SCP-4892-2

アイテム番号: SCP-4892

オブジェクトクラス: N/A

特別収容プロトコル: GoI-1999 ("腐れし神の教団") の活動報告書は、諜報機関のエージェント グレンが1週間に2度提出します。財団や他の要注意団体への計画的な襲撃を行う場合は、実行前に諜報機関のローズ管理官の承認を得る必要があります。

情報セキュリティを保持するため、SCP-4892の全情報はO5評議会、ならびにこの作戦に直接携わる諜報機関メンバーにのみ公開されています。

説明: 公式の財団データベースによれば、SCP-4892は腐敗が進んだ牛の死骸であり、極めて長距離にわたって重大な精神影響を及ぼす能力を持った無形の異次元実体を宿しています。

この情報は虚偽です。実際にはSCP-4892は存在しません。

公式の財団データベースに記載されている通りのSCP-4892は、GoI-1999 ("腐れし神の教団") という、現在財団が所有している要注意団体のバックストーリーを用意する目的で作成されました。現在、GoI-1999はエージェント サイモン・グレンが "カーソン・マッケンジー" という偽りの身分を用いて統率しています。

GoI-1999内でSCP-4892が存在しないことを知っているのは、エージェント グレンと配属された他数名のスパイ1のみです。それ以外の全メンバーは合法的に勧誘されており、当組織のために作成された神話や神格を妄信しています。GoI-1999への勧誘は、不明瞭ながらも悲観的な夢を生み出すミームエージェントを対象に僅かに暴露させることで達成されます。この夢の詳細は、採用担当者の提案に応じて対象の精神内で形作られます。

GoI-1999は以下の3つの主目的を果たします。

  • 潜在的脅威の統合化: GoI-1999に勧誘される人物は、敵対団体に参加するか個人の努力かに関わらず、将来的に財団への脅威と化す恐れがあると諜報機関に判断された人物群から選出されます。そのような脅威となり得る前にGoI-1999に勧誘すれば、その人物は障害ではなく資産と化します。
  • 敵対組織との交流: GoI-1999は財団に公然と対立しているため、同様の意見を持つ団体と中立的もしくは肯定的な間柄で交流でき、財団単独では入手できない機密情報を入手できるようになります。これらの機密情報は配属エージェントからの報告書を介して財団に伝達されます。
  • 活動に伴う責任の回避: 危険なアノマリーの確保を目的として財団が他の団体を襲撃すると、大抵の場合、後日にその団体が財団への報復措置を取ります。それにより、職員から犠牲者が出たり、場合によっては収容違反が発生したりします。自団体の神を取り戻そうとしているという名目で代理戦闘員としてGoI-1999にアノマリーを確保させれば、これらの報復攻撃は財団ではなくGoI-1999に向かいます。問題のアノマリーは後日、襲撃を装ってGoI-1999から回収します。

2015/09/02に "腐れし神の教団" 計画が発足して以降、当組織は後にSCP指定が与えられた異常物品49個の回収に貢献しています。

補遺4892-1 (業務連絡):

諜報機関管理官
エゼキエル・ローズ
2020/09/02

本日でGoI-1999の発足から5年が経ちますが、その成果には喜びを隠し切れません。この成果は間違いなく、このプロジェクトに携わってきたあなた方一人一人の努力の賜物です。それこそ、この偉大な取り組みの先陣を切ってくださったエージェント グレンから、人材群の構築を手伝ってくださったデータアナリストに至るまで。これまでにあなた方勇敢な男女の一人一人が、機知に富んだ素晴らしい檻を形成してきました。それは私たちが身を捧げる財団への脅威を収容するためであり、そして実際に鉄格子の中へ新たなアノマリーを引き込むためでもあります。

5年前に初めて管理官の座に就いた時、私はこれまでの道のりに対して失望を露わにしました。私たちはただ聞いたり見たりするだけで満足する存在になってしまった。鍵穴から外界を覗き込み、まるで運動場で先生のもとに走ってお喋りをする子どものように、自分の発見を報告するだけの存在になってしまったのです。

かつての私たちは、行動するとはどういうことなのか、世界が取るべき形を決定するとはどういうことなのかを忘れていました。この日を迎えて、ようやくそれを改めて学べたような気がします。あなた方をどれほど誇りに思っているか、どんな言葉でも言い表せません。あなた方全員を我が子のように思っています。堂々と顔を上げなさい、よくがんばりましたね。そして自分は正しい行いをしたのだと、決して疑わないでください。

私たち諜報機関はこれまで、否定派から手法の有効性だけでなくその必要性も疑われてきました。その度に私はそういう人たちにこう言ってきたのです。

「ご心配なく。ここにはあなたが思っているよりもずっと多くの人がいますし、もっと言えばあなた方のほうがずっと少ないのですよ。」

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