SCP-3916

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アイテム番号: SCP-3916

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3916-1の小さな一群が暫定サイト-136の標準生物収容セルに収容されています。すべての収容セルの露出面は最低1cmの固体強化ガラスで覆われます。セルは毎日検査が行われ、損傷があれば即座に修復されます。修理中に使用するため、最低2つの同一のバックアップ用収容セルが維持されます。

群れには毎日500kgの新鮮な植物質を給餌します。過剰な個体 (およそ1500を超えるもの) は必要に応じて終了します。収容を脱する個体があれば、火炎で終了します。暫定サイト-136で部分的な収容違反が発生した場合、サイトの避難中に機動部隊δ-17が逃げ出した個体の再収容/終了を支援します。完全な収容違反が発生した場合は、暫定サイト-136は施設内の核弾頭によって破壊されます。SCP-3916の試験を希望する職員は現在の主任研究員に連絡する必要があります。SCP-3916-1の収容室に入る職員は、クラス-12Gの保護装備を着用しなければなりません。

SCP-3916の野生個体は、特に通達のない限り即時的かつ徹底的に根絶する必要があります。財団は現在アメリカ合衆国政府と共同で (LARPAを隠蓑にしています。補遺を参照してください)、すべての野生のSCP-3916個体を捕獲、殺処理、あるいは収容しています。これは全人類への重篤な脅威となると考えられているためです。SCP-3916についてまだ対応されていない報告があれば、機動部隊δ-17 ”虫食い黴”メタリジウムに通達されます。

これまでの、そして今後予測される損害に基づくと、未制御のSCP-3916-1集団はクラス-ARBHイベントを引き起こし得ます。SCP-3916に携わるすべてのレベル3以上の職員は、ARBH-クラスイベントのデブリーフィングファイルを閲覧しなければなりません。

説明: SCP-3916は身体上Chortoicetes terminifera (オーストラリアトビバッタ) に類似する昆虫種です。SCP-3916には2種類の亜種が存在し、SCP-3916-0とSCP-3916-1に指定されています。すべてのSCP-3916-1個体が現在暫定サイト-136に収容されており、対するすべての野生個体が0型亜種です。SCP-3916には2点の特筆すべき異常性が存在します。

第一に、SCP-3916は驚異的な速度で摂食します。1個体で1秒あたりおよそ100gの物質を消費することが可能です。SCP-3916-0は新鮮な植物質のみ摂食することがわかっていますが、対するSCP-3916-1はほぼあらゆる物質を摂食することができ、唯一既知の例外はケイ素ベースのガラスです。SCP-3916-1は新鮮な有機物質を他の物質より好むようです。

第二に、SCP-3916は異様に急速に繁殖し、かつそれを無性的に行います。SCP-3916個体は食物の消費に伴って視覚的に大きくなっていき、一定のサイズに達した後、2体の個体に分裂します。新たな個体は両方とも完全な形の成体になります。”複製”には多くの消費量が必要であり、現時点では食物500gと推定されています (SCP-3916-1は無機物質も消費できますが、繁殖するには有機物質の消費が必要です)。しかしながらその摂食速度のために、SCP-3916の群れは迅速に成長していきます。

SCP-3916-1は毒物/腐食性物質といった化学系攻撃に対する顕著な耐性を発達させており、おそらくはそれら物質を消費する能力の副次的な効果であると考えられています。従来のあらゆる化学攻撃に対して完全な免疫性があり、財団の開発した異常物質に対しても高い耐性を示します。SCP-3916-1は自らに向けて使用されるあらゆる武器を摂食し得るため、物理攻撃にも信頼は置けません (ガラスベースの武器が効くかはわかっていません)。最も信頼の置けるSCP-3916-1の処分方法は、今のところ激しい熱と放射線です。

歴史: 財団がSCP-3916の存在を初めて認識したのは、オレゴン州モーピンの国道26号線での交通事故で、SCP-3916の小さな群れがGoI-466 (”ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ”) の管理下から逃れた際でした。GoI-466は収容支援のために財団へ連絡し、SCP-3916個体の大部分は捕獲されるか処分されました。GoI-466は財団にSCP-3916の性質について伝え、少数の未収容であった個体が重篤な脅威になるものと考えられました。SCP-3916の未収容個体はオレゴン州内のみならずカリフォルニア州にまで急速に拡散していき、対応を迫られたアメリカ合衆国政府はLARPAを設立することとなりました。

SCP-3916-1の動物質を消費する能力は、試験中に偶然誘発された突然変異だと考えられています。この発達はインシデント3916-Aにおいて、SCP-3916の収容室に入った研究員が攻撃を受け捕食された際に確認されました。野生のSCP-3916にはそのような変異は見られておらず、サイト-121に収容されていた個体と野生の個体は異なる亜種であると考えられています。

SCP-3916-1の無機物質を消費する能力は、自然に発生した突然変異だと考えられます。この発達はSCP-3916-1の収容室内部が繰り返し損傷を受けたことで、監視カメラの映像を確認した際に発見されました。映像はSCP-3916-1が部屋の壁を摂食しているらしきことを示しました。この能力、およびSCP-3916-1がガラスを消費できない点については、追加試験で確証されました。

補遺 - LARPA: SCP-3916の性質上、財団は一般大衆への警告なしに野生個体を処分することは極めて困難であると判断しました。このため財団は米国政府に連絡し、LARPA (蝗類の能動的駆除・予防局Locust Active Removal and Prevention Agency) の設立について交渉しました。LARPAは財団によって全面的に資金・人員の供出が行われた公的な政府機関であり、野生のSCP-3916に対して公然と対応できる財団のフロント組織として活躍します。SCP-3916-1の収容サイトであるサイト-121がLARPAの本部に指定されています。SCP-3916-1の現収容サイトである暫定サイト-136はボロミン支局に指定され、LARPAの公的サイトとして扱われています。

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