序
現実歪曲者(Type Green)はGOC工作員の中で一定の神秘性をもって語られている。一部の工作員は、Type Greenが自殺しようとでもしない限り、終了することは不可能だともいう。されども我らが連合の殺害記録は語る。Type Green脅威存在を終了する鍵とは、それらの僅かな弱点を見つけ、そこを突くことであると。95%の場合に於いて以下の通りである。
- Greenは未来を予知することはできない、不意を食らうことがある。
- Greenには有効範囲が存在し、知覚できないものには影響を与えられない。
- Greenが意識を喪失している場合、何者にも影響を与えることはできない。
- Greenは人としての欠点を持ち、感情または合理性に左右される。
段階
Type Greenの99%に於いて、以下の心理的変遷を遂げ、能力を進行させる。
フェーズ1: 否定: 対象は自己に現実を歪曲する能力があると認めることを拒む。Type Greenは自身の能力を合理的に考えるために、あらゆる手段を取る。また、Type Greenの発達がここで終わる場合もある。すなわち、対象は自身の能力を自己抑制し、増進をさせないようにする。しかしながら、多くの場合で能力が進行し、以下の段階になる。
フェーズ2: 実験: 対象は自己の持つ能力を認め、その能力の及ぶ範囲を実験し始める。一般に、Type Greenの実験パターンには、以下二つの傾向がある。一、漸次的に、計画的に、慎重に自身の能力を一度に少しずつ増進させる。二、少数回の突発的飛躍で自身の能力を増進させる。いずれの場合も、対象は一般的にこの段階で停滞し、以下の段階になる。
フェーズ3: 安定: 対象は自己の能力の限界に達し、能力の限度を判断する。Type Greenは自由に現実改変を行えるようになり、必要に応じて現実を操る。重要な事に、対象が能力を行使しないと決心することがある。たとえ必要であっても行使しない場合もある。
通常のフェーズ3の特徴は、”普通”の人生を歩もうとすることである。対象は日常生活を続ける事が多い。制御不能に陥らないために必要な予防手段は別として、対象は能力を個人利用に留め、さらに他人を傷つけない手段のみを取る。この段階のType Greenは脅威レベル1(監視、交戦はせず)に分類される場合もあるが、以下のフェーズ4に進行する危険性のため、厳密に監視しなければならない。
フェーズ4: お子様神: 悲しきことに、Type Greenの大部分は、結局フェーズ4に進行する。このフェーズで現実歪曲者は、保有している力に取り憑かれたかのようになり、力を用いて、私益の為に他人を犠牲にしようとする。このフェーズに著しいことは、他の人類に対する共感の低下、個人の失敗を許容する感情の欠如、及び誇大妄想を増大させることにある。
警戒すべき兆候は非常に多いが、フェーズ4と判断するための鍵は、自身の能力を、他人を操るために用いることにある。10代、若年層のType Greenは一般的に自身の能力を性的な目的に用い、一方で子どもは見知らぬ隣人を”ともだち”にするために用いる。老年層では他人を恋愛、金銭上の利益のために用いる。Type Greenが結果としてフェーズ3に戻ったという少数の事例があるが、99%は排除されるまでフェーズ4に留まる。これらの理由から、フェーズ4:Type Greenは脅威レベル5(即時脅威)とみなし即座に排除される。五大任務の全側面から見れば、Type Greenは重大な脅威の代表である。
終了法
Type Greenを排撃する場合、ダイナミック・エントリーでの近接戦闘のために以下の三要素を考慮しなければならない。
スピード: Type Greenは素早く全ての脅威に反応できる。そのため殺害を確実にするには、交戦開始一秒以内に策戦を遂行しなければならない。これは人類が予想外の脅威、又は出来事に反射的に反応するのに掛かる、平均時間である。
