はじめに
サイトメンバーの皆様、こんにちは。
SCP-JP テクニカル・スタッフ・チーム キャプテンの ukwhatn です。
普段サイトをご利用いただいている皆様には、多数の不具合に代表されるWikidotの不調を肌で感じ、不安に思われている方も多いのではないかと思います。
我々は水面下で他支部との連携を行いながら、これらの不具合に対する情報共有と、可能な限りの対処を行ってまいりました。
しかし、対処の難しい不具合やそれに伴う皆様の不安の声が増えてきたことを受け、皆様のご理解をいただくには正しい情報の共有が不可欠であると判断したため、Wikidotに関してテクニカルチームとしてお伝えできる情報と、現在の見解を当スレッドでお伝えさせていただきます。
Wikidotの現状に関して
ポジティブな側面
Wikidotに関しては、皆様もご存知の通り、かなり多くの不具合を抱えているのが現状となります。
しかし、最近特に深刻な影響をもたらしている、多くのページでHTTP 5XXエラーが発生し、ページや画像等の閲覧ができない問題に関しましては、SCP-EN 管理者チームを通じてのWikidot社との連絡の中で、既に対処中であることがわかっています。
このようなクリティカルな不具合に対しては対応が見られる一方、放置されているものも多いことから楽観はできませんが、一部で見られるような「既に運営放棄状態にある」というような言葉は現状には不適なものかと思います。
ネガティブな側面
セクション名からもわかるとおり、良いニュースばかりではありません。
皆様に直接の影響がない範囲での大きな不具合として、「既に1年以上、Wikidotが提供するサイトバックアップ機能が停止している」という事実があります。
今の所、複数支部のテクニカルチームがそれぞれ独自、かつ複数の手段でバックアップを取得しておりますが、万全の状態とは言い難いのが現状です。
そのため、皆様には自著のバックアップを独自に取得し、PCやクラウドドライブ等に保存することを推奨致します。
もちろん、お取りいただいたバックアップが役に立つ日が来ないよう、我々テクニカルチームもバックアップ体制を強化してまいりますが、転ばぬ先の杖としての、また大切な著作物をお守りするためのお願いとなりますので、ご理解を頂けますと幸いです。
総評として、運営放棄状態にある訳では無いが、予告無くサービスが終了したり、ページへのアクセスが出来なくなる、記事データが破損するなどの障害が発生する可能性は決して低くない状態にあります。
「いきなりアクセスできなくなるなんてことはないだろう」といった反応も一部では見られますが、些か楽観的すぎると言わざるを得ません。
Wikidotは、現時点で多数の大きな不具合を修正できていない、「破綻している」サービスであることをご認識いただければと思います。
プラットフォームの移行について
上記のようなWikidotプラットフォームの慢性的な不調と機能更新の停止を受け、複数の移行先プラットフォームの開発や検討が行われています。
その中でも、本日はSCP-ENテクニカルチームを中心に開発が進められている「Wikijump」プロジェクトについてご説明します。
このプロジェクトは、かつて「プロジェクト・ファウンデーション」と呼ばれていた、SCP-ENの独自プラットフォーム開発プロジェクトが形となったものであり、公開されている初期のWikidotのソースコードをベースに、全体の近代化を含む多くの改良を加えたものになっています。
開発チームからは、この新プラットフォームの公開に際して、時間的な制約以外の障壁は今の所あまりなく、またこのプロジェクトに注力できるような体制を整えるつもりだと聞いていますが、それ以上の具体的な情報は今の所お伝えすることはできません。
SCP-JPメンバーの皆様に見えにくい場所で開発が進んでいたこともあり、同プロジェクトの進捗についての不安の声を多く聞いてきましたが、しっかりと進行していますので、ご安心いただければと思います。
また、一部でSCP-JPが独自にプラットフォームを持てばよいのではないかというご意見もありますが、このご意見への回答としては「技術的には可能だが、現実的には困難」というものとなります
SCP-JPは、月間400万PV(ページビュー)1を超える莫大なアクセス数を誇るサイトに成長しました。それらのアクセスを現在と遜色のないレベルで処理するためには、巨大なインフラが必要となります。巨大なインフラには相応のコストがかかり、それを捻出する手段を現在のSCP-JPサイトスタッフは持ち合わせていません。
クラウドファウンディング等の手段も考えられますが、いただいた金銭の管理のために必要なコストや、我々が提供できるリターン等を考慮すると現実的ではありません。
また、テクニカルチームの人的リソースの枯渇や、他支部記事との参照性等の面でも、独自路線を歩むことは得策ではないと現時点では考えているため、現時点では他支部、特にENテクニカルチームとの足並みを揃え、協力していく方針です。ご理解いただきますようお願い致します。
まとめ
ここまで、Wikidotやプラットフォーム移行プロジェクトの現状について詳しくお伝えしてまいりました。
SCP-JPは、一般的に見ても極めて大きなユーザ数を抱えるWikiサイトですが、その土台となるWikidotというプラットフォームは脆弱かつ不安定なものです。
また、現状のWikidot社のサポート体制から、破壊的なサイトへの攻撃が行われた際にWikidot社による復旧のサポートが行われることは望み薄であり、より慎重にサイトを運営していく必要があります。
サイトスタッフはこの状況に対して強い危機感を持っており、サイトの存続や皆様の著作の保全を第一として対応にあたっています。
場合によっては、ある程度創作の自由度を犠牲にしてでも、安全性を重視した選択を行う必要があると考えて政策立案を行っており、皆様には不便や不自由を強いる結果となってしまうことがあるかもしれません。
そのような政策を取らざるを得ない場合は、このスレッドを土台として説明を尽くしてまいりますので、ご理解とご協力をいただければ幸いです。
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本日のご説明は以上となります。
何かご不明な点がありましたら、本スレッドにてご質問ください。可能な範囲とはなりますが、ご回答させていただきます。
また、新たにお伝えできることがありましたら、本スレッドにてお知らせ致します。
Moderator of SCP-JP