120ハブ改稿版用語集

用語集

いちいち細かな既存単語まで暗記しておくのは至難の業だ──しかし恐れることはない。そんなことしなくたっていいのだから! 以下にカノンで頻出の用語を抜粋し、相応しい説明を添えた用語集を掲載する。

単語 定義
アキヴァ放射 (Akiva Radiation) 存在・物品への崇拝行為によって自然発生する放射線の一種。神格存在の主な特徴の一つ。
錬金術 (Alchemy) 奇跡術的に現実の根源力エレメンタル・フォース (例えば気、地、火、水、雷など。現実と結びついている) を操作する行為。
記憶処理薬 (Amnestics) 人の記憶の消去を可能とする化合物。1894年、SCP財団とプロメテウス研究所の合同開発で発明。正常性機関により、大衆から異常の存在を隠すために日常的に利用されている。
アナート (Anart) 異常芸術アノマラスアート (anomalous art) の略。何らかのかたちで超常事物を組み込んだアート全般を指す総称。
アーサー王憲章 (The Arthurian Charter) 五大妖精王国と英国君主の間に結ばれた平和協定。この協定により、英国諸島は中世の迫害中もアノマリーにとっての安全地帯となった。英国オカルト庁が世界オカルト連合に加盟して以降、憲章維持の責任はGOCに移管された。
アシュワース=リベラ導管 (Asheworth-Rivera Conduit) EVEを吸収・消去することで、影響区画での奇跡術の使用を制限することができるパラテクノロジー。SCP財団 サイト-120のダニエル・アシュワースとジェシー・リベラにより開発。
基底現実 (Baseline reality) 我々の地球・宇宙が位置するプレーン1。ただし、本プレーンにアンカーを置く小型現実やその他異次元は含まない。
夜闇の子ら (Children of the Night) 野人に対する蔑称。マブ女帝により造語。
季節の円卓 (The Cycle of Seasons) 妖精四王宮の存在論的法制度。IS (是)、CEASES (終)、IS NOT (非)、BECOMES (成) に関する全ての問題を訴えることができる。
デミウルゴス (The Demiurge) ソロモン王が人工的に生み出した、本宇宙の奇跡術の概念が具現化した神格存在。奇跡術の基本法則を操作・変更することが可能。第六次オカルト戦争で殺害された。
神 (Deity) 崇拝活動により創造・強化される、極めて強力な存在力学的実体。
指令アルファ/1911 (Directive Alpha/1911) ファクトリー大殺戮の罪を贖うことを目的とする、SCP財団の改革プログラム。収容メソッドの変更・異常社会の住人との協力により、超常界支配を緩和する複数のプランから構成される。
固有兵器アイゲンウエポン (Eigenweapon) 超常的な大量破壊兵器。
EVE 全ての意識ある存在から放出されるエネルギー、生体発躍エネルギー2 (Elan-Vital Energy) の略。十分高い濃度で存在する場合、奇跡術行使に利用できる。俗称はマナ。
フリーポート (Free Port) ヴェールの背後にある異常活動の中心地。住人たちの間では公然と異常が知られ、積極的に利用されている。多くの場合、大きく安定した人口を持つ、小型現実の都市という形を取る。
ゴックス (Gocks) 世界オカルト連合のメンバーを指す蔑称。
民族大離散グレート・ディアスポラ3 (The Great Diaspora)