サプライズ: Type Greenは素早く全ての脅威に適応できる。そこで、手荒に遊んでやることを勧める。明白な脅威を示し、それに固執させる、実際のトドメは予想外の方向から齎すべきである。
バイオレンスアクション: Type Greenを始末するための手段は、一撃必殺以外にない。スナイパー装備は大口径、望ましくは、マッシュルーミング変形が最大となるホローポイント弾、または徹甲弾を必要に応じて用いよ。火器は第二手段となる。爆薬を勧めるが、副次的損害の危険性のために使えない場合がある。火器を使わざるを得ない時、複数の射手による、一斉ヘッドショット、又は必要に応じて胸の中心を撃つべきである。
具体例
(名前はセキュリティ上の問題のため編集済み)
対象アルファ("アリス/Alice")は、90歳の白人女性であり、A町(”米国,一般市町村")の農家に在住していた。アリスがGOCの注意を引いたのは、彼女の町の外の田畑に出没するという”幽霊”の報告であった。最初の秘密調査において、VERITASスキャンを用い、実在していたスペクトル存在を除去することに成功。さらなる調査が承認される。GOC特殊立会人("オスカー/Oscar")が全面支援隊ともにA町に進行、当地でリアリティ・ショー”幽霊見つけ隊/Ghost Finders Inc.”のキャスト、クルーを演じた。
対象アリスは2匹の猫との一人暮らしと判明。三年前夫と死に別れ、子供達は全て州から離れて生きていた。対象アリスは人柄良く、チャーミングで、しばしば工作員を話し相手に招き、お茶と手作りのクッキーを提供した。
オスカーは数日の追跡を通して、すぐにアリスが幽霊出現の基部に近いことを確定させた。なぜなら、幽霊出現は、アリスが眠っている時か失踪している時に限られていたからである。オスカーはさらなる会話に彼女を引きこんだ。そして彼女は信仰を失ったカトリックであり、今は不可知論者に信奉している。なおその不可知論者は来世を信じよと説いている。しかし彼女は運命に満足していないと判明させた。エージェント・オスカーの推理は、アリスが潜在的Type Greenで夫の死の悲しみを、彼の幻影を出現させることで表しているとした。
哲学的な長い議論(パスカルの賭けを含む)の後、幻影の強さと明快さが増し、オスカーは写真を撮ることが出来た。彼は確認のために写真をアリスに見せた。彼の予想に反して、驚くべきことに、アリスは写真の人物を夫ではないとし、対象B("ボブ/Bob")と特定した。ボブはアリスの若い時の知り合いの青年である。
アリスは、1940年初期、彼女とボブはロマンチックな熱愛関係にあったと主張し、また第二次世界大戦がその関係を引き裂いたという。戦中、アリスは生涯の伴侶(自動車事故のため足に怪我を負い4-F分類にされた工場作業員)を得た。ボブは彼女からの"絶縁状/Dear John"の手紙を受け取った二日後、ノルマンディーのオーバーロード作戦において戦死。
アリスの昂った感情状態によって、幻影は出現頻度と強度を増し、物理的出現すらあった。GOC工作員が、"幽霊"に発砲されたルガー弾によって負傷を負ったため、本部は対象の終了を命じた。工作員オスカーは非致死性の"ソフトキル"を要請した。オスカーはこれを第二任務(隠蔽)の懸念からであるとした。許可を与えられた。
以降の工作員オスカーと対象アリスの会話の記録は残っていない。しかし、対象はその夜、"ボブ"の幻影を出現させたことは確信されている。そしてその夜こそ、彼女が居る中で幻影を出現させた初めての例であったとされている。古き恋人と彼女が信じるスペクトル存在と、感情的な一区切りをつけた後、幻影は完全に消失。それから三日目の夜に老衰によって対象は死亡。アリスの死以降、超常現象は当地で生じていない。工作員オスカーは、その行動を賞賛された。
概要
