ヒューム値が低い、ということを考えてみます。このことについては既にここで言及されてはいますが、ヒューム値が低いというのは、つまり「現実を変えられやすい、別の現実を押し付けられやすい、自分が望む現実を達成できない」ということです。このようなものは高ヒュームを持つ人間や物体とは違い、目に見えて異常な現象を自ら引き起こすことは全くできないと考えられます。
しかし、私の考えでは、ヒューム値が低いものは明らかに異常存在です。「普通の人間」ですら、おそらくは彼らに現実を押し付けることができます。つまり、ヒューム値の低い人あるいはモノはとても不安定で、現実性が希薄なために、ちょっとしたきっかけで簡単にその姿や特性を変えてしまうでしょう。このことが一般世界において異常と観測されるのはもちろんですが、彼らはある意味において、「対象を収容する」財団にとっては改変者より手を焼く存在であるとみなすこともできます。彼らを確保してプロトコルを制定したと思ったら、何かに影響されてすっかり特性を変えられているかもしれません。しかもそれは彼ら自身の意志ではありませんから、いくら拘束したり眠らせても何の意味もありません。
少し脱線しましたが、もし低ヒューム実体が観測されたら、財団は異常存在として直ちに確保すると思います。