概要
標記の通り、著者ページ作成のB要件からアートワークの翻訳記事を除外する提案をしたく思っており、その前段階として意見募集を行います。なお、遡及的な適用は考えていません。
著者ページのガイドライン > 2. ルール > 作成条件 > Bコース 内
2. 国外のSCP Foundationにて作成されたページの新規翻訳は3ポイント。
※作成して24時間以上のもののみカウントします。
に以下の下線部の追記を加える。(変更案が見やすいように脚注構文を働かなくしています。yyyy/mm/ddには改定日が入ります。
2. 国外のSCP Foundationにて作成されたページの新規翻訳は3ポイント。
※作成して24時間以上のもののみカウントします。
※アートワーク記事の翻訳は含みません。[[█footnote]]これはyyyy/mm/ddに追加された規則であり、それ以前に作成されたページには適用されません。[[█/footnote]]
ご存知の通り、著者ページのガイドラインには、著者ページ作成の要件としてAコースとBコースの二種があり、Bコースは翻訳記事の投稿によっても著者ページを作成できると規定しています。このBコースに含まれる記事に制限はありませんでした。私の提案は、いくつかの問題意識から、このBコースの対象記事に制限を与えるものです。
はじめに
著者ページの要件について議論するとき、二つの観点が必要です。それは、「著者ページの意義」と「著者ページの副作用」です。
著者ページの意義とは、「著者ページは作品リストである」という前提です。これが著者ページという制度の建前上の存在意義です。
著者ページの副作用とは、「著者ページ作成は執筆者のモチベーションになる」「著者ページを作成可能になることは、精神的な報酬になる」という効果です。これは狙われたものではないですが、もしこの効果が良くない方向に働くならば、それを止める必要があります。なおあくまで副作用ですから、「モチベーションになるのでこういう記事を要件に追加しましょう」という方向の提案は、「意義」とずれるために否決されてきた歴史があります。
本提案では、この両面を区別しつつ、議論を展開します。長いので根拠と問題意識の方は折りたたんでおきます。
根拠と問題意識
意義の観点から
主張の概要
アートワーク翻訳作品のリストは作品リストとしての価値が薄く、したがって著者ページの要件には不要である。
前提①
なぜ著作のリストが必要なのでしょうか。基本的に本サイトでは、すべての記事がどこかのハブページ(例えばSCP報告書なSCP-JP一覧)にリンクされているので、「著作にどこからも飛べない」という現象は発生しません。それにも関わらず著作のリストが必要とされるのは、「特定の作者の作品を追うこと」を容易にするためであると考えられます。これは、読者からしても、書き方を学んでいる執筆者からしても、有用な機能です。
この差はAコースとBコースの著者ページの必要性の違いにも表れています。以下は著者ページのガイドからの引用ですが、Aコースの著者ページの方が必要とされていることがご理解いただけると思います。
Aコース
Aコースは、どちらかといえばお願いなので、作品一覧だけのシンプルなものでも作成していただければ幸いです。
Bコース
ポイント制の場合は著者ページを作るかどうかは選択できます。
ルール制定当初、翻訳者を追うという状況があまり生じないと考えられていたのでしょう。確かに海外記事を読むとき、翻訳者で読むより、元著作者で追うことの方が圧倒的に多いかもしれません。
※ 話が混線しますが、必ず述べておきたいこととしてここに記載します。翻訳というのは機械的作業ではなく、本来技量の要求される創造的・職人的な作業です。従って、上記のお話は実際特定の目的における限られた必要性の話しかしておらず、翻訳という作業の重要性と創造性を否定する気は全くありません。むしろ私も翻訳経験があるので、先人たちの働きを素直に尊敬していますし、実は私も「翻訳者追い」という読み方をすることがあるほどです。翻訳者追い、結構お勧めです。むしろ、そういった尊敬の意があるからこそ、今回の提案に至ったとお考えいただければ幸いです。
さて、ここまでの前提をまとめます。
