120ハブ改稿版場所
場所
世界は魔法に満ちている──文字通りに! カノン内で訪れる場所は、その生きた証拠だ。以下に、カノンの舞台として登場する、特に重要なエリアとその説明をまとめておこう。
- アルカディア (Arcadia) — 竜人会議ドラゴンズ・サークル──12人の貴族とドロガニアンの指導者であるヴァジュラ王から成る13人体制の評議会──により統治される、ドロガニアンの地下都市。発見後即座にフリーポート指定が与えられた。2021年のヴェール崩壊後に大きく躍進し、ヴァンガードや他の組織と密接な関係を得た。
- アヴァロン (Avalon) — 五大妖精王国の一角。かつては妖精社会の栄えた国だったが、第六次オカルト戦争とヴェールの確立に伴い、アヴァロンを纏め上げていた名辞物語呪文が大きく弱体化。最終的には国家の脱概念化と基底現実からの消失を招き、ほとんどの国民はスリーポートランドへの避難を余儀なくされた。アヴァロンは1世紀以上も前に消えてしまったが、その文化の影響は未だ超常界の至るところに散見される。
- ドルヴトゥール (Druv'tuul) — 地球の内核・外核に分散して存在する、生命・機械が融合した巨大地下都市。全世界の野人人口の89%以上が暮らすホットスポットである。SCP財団による介入以前、ドルヴトゥールはメテウス──古代の野人奇跡術師であると同時に、神話的人物フォメットの兄弟──により統治される、抑圧的な君主制が敷かれていた。2021年のヴェール崩壊後、都市は主権国家となり、新たな指導者であるエルドレル・ゲルンダ王により統治される、選挙君主制へと移り変わった。
- エスターバーグ (Esterberg) — 異常種族が築いた現存都市としては最大かつ最古のものであり、ポーランドのチェンストホヴァにあるフリーポート。全世界でも最大級の妖精・野人人口を抱え、中央ヨーロッパにおける異常活動──特に前述した種族に関わるもの──の本拠地である。これまで見たこともないような規模で魔法に満ち溢れるエスターバーグは、異なる種族、組織、人々の協力のモニュメントであり、少数の幸福より多数の幸福を採ったときに何ができるかの例である。2034年、エスターバーグは基底現実の姉妹都市チェンストホヴァと融合し、その過程でノヴァ・チェンストホヴァとなった。
- ユーテック (Eurtec) — 主にドイツにアンカーを置く小型現実に位置するサイバーパンクめいた技術的大都市で、公的区分はフリーポート。世界オカルト連合の“硅のノルニルの従者”の統治下にあるユーテックは、1985年、“従者”のアジェンダに従いヨーロッパのパラテクノロジー開発を加速させるべく設立された。連合の監督下にもかかわらず、都市は世界有数の超常犯罪の闇世界を有しており、ここで起きる犯罪には度々パラテクノロジー、超常麻薬パラナコティクス、パラヒューマンが関わっている。ダーケ一族の本拠地である、記念碑的な《屍金字塔》デス・ピラミッドが所在。
- 名無しの森 (The Nameless Forest) — 大殺戮で名前を奪われた犠牲者を捕らえて拷問するため、第三次グレート・ディアスポラにてマブ女帝が生み出した小型現実。妖精人口の75%以上が住むここは、名の魔法と奇妙なルールに縛られた、無限の非ユークリッドの森という形をとる。収監された者が逃げ出すには名前を盗むしかないが、歴史上滅多に起きていない。2021年のマブ女帝の死の後、森を縛っていた魔法は解除され、ほとんどの存命の住人は基底現実に戻ってくることができた。
- ハイ・ブラジル (Hy-Brasil) — 五大妖精王国の一角。アイルランド周辺の海に存在するハイ・ブラジルは、かつてこの惑星ほしで単独首位の規模を誇る妖精人口を抱えていた。しかし、ワニイカ襲撃とそれを受けたGOCの奇跡核砲撃の結果、かつてのフリーポートの地位から、がらんどうのほとんど人のいないネクサスへと格下げ。かつて栄えていた妖精文化のモノリスたるハイ・ブラジルを復興させようと、これまで数多くの計画や試みが行われ、2021年のヴェール崩壊後になっても続けられているが、ほとんどはただ失敗に終わっている。