異常種族の世界的支配の一大転換を指して使われる総称。これまで、以下3つのグレート・ディアスポラが発生してきた。

  • 第一次グレート・ディアスポラ — 人類・野人の連合勢力による、妖精帝国への叛乱。帝国の崩壊を招き、その後は野人が世界の大部分を支配した。
  • 第二次グレート・ディアスポラ — マブ女帝の力で支援された人類による、野人社会への叛乱。“花の日”とも呼ばれる。野人文明の崩壊を招き、その後は人類が世界の大部分を支配した。
  • 第三次グレート・ディアスポラ — マブ女帝の力で支援されたSCP財団による、妖精人口の75%のジェノサイド。上述した種族らのSCP-4000への追放を招いた。
HECOR 高エネルギー凝集軌道レールガン (High-Energy Concentration Orbital Railgun) の略。喫緊のヴェール破壊級の事物を撃滅するために利用される、SCP財団運用の軌道固有兵器。回収された古代野人・妖精のテクノロジーを、20世紀のパラテクノロジー領域での発見と融合して誕生。
ヒュー厶 (Hume) ある特定領域における現実の安定性を算出するうえで使われる計測単位。約1 Hmが基底レベル。
“難局” (The Impasse) 正常性機関の活動、ヴェールの存在、一般市民の異常に対する時代精神と基準正常性との関係性の変化が引き起こした、多元宇宙規模での異常生態系の緩やかな死滅。SCP財団の解散とヴァンガードの創設に繋がった。
イリライト (Irrilite) 自身を通る呪文の魔導ポテンシャルを増幅する、奇跡伝導金属。最盛期の妖精帝国により地球から発掘され尽くした。現在は極めて希少・高価だが、高い需要がある。
イリライトチューナー (Irrilite Tuner) 妖精帝国の職人奴隷、サトゥンがマブ女帝の命令で制作した伝説的武器。“発明家”の魔法を奪うために制作されたもので、姉妹の最終決戦で使われたという。チューナーが今どこにあるのか──そもそも実在していたのか──は未だに分かっていない。
看守 (Jailors) SCP財団のメンバーを指す蔑称。
テネブラ写本 (Kodex Tenebra) 本自身が“赦されない”と判断した呪文の使用方法が載っている巨大な魔導書。記載されている儀式は、どれも甚大な犠牲や破壊を齎す。SCP財団によりSCP-6936に指定されている。最終的に、基底現実で誰かが写本を使うことの無いように、ヴァンガードによりデルタ-Tの多元宇宙保護領に移譲された。
ラスベガス協定 (The Las Vegas Accords) 新収容戦略開発を目的に、SCP財団のサイト-43、120、322、666、およびエリア-179間で結ばれた協力条約。
レイライン (Leylines) 地球を覆い、高レベルの周辺奇跡エネルギーを特徴とする、不可視の形而上学的な線。レイラインの交差点は往々にしてネクサスなどのパワースポットを生み出す。
ローカル宇宙 (Local universe) 基底現実、そこにアンカーを置く小型現実、およびほか全ての並行現実ではないプレーンを指す単語。しばしば“タイムライン”、“ストーリーライン”、“ナラティブ”の類義語として使われる。
マビティーズ (Mabbites) マブ女帝の政治的同調者・擁護者全般を指す総称。
ミーム的 (Memetic) 感染性を持つ着想・概念全般を指す単語。
ミーム学 (Memetics) 感染性の着想・概念の研究、調査、目録化に重点を置く超常科学。
形而上学メタフィジクス (Metaphysics) 現実がナラティブに影響する方法の研究、調査、目録化に重点を置く超常科学。
記憶補強薬 (Mnestics) 記憶を強化するのに使われる化合物。反ミームの使用に対抗してよく使われる。
多元宇宙羅針盤 (The Multiversal Compass) 多元宇宙のより幻想的な類義語。
多元宇宙マルチバース (The Multiverse) 存在しうる全並行タイムラインの集合。
死霊術ネクロマンシー (Necromancy) 死者と交流する行為。使用者への要求が非常に厳しく、ほとんどの接触はその凄まじい難易度ゆえに、ごく一瞬しかできていない。一部のネクロマンシーは死者を蘇らせることがわかっているが、そうした呪文の大半は歴史の中で失われており、故人を完全な形で蘇らせることは決してできていない。
1989/ネバーランド法令 (The 1989/Neverland Mandate) 正常性機関とエスターバーグの関係を規定する法令。SCP財団の活動により1985年に同市の1/5が破壊されたことを受けて制定。財団とエスターバーグの現在の共存状態について取り決めた。
“非意図”ネヴァーミーント (The Nevermeant) 現実の狭間にあり、物理法則がほぼ通用せず生命が存在しない、非現実的でほぼ存在しない空間。SCP財団によりSCP-3001に指定されている。
ネクサス (Nexus) 小規模で永続的、そして超常的な人口を擁する異常活発区域。ネクサスの活動が外世界に影響を及ぼすことのないように監視こそされているが、ほとんどは正常性機関により残されている。
“夜闇を歩むもの”ナイトウォーカーズ (Nightwalkers) 野人を指して使われていた、ほぼ時代遅れの単語。一部は差別的だと考えている。
叡智圏ノウアスフィア (The Noosphere) 全ての人類の思考、着想、概念の圏域。
正常性 (Normalcy) 正常性機関によって維持される、異常でない現状。ヴェールの類義語としてよく使われる。
オカルト戦争 (Occult Wars)