- 著作のリストに必要性があるのは、その投稿者の作品を追うことが必要性の高い機能だからである。
これの対偶を取ります。
- その投稿者の作品を追うことが必要性の高い機能ではないのなら、著作リストに必要性がない。
前提②
次の前提を確認しましょう。
アートワーク記事の本質的箇所は絵であり、文字情報は少ないことが多いです。
したがって、文字数が少ないのだから、一般に翻訳者の能力が発揮されにくくなります。実際に特定の記事は挙げませんが、SCPやTaleと異なって、翻訳者に要求される労力と翻訳者が発揮する独自性は非常に少なくなる傾向にあります。独自性が少ないというということは、その翻訳者でカテゴライズし、その翻訳作品を追う必要性が非常に低いということです。
- アートワーク作品の翻訳を投稿者でカテゴライズし追う必要性は少ない。
なお、これは大局的な傾向の話をしているのであって、局所的な例外の話はしていません。文字の多いアートワークもあるかもしれませんが、それは局所的な話です。ジョークやSCPにも文字数がかなり短いものがありますが、文字数ベースの規定を作ると非常に複雑な変更になります。ルール制定の基本的な話として、ルールは、まず全体的な傾向に対して制定され、ある程度の取りこぼしを許します。取りこぼしの影響力が大きければ、さらに細かいルールがその後制定されるべきです。今は後者の段階ではありません。
結論
前提①と前提②から、次のことが主張できます。
- アートワーク作品の翻訳を投稿者単位で追う必要性は薄く、アートワーク作品の翻訳によって構成された著作リストは必要性の薄いものになる。
- したがって、アートワーク作品の翻訳は著作ページの意義を満たさないため、要件として不適である。
副作用の観点から
主張の概要
アートワーク作品の翻訳は現在、簡単な著者ページ作成の手段として悪用されている。そのような著者ページの作成手段の容認は個人レベル/集団レベル/サイトレベルでの害を生み出しうる。
根拠
現実問題として、アートワーク翻訳は他の要件と比較し、
- 文字数が少ないので翻訳能力が不足していても達成可能
- プラスvoteを貰う記事を書く能力が不足していても達成可能。
という特徴があります。具体例を挙げることは様々な差し障りがあるので避けますが、過去アートワーク翻訳で著者ページを残された方の中には、明らかにDeepLでの翻訳の形跡が残るなど、十分に練られていない翻訳を投稿される方もいらっしゃいました。その結果、修練が足らず未だ能力が不足し暴走しがちな新人さんが、それでも著者ページという報酬を獲得するための最終手段を求めた末に、その役割をアートワーク翻訳が果たしてしまっていると私は考えています。
こういった副作用としての報酬は非常に好ましくないと考えています。このサイトにおける投稿活動で要求されるスキルを身につける以前に報酬を与えてしまえば、それ以上の成長を阻害しますし、報酬を得るための労力という観点から、不公平感、さらには不要な軋轢も生みかねません。そういった集団レベルの問題を起こしうる仕組みは、個人の倫理観レベルの問題に還元せず、可能な限り修正すべきです。
加えて単純に、アートワーク翻訳という手段が一般化すればアートワーク翻訳のみの著者ページが量産されることが可能になってしまいます。すると、著者ページ一覧が「アートワーク翻訳のリスト」だらけになってしまうという状況になります。ただし現在の仕様は、アートワーク翻訳を動機づけるため、そのような状況を生みかねないシステムになっているのです。
結論
以下の副作用としての悪影響が考えられるので、アートワーク翻訳は要件から除外すべきである。
- 副作用的な報酬による新人の成長の阻害
- 報酬基準の不公平感による集団内の軋轢
- この状況が容認され放置された場合、著者ページ-JPがアートワークだらけになる可能性
期日と注意
- 11/27 ~ 12/10 23:59までの約2週間とします。
- ご意見は根拠を明確に、不要な修飾を避け、なるべく簡潔にお願いします。
- 賛成の場合は、賛成の旨だけでのコメントでも問題ありません(根拠はすでに提示されているため)。
- 反論の場合は、どの部分に反論をしているのか引用等で明確にご指摘ください。