SCP-CN-1600

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アイテム番号: SCP-CN-1600

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-CN-1600は現在サイト-CN-15の最下層収容区中央の機密オブジェクト収容所にて厳格に保存されています。作業職員以外の職員はいかなる理由があろうとも主要区域内に侵入することは許可されず、この規定に対する全ての違反行為に対しては、当該職員は停職、そして拘留・尋問処分を受ける結果となります。SCP-CN-1600に関する更なる収容注意事項については必要な情報に基づき、以下のカテゴリーより探してください: 

説明: SCP-CN-1600は五層構造の棺と、それに付随する装置の総称であり、現在はサイト-CN-15の最下層海底収容エリア内で厳格に収容されています。プロトコル“神農”及び緊急プログラム“神々の黄昏”に基づき、SCP-CN-1600は高危険オブジェクトの収容、各種大型災害及びKクラス世界終焉シナリオに対抗する手段として用いられます。これにより時間/空間等のレベルの連続性に影響を受けない状態で、人類及びその創造物は受け継がれ、発展し続けることができ、人類文明が混乱、断裂して滅亡することを回避することが可能となります。

プロトコル“神農”
人類の発展存在への脅威となる者、そしてSCP-CN-1600の動作原理を理解する者を除き、いかなる者も等しく無条件にSCP-CN-1600の保護を受ける。このプロトコルは個人が死亡するまで継続される。
プロトコルの受益者に対して、SCP財団は受益者の遺体を自由に使用し、必要があれば、一部の受益者を拘留、終了し、SCP-CN-1600の稼働を維持する権利を有する。

SCP-CN-1600の五層の棺はいずれも独立した存在で、通常は外層の棺に内層の棺を安置する形で存在しています。棺本体及びその付属装置の構成素材には、特殊な性質は何ら備わっていません。 棺の五層の構造はSCP-CN-1600-A、B、C、D、Eに、付属装置はSCP-CN-1600-Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに番号が充てられます。いずれの部分も全く異なる異常性質を発現し、各々別途作動させた場合は異なる効果を発揮し、合わせることでSCP-CN-1600の正常な作動工程が完成します。

SCP-CN-1600-Aは鍍金された一体の骸骨であり、秦川牛の頭蓋骨と頭蓋骨より下位の人間の骨格で構成されています。頸部の異常な膨張を除き、其々の種族と同様の特徴を示します。骨格は仰向けに整えられ掌部を上へ向けています。その襟首を純金の蛇が、第三頚椎から始まり鎖骨に至るまでを取り囲んでおり、同時に核磁気共鳴によれば頭蓋骨の内部にイワヒバ7に類似した未知の植物の乾物が存在し、これらの付属物を取り出す、或いは破壊する試みは全て失敗に終わっています。SCP-CN-1600-Aの四肢は固定されており、姿勢を変えることはできません。オブジェクトの破壊による異常性の喪失を防ぐために、その表面のサンプル取得や暴力をもって状態を変化させる請求はいかなる場合も拒絶され、申請者は停職処分を受け、調査されます。

SCP-CN-1600-Bは紫砂8材質で人形の棺椁及びSCP-CN-1600-A内部空洞構成の総称です。空洞は稼働時には密閉状態にあり、三本のチューブのみがSCP-CN-1600の付属設備に接続されています。紫砂の棺椁の左右両側面には、薬王菩薩咒と薬上菩薩咒9の呪文が刻まれており、これを除けば棺椁の表面は内外共に非常に滑らかなものとなっています。SCP-CN-1600-Bは自ら発熱する特殊性質を有しており、SCP-CN-1600が稼働を開始した際、棺部分が数秒以内に急速に120℃前後にまで上昇します。同時に、棺の内側より黒色の液体が滲み出て、直ちに空洞内部に充満します。未知の液体を採取分析した結果、その主要な成分は中薬10であり、一部の成分は不明な化学物質であり、かつ毎回その成分は異なります。記録された成分は全て収録整理済みであるとともに、現在、不明な化学物質のサンプリングと実験分析が実施中です。

SCP-CN-1600-Cは4657個の玉状の彫刻からなる玉片と1700本の金繊維で構成された金縷玉衣であり、背面の開口部より内部の棺を取り出すことが可能です。現在、玉の種類は和田玉、藍田玉、独山玉、高磁ブルーターコイズ、孔雀石、そして最初に記録された玉種が鑑定されています。SCP-CN-1600-2中の記述によれば、SCP-CN-1600-B上の玉種は過去多くの修繕過程で交換された可能性がありますが、その作業効率へは負の影響を一切与えません。このため、SCP-CN-1600-Cの本体である大多数の玉種はいかなる異常性も有さず、オブジェクトの稼働工程中に外部からサポートを行う作用11があります。しかし、未確認の玉種が異常な性質を有する可能性があるため、SCP-CN-1600-Cのメンテナンス中には、記録された玉種について交換を行うことは許可されません。