深刻な結果をもたらした、大規模な人類のオカルト紛争に対して使われる総称。これまでに以下7つのオカルト戦争が発生している。

  • 第一次オカルト戦争 — 紀元前1200年頃、サーキックのアディタイト帝国と、他の地中海諸国と同盟を組んだメカニトらの間で発生した、ほぼ宗教戦争といえる紛争。崇高なるカルキスト・イオンの死と、アディタイト・メカニト両帝国の崩壊という結末を迎えた。
  • 第二次オカルト戦争 — ダエーバイト帝国とローマ帝国の怪獣使い (kaijumancers) の間で発生した詳細不明の紛争。おそらくはクラヴィガル・サァルンの陰謀で開始したものと思われる。
  • 第三次オカルト戦争 — 詳細不明の紛争。
  • 第四次オカルト戦争 — 1224年から1228年にかけて、チンギス・ハーン王朝のかたちを成した所謂“第二次妖精帝国”と、ダエーバイト帝国の残党ならびにヨーロッパとアジアの奇跡術師らの間で発生した紛争。後者が前者の拡大を抑えようとしたものであり、チンギス・ハーンの死と彼の帝国の崩壊という結末を迎えた。
  • 第五次オカルト戦争 — 30年戦争の裏側、1618年から1648年にかけて、上述の戦争の両陣営の間で発生した紛争。
  • 第六次オカルト戦争 — 1864年から1868年にかけて発生した紛争。異常コミュニティの大多数が関与。はっきりとはしないが、長く続いていた緊張、低迷、ASCIやHMFSCPなどの前正常性機関からの高まる圧力の延長線上にある理由から開戦。デミウルゴスの死、マブ女帝が存命であるという発見、ヴェールの制定という結末を迎えた。
  • 第七次オカルト戦争 — 第二次世界大戦の裏側、1939年から1945年にかけて発生した紛争。ソロモンの儀式を利用しようとするアーネンエルベ・オブスクラを止めるべく、連合国オカルトイニシアチブの形で団結した国際オカルトコミュニティを主軸とする。
夢想圏オネイロスフィア (The Oneirosphere) 全ての自我持つ存在が見る夢の圏域。マブ女帝などの強大な存在による操作が非常に効きやすい。
存在力学的オントキネティック (Ontokinetic) 現実そのものの性質に干渉することができる事物全般を指す単語。
存在力学オントキネティクス (Ontokinetics) 存在力学的性質を持つ事物の研究、調査、目録化に重点を置く超常科学。
超常人間パラヒューマン (Parahuman) 超常的な人間 (paranormal human) の略語。超常的と看做される人間全般を指す総称。奇跡術師、現実改変者、異常能力者、パラテクノロジー的サイボーグなどが含まれる (が、これに限らない)。
超常麻薬パラナコティクス (Paranarcotics) 超常的な麻薬 (paranormal narcotics) の略語。何らかのかたちで超常事物を組み込んだ麻薬全般を指す総称。
超常科学パラサイエンス (Parascience) 超常的な科学 (paranormal science) の略語。超常事物に重点を置く科学分野全般を指す総称。
超常技術パラテクノロジー (Paratechnology) 超常的な技術 (paranormal technology) の略語。何らかのかたちで超常事物を組み込んだテクノロジー全般を指す総称。
超常兵器パラウエポン (Paraweapon) 超常的な兵器 (paranormal weapon) の略語。何らかのかたちで超常事物を組み込んだ兵器類全般を指す総称。
空想科学パタフィジクス (Pataphysics) ナラティブ系の事物が現実に影響を与える方法の研究、調査、目録化に重点を置く超常科学。
小型次元ポケットディメンション (Pocket dimension) 基底現実にアンカーを置いてはいるが、2地点間のゲートウェイとして機能する少数の空間経路やポータルを除けば、通常そこからは切り離されている現実プレーン。
プロジェクト・パノプティコン (Project PANOPTICON) SCP財団運用の国際監視プログラム。活動に要求される諜報能力を得るため、アトレウス・アレイ衛星システムなどの多数のパラテクノロジーを利用している。組織がヴァンガードに移行したことを受けて、パノプティコンの装置は必要最小限まで削減され、世界中の民間人のプライバシーを侵害していた部分については廃止された。
パープルアイズ (Purple eyes) 現実改変者を指す蔑称。完全に目覚めたクラスⅢ以上の現実改変者の特徴である、紫色の目に由来。
現実改変者 (Reality bender) 現実を思うがままに直接改変することができる人物。タイプ・グリーンやビクスビーとも呼ばれる。
ソロモンの儀式 (The Rite of Solomon) 極めて強力な奇跡術儀式。正しく実行されたならば、デミウルゴスを使用者の意思に従わせ、奇跡術の基本法則を変更することができる。
ルーキープログラム (Rookie Program) 一般人の前途有望な若者の勧誘を目的とする、SCP財団のプログラム。
スキッパーズ (Skippers) SCP財団のメンバーを指す蔑称。
天空の伝承者 (The Sky Keepers) ドロガニアン族の神話的祖先を指して使われる単語。
スクラントン現実錨 (Scranton Reality Anchor) 現実を安定化し、影響区画での存在力学的能力の使用を抑制することができるパラテクノロジー。SCP財団 サイト-120のロバート・スクラントンとアナ・ラングにより開発。
妖魔界実体 (Tarterean entity) 悪魔──他の現実に由来し、多くの場合人間に敵対的な実体──を指す、定義の緩い総称。
奇跡術師 (Thaumaturgist) 奇跡術を実践する人物。タイプ・ブルー、魔術師 (sorcerers)、魔法使い (wizards)、魔道士 (mages) とも呼ばれる。
奇跡術 (Thaumaturgy) 呪文、儀式、ルーン、シジルの形で凝集したEVEを使用し、現実を間接的に変更する技術。俗称は魔法。
奇跡論 (Thaumatology) 奇跡術の研究、調査、目録化に重点を置く超常科学。
ヴェール (The Veil) 正常性機関と世界中の多数の政府による、異常の存在を大衆から隠し通すことを目的としたポリシー。主に3つの国際条約、「超自然事物に関する条約」(Convention on Preternatural Phenomen)、「世界オカルト連合憲章」(Charter of Global Occult Coalition)、「ケルン協定」(Köln Agreement) で定められている。
“道”ウェイ (Way) 宇宙の2地点間を結ぶポータル。多くの場合、放浪者の図書館に繋がるゲートウェイか、蛇の手のメンバーにより作られたものを指して使われる。
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