死体を活性化させる超脅威の存在は、100を超える例が知られている。その範囲は、単一のプリオンから複雑なナノマシンにまで多岐にわたる。新しい例が定期的に発見され、遭遇する状況も様々である。故に、連合工作員は馴染み深い奴等を対処する3ステップを覚えるのである。(また、SEXメソッドとしても語呂合わせされる。Secure, Evaluate, and eXterminate)Type Grayのアウトブレイクに備えろ。
Secure(確保)
Type Grayのアウトブレイクに於ける、最優先事項はアウトブレイク発生地点の確保である。この優先事項を達成すべく、以下の仕事を遂行せねばならない。(これは最も重要にして、最低限の必要事項である。)当然、個々の状況により、この一般命令を修正しなければならない。
- 最悪のシナリオ時の予備計画を確立せよ。以下と同等なセキュリティ資産を用いよ:権限内のレスポンスレベル。
- 感染区域を封鎖し、安全地帯を確立せよ。誰一人として、この区域に入れてはならず、出してもならない。警備には即座に射撃せよと通達される。GOC職員の手配ができない場合、現地の法執行機関、軍資産を一般的なカバーストーリーの下で徴用することもある。
- 感染区域内に本営を設置する。上記の本営は安全確保し、市民が防御地点としている場に隣接していないことが望ましい。そうすれば、GOC資産が民間人の防衛活動に脅かされることはない。
- 民間人の生き残りの発見、接触をせよ。しかし民間人を本営に移そうとしてはならない。感染区域内の民間人の生き残りは全て、元居た場所に取り残されることになっている。
Evaluate(査定)
Type Gray脅威存在は数多く、それ故、緊急にType Grayのアウトブレイクの特質を確定しなければならない。GOC職員は感染区域内の医療従事者、科学者と連絡を取った後、感染された脅威存在を観察することになっている。収集したデータを分析し、GOC Type Grayデータベースを参照せよ。Type Grayが既知の脅威存在と断定できる場合、当KTEの殺菌マニュアルを参照すること。
データが不十分、または超脅威が未知の脅威存在であると断定したならば、以下の情報を記録しなければならない。
注:度重なる隔離違反のために、GOC職員が生体試料(感染者、Type Gray脅威存在そのもの)を捕らえることは、感染が収束するまで禁じられている。Type Grayは全て監視研究下に置かれ、効果的抹殺法が確立すれば即座に破棄されることになっている。
感染者の肉体的、精神的変質の特徴
Type Grayの全ては、死体に関する諸状態を活性化させる。しかしながら、肉体的、精神的の一方又は双方の変貌の程度は脅威存在に多く依存する。初期調査では以下三点を確認せねばならない。
- 残存する肉体的な能力。すなわち、移動速度、機敏性、強度の三点。
- 残存する精神的な能力。すなわち、問題解決能力、情報分析力、知覚の三点。
- 社会性の特徴。すなわち、死亡前の人格、記憶の残存の有無、集合精神の有無、役割カーストの有無。
多くの場合で、Type Gray感染者の50%は肉体的、精神的能力の低下が見られ、これは単純な飢えに因る。集合精神、役割カーストを記録しているケースは10%以下である。大抵のシナリオにおいて、Type Gray感染者は遅く、愚鈍で、凶暴である。
終了法
多くのType Gray脅威存在は拡散しない。死体に直接触れなければ、感染しないからである。しかしながら、体液、活動的生物形態、魔法的、宗教的手段を用い拡散する例も数少なくない。以上の手段が通達され決行するまで、GOC全職員はクラス1隔離装備を装備せよ。
注:ミーム的認識災害Type Gray脅威存在、KTE-5321-Blit-Gray, "眼蟲/Eyeblight"のアウトブレイク後、クラス1隔離装備は視覚歪曲レンズを含めるよう修正された。加えて、GOC実地班は脅威存在が人類のみに感染するのか、(もし動植物に感染できるならば)どの生命体が感染しやすいのか判定しなければならない。
