ペンの主導権を握る: 殺人兵器より良い世界を創るための空想科学理論
執筆者: キャサリン・シンクレア博士、ジャック・ブライト博士、他
(縮約版)
要約:
だが俺達は神を見つけてしまった。それがSCP-001だ。
ホラー作家の一団みたいに悪趣味な奴らだ。
上記は悪名高きS・アンドリュー・スワンの提言からの引用です− 少なくとも、一部はそちらにいる君達にはピンとこないだろうが、第四の壁のこちら側にはあまり情報がないのだよ。そう私も。より大きな財団で入手が可能です。神は実在します。ただしもしそれらが真実なら、神はどれだけ小さく見積もっても、執筆し、物を考えることができます。蓋を開けてみれば、神の多くは近視だった。そして、おそらくは見ることも。
オカルト研究部門と世界オカルト連合の黒点プログラムが先駆けとなった星幽投射理論に関する知見、ならびに2023年のオペレーション・ウォールブレイクはサイト-19を発射地点として用い、第四の壁を突破する試みであった。関係者のほぼ全てが死亡し、生存者も発狂してしまったがカウンセリングにより回復した。オペレーション・ウォールブレイクにおける技術革新を利用するプロジェクトこれが実際のところ何の頭文字を指しているのかはまったく不明である− ブライトがこれを提案し、「バクロニムは後で思いつくだろう」と言った。S.W.A.N.N.は、財団のリソースを用いていわゆる「ホラー作家」と呼ばれる実体を直接的に観測し、あわよくば制御することを目的としていました。
利用:

ジョナサン・ウェスト博士。彼の前方にあるのが初期のS.W.A.N.N.エンジンの試作機である (2025年)
端的な要約: S.W.A.N.N.エンジンは初っ端でどうして資金供与を断られなかったのか、私には到底検討もつかない。一時的に使用者を殺害します。2分以上あらゆるバイタルサインを停止させることにより、魂は肉体から離脱することが可能となります。形而上的上向き漏斗の利用により、S.W.A.N.N.エンジンは魂を上位次元へと吸い上げます。
しばしば上位次元は涅槃や天国のような場所であるとみなされます。しかしS.W.A.N.N.エンジンは一時的に意識を既知財団多元宇宙 (Known Foundation Multiverse; KFM) から完全に離脱させ、S・アンドリュー・スワンの提言において提唱された「ホラー作家」の実体が住む現実へと移行させ、S.W.A.N.N.エンジン内の人間の意識を対象となる実体の意識に一時的に相乗りさせることで観測を可能とします。しかしコミュニケーションや交流は不可能です− 少なくとも第一世代では。
次世代のS.W.A.N.N.エンジンはそこからさらに進んで、著者実体との交流を可能とし、 我々はハッピーエンドを望んでいた。彼らが我々を操り人形にしているのか、ただ観測しているだけなのか我々には分からない。ブライトは前者であると、ウェストは後者であると考えていた。あれから何年も経ったが、私は未だ結論を出せずにいる。財団に有益な物語力を形成する術について提案を持ちかけることを目的としていました。
実験記録:
S.W.A.N.N.エンジンの最初の試験はキャサリン・シンクレアを被験者として実施されました。当時のシンクレア博士の同僚が観察したイベントの書き起こしは以下の通りです。
シンクレア博士: エンジンのコンパートメントに入ったわ。打ち上げの準備をして。
ウェスト博士: 気体薬を注入する。日時は2024年4月1日15時32分。
レイノルズ研究員: ちゃんと戻って来られるようにしてくれよ、ジョン。
シンクレア博士: 大丈夫よ、モンティ。約束する。
ブライト博士: 気体薬が効くまであと3…… 2…… 今だ。
ウェスト博士: バイタルサイン消失。移行完了だ。
ブライト博士: タイマーを開始。3分で蘇生を開始する。脳内スキャンはオンになってるか?
レイノルズ: あちこちに活動あり。痛覚受容体がおかしなことになってる。
ブライト博士: 出力結果を見せてくれ。
プリントアウト:
感覚: 右手に痛みを検知
感覚: むかつきと苛立ち
感覚: 視覚: 小さな部屋。2脚の椅子。1脚の机。
感覚: 視覚: 1体の人型存在。エラー
感覚: エラー。超過現実。
エラー: 超過現実
エラー: 精神不全寸前
エラー: 感覚: 偏頭痛エラー: 感覚: 心の中の独白
レイノルズ: 引き戻すぞ。時間だ。
ブライト博士: 薬を排出。酸素を供給。アドレナリンを注入。バイタルサイン再開。
変則的な脳波を検知。
認識災害性音声パターンを検知。コンパートメントを開かないでください。再通知: コンパートメントを開かないでください。
ウェスト博士: な− なんで− こんな感覚が!?
レイノルズ: 頭が、頭が割れる−
ブライト博士: 一体何が起きてるんだ? わ− 私は何も感じないが、同僚が− しっかりしろ。
形而上漏斗を摘出中
脳の活動が正常に戻りました
レイノルズ: ジーザス、髪が真っ白じゃないか。キャサリン?
キャサリン博士: 私は……見たの、モンティ。私は……神を見た。奴は腕にギプスをはめていた。私−
レイノルズ: ジーザス、喉も血まみれだ。何があった?
ブライト博士: あまり自信はないが、超過現実実体が私たちに成り代わろうとしているんじゃないか? 私は……クソ、これは……クソ。
既知の全SCP-5500-オメガ個体の殺害にS.W.A.N.N.エンジンが関わっていることから、首謀者が発見されるまで、財団は本装置の使用を認可しません。