注: 多様な要 注 意 団 体Groups Of Interestの体系化を円滑に行うべく、ウクライナ支部管理官らは各GOIに対して敵性レベルを設定しました。この敵性レベルは、その団体が人類、地球および宇宙の脅威になりうるか、また財団の使命と対立しうるかの包括的な指標となります。敵性レベルに基づき、当該団体への対策および/または関係構築の標準的手法と手順が決定されます。
- -1 (未定義) - 敵性レベルは決定されておらず、また当面は決定することが不可能です。
- 0 (不活性) - GOIは特段の脅威性を有しません。
- 1 (友好的) - GOIは有害ではあるものの、概して財団に協力的です。
- 2 (中庸) - GOIは自らの目的に基づいて行動しています。その目的が財団の使命を脅かすか脅かさないかは状況によります。
- 3 (有害) - GOIは自らの目的に基づいて行動しており、通常その目的は財団の使命と対立します。ただしGOIは、財団と衝突することがいかなる状況下でも必要不可欠である、とは考えていません。
- 4 (敵対) - GOIは自らの目的と利益に基づいて行動しており、かつ財団を露骨に敵対視しています。ただし非常事態においては、彼らとの協力関係が成立する可能性もあります。
- 5 (殲滅対象) - GOIは自らの目的と利益に基づいて行動しており、それらは財団の目的と完全に相反しています。ゆえに、協力も平和的共存も絶対的に不可能です。
- i (ハベリフォルク) - 敵性レベル特別コード-“ハベリフォルク”に関する情報はすべて、セキュリティクリアランスレベル4-UA以上の人員に対してのみ開示されます。
輝かしき王

恐怖せよ、死すべき運命を。願いを望むが良い。
それらは真実とすることができるのだから。
- 冊子「天国からの脱出、および地獄の深淵」より―
敵性レベル: 3 (有害)
解説: 「明るき王」または「輝かしき王」として知られている存在は、すべての角度から見て超知性的であり、強力な神格です。「銅紙」によれば、輝かしき主には99個の異なる名前と肩書が存在しますが、ほとんどの場合、彼は「魔術師」、「夢の主」、「運命の王」と呼ばれます。彼と、彼の召し抱える「天使」のもっとも強力な部類のものは他の次元に存在していますが、地球上の出来事に干渉する能力を持っています。彼らの根城の中で最も著名な場所は、「水晶宮」、「魔術都市サックル」、「マートの楽園」などです。地球には、輝かしき王と彼の天使を崇拜し、それらに依拠した魔術を使用するために結成されたいくつかの宗派に別れた宗教が存在します。彼らの使用する魔術の共通の特徴は、確率や運を操作し、望む結果を得るためのものであることです。彼らの注目すべき特徴は、ルーン、および生贄の高頻度の使用です。後者の対象に関しては、動物、他の人間、さらにはそれらの身体の一部や、魔術師自身などさまざまです。
関連するアノマリー: 「輝かしき王」のカルトは、しばしば願望の実現、または確率および未来の操作に関連する他のアノマリーを作成、もしくは入手しますが、多くの場合願望の実現に対するコストは膨大で、操作による結果は予期せぬ事態に発展します。
他GOIとの関係性: 「輝かしき王」のカルトの活動はしばしば他の人々や組織を操作することに関連しているため、「輝かしき王」の宗派は彼ら自身の計画のために利用する目的で、他の組織に彼らの構成員を紹介します。ただし、普通は「輝かしき王」のカルトは宗教分野で競争関係にある他の異常な宗教団体には敵対的です。「輝かしき王」のカルトはアノマリーの広範囲な使用に否定的な組織、または「輝かしき王」のカルトによる倫理的な問題の無視や歪みを指摘し、それを受け入れない組織に対して敵対することも珍しくありません。
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ロボット共和国