Effective Kill Method(効果的抹殺法)
過去の経験から、以下の抹殺法はType Grayに有効であると証明されている。
- 焼き払う99.9%
- 脳の破壊:72%
- 身体破壊:54%
- 毒:3%
- その他:2%
効果的抹殺法(Effective Kill Method) (EKM)の評価は以下の方法で行うべきである。
- 一体のType Gray感染者を発見し、抹殺可能圏内を確認する。必要ならば、試験体を捕獲し、一級射手の精度を確実なものする。
- 予備手段、火力支援を考慮に入れ、周囲を確保する。
- 一級射手はスコープ付き、アンダーバレルグレネードランチャー付きのライフルを装備し、重心部分に二発射撃する。効果を評価する。効果的ならば試験は終了。
- 一級射手はヘッドショットを試みる。効果を評価する。効果的ならば試験は終了。
- 一級射手は焼夷手榴弾を装填、発射する。効果を評価する。効果的ならば試験は終了。
- 一級射手は化学手榴弾に"ゾンちゃんコロリ/Zee-Be-Gone"調製毒を注入、装填、発射する。効果を評価する。効果的ならば試験は終了。
- 一般的な抹殺法では効果がないと判明したならば、本営に退却し、GOC最高司令部に通達、そして追加指令を待て。
eXterminate(根絶)
安全確保が出来て、効果的抹殺法が確立したならば、GOC排撃班員は、"防疫掃討/Clean and Sweep"手順に従い、感染区域を掃討せよ。職員は二分ごとに帰還、状況を報告せよ。掃討人員の25%が失われたならば任務は中断、GOC職員は撤退し、レスポンスレベル3資材を展開、感染区域を焼却せよ。如何なる時点においても50%が失われたならば、残りの人員は殉じたと見做し、即座のレスポンスレベル3策戦を遂行せよ。
序
再生能力者(Type Red)は、損傷を受けた組織、また四肢を再構成する能力を備えた人物の総称である。一般的な考えと違い、Type Redは不滅ではない。様々な方法で、Type Redの再生能力を無効にする、又は、その能力に関わらず粛清する事ができる。ある状況で、Type Redは能力を制御できず、自滅するときもある。しかしながら、多くの場合で工作員の介入を必要とする。
形態
欠陥のある再生能力: この形態のType Redは脅威性が低く、通常、単独の工作員で交戦する。損傷を受けた際、失った組織を複製する代わりに、Type Redの体は損傷部位に適さない素材で欠落を充填する。例えば、欠陥のある再生能力者が腕を失った場合、巨大に発達した歯由来のエナメル質で置き換えられる可能性があるものである。通常、この形態のType Redが単独ならば、小さな損傷の積み重ねで自滅する。
限定的な再生能力: この形態のType Redは、遅く失われた組織を再構成する能力を備え、ときには四肢も再生できる。限定的な再生能力者との戦闘は危険であり、永久的に損傷させることは困難である。技術の欄を確認し、永久に粛清するにはどうすれば良いのか情報を得よ。
完全再生能力: この形態のType Redは失った組織、四肢をほんの数秒で再生する能力を備え、粛清または永久的に損壊させることが不可能である。技術の欄を確認し、この種のType Redを無能にするにはどうすれば良いのか情報を得よ。
拡大再生能力: 現在まで、この形態のType Redが7例確認されており、いずれも無能化されている。交戦はレスポンスレベル5未満に留め、複数の排撃班を投入することは推奨されない。拡大再生能力者は、失った組織、四肢を再生する能力に加え、追加の四肢、臓器を形成し、再生の間、その大きさを劇的に増加させる。この組み合わせ次第で拡大再生能力は強力な敵となる。技術の欄を確認し、この種のType Redを無能にするにはどうすれば良いのか情報を得よ。
識別