SCP-CN-1600-Dは長さ50mmの720本の毫針で構成されています。その突起部分はSCP-CN-1600-Cの人体のツボに対応する箇所に向けられており、もう一方はSCP-CN-1600-Eの内壁に固定されています。この層の細針は、612本の銀製針と108本のレイヨウ角製12の針の二種類に分類され、それぞれSCP-CN-1600—C上の108カ所の要害穴と残りの普通穴13に対応しています。SCP-CN-1600の起動後、毫針はSCP-CN-1600-Cの表面と接触します。この時に強制的に分離させた場合、SCP-CN-1600の活動停止、或いは実体の身体障害や能力不全を発生させます。このため、SCP-CN-1600-DはSCP-CN-1600-1の身体形成に重要な作用を起こしていると推測されますが、これはSCP-CN-1600-1の異常特性に由来するものではないと考えられます。

SCP-CN-1600-Eはオブジェクト最外層の棺体であり、長さ3m、幅2m、高さ1.5m、棺内外は光沢を放つ立方体を示す、翡翠を組み合わせた彫刻で構成されます。棺の右壁側面には三カ所の開口部を有し、チューブによりSCP-CN-1600-Bの表面と連結しています。SCP-CN-1600-Eはいかなる特殊性質も有さず、オブジェクトの活動状態下においてもいかなる変化も示しません。このため、SCP-CN-1600-1の生成部品への補助し、SCP-CN-1600の他の四層の棺を保護する作用のみを有します。

SCP-CN-1600-IはSCP-CN-1600に付随される、和田玉材質の玉琮の置かれる、任意の液体プールの呼称です。現在、この玉琮の置かれるホルマリンプールは高さ6m、半径5m、池の底部には穴が1カ所あり、外接のチューブにより棺椁と接続しています。SCP-CN-1600-Iは通常時にはいかなる特殊性質も現さず、内部に入れられたホルマリン液にも変化は生じませんが、穴は閉鎖状態を保ちます。SCP-CN-1600の起動後、SCP-CN-1600-I内部の玉琮で、オブジェクト全体は一連の異常性質を示すようになります。玉琮本体から成分不明の不明な液体が分泌され、ホルマリンに混入します。この時、人間の死体をプールに投入すると、死体が液面に接触すると同時に特殊な気体に分解され、ホルマリン混合液へ溶解します。この時、液体をプールから取り出すと異常性を消失します。この工程の停止後、未知の液体成分は迅速に消失し、プール内の液体は通常のホルマリンに再変化し、それ以前の特殊性質を全て失います。 

SCP-CN-1600-IIは一台の高精度位置測定計算機です。オブジェクトは全世界のインターネット情報と接触可能であり、全ての人類の居留地の正確な位置を特定することが可能です。位置情報がSCP-CN-1600-II中に入力された後、オブジェクトはただちにその情報を検索し、SCP-CN-1600を起動するか否かを自身で判断すると共に、判断結果をSCP-CN-1600-B内部へ伝達します。現在、この判断基準は不明ですが、人類に重大な損失を与える全ての災害が判断されます。

SCP-CN-1600-IIIは全人類の基本情報及び遺伝子情報が記録された一台の計算機です。オブジェクトはリアルタイムで内部情報を更新し、死亡した人間の情報についてはバックアップ後に削除されます。オブジェクトのメモリは上限を示さないと考えられます。オブジェクト本体はSCP-CN-1600が作業を開始した後に情報を選別し、SCP-CN-1600-2内部へ伝送します。その後に産出されるSCP-CN-1600-1の身体検査の結果によれば、その遺伝子情報は選別された遺伝子情報の組み合わせとして示されます。そしてそれはSCP-CN-1600-1がSCP-CN-1600-IIが特定したエリアの環境内へ溶け入るのに最大限有利に働きかけます。

SCP-CN-1600が作業を開始した後、上記の構成部分が固定された順序で作業を開始し、相互協力を完成させます。具体的な手順は下記の通りです。

1. SCP-CN-1600-II内部に位置情報が挿入された後、SCP-CN-1600-IIはSCP-CN-1600起動の是非を判断し、SCP-CN-1600起動が判断された場合、第二段階へ進みます。

2. SCP-CN-1600-IIからの指令を受け、SCP-CN-1600-Iプール底部の玉琮はプール内へ液体の分泌を開始し、30秒以内にホルマリンへ溶け込みます。同時にSCP-CN-1600-IIIは位置情報に基づき遺伝情報の抽出を開始します。

3. この段階でSCP-CN-1600-I内部への死体投入を開始します。死体は液体の効果により急速に分解し気体化し、プール内へ溶け、チューブを通ってSCP-CN-1600-B内へ直接通されます。SCP-CN-1600-IIIもまたこの段階において、棺内へ情報を入力します。SCP-CN-1600-Bの棺体は迅速に120℃前後に上昇し、次の段階への準備を行います。この死体の投入が完成した後、SCP-CN-1600は次の段階へと進行します。

4. SCP-CN-1600-Bはの棺内内壁から黒色の液体が滲み始め、3分前後で空洞全体に充満し、同時に120℃前後まで加熱されます。SCP-CN-1600-Dの毫針がSCP-CN-1600-EからSCP-CN-1600-C方向へ接近し、より正確に接触します。この温度上昇が終了すると、SCP-CN-1600は次の段階へと進行します。

