作成日(SCP-EN): 2018/09/04
原著:Captain Kirby
和訳:Hutu-nohito
査読協力:428sk1_guardian 氏,
ccle 氏
原語記事:SCP-4514
It's rare to have D-Class actively line up for experimentation.
実験の為にDクラスを積極的に集めるのは稀なことです。
皆が死ねなくなった世界で、皆が死にたがっているというストーリーを考慮すると、「実験のためにDクラスが積極的に集まるのは稀なことです。」という意味になると思います。haveは使役動詞ではありますが、以下のC-3-Cにあるように、「使役の意味が薄く,経験の意味に近い表現」として使う場合もあるようなので、文法的にも合致していると思います。
https://ejje.weblio.jp/content/have
Officially, you are hereby removed from the SCP-4514 project.
Unofficially, we get it. Life's a bitch.
- Dr. Violet Mesmur, Ethics Committee
表向きには、貴女はSCP-4514プロジェクトから外されます。
内実には、何も問題ないでしょう。 人生なんてクソ喰らえだ。
- 倫理委員会、バイオレット・メスメル博士
このくだり、誰もが死ねないことに苦しみ、財団の定義する「正常性」が「死ねないこと」に再定義された世界において、本当は「死ねないこと」を維持しなくてはならない倫理委員会が本音を零しているのだと思います。つまり
「公式には、貴女はSCP-4514プロジェクトから外されます。非公式ですが、我々はそれ(死の手段)を得ました。命なんてクソ食らえだ。」という意味だと思います。
あと、語呂が悪くて私もしょっちゅう書き間違えそうになるのですが、「Mesmur」は「メスムル」だと思います。
個人的に、We get it は 「(it=あなたのやろうとしたこと=人々に死を与えようとした意志)が理解できます。」あたりだと思います。itの内容を定める要素が少ないので、sb. get it の繋がりを意識した読解になります。
life is a bitch もコロケーション的繋がりが強く、普通なら「人生はままならないもの」あたりで訳出するところですが、文脈上、YS_GPCRさんがおっしゃるように「命なんてクソ食らえだ」の意味合いも欲しいので難しいところだと思います。
いずれにせよ、「何も問題無いでしょう」という訳出は原文に即していないように見受けられるので、現行訳の改定を勧めたいです。
翻訳フォーラムで読んだ時にはスルーしていた部分ですね…。
We get itのニュアンスはszh_tmhさんのおっしゃる通りの内容で捉えていまして、YS_GPCRさんの解釈は公式・非公式の対比としてちょっと違和感があるかなと思います。
「(あなたの意志は理解できます、)内部的に悪く思う人は居ないでしょう。」ぐらいの飛躍でなんとかその訳で取れなくもないかな、で通した記憶があります。今読み返すと確かに即していないには違いないので、改訂は賛成です。
Lifeが命か人生かは本当に微妙で、個人的には「生きていること」を指すと思っています。じゃあどちらに近いかと言われると…。なかなか難しいところです。
szh_tmhさん、ccleさん、ご指摘ありがとうございます。「We get it」の部分に関しては、ご指摘の通り、「あなたの意志は理解できます」に類する意味合いでしょうね。だとすると(オブジェクトを倫理委員会が接収して使うという意味合いがないのならば)、「life is a bitch」があまりに乱暴な口調になるのもおかしく、「命/人生というのは忌々しいものです」くらいの意味合いになるのかなあ・・・・。
さて、2週間以上が経過してしまいましたが、原訳者の方がしばらく活動しておられないようですが、こういう場合はどうしましょうか・・・?