通常、Type Redが初めに識別されるのは、人物が怪我を負った時の回復が異常に速かったとの目撃者報告からである。評価班、または排撃班がType Redと交戦し、確保連行する。更にType Redを固定し、切断試験を行う。すなわち被験者の手のひらに小さな切り傷を作り、治癒の性質、速度の程度を評価する。
確保
Type Redを現場で粛清することは困難である。時に、工作員は対象を確保してから、別の場所に移動させて最終的に粛清しなければならない。
- 足を負傷させることは、限定的な再生能力者、及び一部の完全再生能力者に有効である。
- 又は、肉体を複数方向から連続的に負傷させることで、一部の完全再生能力者は負傷の回復が間に合わず、無能化する。
- ナイフ、杭、その他鋭いものならば、無理やり脳に突っ込む事ができる。この時、Type Redが脳組織、頭蓋骨を再生しようと試みても、鋭いものが完全な再生を防ぐ。おすすめの挿入地点は、頭蓋骨の付け根から、脳幹と上部脊髄を貫く地点である。
- 拡大再生能力者に対しては、物惜しみしない火炎放射が推奨される。ただし、燃え続けている対象を捕獲、または運送することが難しくなる。
技術
焼却: Type Redを移動焼却トレーラーに詰め込み、火薬を詰めて着火する。極端な事態では、万代不易に焼却が必要になる。
浸水: Type Redを密封容器に詰め込み、水で満たすか漬けるかする。これによりType Redは溺れ、脳組織を再生、また再び溺れることを繰り返すだけとなる。これは、Type Redを効果的に無能化する方法である。代替手段としては、水を土、コンクリート、溶融金属、その他固体が挙げられる。
腐食: 浸水と似ているが、水を高モル濃度の酸に変える。
浸食: 対象を小さな欠片に細切れにする、または摩擦で擦り減らす。これは単独で効果的な場合もあるが、他の粛清法の補助的に用いられることもある。
極端な場合、複数の手法を連続的に変えて粛清しなければならないこともある。
概要
多数の超脅威が変身能力を有しているものの、"本来の"変身者に遭遇することは稀である。特に人類(即ち、創造性や巧妙さを持ち合わせている)の対象はその特質に慣れ親しみ、また依存することで能力を発展・向上させる。何の準備もなければ、熟練の工作員もType Yellowの追跡や遭遇において苦戦を強いられるだろう。
備考:以下のメソッドに準じない変身能力を持つ対象も存在する。該当の対象(獣人、超常的ピエロ、ほとんどの吸血鬼の血統)について更なる情報を求めるなら、これらの具体例(それぞれTalbot,Harlequin,Wallachia)を参照すること。
分類
Type Yellow脅威存在は次の項目に分類され、それぞれが単一のアルファベットに割り当てられる。
- 変身形態:変身の程度で定義される。
- 限定的変身:脅威存在がその身体の一部のみ変身させられるならば、一度に操作可能なのが一部であって全身に変身能力があるか、一部のみに変身能力が備わっているかを問わず、"A"に分類される。
- 完全変身:脅威存在がその外観の全てを変身させられるならば、"B"に分類される。
- 変身速度:脅威存在の変身に費やす時間によって定義される。
- 緩慢:変身過程に数分から一時間までの長い時間を費やす。"I"に分類される。
- 一般的:変身に数分程度必要とする。"J"に分類される。
- 高速:ほとんど瞬間的に変身する。"K"に分類される。
- 変身量:脅威存在がとれる形態の数で定義される。
- 単一:ある一形態のみに変身できる。"O"に分類される。
- 複数:複数の形態に変身できる。脅威存在が全体変身能力を持つならば、複合的な形態への変身が予測される。"P"に分類される。
- 変身限界:脅威存在が変身可能な形態によって定義される。
- 標準:とられる形態は一貫して非異常である何かに似たような形態のみである。"X"に分類される。
- 超常:超常的であるか、脅威存在(または類似する対象)以外において相当する存在がみられないような形態をとる。"Y"に分類される。
