SCP-5500-3

インシデント報告: S.W.A.N.N.エンジンの使用に関連するCK-クラス現実再構築シナリオ

2027年10月、ある1体のSCP-5500-オメガ個体の活動を観測するためにS.W.A.N.N.エンジンが使用されました。観測によれば、このSCP-5500-オメガ個体は物語を創作中でした。創作プロセスへの曝露が以下に述べるイベントを引き起こすと考えられています。

物語の創作を観測した際、オペレーターであったリュクス博士が意図せずSCP-5500-オメガ実体の神経系のコントロール能力を行使してしまった結果、実体は椅子から立ち上がり、床でつまづいて転倒しました。その後リュクス博士はエンジンから排出され、オペレーター室から2歩出たところで倒れ、おそらくは心霊バックラッシュによって死亡しました。

27個以上の近隣宇宙において、SCP-3732は突発的に色が消失した後に崩壊し、花崗岩製であるにも関わらず、炭素を主体とする非異常性の塵へと変化しました。

さらにリュクス博士が研究していたアノマリー (SCP-4879など) に同様の変化が起きました。遭遇した著者実体の中にリュクス博士と類似する実体が含まれていたこと、その実体が以降の試験で確認できなくなったことは特筆すべきです。

その後数週間、SCP-5500-オメガ実体の観測はクリニカルな冷淡さなぞクソくらえ。世界は終わりなんだ。奴らは泣いてるよ。みんな泣いてる。一部の個体の精神的ストレスが増大したことが原因で即座に拒絶されるようになりました。このことから当該実体群は仲間の死を知っているものと推測されます。

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SCP-3732の崩壊によって生成された塵


ジョナサン・ウェスト博士の手記:

まさにこの時、我々は彼らが不死でないことを発見した。彼らは死ぬこともある。

確かに筋は通っていた− 彼らは人間だった。人間は死ぬ。だがこれは恐ろしい可能性をほのめかしている。2つの死が多元宇宙からアノマリーを消し去った。知らせを聞いた時は冗談抜きで吐いてしまったよ。

まあ……フィクションの法則に支配される宇宙で生きていくというのは良いだろう。しかし世界を操り、形作っていた存在が死ぬとこうなってしまうというのでは話が変わってくる。弔う死体すら残らない。魂さえ生き残れるかどうか分からない。

さらに言えば、これは全く筋が通っていない− 空想科学的モデルによれば著者の死後も作品自体や作品内にあるものは残ることになっている。何故我々はそうでない?


インシデント報告: S.W.A.N.N.エンジンの使用に関連するCK-クラス現実再構築シナリオ

2027年11月、S.W.A.N.N.エンジンは不適切な手順でシャットダウンされました。それによりS.W.A.N.N.エンジンがオペレーターなしで起動した結果、漏斗はSCP-5500-オメガ個体の意識に突き刺さり、我々の次元へと引き下ろしました。

結果として、サイト-43 (過去のインシデント以後、S.W.A.N.N.エンジンのメンテナンスを行っていた場所) の全域で連鎖的な心臓発作が発生しました。死者は出ませんでしたが、全ての職員は「心臓麻痺の感覚を覚えながら、映画館で座ってネコのような人型実体群が遊んでいる光景を見た」と報告しました。

その後ハーマン・フラーの不気味サーカスに関連する全てのオブジェクトおよび人物 (サーカスに関連する複数の異次元エリアを含む) は崩壊し、炭素を主体とする土煙へと変化しました。


監督司令部公式発表12-03

<機密チャンネルを開く>

O5-12: 1度なら偶然、2度なら攻撃。

O5-12: 3体のSCP-5500-オメガ実体が死亡し、それと共に世界から多くの物が奪われた。リュクスの仕事や3732については、あまり言いたくはないがまだ目を瞑れる範囲だ。サーカスはそうではない。

O5-03: 同意する。1時間後に投票手続きに入ろう。

O5-03: 満場一致だろうな。空想科学については今後何らかの被害が起きる前に解散し、スワンエンジン (アクロニムを使うつもりはない) にも鉄槌と大鉈を振るうことになるだろう。

O5-03: 必要であれば、文字通りに。

3分間、O5-12からの返答が記録されなかった。

O5-03: 12?

エラー: O5-12 生命反応なし

O5-03: 一体何だ!?


インシデント・SCP-5500-アルファ

2027年12月25日、互いに関連性のある複数のアノマリーおよび財団職員が突発的にCK-クラス現実再構築シナリオの被害を受けました。影響を受けたものの例を以下に挙げます。

  • O5-06
  • O5-12
  • ジャック・ブライト博士 (SCP-963によって生成された複製を含む)
  • SCP-321
  • SCP-590

この事件が発生したのはブライト博士がS.W.A.N.N.エンジンの日課メンテナンスを行なっているDクラス職員の肉体をSCP-963で乗っ取り、装置の破壊を試みたのと同時でした。ブライトはSCP-963を2020年7月、サーキック・カルト残党との取引の一成果として、我々は多くのバイオ技術を獲得した。そして生物的な動力源を組み込むことが決定されたというわけだ。あの臭いはどうにもならなかったが。S.W.A.N.N.エンジンの生物学的コンポーネントに使用しようと試み、結果として形而上漏斗は意識を漏斗内部へと引きずり下ろし、過負荷を受けて自己崩壊しました。ブライト博士が起こした行動の意図は不明です。心理学的ファイルからは自殺願望が確認できますが、SCP-963の性質上そう……その通り。我々は他所の宇宙からブライトを1人引き入れた。ブライトは……納得しているだろうか?自己終了は不可能でした。

S.W.A.N.N.エンジンが破壊されたにも関わらず、同様のCK-クラス現実再構築シナリオは継続しており、現在のZK-クラス現実不全シナリオにまで発展しています。

SCP-5500-オメガの1体であるSCP-5500-オメガ-62との会話が試みられました。付属文書を参照してください。

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