途中からオチは2パターン予想できていましたが、その2パターンのより怖い方でオチておりかつ丁寧に実行されたと感じました。インタビューがくどいとも感じましたがちゃんとオチに繋がっており、緊迫感を強めていて怖かったです。 UV
とても好きです。
ただ、最後の17年計画の真意が読めませんでした、、、1年で8人ずつ死ぬのかなと思っていたんですが、ラスト3年からSCP-1573-JPを利用し始めるって事でしょうか。
ありがとうございます。
想定された質問であったため、全てと思われる質問が出揃う前に回答してしまいたいと思います。
17年計画の「17年」という部分は「準備開始から17年経過している」という意味で、実験開始までのカウントダウンと「現在準備中である」という表示を計画名(チーム名)でも行なっているという設定です。
なので、もし作中時間で更に1年が経過したならば"18年計画"に名前が変わるはずです。このあたりはわかりづらい設定ではあるのですが、それを記事中で説明してしまうのは記事の完成度を低めてしまうと思いましたので、こちらの方で補足させていただきました。
納得しました。そろそろ始まるよ、という事ですね。ありがとうございます。
説明欄一行目に一か所 [編集済]。 のみで文が終わっている部分がありますが、これも設定として何かあるものでしょうか。当てはまる言葉が想像できず、少し違和感がありました。
SCP-1573-JPに居住していた人物のことを、本名でも「SCP-1573-1」でもなく「B氏」のように表現してるのはなぜですか?
本名だと、前述したように機密違反が起きた際にSCP-1573-JPの位置情報や特定されてしまいやすく、「SCP-1573-JP-1」のような表記だとB氏そのものが異常存在であるか、その一部であるかのような表記になってしまいます。
B氏はあくまでSCP-1573-JPに「使われた」だけの一般人であり、オブジェクトの一部ではありません。そして本名のような表記も適当ではないため、情報が確実に守られるようにとのことで「B氏」との呼称表記を採用した、という設定になっております。
一読して、イヤな話としてまとまっていますが、インパクトに欠けると感じました。
これは細かい疑問が残っているせいもあります。
・精神医学的 異常とは何を指すのか? (↓のため、B氏の認識能力レベルの推定も難しい)
・最初の3件の事故が、レベルとしてバラバラに感じられる。「偶然といえなくもない(『Another』スイッチレベル)」「現実的ではないが起こり得る(ギャグレベル)」「物理的に起こりえない(超常現象レベル)」のどこに基準を想定しているのか?
・謎の人物への対処が検討されていないのか?
また既に指摘されていますが、インタビューはくどいように感じました。オブジェクトへの対処法を探る上で基準者の認識に踏み込む必要性があることはわかりますし、周囲の一般人の冷たい反応を含め、記述されている内容の必要性は認められるものの、まるで刑事ドラマのようです。悪意のるつぼのような状況を描こうとしたのであれば、B氏の些細な悪意をえぐり出すことには害もあるのではないでしょうか。
ともあれ、結果として現状はかなり曖昧模糊とした印象になっています。
多数の小さな悪意があり、B氏は安全と引き換えに処刑人役を請け負うことになってしまっている、という状況はわかりますが、その状況に対する意味付けがなされていません。
例えば、謎の人物がこの会社に対して何らかの恨みを持っており、ただ滅ぼすだけでなく苦しませようとしている、B氏の後ろめたさや罪悪感もそうした攻撃の一環である、といったことです。
であれば、財団は謎の人物そのものは無害であるから放置し、結果として自爆テロが起こった……といった顛末もあるかもしれませんし。
あるいは、B氏がその利己性ゆえに選ばれたという点を強調するのであれば、過去に処刑人役に任命された「失敗例」を比較として置くといった表現もありえるでしょう。
もう一捻りほしかった、ということでNVとします。
ありがとうございます。少々長くなってしまうかもしれませんので、早速回答に入らさせていただきます。
>精神医学的 異常とは何を指すのか?
「精神医学的異常」ではなく「異常性の存在が、精神医学的な検証によっても認められる」です。社員全員を精神鑑定や心理分析にかけたり、尋問を行ったりして「犠牲者が社員の多くから敵意、悪意を持たれていた(つまりB氏の証言内容と一致する形で死亡していた)」ことが明らかになったため、更なる調査と収容(一般社会からの隔離)が行われたという流れでした。
心理学的、にしても良かったのですが、これらの心理がオブジェクトの影響によってもたらされた可能性を財団は捨て切ってはいないだろうと思い、精神医学的、としました。オブジェクトによって健常な心理活動が阻害されているのであれば、障害と言えるからです。
>最初の3件の事故が、レベルとしてバラバラに感じられる。「偶然といえなくもない(『Another』スイッチレベル)」「現実的ではないが起こり得る(ギャグレベル)」「物理的に起こりえない(超常現象レベル)」のどこに基準を想定しているのか?
