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████博士によるSCP-687-JPの絵 |
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アイテム番号: SCP-687-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル
SCP-687-JPはその性質上完全に収容することは不可能です。そのため、現在までにSCP-687-JPが原因と思われる事件が発生した[データ削除済み]湾、[データ削除済み]海、[データ削除済み]海のそれぞれ発生源と思われる地点を中心とした半径40kmを立入禁止区域とし、その外周を500mごとにDクラス職員を2名ずつ配置し、区域内への一般人の進入を禁止してください。禁止理由としてはその土地ごとに最も適した理由を公表してください。
また、財団職員は████博士の許可とO5評議会員の3名以上の承諾がない限り立入禁止区域内に立ち入ることは許可されません。
財団職員においてもSCP-687-JP関連の異常が見られない場合、████博士とD-███以外の職員が立入禁止区域内に立ち入ることはいかなる理由においても許可されません。立ち入った場合には故意、過失を問わず対象をAクラス記憶処理した後エリア-2131へ移送、収容し、30〜42日の間常に監視してください。
収容する際、手足を拘束し、動きを制限した上でSCP-687-JPの報告事例があった方角の全ての壁を通常の2倍の厚さに設計した5m四方の部屋に対象を収容してください。また、その壁を破壊可能な大きさ、重量を持った物体を室内に置かないでください。食事、排泄など、対象の生存に必要な行為は武道の知識を持ったDクラス職員2人の監視の下、拘束を解いてそれを行わせてください。終了次第、迅速に対象を元の状態に戻してください。
収容期間中に対象に異常が発生した場合、再びAクラス記憶処理を行ってください。効果があった場合には再びエリア-2131へ同じ手法で収容し、効果がなかった場合は直ちに対象を〔編集済み〕として扱ってください。
補遺-1
19██年█月█日、████博士が██により亡くなりました。SCP-687-JPとの因果関係は確認されていません。この出来事により、SCP-687-JPの立入禁止区域内に立ち入ることができるのはD-███のみとなりました。
補遺-2
19██年█月█日、D-███が突如行方を眩ませました。D-███は現在も行方不明のため、SCP-687-JPを調査できる財団職員は事実上いなくなりました。
説明
SCP-687-JPは水平線上、またはその上空に発生する原因不明の現象です。見た目は一般に言う蜃気楼とほぼ区別はつきませんが、海面付近の温度に差がないにもかかわらず発生するなどが判別方法としてあげられていました。現在では3箇所で報告事例がありますが、それら以外でも水平線がある地域では発生する可能性があります。(調査記録「SCP-687-JPについて」参照)
SCP-687-JPは19██年、[データ削除済み]海近海の漁船組員が漁に出たまま次々と行方不明になるという事件の報告によってDクラス職員10名の編成隊が派遣された時に初めて認知されました。しかし派遣から3時間42分03秒後、10名全員と通信が途絶えました。この出来事により、SCP-687-JPのオブジェクトクラスはEuclidに定められました。(調査記録「SCP-687-JP-01」参照)
その16日後、SCP-687-JPを収容するために第2回派遣部隊としてDクラス職員20名と通信及び総指揮を委任された████博士が[データ削除済み]海へ派遣されました。派遣から4時間30分58秒後、再び全員と通信が途絶えました。しかし、通信が途絶えてから1時間28分06秒後、████博士からのSOS信号が財団本部へ発せられたため、エージェント5名による救助が行われました。発見当時の████博士は言葉を発することができず、手足の痙攣と意識の低下が確認されたため、財団内部の集中治療室に送られました。その2日後、心身の安全が確保されたため████博士に当時の事についてインタビューが行われました。(調査記録「SCP-687-JP-2」参照)
その後、SCP-687-JPの真相解明と収容のため幾度も派遣部隊を設立、派遣しましたが、第5回派遣部隊、第8回派遣部隊、第10回派遣部隊、第14回派遣部隊が突発的な通信不能によってその全員が行方不明になり、それ以外の部隊は異常を確認しないまま帰還命令が出されました。しかし19██年█月█日、第15回派遣部隊が[データ削除済み]に派遣された時、3時間08分49秒後、突然通信が途絶えたと思われましたが、その42分51秒後、D-███からのSOS信号が財団本部へ発せられました。
発見当時、D-███は████博士と同様の症状を表していましたが、多少の言葉を発することはできました。D-███は同じように集中治療室に送られ、3日間の入院後、████博士を交えてインタビューが行われました。(調査記録「SCP-687-JP-15」参照)
