アイテム番号: SCP-3890
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 私はミミックを殺す。
説明: 今朝目を覚ました。トニーはいなくなっていた。彼はミミックだった。それは私が考えていたよりも賢かったのだと思う。私が馬鹿だった。私はそれがいつか姿を現すであろうことは理解していたが、私は絶望しており、それはそのことを知っていた。私に残ったのは幾つかの殴り書きされた文書と、頭の中の私の名前の形をした穴だけだ。
私の名前は…私は自分の名前が分からない。ミミックを過小評価していたことが恐ろしい。私は自分の名前を読み返し続けている、以前に自分で自分の名前を書き留めたのを知っているからだ。しかしながら読んだ数秒後には、私は再び自分の名前を忘れてしまう。記憶が消えているだけでなく、最早その情報を頭に留めておくことが少しも出来ないのだ。それは永久に失われた。
残っていた文書に関して言えば、それには新たな収容プロトコル(どんな組織のための?)が記されていた。それらは私がここで見た唯一の紙だ。筆跡は全て私のものであった。それは私に擬態することを学んでいる。それは私の思考過程の把握こそ出来ていないものの、徐々にそれを把握してきている。恐らく何年も前に空っぽにされた本物のトニーは、この場所のどこかを彷徨っているのだろう。
だからあれは私に止めを刺さないで、このままにさせているのか?参考資料を手元に置いておくために?私は自分の手を見て、それらがどれほどの年数を経たものであるか理解することは出来るが、その年数を覚えておくことは出来ない。忌々しいことに今が何年であるかさえ分からない。とにかく、私はもうどれくらいここにいる?その時の日付は?あの時真っ先に書き留めたはずだが、忌々しいことに思い出せない。
ここからは出られないだろう。私はどうしてこれらを書いている?誰もこれらを読むことなんて出来ないだろうに。きっといつか、ふざけたスキップskipの一つが実験結果としてこの文章を吐き出すかもしれないが、それがどうした?私はとっくに消えているだろう。それでも希望を持ち続けていられるのは習慣の賜物だと思う。しかし私は馬鹿みたいな魔法使いの一団がポータルから飛び出てきて、私を救ってくれるのを願いながら、ここにただ座り込んでいるつもりはない。
私はあれをぶっ殺す。私は建造物や虫やクソッタレなガキに化けなければ私を出し抜くことが出来ない、クソッタレな折り紙から逃げているわけじゃない。クソ野郎をぶっ殺してやる。ぶっ殺す。ぶっ殺す。
私はまだナイフを持っている。ここに何丁か銃があれば話は別だが、これ以上の武装を得られることはないはずだ。
逃げろ、クソッタレ。今行くぞ。ナイフの使い方ならしっかり覚えているんだ。