為にはならず
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むかしむかし、不用心な女性が不用心な家に、2人の子どもと一緒に住んでいました。彼女は大変に忙しく、いつもやることが山積みでした。

「お子さんのことを伺いたくお電話いたしました」電話口から声がします。「もう数日あの子たちを学校で見ていないので、どうされたのか—」

「うちに連れ戻したの」母親はきつい声で言います。「学校で教えられるのに家で学べないことなんてないわ」

彼女はキッチンカウンターにスペースを作ろうと、汚れた皿を溢れかえったシンクに押しのけようとしましたが無駄でした。グラスの方を床に落として、バラバラに割れてしまいました。片付けは後にしようと心に決めました。

"—あの子たちが遅れてしまうのではと心配—"

「うちの子がバカだって言いたいの? 私がお腹を痛めて産んだ子にどう教えたらいいかも知らないって?」母親はがくぜんとして尋ねました。ブリキの缶が直火の上でゴボゴボと音を立てていました。

"そのようなことは—"

「聞いてよ。こっちのが勉強できてるんだから。もう電話しないで」母親はピシャリと言うと電話を切りました。スープの缶は吹きこぼれ、焦げたラベルを炎がなぜていました。彼女は汚れた布で手を包み、コンロを切り、缶を持ち上げ、それを「十分にきれいな」2つのボウルに分けました。

それをテーブルに運ぶと、食べかけの食事の間を空けて、無造作にドスンとそれを置きました。「夕飯できたよ!」彼女は大声を上げながら、子どもたちの恩知らずさに首を振りました。

「むかつくチビどもね」彼女はつぶやきます。「作ってやった食べ物も食いやしない。ほんとうちにはリスペクトってもんが欠けてるわ」

その時、扉をノックする音が聞こえました。彼女は無視しようとしました。もう一度ノックがします。それでも、彼女は家に誰もいない振りをします。3度目のノックで、彼女はのっしのっしと扉に駆け寄り、イライラを隠しもせずにそれを開け放ちました。

「何か用?」一文字一文字に毒を混ぜつつ、彼女は尋ねます。

そこにいたのは、用心深い隣人、ベアトリスさんでした。

「こんにちはメリッサ」大きく笑みを浮かべてそう言います。「孫がうちに来るんだけど、よかったらそっちの子もうち来ない—」

「忙しいから」母親は腕組みをしながら言い放ちます。「それだけ?」

「えっと」ベアトリスさんは腕を開いて言います。「そっちの子を見なくなって数日経つんだけど、あんまりあの子たちらしくなくて。もう一週間近くも—」

「大丈夫だから。人のことに首突っ込まないで」母親はじれったそうに足で床をトントンと叩きます。

「ただ……」ベアトリスさんは声を小さくします。「あの子たちが大丈夫なことを確認したくて」

「何?」母親は怒りで叫びます。「私が子育てのやり方も知らないって言いたいわけ?」

「そうじゃなくて、ただ—」

「ただ」、母親はバカにするようにオウム返しします。「チビどもの扱いぐらい心得てます、どうもありがとう」

「そんな—」

「シングルマザーでやってくのがどんだけ面倒かも知らないくせに、わざわざうちの家まで来て私を見下そうって? ふざけんなよ」

「あの子たちを見せて」ベアトリスさんは断固として要求します。

その瞬間、時計が7時を告げました。「クソ」母親は吐き捨てます。「また仕事に遅れたじゃない。失礼するわ、じゃあね」

「まだ—」

「それじゃ」母親はそう言うと、ベアトリスさんを外に押しのけて後ろ手にバタンと扉を閉めました。「せいせいするわ」彼女はつぶやきながら、ゴミの山を抜けて寝室に向かいます。

キッチンをちらりと覗くと、ボウルは手つかずのままでした。「夕飯できたって言ったでしょ!」彼女はもう一度怒鳴ります。「また仕事に遅れてる、ほんとありがたいわね」

ゴミにおもちゃにクリスマスのデコレーションを押しのけつつ、イライラでドスドスと踏み鳴らしながら階段を登ります。

「リスペクトの欠片もない」彼女はうなります。「自分で後片付けもしない。一生懸命働いて、メシを並べてやってるのに、自分で掃除すらできない。私は何なの? あいつらの召し使い? 金が木から取れるとでも思ってるの?」

子どもたちの姿はどこにも見えません。

「家に帰ってきたら、ここがきれいになってる光景を見てみたいもんよ。聞いてる?」母親は怒鳴ります。

沈黙。

行儀の悪い子どもたちを叱る暇もありません。既にかなり、かなり仕事に遅れています。素早く寝室に入ると、服を脱ぎ、シャツを床に投げ捨て、制服を着ます。

「メシ食わせてやって、服着せてやって、世話してやって、こんな感謝しかもらえないの?」ブツブツとつぶやいていると、肘をドアフレームにぶつけて痛みに叫びました。「私の人生は惨めにしかなってない」

彼女は部屋を出て階段を下り、車へと急ぎます。その時、不用心にも階段に置きっぱなしだったおもちゃの電車に足を取られ、頭が真っ白になります。母親は前につまずき、空中を転がったかと思うと、何かに引っかかりました。手すりからぶら下がったままあまりにも長く放置されていたクリスマスの電飾が、首に巻き付いていたのです。

叫ぼうとしますが、空気を漏らすだけでした。「助けて!」締め付けるワイヤーからしわがれた声を出し、逃れようともがきますが、無駄でした。足を床から数インチ上にばたつかせ、爪で首をひっかき、電飾をつかもうとします。

母親はもがき、不用心な家を揺らし、口からかすれた言葉をこぼします。「あんたたち! 助けて!」叫び、息を詰まらせ、顔を赤くし、身体をブラブラさせます。吊り下げられ、捕らわれ、ひもを引っ張りますが、無意味でした。

ぶら下がったまま前を向くと、あるものに気付きました。クローゼットの隙間から、辛うじて見えるほどの2対のビーズのような目が、瞬きすることなく彼女を見ていました。「助けて」肺に残った最後の空気を絞り出し、クローゼットに手を伸ばして、助けを乞いました。目は瞬きすることなく、黙って見つめていました。

不用心な身体から最後の生命の痕跡が消え去ると、不用心な家は静まり返り、目は見つめ合いました。

2週間後、子どもたちの様子を確認するために警察が呼ばれ、現場が発見されました。家からは3つの遺体が運び出され、腐敗の程度は異なっていました。今でも町民たちは2人の子どもの姿が見えると言い、恐れています。

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