基準は「オブジェクトの特性による死亡とみなせるかどうか」です。統計学の面からオブジェクトの異常性の周期を仮定し、遡って死亡事故を調査して死亡者をリストアップ。あとは異常性の周期データと、社員全員からとった心理データから「犠牲者とみられる人物」を割り出すのは手間はかかっても困難な手順ではありません。
問題は「どう死んだか」ではなく「何故死んだか」であって、仰られているレベルというものは異常性の究明と収容にはあまり関係しないのではないでしょうか。
更に言うならば「レベルがバラバラに感じられる」という部分にどう具体的な問題点があるのか私にはわかりません。
>謎の人物への対処が検討されていないのか?
まだ対処の検討段階に無いということです。
既存の要注意団体の関係者なのか? 人類社会に敵対的なのか? 目的は? 動機は? そもそも実在するのか? 等々わからないことだらけで、その脅威の度合いが全く測れない状態です。
そのため、現在は謎の人物に対する調査が続いているという形にさせていただいています。どう対処するのかは調査をしてから、というのは財団がSCPオブジェクトに対して日常的に行う手順なので、説得力の面でも問題ないと私は考えています。
曖昧模糊とした印象なのは異常性そのものに物理的な現象や明確な反応がほぼ無く、財団による調査もあまり進んでいないためです。本格的な実験がまだ行われていないので、そのぶん情報全体の中でB氏の証言が占める割合が多くなってしまっています。
その曖昧さこそがこの記事の重要な部分なので、あとはその空気が合う合わないの話になってしまうでしょう。
謎の人物の意図や目的はもちろんある、だがわからない。B氏は小市民なのか悪人なのか、わからない。一本の芯を通してしまえば、それこそくどいドラマと化してしまうでしょう。私が思い描く"悪"というのは強くもなく押し付けがましくもなく魅力もない、必ずしも悪行というわかりやすい形で姿を見せてくれるとは限らないのです。
ですので、繰り返しになりますがあとはこの記事のテーマに合うか合わないか、という話になってしまいます。catfishさんがNVとするならばそれも尊重されるべき判断です。
しかし、善意よりご質問やご意見を投げかけてくださったのは感謝に絶えません。重ねて、御礼申し上げます。
詳細な回答ありがとうございます。
「精神医学的検証」について
原文と異なる表現にしたのは、まさしく「手段」「結果」のいずれを指しているのか判断が付かなかったせいなのですが、調査手段を指すことは理解できました。
ただ、「被害者が周囲にどのような印象を抱かれていたか」という調査は精神医学的とは言えないのではないでしょうか。個々の対象に対する調査手段(インタビューなのか催眠なのか)にもよりますが、どちらかといえば(臨床)心理学、最も近いのは社会学であるように思います。
オブジェクトの心理活動への影響を想定するのは当然ですが、それを裏付ける調査が行われていないため、このマタ-には関係ないと思われます。(むしろ心理活動からの影響を裏付ける方向の調査が行われている。)
事故の異常性について
問題は「どう死んだか」ではなく「何故死んだか」であって というのは、オブジェクトの性質を把握されているからこそのお言葉かと思います。読者のフラットな見地からは、オブジェクトが直接犠牲者を「殺害」するものかどうかも含めて考察しますし、その意味で「ありえざる死に方だったのか」は重要な情報だと考えます。
もちろん本格推理小説的なフェアネスは不要ですが、超常的な力によって殺害されたとしか思えない第1の事故に、タチの悪い偶然とも解釈できる第2・3の事故が続くと、そこに意味があるのかないのかわからなくなってしまいます。
死亡原因そのものは重要ではないということであれば、なおさら『Another』スイッチレベルあたりで統一したほうが、意図が明瞭に伝わるのではないでしょうか。
財団の調査方針について
これはまさに価値観の問題かと思いますが、「現状ではこれ以上調べようがない」ではなく、「まだ調査が進んでいない」という段階の報告書は、財団の文化からして好ましくないように感じます。
継続調査不要なら不要と結論付けるべきですし、調査中であるならせめて、今後このような調査を行うという方針は報告書としてあってしかるべきでしょう。
曖昧さの演出について
悪の観念については理解できましたし、それは表現者として尊重されるべきものかと思います。
ただ、仰るところの「ドラマとしてのくどさ」は、今ある「インタビューのくどさ」とはまた別のものです。
ざっくばらんに言えば、B氏の罪を問うても仕方ないのに、そこを長々追求することがくどく感じるのです。(前回書いた通り、基準者の認識が調査において重要なことはわかりますよ!)
