要 注 意 団 体 - RU
ファイル概要: 財団だけが、超常現象、形而上学に興味を持ち、投資を行う団体ではありません。他にも、私利私欲のためか、あるいは人類を守るために、SCPオブジェクトを所有、使用、製作するグループが存在します。その一部はライバル組織であり、一部は財団からの分派であり、一部は財団が信頼する仲間です。いずれにせよ、財団が知る各団体に関する概要(と、それに対するスタンス)を作成し、配布する必要があると判断されました。
腐ち乱れる神の霊峰

概要: 『腐ち乱れる神の霊峰Gora Gnilogo Gospoda1』は、(90年代半ばから現代に到るまでの)過去数十年間にロシア連邦内で組織された複数のセクトの総称です。国外にこれらセクトの流れを汲む団体が存在するかについては確たる情報がなく、調査が進められています。サーキシズムとの一定の類縁性が幾度となく指摘されてはいますが、「腐ち乱れる神」系カルトとそれとの間にはごく僅かな表面的類似があるのみで、概念的には正反対であるとさえいえます。
一見すると『腐ち乱れる神の霊峰』は分散的かつ諸宗派に別れており、また各セクトごとにそれぞれ全く別々の信仰体系を実践しており、他宗派については存在さえ知らないこともあるようです。しかしながらとある証拠から、秘密組織があるらしいことがわかっています。この組織は「喰われし輩の教皇庁Pontifikat Pozhrannykh2」と呼ばれ、このカルトにおける最高位の聖職者によって構成されており、全ての分派の活動の調整・指揮を執行しています。この「教皇庁」に関する確たる情報の収集が、優先課題のひとつとなっています。
『腐ち乱れる神の霊峰』のあまねく全ての分派には、相違点が複数ある一方で、多くの類似点があります。教義の中核をなすのは、ありとあらゆる形態のエントロピーに対する崇敬です。教義の核心たるエントロピーは多くの場合、「腐ち乱れる神」の姿、あるいは『遷変の宣揚者たちProvozvestniki Perevorota3』と呼ばれる低位の神格の姿で顕現します。後者は、腐敗・崩壊のプロセスの、ある特定の様態を象徴する神格です。時折、信徒らは破壊的現象に対する敬いを、自傷行為や、種々の病気への自発的な罹患(特にハンセン病への感染が好まれる)、腐った食物や有機性廃棄物の摂食という形で示します。その他の類似点としては、共通の宇宙進化論モデル4や美学を持っていることが確認できます。また、頭韻法5の多用も類似点のひとつで、名詞のほか、時には書き言葉や話し言葉にもそれが見受けられます。こうした特有の言葉遣いは、特有の宗教用語の形にまで発展することもあります。当団体特有の宗教的概念・用語(例えば、『ヤエズロイyaezloi』とは、「腐ち乱れる神」の意志にそぐうように対象を変容させる力のようなものを指す。『グルリオランgrlioran』とは、所謂よどみ領域6などからの、ヤエズロイの大量流入を指す。)の使用と前述した特殊な言葉遣いのせいで、セクトの宗教的文書や多くの信者らの話し言葉は、理解が困難なものとなっています。
『腐ち乱れる神の霊峰』は儀礼行為において異常なアーティファクトを積極的に使用します。その上そこで用いられている異常物の少なくとも一部は、外世界にその起源を有し、何らかの形で既知の物理法則から逸脱しています。「腐ち乱れる神」系カルトに関わるアーティファクトの多くが持つ特徴は、それが美的感覚や価値観尺度などといった心理に対して影響を及ぼすことにあります。これらのうち多くは使用に際して健康への悪影響がありますが、その一方で多幸感も生じさせ、依存症の原因となるおそれがあります。
『腐ち乱れる神の霊峰』に関連するオブジェクトとしては、SCP-1121-RU、SCP-1195-RU、SCP-1200-RU、SCP-1243-RUが挙げられるほか、SCP-1299-RUとの関連も推定されています。この団体に関連する全文書は、こちらを参照してください。
株式会社"ロゴス"
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概要: プロイェクト・"ロゴス" (「株式会社"ロゴス"」というコードネームでも知られる) はSCP財団-世界オカルト連合間の合同プロイェクトの産物として1992年に成立しました。当プロイェクトの目的は、異常現象、ならびに精神工学プシホトロニカにより確立した異常技術を専門的に取り扱う団体の設立にありました。主として、GRU "P" 部局や "プログレス" 総研が遺した有望なプロイェクトの調査・完成に取り組むことを企図しての設立でした。
ですがそれから数年、その後プロイェクトが陥った財政難、プロイェクトに対する外からの統御が及ばなくなったこと、そして同社内で分裂が起きたことを契機として、"ロゴス"の相当数の者らは独立団体として旗を揚げ、SCP財団・世界オカルト連合との断交を敢行してのけました。"ロゴス"との直接的軍事衝突は採用可能な戦略としては見なされていません。なぜならばそれはヴェール・プロトコルや地球の人々に対しての重大な脅威に繋がりかねないからです。
SCiPNETデータベース上でより詳細な当団体資料が閲覧できます。
UPD: [1999年██月██日] - 専任部隊██-██により株式会社ロゴスが要注意団体分類システムに基づき脅威レベル-4に認定されました。同部隊は「株式会社ロゴスとの敵対・武力行使は、人類文明ならびにヴェール・プロトコル維持に対し脅威をもたらす」と結論しています。 株式会社ロゴスとの交渉にかかる基本戦略ならびにSCP財団側から同社に影響力を行使しうる手段が思案中です。世界オカルト連合の代表者らからも、彼らが財団と同じような結論に達し、ロゴスとの直接的軍事衝突は採用可能なシナリオとしては見なしていないことが証言されています。
