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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-████の専用収容施設にて保管されます。SCP-XXX-JPの存在及びSCP-XXX-JPの明確な収容場所の情報は、レベル5セキュリティクリアランス職員のみにアクセスが許可されます。
SCP-XXX-JPが収容されている専用収容施設には4台の監視カメラが設置され、24時間常に財団職員の監視下に置かれます。非活性状態のSCP-XXX-JPは表紙を閉じた状態で保管されます。SCP-XXX-JPが活性状態であると確認され次第、担当の財団職員は速やかにSCP-XXX-JPに記された文書の内容を把握しなければなりません。そして、文書に記された事象を阻止するべく他の財団職員の指揮、監督を行います。場合によっては、機動部隊を現場へ派遣することが許可されます。
説明: SCP-XXX-JPは、縦1.48m、横2.10m、厚さ█.██mの書物の形状をした物体です。SCP-XXX-JPを構成する紙は、紀元前███年ごろから紀元前██年の間のものと推測されています。SCP-XXX-JPの表紙には解読不能な未知の言語が書かれています。ページは合計で███ページあり、前から数えて███ページには未知の言語で文書が書かれており、残りのページには何も書かれていません。裏表紙には何も書かれていません。SCP-XXX-JPを破壊することは不可能だと考えられています。詳しくは実験記録XXX を参照してください。
SCP-XXX-JPの活性時、突如としてSCP-XXX-JPのページがひとりでにめくられ始めます。やがてSCP-XXX-JPはその時点で一番前にある白紙のページを開き、静止します。数分後、そのページには未知の言語で書かれた文書が出現します。文書を見た人物は、相変わらず言語を解読することができないにもかかわらず、その文書が意味する内容を理解することができるようになります。
SCP-XXX-JPの文書には、SCP-XXX-JPの活性から24時間以内に起こりうる事象(SCP-XXX-JP-1)が書かれています。SCP-XXX-JP-1は多くの人類に多大な被害を及ぼすであろう事象を意味します。仮にSCP-XXX-JP-1を阻止出来なかった場合、K-クラスシナリオが実施される恐れがあります。財団はこのような事象の発生を阻止するためにSCP-XXX-JPの特異性を利用することは、現時点で非常に有効であると考えています。
████年██月██日、警察は[編集済]県[編集済]市のとある廃墟の地下施設で「人の骨がある」という一般市民の通報を受け、現場へ駆け付けたところ、複数の白骨化死体とSCP-XXX-JP、そして床に人間の血液で書かれた魔法人のような図形が発見されました。このことが財団に知れ渡り、財団がSCP-XXX-JPを回収し、現場の調査を開始しました。現場へ駆けつけていた警察官にはクラスA記憶処理が施されました。
調査の結果、地下施設の隣に地下空洞が発見されました。そこでも人間の白骨化死体が複数発見され、地下施設のものと合わせて死体は合計███体発見されました。地下施設の床に書かれた人間の血液は、DNA鑑定の結果、今回発見された死体のものであるという結果が出ました。
補遺1:実験記録XXX
実験記録XXX-1 - ████/██/██
実施内容:SCP-XXX-JPの既に文書が記載されている第██ページを手で破り、切れ端をSCP-XXX-JPの傍に置き、様子を観察する。
結果: 切れ端は突如として消失した。担当研究員がSCP-XXX-JPを確認したところ、第██ページは元の状態に復元していた。
実験記録XXX-2 - ████/██/██
実施内容:SCP-XXX-JPの既に文書が記載されている第██ページを手で破り、切れ端を焼却し、様子を観察する。
結果: SCP-XXX-JPは何も変化を起こさなかったしかし、SCP-XXX-JPを確認したところ、第██ページは元の状態に復元していた。
実験記録XXX-3 - ████/██/██
実施内容:SCP-XXX-JPをガスバーナーで炙り、SCP-XXX-JPの焼却を試みた。
結果: [データ削除]SCP-XXX-JPは元の状態に復元していた。
補遺2:過去のSCP-XXX-JP-1の内容と、それに関する事象の一例
SCP-XXX-JPの活性時の日時 | 財団職員に基づくSCP-XXX-JP-1の内容 | その後の対応と発生した事象 |
████/██/██ ██:██:██ | [データ削除] | 対応:当時、財団はSCP-XXX-JPの特異性を把握していなかったため、対応は無し 事象:[データ削除] |
████/██/██ ██:██:██ | サイト██の大規模停電 | 対応:サイト██へ注意勧告 事象:サイト██の大規模停電は確認されなかった。後に、仮にサイト██が停電していた場合、 [データ削除]の収容違反が引き起こされていた可能性があることが発覚した。 |
████/██/██ ██:██:██ | [編集済]県[編集済]市への隕石の落下 | 対応:[編集済]県[編集済]市とその周辺地域の住民の避難 事象:衛星軌道上に突如として隕石が出現、そのまま[編集済]県[編集済]市へ落下した。幸いにも人的被害は最小まで抑えることに成功。隕石の出現の原因は不明。 |
補遺3:
今日、現場で発見された白骨化した死体の合計とSCP-XXX-JPの総ページ数が一致することが判明した。
だからどうした?と思う者も少なからずいるとは思う。
しかし、私は怖いのだ。
床に血で書かれていたあの魔方陣。
おそらく、あの場では長い間儀式が行われてきたのだろうと、私は考える。
あの死体は生贄だ。
彼らはこの世の危機から逃れるために、死から背くために、あまりにも残酷な方法で肉体を削り、捨て、魂を取り出してきたのだろう。
SCP-XXX-JPは、彼らの魂でできている。
現在、財団はSCP-XXX-JPを有効に利用している。
しかし、SCP-XXX-JPのページに限りがあるのもまた事実である。
いずれ訪れるであろうSCP-XXX-JPの無力化の時、財団はそれを黙って見過ごすのだろうか?
私はそうは思わない。
あの地下施設、地下空洞で行われてきたであろう儀式が、この施設内で再来する光景が私には見える。
私は怖い、怖くてたまらないのだ。
―████博士