僭越ながら訳を幾つか修正しました。編集の前に議論ページに案を上げるべきだったかとも思うのですが、正直二度手間になるのが面倒で…はい。
以下、意味がある程度変わった部分の編集前後の抜粋と、その理由の説明です。
- 「ああ、わかったよ」ニールの声が言った。「誰か聞いてますか?」
- 「ああ、わかった」ニールの声が言った。「聞こえているか?」
ニールの口調が前後の台詞と異なる。電話をスピーカーに切り替えたため第三者に聞こえることを懸念して口調を丁寧にしたという解釈かも知れないが、部屋にビアトリクスとエイドリアンしかいないことは明白で、それはニールにも分かっているはず。
- ちょうど家に帰るチャンスを探して、自分のベッドで眠って…
- ただ家に帰って自分のベッドで眠るチャンスを探して…
原文ではandがgo home と sleepを繋いでいるので、a chance toは両方にかかる。
- きちんと留めたボタンダウンシャツと擦り切れた灰色のスラックスのような服装を好んでいた
- きちんと留めたボタンダウンシャツと灰色のブレザーと擦り切れたスラックスのような服装を好んでいた
gray blazersが訳抜け
- 彼は未だにポケットに手を突っ込んで、
- だがいつもの彼らしいところもあった。彼はポケットに手を突っ込んで
He still carried himself like one, though:が訳抜け
口調が急に変わっている。原文Yeahがぞんざいな言い回しなので急にあらたまった言い方をしたとは解釈し難い。
- 」SCP-105のファイルを再解放し異常能力の喪失に関する提言を没却しろ」
- SCP-105のファイルを再調査して異常能力の喪失を示唆するデータを無効にしろ」
誤った鍵括弧を修正。元の訳は正直意味がわからなかったので出来る限り原文を逐語訳。
- 孤独がどれだけ彼らの助けにならないかを示すのに使えるんじゃないかな…」
- 孤独がどれほど彼らの情緒状態を悪化させるのかを示すのに使えるんじゃないかな…」
emotional statesが訳抜け
- 奪還任務は成功した。『SCP-173からの死の痛みによる回復』と俺には聞こえる。
- 奪還任務成功。『SCP-173による死の恐怖の下で能力が復活』とでも記載しよう。
この部分(とこのTale全体)の元ネタとして、現実の記事としてのSCP-105に
- 誰かが「アイリスが能力を失って解放された」という記述を勝手に加える
- 作者のクレフが記事内でO5の台詞として「即刻再確保しろ」と言う
- すぐに「空港で再確保された後、能力を使わないとSCP-173に殺される状況で能力を無理やり再使用させた」という記述が加わる
という顛末がログに残っており、これが元ネタになっていると思われる。Recoveredという語だけだとアイリスをrecover(再収容)したとも取れるが、元ネタからすると能力をrecover(復活)させたと取るほうが自然