。「ブロック」されてしまうことで視認できなくなるのは収容に悪影響を及ぼしてしまうのが想像できます。その辺りへの対策も盛り込まれている方が報告書らしいのではないでしょうか。あるいはもう無力化してるから無力化したことしか書かないとか。
内容については、ブロックという言葉やその補足説明でSNS的な異常性であるのを認識させられるために、オチに特に驚きもなく、なるべくしてなったオチというように見えてしまいました。たとえば、ブロックという言葉をそもそも使わず別の表現にするなどしてミスリードを狙ったりしてもよかったと思います。また、「この単語はSNS等で他のユーザーとの連絡を断つ仕組みの名称と同一ですが、正確な意味は判明していません。」という説明はもはやSNSでのブロック機能を答えとして提示してしまっているのに等しいので、この記載をせず異常性について考えさせ、オチではっとさせる構成でもよかったのではないかと思いました。
メモ落ちなのが異常性とちぐはぐな印象を与えてしまっているように感じます。ブロックに関してはそれまで「認識できる無形の要素」であったのに対し、オチでは突然凍結されている旨の紙が出現してしまっているので、これでは安易なメモ落ちに見えてしまいます。異常性との関係を貫いて、凍結されている旨もオブジェクトに近づいているときにのみ認識できるとしたほうが自然だったと思います。
個人的に、ブロックで視認できなくなるのはまだ理解できるとして、凍結が文字通り冷え固まるというのは納得いきませんでした。SNS上での凍結(特にTwitter)にならうなら、死なせはせずに誰一人としてオブジェクトを認識(視認ではなくその他の情報も色々見えなくなるから視覚情報以外も含めた認識)できなくなるくらいでよかったのではないでしょうか。