SCP-2998 (LEVEL 4 ACCESS ONLY)

SCP-2998は2016/12/15に回復されKeterに再分類されました。この文書は2017/02/11に作成されました。

この文書はレベル4以上の職員に公開されます。詳細は事前承認なしには下級の職員には公表されません。

アイテム番号: SCP-2998

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 現在利用可能な技術の範囲ではSCP-2998-Aの収容を行うことはできません。財団は地球防衛を最優先事項として尽力しています。財団の研究員はSCP-2998-Aに対する攻撃処置の理論を開発しています。

現在利用可能な技術の範囲ではSCP-2998-Bの完全な封鎖を行うことはできません。財団のプロパガンダ活動により、テレビ、ラジオ、インターネットを含む電気信号受信機を必要とする技術の使用は阻まれることになっています。SCP-2998-Bに対するより完璧な封鎖方法としてブラックアウト作戦が考慮されています。ブラックアウト作戦の詳細を含む文書2998-デルタへのアクセスは、レベル5職員のみに限られています。優先度2以上として定められている全財団施設において、ブラックアウト作戦の準備が行われています。優先度3以下の全財団施設は、破棄または避難の準備が行われています。避難に際し、その妨げとなり得る場合に破棄される可能性のあるSCPアイテムのリストは、文書2998-オミクロンを参照してください。

SCP-2998-Cと考えられる一般市民は財団職員によってただちに終了させられます。SCP-2998-Cが示す行動は以下を含みます:周期的粗大運動の欠如、言葉によるコミュニケーションなしでの個人間の高度な協力性、異常かつ頻繁な大量出血、怪しげな"Adidal"という単語の使用。SCP-2998-B感染の疑いある財団職員は徹底的な尋問と実験が行われるまで勾留されます。SCP-2998-C収容と鎮圧に対し、ユニットおよびサイト管理官は彼らの部下に対する完全な裁量権を有します。その管理下でなされる如何なる決定に対しても、外部によるチェックは受けません。

士気改善を目的とするRAISA作成のプロパガンダと共に、作戦運用上のneed-to-know情報を含んだ文書が財団低レベル職員のために用意されねばなりません。全レベルの職員は、彼らのアクセス可能な文書における全ての情報を閲覧できるレベルが自身のレベルであると信じ込まされなければなりません。

説明: 2016/12/12における月向こうの空間からの異星人による侵略に関連する全ての異常現象が、SCP-2998として指定されています。SCP-2998-Aは地球―月L5地点に位置する地球外物体です。この物体は柔軟な繋ぎ鎖によって円筒形の中心軸と繋がる512の回転楕円形のポッドでできています。この物体の推進方法は不明です。物体自身のエネルギー出力はまるでその存在を隠しているようで、また、各ポッドは独立してはいるけれども、中心軸とは連動しながら、自身を駆り立てるように動きます。物体が有人なのか、遠隔操作なのか、はたまたAIによる自律運動をしているのかは分かっていません。

SCP-2998-BはSCP-2998-Aから発せられる電気信号です。この信号の周波数、振幅、波長は様々で、放送または狭帯域信号(broadcast or narrowband signals)として送られてくるかもしれません。共通する特徴として彼ら異星人の起源と目的を内包しており、SCP-2998-Cを生み出します。SCP-2998-B信号はラジオ、テレビ、Wi-Fi、携帯電話、GPS装置といった人類の技術に使用されている周波数や波長に擬して送られています。

SCP-2998-CはSCP-2998-Bに曝されSCP-2998-Aの影響下、またはその制御下に置かれ行動している全ての人間です。SCP-2998-Cは少なく見積もってもおよそ3400人いるとみられており、これには財団によって捕獲されるか終了させられた5238人を含みません。SCP-2998-Cは一連の動機付けのもとで動いているようで、それには[データ削除―文書2998-Ы参照]。

文書2998-Ы: この文書の時点で、異星人の侵略から2か月の間にSCP-2998-Cを5体生きたまま捕獲しました。うち3体は自身の歯といったその場にあるもので自殺を成功させました。うち1体は非協力的であり、彼女自身の発声装置を破壊し脳を発話機能が不全になるまで害することに成功しました。SCP-2998-C-ガンマは捕獲に成功し、尋問のためサイト-203に移送させられました。以下のインタビューは収容スペシャリストⅡのバーバラ・ホイットマンによるものです。諜報探査技術者はインタビューの際には用意できませんでした。

収容スペシャリスト・ホイットマン: 記録として残しますので名前を教えてください。

対象は耳と鼻から激しく出血しているが、出血の原因は特定できず。

SCP-2998-C-ガンマ: 汝らが語る名は無く。この身は殻であり。名はもはや無く。我らに名は無く。

ホイットマン: 私達の星の軌道上にあるあの装置について教えてくれるかしら?

ガンマ: 汝らの星では無く。星は、ああああああああ―

出血が強まる。

ガンマ: 星はAdidal。汝はAdidal。全てはAdidal。汝の礼賛は。全ての礼賛は。汝の礼賛はAdidalであり。汝の嚮後の礼賛はAdidalであり。全ての嚮後の礼賛はAdidalであり。

ホイットマン: 私達の太陽系に現れた理由を教えてくれるかしら?

ガンマ: 汝らの星系では無く。星系はAdidal。全てはAdidal―

ホイットマン: (遮って)どうして…ここに…来たの…教えて?

ガンマ: 此の地は暗闇。此の地は表皮。Adidalの苦痛こそが此の地であり。Adidalの苦痛こそが再来し。Adidalの苦痛こそが更なる害であり。Adidalの苦痛こそが常なる害であり。AdidalはRuharの苦痛を生ず。

ホイットマン: Ruharがここに?どうやって?

ガンマ: 我らに名は無く。時に我らは体現す。時に我らは空想す。認知は我らが元に。Ruharの認知は此の地を産み。Ruharの認知は此の地の中に。

ホイットマン: もう一度聞くわ、逃亡者はどうやってここに?

ガンマ: AdidalはRuharを害し。AdidalはRuharを害し、認知を造りしかし生み出せず。別の地を産み。Ruharの認知は去らず。汝―

涙管からも血が流れ出す。

ガンマ: 汝らRuharを追いやり、汝らRuharを見出し。汝らの思考の中に。我ら生くるは汝らの思考の中に。Ruharは我らの一員であり。Ruharは汝らの中に去り。我らは汝らの中に去り。我らRuharは意思を見る。我らRuharは意思を探す。汝らは。汝らは我らを忘れる。

ホイットマン: あなたが私たちを忘れる?どういう事なの?

ガンマ: 認知は我らを忘れる。認知は我らを忘れさせる。我らの認知は我らを忘れさせる。永遠に忘却の彼方へと。思い出させる認知はなく。汝らは我らを置き去りにする。汝らは我らを何処へも置かず。

インタビュー終了の4時間後にSCP-2998-C達の手によりサイト-203は襲撃され制圧された。

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