5. SCP-CN-1600の棺椁内部で、SCP-CN-1600-Aを基礎として、脚部から人型実体が生成されます。この段階に置いてはSCP-CN-1600-Aは次第に観察範囲から離脱し、人型実体(以下、SCP-CN-1600-1)に置き換わり、かつ、その頭蓋骨は人間の頭蓋骨へと変化します。この人型実体が完全に生成された後、工程は次の段階へと移行します。 

6. SCP-CN-1600内部の人型実体は棺内からSCP-CN-1600-IIの特定した位置へ迅速に転移し、その異常性を発揮します。同時にSCP-CN-1600各部分は、動作開始前の状態に回復するまでリセットされます。SCP-CN-1600の作業が終了しても、SCP-CN-1600-1の独立した実体は、実体が消失するまで異常性を発揮し続けます。 

段階5以前における作業の進行が妨害されSCP-CN-1600が作業停止した場合、直接リセットが行われます。第5段階後に妨害があった場合はSCP-CN-1600-1の効果減少または人型実体の構造に欠陥を生じる結果となります。この一連の工程が正常に完了すると、SCP-CN-1600はそれ以降は異常性を発現せず、SCP-CN-1600-1が独立した存在として異常特性を発現するようになります。

SCP-CN-1600-1はSCP-CN-1600によって生成された全ての人型実体の呼称です。この実体は生成された後、範囲は不均一ながら同様の効果を有する異常性を発現します。SCP-CN-1600-1の異常性質はSCP-CN-1600-1の影響範囲内にある全ての個体に対して発現し、当該範囲はいかなる大規模破壊・損失をもたらす状況及びインシデント(大規模自然災害、核戦争、大規模な戦争、民族虐殺、致死性の高い伝染病、重大な収容違反インシデント、全てのKクラス世界終焉等)の影響を受けなくさせます。それが存在する間、その製造原理を知る者および実際にインシデントを発生させている者を除き、その範囲内の事象に等しく影響します。また、上述の両者が影響範囲内においてもたらした一切の影響も被影響者へは及ぼしません。その結果として、災害は被影響者に波及せず、被影響者も災害の発生、影響外の存在、影響範囲内における災害の進行に対してすべて認識できなくなります。SCP-CN-1600-1の影響範囲及び影響時間は、SCP-CN-1600-1形成時に消費する死体の数量及び個人が影響区域内に溶け込む程度の影響を受けます。SCP-CN-1600-1が消耗する死体の数が多いほど、個人が影響エリアへ溶け込む程度が高いほど、その影響範囲は大きくなります。財団が引き継ぐ以前の最大影響範囲はユーラシア大陸全体、消耗死体は200万体、そして持続影響時間は最長で6年に及びました。SCP-CN-1600-1実体はいずれも独立した存在であり、実体間には明確な差違が存在し、記憶を共有せず、自我を有しますが、共通し“群衆保護”という原則に対する絶対的な執行力を示します。SCP-CN-1600-1は極めて高い学習能力を有し、迅速に知識を接収し、その時点の社会環境内に適合することが可能です。SCP-CN-1600-1の影響時間が終了すると、実体は直ちに分解消失し、同時に影響もまた消失します。もし、実体の消失前に再度同一位置に向けてSCP-CN-1600を起動すれば、前の実体が消失すると同時に新たなSCP-CN-1600-1実体が生成され、異常性質の影響を維持します。

SCP-CN-1600-2はSCP-CN-1600によって携帯される1巻の革質の巻物です。オブジェクト自身はいかなる異常性も有さず、かつ損傷が存在します。巻物の記載内容は、歴代の保管者の記録及び改良部分についてであり、SCP-CN-1600の作動原理、各部分の構成及びその歴史の研究のために用いられます。

SCP-CN-1600は当初、中国山西省太原市にある晋祠14の三聖祠15にある、薬王像の地下30メートルに存在した人工空洞の内部で発見されました。1███年12月██日、財団のサイト-CN-15で“The Doctor”の署名が成された手紙を受け取りました。手紙の内容(補遺A“The Doctorのメッセージに関して”を参照)に基づき迅速に、午後七時に祠のスタッフと交渉を行い、“三聖祠内の重要文化材の輸送”を理由として、敷地内の観光客を疎開させ、手紙の指示に従ってSCP-CN-1600の空洞内に侵入し、その翌日午前4時に、空洞内の殆どの物品を秘密裏に搬出しました。機動部隊MTF-九子-(“霸下16)による接収後、SCP-CN-1600をサイト-CN-15の島嶼最深部の海底収容エリアに保管され、同時に空洞は再度封印され、現場清掃の上、財団以外の者による侵入は禁止されました。手紙と回収された全ての紙媒体ドキュメントは全て機密文書に指定され、SCP-CN-1600と共に保管され、回収された全ての道の素材、器具、人間の遺体等は点検後、必要に応じて識別及び実験がなされました。回収されたドキュメントは補遺の内容を参照してください。 

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