グループ・デート
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まずいことになった。ああ、最悪だ。電話をかけてきた管理官の声は震えていた。電話を切る前、彼は『緊急医療摘出』のことについて何か言っていた。

「貴方はこれが収容違反の類だと思うのですか?」

医療班16がサイト19の西棟に徐々に接近していくと、ランバートは上司に尋ねた。彼女が仕事を始めて最初の月であった。まだ彼女は未熟だったのだ。

「勿論違うよ。」

ミッチェルは答えた。

「もしそうならサイト中に警報が鳴り響くはずだ。それに彼らはきっと機動部隊を呼ぶ。僕達なんて呼ばないはずだよ。」

「もし目立たないようにしようとしていたら?」

「今は関係無いよ。僕達が知っているのは西棟の半分が何か馬鹿げたことに巻き込まれてるってことだけ。」

ランバートは有り得るシナリオを考え始めた。 内部からの攻撃かもしれない。 最早彼らは機動部隊を信用できなかったのかもしれない。 医療の専門知識のない人が影響を受けやすい、何らかのミーム異常だったのかもしれない。

医療班は上級研究員のオフィスのドアに近づいた。 ミッチェルがドアを開ける直前にドアが勢い良く開き、中年の男が顔を出した。

「コンドラキ!会えて良かっ—」

「はいはい、俺は大丈夫だよ。全部持ってきたか?」

「勿論。」

「潤滑油も?」

ミッチェルはバックパックの中をごそごそ探った。

「ええと…見つけるのに時間はかかったけど、あるよ。」

「ペンチは?」

ランバートが割って入った。

「何が起こっているのですか?」

「はっきりさせておくが、俺は何もやっちゃいない。少なくとも今回は。」

コンドラキは答えた。

「オーケー?」

「んじゃ、あんたらにはあいつらの世話をして貰わねえとな。」

コンドラキはドアを開け放した。
そこには恥ずかしさと失望の入り混じった感情と共に、股間を見つめる男性が12人。ペットボトルにペニスを詰まらせたのなら、誰もがそうなるだろう。

「何—」

1人の男性が話し始める。

「何と言うか、好奇心が勝ってしまったんだ。」

「パワーポイントがあって…その、一体どんな風になるのか、ただ知りたかっただけなんだよ。興奮しているのか痛いのか、分からない。」

もう1人が付け加えた。

「貴方達—貴方達は、文字通りO5の指令に背いたんですよ。」

「ああ、だが…彼らが真面目には思えなくて。」

「ギアーズが冗談を言ったことがありますか?」

「いいや、ただその、とても馬鹿げていた。馬鹿げていて、試さずにはいられなかった。」

「支離滅裂じゃないですか!」

ランバートはミッチェルの方を向いた。彼の顔は青ざめていた。だが彼を責めることは出来なかった。彼はペットボトルにペニスを詰まらせた上司でいっぱいの部屋を見ていた。そして、それらを摘出するのは彼の仕事だった。

「私達は—私達は、本当に大丈夫なのか?」

ミッチェルは唾を飲み込んだ。

「ええ。大丈夫ですよ。その…大丈夫ですとも。」

そして医療班16は仕事に取り掛かった。

エドワード・ミッチェル班長へ

私は、医療班16からサイト23の医療班27への正式な転任要求を提出するためにこれを書いています。

2018年5月21日に発生した事件を理由に転任を要求します。この事件により、私たちの班はクラス3プラスチック製液体収容ボトルからサイト19職員の性器を摘出するよう指示されました。 これは確かに医療行為でしたが、この種の活動は職務説明書にはありませんでした。

たとえ私が取り扱ったペニスを持つ男性がいない場合でも、私は財団への奉仕を続けたいと思います。それゆえにこの要求をします。

ご理解頂ければ幸いです。

敬具、サラ・ランバート

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