- サイト-01 (Site-01) — SCP財団 O5評議会・監督司令部の本部。ポーランド、クラクフの75キロメートル北に立地。元はファクトリーの建造物だったが、財団の強奪後に現在の地位となり、そこに住まうたった一つのアノマリー ──SCP-001-Cことマブ女帝──の主要収容施設として利用されている。一連の侵入防止用奇跡結界、保護魔法陣、儀式で守護されている。O5評議会の継続的活動に要される安全性を確保するため、ほぼすべての外部観測から反ミーム的に隠蔽されている。
- サイト-59 (Site-59) — メキシコ湾付近に立地するSCP財団の施設。いかなるアノマリーも収容しておらず、その代わりに、倫理委員会が職員の士気を維持するために開催している財団職員パーティの会場としての役割に重点を置く。その正確な立地を把握しているのは、酔っ払ったパーティ参加者を外部の危険から守るため、O5評議会と倫理委員会のみに限られている。
- サイト-PL-69 (Site-PL-69) — バルト海の異常に形成された、深さ13キロメートルのバルト海溝に立地するSCP財団の研究施設。主に重点を置いているのは、海溝で発見された妖精帝国の沈没した遺跡の調査と、過酷な水中環境に完全適応した土着の妖精亜種の研究。
- サイト-118 (Site-118) — ソノラ砂漠に立地するSCP財団の研究施設。サイト-118は主に名辞災害の扱いに重点を置いており、Keter級収容違反発生時の影響を低減するような設計になっている。その専門性から、妖精王宮における“季節の円卓”に深く携わる。
- サイト-120 (Site-120) — ポーランド、チェンストホヴァに立地するSCP財団の研究施設。存在力学部門の拠点であり、このためサイト-120は奇跡術、存在力学、神学的アノマリーに特化し、度々型破りな収容メソッドでそれらに対処する。異常の利用を積極的に推進している数少ないサイトの一つ。フリーポート・エスターバーグの主な監視所であり、同市とは頻繁に協力している。
- スロースピット (Sloth's Pit) — 合衆国ウィスコンシン州に立地する小さな中西部の町。スロースピットの世界を支配しているのは、“物語”──西側メディアで頻出するお約束、クリシェ、テーマに沿うように町民の生活に影響を与えてくる、多くの場合は慈悲ある力である。この効果により、度々神話の人物が現れたり、世界各国から様々な人々が訪れたりする。
- スリー・ポートランド (Three Portlands) — イギリスのポートランド島、およびオレゴン州とメイン州の2つのポートランド市と繋がっている、小型現実の都市国家。スリー・ポートランドは北米最大のフリーポートであり、8万人以上の人類、パラヒューマン、異常種族が暮らしている。20世紀初頭、滅びつつある故国の脱出を余儀なくされたアヴァロン難民の妖精によって大部分が設立された。FBI異常事件課の管理下にあり、市内ではアメリカ法が適用される。
- 放浪者の図書館 (The Wanderers' Library) — 多元宇宙羅針盤の外に存在する宇宙外ネクサスであり、無限大の図書館の形をとっている。これまでに作られた、あるいはこれから作られるありとあらゆる書物が置かれており、厳格なルールに従うかぎり訪問者はそこにある知識を利用できる。その地位がゆえに図書館はいかなる派閥の管理下にもなく、蛇の手や“黒の女王”シンジケートなどの無数の組織の中立的活動基盤としての役割がある。
多元宇宙羅針盤
基底現実とそこに根ざす全小型次元を超えた先に、多元宇宙羅針盤が存在している。存在する全現実の集合たるそれは、起こりうるあらゆる世界・出来事を語り、何らかの選択が成されるたびにタイムラインを2つに分かつ。現実1が宇宙から遠ざかるほど、その間の間隙を渡ることが難しくなり、両者の違いは大きなものとなる。無限に近い可能性があるがゆえに、広大な多元宇宙を探査するうえで枷となるのは、己の技術、 忍耐、正気のみだ。
ページリビジョン: 2, 最終更新: 29 Apr 2023 04:27