また、その時点までに行われた調査記録からこれ以上の被害拡大を防ぐためにD-███と████博士以外の財団職員がSCP-687-JPの発生源と思われる地点から20kmを立入禁止区域とすることが2名の希望によって採決され、立入禁止区域内に進入することは全面的に禁止されました。また、O5評議会によってSCP-687-JPのオブジェクトクラスをKeterに引き上げるか否かを議論するための特別評議会が設立されました。
その35日後、立入禁止区域外から150m離れた地点に救助部隊5名を配置した上でD-███と████博士の承認の上、その2名を加えた第16回派遣部隊が設立されました。設立2日後に派遣が行われましたが、その時は12時間38分05秒の調査の末、異常は見られないとして7名全員の生存を確認後、財団本部は帰還を命じました。
その日から15日おきに第16回派遣部隊と同様の人員によって派遣部隊を設立、派遣され続けましたが、第18回派遣部隊派遣直前、████博士が亡くなりました。
これにより、第18回派遣部隊の派遣は延期されましたが、2日後に派遣されました。13時間25分30秒の調査の末、D-███からの調査終了を合図に第18回派遣部隊に帰還命令が出されました。その際、D-███がSCP-687-JPを発見、観察、撮影をしたことを報告しました。(調査記録「SCP-687-JP-18」参照)
しかしそのインタビュー中、D-███の撮影したSCP-687-JPの写真を調査員1名が見た際、どちらも調査記録「SCP-687-JP-2」及び「SCP-687-JP-15」の報告に該当する反応、異常性を見せたため、SCP-687-JPの写真は即刻焼却、データ削除が行われ、調査員1名はエリア-2131へ収容されました。
これにより滞っていた議論が進むきっかけとなり、SCP-687-JPのオブジェクトクラスはKeterに引き上げらました。その上で収容は不可能と判断し、立入禁止区域を40kmに拡大することで一般人への認知を極力排除しました。
補遺-4
インタビューから2時間後、D-███が突如行方を眩ませました。そのため立入禁止区域内に進入可能な人物がいなくなり、その15時間後、第19回派遣部隊の派遣は中止、解体されました。以降██年の間SCP-687-JPの調査が行われていないため、詳細な情報、発生条件はつかめていないません。
補遺-5
第1回派遣部隊派遣時以降、調査時の通信録音が謎のノイズにより解析が困難になりました。そのため、調査の記録のために派遣部隊はSOS信号以外の通信は行わず、帰還後の書物によって当時の状況を記述してください。
SCP-687-JPは危険すぎる。
アレはただの蜃気楼と区別がつかない。
すぐにでもアレと普通の蜃気楼を判別する方法を見つけるべきだ。何も対処しなければ、きっとこれから多大な犠牲が出る。
俺がなんで助かったかはわからないが、確実に運が良かっただけだ。そう思うしかない。
アレは調査開始から3時間くらいたった時、急に現れた。最初はただの蜃気楼だと思ったが、次々と姿が変わったんだ。
時には古い船、またある時には大都市とな。ある奴は森を見たらしい。
それに見入っていると、どうもおかしい気がした。
周りにいたはずの彼らが全員いなくなっていて、いつの間にか濃霧が発生していた。
必死に辺りを探したよ。
でも、誰も見つからなかった。
それに、どんどんと意識が薄れていって、アレに引き寄せられている気がした。いや、実際に引き寄せられていた。
きっと全員アレに連れていかれたんだ。
俺も連れていかれる、そう思った。
だけど、突然アレは消えた。霧も無くなっていた。
そしたら、目の前に何が見えたと思う?
まるでゾンビみたいに、ゆっくり、ゆっくりと彼らが海の中へ入って行くんだ。
止めようと思っても、力が出ない。声を出そうにも、掠れ声すら出やしない。
ただひたすらに、見ていることしか出来なかった。
きっと、彼らにはまだアレが見えていたんだと思う。
全力を尽くしてやっと投げた貝殻も、どんどん進んでいく1人の横を掠めただけだった。
終いには、海の中に沈んでいった。苦しいそぶりすら見せないで。
もう一度言う、アレは危険すぎる。
一目見たら最後、意識を持っていかれる。
余程幸運の持ち主でもなきゃ、もう2度と戻れなくなるだろう。
アレの収容はできない。今までのどんなヤツとも違っている。
今すぐにでも存在を世間に知らせるか、監視を置くかして、とにかく一般人も、財団職員も、誰も近づかないようにするべきだ。
彼らにも家族がいただろうに。
████博士
〈録音開始〉
…こちら、D-███。今は…(ノイズ音)…る…(ノイズ音)…は危険だか…(ノイズ音)…ざいだ…は…(ノイズ音)…ジェクトクラス…けて…(ノイズ音)…だ…い…だ…(ノイズ音)…けてたす…(ノイズ音)…てたすけ…(ノイズ音)
〈録音終了〉
補遺-6
███年█月█日、D-███による通信、録音が行われまた。発信^元、内。容は現在調、査中です。SC/P-6°7-JPは(データエラー)で。す(データエラー)は、(データエラー)
緊急対処命令が発せられました。
現在、何者かの異常信号によりSCP-687-JPのイラスト削除、文書のあらゆる文面、特に日時、人名、土地名を中心に伏字が使われ、補遺-3の削除及び補遺-6に重大なエラーを起こしています。これ以上のエラー拡大を防ぐため、即刻SCP-687-JPの情報を書類化し、セキュリティをレベル5まで引き上げてくださ。いいいいいいいいい