UPD: [2000年██月██日] - 株式会社ロゴスから投降してきた者がもたらした情報によれば、科学都市ナウコグラード・プーシチノにある古い本社施設が放棄されており、そしてそこには諸設備に関する文書の大部分が放置されたままになっているようです。この新たなる情報は財団諜報機関により信憑性の裏付けが得られました。専任部隊██-██隊長はひとつの作戦 (当作戦には «白質切除ロボトミヤ» というコードネームが与えられました) の実施を決定しました。作戦の主要目的は情報収集ならびに旧・本社棟に残された異常オブジェクトの捜索でした。作戦は機動部隊ミュー-114 ("死刑執行医団ヴラチー・パラチー") 資産により遂行されました。作戦顧問として、科学都市・プーシチノにて株式会社ロゴスのスタッフとしてかつて勤務していた財団職員たちが指定されました。
株式会社"ロゴス"に関連するオブジェクトとしては、SCP-1187-RU、SCP-1192-RU、SCP-1196-RUが挙げられます。この団体に関連する全文書は、こちらを参照してください。
左利き
概要: "左利き"とは、未だ正体不明な発明家の偽名です。犯罪組織に対し、同氏自身が製作したらしい様々な異常機器や異常物質を提供しています。「左利き」が財団の存在を知っていることは断定できていますが、財団への敵対行為は今のところ一切ありません。とはいえ、「左利き」の身柄確保がSCP財団ロシア支部の優先課題のひとつであることに変わりはありません。
「左利き」に関連するオブジェクトとしては、SCP-1005-RU、SCP-1011-RU-V、SCP-1040-RUが挙げられます。この団体に関連する全文書は、こちらを参照してください。
"ミート・サーカス"
概要: "ミート・サーカス"なる団体については、過激な人体改造をしているということを除けば、ほとんどわかっていません。その結果出来上がった"作品"は、販売に回されているようです。"ミート・サーカス"の作品に共通する特徴は、組成不明の黒い金属でできた様々な器具が挿入されていることや、ローマ数字の形に彫られたタトゥーがあることです。
この団体による最初の活動の発生は2███年の機動部隊基地[データ削除済]に対する攻撃であると思われ、その最中、"ミート・サーカス"のメンバーにより多数の財団研究員および機動部隊エータ-█("スズメバチ")隊員らが誘拐されました。同年3月、サイト-█付近で同部隊の2名のエージェントの死体およびまだ生きているF████博士が発見されました。3名とも後頭部の髪が剃られ、ラテン文字の"F"のタトゥーが彫られていました。現在まで"ミート・サーカス"は幾度となく財団職員との衝突を引き起こしてきました。
"ミート・サーカス"に関連するオブジェクトとしては、SCP-1016-RU、SCP-1081-RU、SCP-1280-RUが挙げられます。この団体に関連する全文書は、こちらを参照してください。
"プログレス"総合研究所
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概要: この団体は1920年代にはすでに成立しており、科学技術の実用化を目標としていました。その目標のもと、"プログレス"総研はソ連の理想主義的科学者らを団結させ、ソ連人民や全世界の利益を目指して、研究開発に従事していました。同所はその活動により、最高の政治社会体制、すなわち真の社会主義の実現に向けて歩まんとしていました。『超人』の創造、宇宙探査、異世界へのポータルの開通、人類の脳の改良、『集合意識』や思考電子演算機の製作、地球外文明とのコンタクト、ユートピアモデルの構想、産業および農業における革新的技術、新たなる連絡・交通手段、未来型都市…。『プログレス』総研所属の、純朴な理想主義者たちの活動の主たる方針には、そういったものが含まれていました。ただ総研は非常に大きな研究機関間ネットワークを有していたにも関わらず、同所の成員数は████人を超えることはありませんでした。
"プログレス"総研が長年運用されるうちに、ソビエト政権と所員らとの間の対立のほどは常に深刻化していました。同所による幾多の発明品は機密指定され、民生に送り出されることはありませんでした。最終的には、ソビエトの現実に、そして在りし日の志が失われてしまったことに失望した『プログレス』総研所長・コヴァレフ研究員が、オペレーション"ふくろねこ"を立案・実行しました。同作戦中に大部分の研究者が失踪し、同所のアーカイブや設備も消失あるいは破壊されました。
後年のKGBによる調査の結果、ソ連や旧ソ連構成国の一般の人々から、多数の異常機器や異常物品が押収されました。これらは『プログレス』総研の手によりその失踪前に拡散されたもののようです。総研の所員らは今も消息が掴めていません。しかし多数の証拠から、国際的な異常物市場や個人の所有物に、同所の新発明品が稀に流通していることが断定されています。この団体は今も活動を続けているようです。こうした異常物は地球の人々に対する『ささやかなプレゼント』なのだと考えられています。一方でこの団体自体はおそらく異次元に存在しており、そこで同所の初志を貫徹しようとしているようです。
この団体に関連する全文書は、こちらを参照してください。