また、2つ目のインタビューにおける博士の言葉は、B氏に何らかの悪性が見出されることを期待させるものであり、このような演出方針に反するように思います。
仰るような意図があるならば、B氏の罪を強調することにより、読者の価値判断において予断を持たせるべきではありません。徹底した調査の結果を、俯瞰的に淡々と明らかにする、価値判断は一切色付けせず読者に委ねるというのが、相応しい演出かと思います。
現状では、表現意図を本文から充分汲み取ることはできないというのが、私の判断です。
あとcatfistです
少しでも文章を短くするため、1パラグラフ毎の順番に回答させていただきます。
オブジェクトによる心理活動への影響に関する調査は、オブジェクトが持つ異常特性そのものへの科学的な調査(実験)になりますので、17年目計画に盛り込まれているという設定にさせていただいています。
そのこと自体は記事文中に於ける記述からでも読み取れる範囲かと思いますが、今は「ディスカッション上にこのやり取りを残せれば当初あえて『精神医学的』とした意図の伝達としては十分かな」とも思えましたので、記事での記述は心理学的に〜と書き換えておきましょう。
第1の事故もタチの悪い偶然のような状況で引き起こされています。
具体的に申しますと、手をついたとき爪楊枝の後端を爪もしくは指関節の端で強く、そして瞬発的に押し込んでしまったことで立ち上がるようにして飛び上がり、目に浅く刺さったというものです。
原理としては机の上に置いた鉛筆の後端をドンと叩くと飛び上がる、というのと同様です。
その状況を詳しく描写するかどうかは迷ったのですが、あのセリフはただでさえ長いので、書かなくても伝わりそうな部分は書かないでおこう、という結論に至り省略させていただきました。
しかも、飛び上がった原因そのものは財団から見れば「妥当な推測」しかできない(証明ができない&事故の少数の証言頼りな)ものなので、インタビュアーの心理的にも省略する説得力が残るだろう、と判断しました。(第2第3の事故は公共の場で起こっているため証言の数が多く、科学的検証もしやすい)
とはいえ、実際にこのようになってしまっているのですから、もう少し記述に変更を加えてみましょう。
私たちはSCP-1573-JP報告書しか読めませんが、財団世界に存在する職員は17年目計画の概要が記された文書も読むことができるでしょう。
調査が完了していない状態での報告書というのは「調査は完了していないが収容はする必要がある」状態に於いてよく見られるものですし、動機もあります。
つまりは収容するならば特別収容プロトコルを制定しなくてはならない、特別収容プロトコルを制定するには「現在判明している事柄」を説明欄に記し、収容プロトコルにどういう意味があるのかを各職員に理解させなくてはならない。
重要なのは特別収容プロトコルであって、調査や解明はそのために行われるべきことです。特別収容プロトコルが存在するのならば、その時点で何らかの報告書は存在しているべきだと私は考えます。
SCPオブジェクト報告書に「完成版」は無いので、調査のどの時点であっても、特別収容プロトコルがあるならば報告書があってもよいのです。
「人間の心理活動に関係しているSCPオブジェクトならば、B氏の心理と異常性に関連性はあるだろうか?」という点からB氏の心理活動の傾向を知ろうとするのは問題のない手順だと考えます。
別に罪を問うたり暴こうとしているのではなく、異常性に関する情報を合理的に引き出そうとしているに過ぎません。それがくどいと感じられるのであれば、感性の違いとしか言わざるを得ず、私に解決できる事柄ではありません。その感性を否定するのではありませんが、私にはお応え出来かねます。
私の表現意図は既に述べたかと思いますが、読者がその意図に100%沿うべきだとは私は考えていません。「読者に100%意図を伝えられる作品がよい作品だ」とは思っていないからです。
私個人が「この記事では曖昧さを大事にしたい」という思いを表明し、その動機の説明として作品意図を説明はしましたが、読者が完全にそれに従う必要はありません。("解釈"ではなく"事実"が異なっている場合は別)
この記事を読んで「B氏がいちばん悪い」との感想を抱いたとしても、その感想を抱いた理由には読者個々人の積み上げてきた人生があるはずです。読者個々人がただ情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりに考えて結論を出していただけるならそれでいいのです。
ちなみにこの記事の情報を完全にそのまま鵜呑みにして咀嚼も解釈も考えもしなかった場合、一番悪いのは謎の人物だ、と一瞬で直感することでしょう。動機のある結論と動機のない結論が奇しくも同じである場合もありますが、重要なのはその動機なのです。
現在、読者がちゃんと自ら考えた上で結論を出してくれる構造にはなってくれていると思うので、ご意見は非常にありがたいのですが、現状を維持させていただこうと思います。
大変失礼しました、申し訳ございません。