- 多数:想像しうるいかなる形態にも変身できる。"Z"に分類される。
この手法において、脅威存在はType Yellowとしてより専門的に分類することができる。例えば、対象が頭を1分以上かけてカバに変身できるなら、それはA-J-O-X Type Yellowである。どんな生物にも5秒以内に変身できるなら、それはB-K-P-Z Type Yellowである。
追跡
姿を変えられる(または安定した外見を持たない)脅威存在の追跡は当然のことながら困難である:ネズミほどにも小さくなって逃走できる対象を発見するのは容易なことではない。しかし、Type Yellowが質量とエネルギーを維持しなくてはならないことには留意すべきである。形態を変化させる時、対象は多量のアスペクト放射(転換や高・異次元の身体に接続することで質量を増加/減少させていることに由来すると思われる)を放出、吸収、生成する。これは黄色く発光するEVE("Type Yellow"呼称の由来であり、半不変的にType YellowはそれらのEVEを発する)を生じさせる。ERI映像化技術(VERITASシステムのような)の明らかな逃走者追跡への有用性を別にしても、この現象はAradの緩やかな変動をも引き起こし、ごく狭い範囲に微小な影響を及ぼす(肌にチクチクした感覚を覚える、野生動物が苦痛を感じる、大気組成が変わる、など)。
戦闘
Type Yellowに効果的な標準武装は変動しやすく、その直近の形態に左右される。慎重に隠れていたり、異常な身体の組成を持っていたり、必死故に、もしくは潜在的に高速な変身を可能とするような対象との戦闘は長時間にわたる困難なものとなるおそれがある。身体への攻撃が効果的ではない場合、まず行うべきであるのは対象の精神への攻撃である。安全に対象を昏倒させられる鎮静剤が好ましい。向精神薬は対象の攻撃への対処能力を低下させるものの、対象の不規則な行動を誘発し、拘束を困難にする。これらの対処が迅速かつ唐突に行われれば、Type Yellowは前述のような戦闘なしに無力化することが可能である。しかしながら、対象が個々の臓器や身体機能/器官系を操作できるならば、循環器系や泌尿器系の異常な能力上昇により、薬物攻撃の被害を軽減されるおそれがある。
計画的な撹乱は有用である;対象が小さく、弱々しい形態へ変化すれば非常に有効だ。そのような形態は戦闘に好ましいが、束縛から脱走されると発見が困難である欠点と隣合わせとなる。
以上のような手法が不可能であり、攻撃のみが実行可能な手段である場合、物理的な攻撃の目的は対象の殺害でなくその体力を減ずるものであると認識せよ。目的を達すれば、対象は実際の確保と粛清に抵抗することが難しくなる。物理的に与えた損傷は対象と共に変化し、新しい形態に相当する大きさになるが、潜在的にはより大きいダメージを与えている。ただし、与えた損傷は小さな形態から大きな形態に変化することで縮小した事例も存在する。しかしながら、対象の肉体でない外来的な物質はその限りではない:銃弾やその他の物体が対象の肉体に刺されば、その変身によって肉体組織を切り裂いたり破壊する。それゆえに、武器の使用は榴散弾やヒシ状の銃弾などを使用して損傷を与えるとよい。血液凝固阻止剤の使用も勧められるが、必須ではない。
確保と粛清
確保した対象の拘束は、対象の逃走のための迅速な拡大と縮小に対応するため、物理的な強靭さと素早い収縮が求められる。対象はまた沈静化、もしくは昏睡させられているべきである。一次拘束が突破された時に備え、バックアップとして二次収容房を用意せよ。
ほとんどのType Yellowは死亡を回避する手段を持たないため、粛清は容易である。神経毒が推奨されるが、脊髄破壊などの他の方法で神経系を無力化できるならそちらも好ましい。火炎放射による粛清も可能であるが、二次任務に関係するため推奨されない。もし強力な措置が必要であるなら、標準"厳重殺害"処置を遂行せよ。