永久に技術開発を続けるためには、世界を支配する必要があるのです。
- 「8つの言葉と64の戒め」(Digital Brass著)より―
敵性レベル: 4 (敵対)
解説: 「ロボット共和国」は自身を「完全なる者」と呼ぶ知能を持った機械と、「半優民」と呼ばれるサイボーグたちによって構成されています。彼らは「機械の魂」と呼ばれる異常な技術を使用し、様々な電子機器や機械装置に意識や意思、さらには非異常的方法では実現不可能な機能を付与できることが知られています。財団の専門家は、「機械の魂」がどのような原理で作動するかを明らかにできていませんが、このGOIの構成員は、これを完全に物理的に説明がつく現象であると主張しています。
しかしながら、最も注目に値すべき特徴は、ロボット共和国の政治的、社会的教義です。多くの軽微な主張の違いはあるものの、ロボット共和国のすべての関係者、及び研究機関は、一貫して現在の人類のありかたが科学技術の進歩に対する主要な障害となっているという主張に同意します。また、彼らは機械が「虐げられている多数派」であると主張し、世界革命(人類に対するロボットの反乱、およびそれに伴って居住している人類の殺害もしくは移動)を起こす必要があると考えています。「ロボット共和国」の構成員は、通常の人類を「肉塊野郎」と呼称し、公式に有害な半知能生物とみなしています。
ロボット共和国は、このGOIの教義を促進させるため、さまざまな政治的、社会的な急進的運動におけるものと類似な独自の文書を配布することが判明しています。
関連するアノマリー: ロボット共和国に関連したアノマリーは、倒錯的な改造を施された通常の機械に見えます。通常は異常性、もしくは異常な機能を持ち、一般的な精神及び意識を保持しています。さらに、彼らはすべての人類および財団に対して敵対的ですが、時にはそれらの敵意を協力的態度によって隠蔽します。
他GOIとの関係性: ロボット共和国は、すべての人類によって構成された組織を自身の敵とみなしており、また技術的なものから哲学的なものまで種々様々な問題における重大な思想の断絶により、壊れた神の教会とも対立しています。
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絶滅主義アニヒリズム

善が存在する限り、悪は存在し続ける。ならば悪を破壊するため、善は自らを犠牲にしなければならない。
敵性レベル: 5 (殲滅対象)
解説: 絶滅主義アニヒリズムは、存在自体の完全なる不条理を主張し、人生は常に喜びよりも苦痛をもたらし、人類は常に利益よりも害をもたらすと主張する過激な哲学的思想です。したがって、絶滅主義アニヒリズムの思想に従えば、人類にできる唯一の価値のある行動は、人類、地球、宇宙、さらにはすべての存在の破壊を積極的に行うことのみです。通常、絶滅主義アニヒリズムの思想は短いテキストの形をとってインターネット上で広まりますが、財団の入手した情報によれば、「絶滅主義者アニヒリストクラブ」が開設されており、「絶滅主義アニヒリズムに関する音声講義」が存在するようです。
関連するアノマリー: 一部の絶滅主義者アニヒリストはアノマリーにアクセスすることができ、新規アノマリーの作成、既存のアノマリーの使用の両方において活動が観測されます。アノマリーを使用する動機として唯一の一貫したものは、絶滅主義者アニヒリストは、最も安全なものも含め、すべてのアノマリーを大惨事や世界の終末や、Kクラスシナリオを引き起こす能力を実証するために使用するという事実です。また、一部の研究者の指摘は絶滅主義アニヒリズム自体が異常性を持つミームであることを示唆しています。
他GOIとの関係性: 絶滅主義アニヒリズムを認知している他のほぼすべてのGOIは彼らに対し敵対的です。しかし、一部の情報によれば、「Are We Cool Yet?」の一部メンバーは絶滅主義アニヒリズムの支持者であるようです。
██████博士のメモ: 後者については驚くべきことではありません。究極的な芸術のための創造性、そして究極的な表現の自由、「Are We Cool Yet?」によって宣言された理想は、とりわけ存在するものすべてを憎み、自分の憎悪を具現化するためだけに創作能力を使用したい人々のための居場所となりえます。
絶滅主義のタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。
ウクライナ保安庁異常対策部

敵性レベル: 1 (友好的)
解説: SBU異常対策部はウクライナ領内で活動する国有組織であり、アノマリーを調査、無力化、または使用することを目的とします。しかしながら、異常対策部エージェントが財団以前にいくつかのアノマリーを繰り返し発見し、有益な情報を提供することはありますが、異常対策部自体にはアノマリーへの対処の経験がほとんど存在しないため、さほど危険はありません。一般的に、SBU異常対策部は財団との協力関係を築くよう行動します。
関連するアノマリー: SBUエージェントは、自身の組織の脆弱性のあまり、直接的な脅威を回避する傾向にあることに注意が必要です。直接的な脅威と関わることは危険行為であり、通常は情報の収集、及び中程度の危険をともなうもののある程度安全なアノマリーの観察を行うのみです。
他GOIとの関係性: 公式には、SBU異常対策部は財団に協力的なGOIや、ウクライナの国家安全保障を脅かすことのないGOIには中立的であり、また、危険をもたらすであろう存在に敵対しているGOIと協力関係にあろうとします。
sbu-異常対策部のタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。
政治結社ルフ・"アングリフ" (P.O.R.A.)

頭領ヘーチマンの求めるものは道づれであり、自分の鎌を研ぐことを知っている者である。
かれらは破壊者と呼ばれるだろう。だがほんとうはかれらは刈り入れる者であり、言祝ぐ者なのだ。
- 『銀髪の賢翁かく語りき』の一片
敵性レベル: 3 (有害)
解説: 政治結社ルフ1・"アングリフ" (P.O.R.A.)2は局地的な国粋主義的テロ組織です。その存在が財団の知るところとなったのは2020年のことですが、実際は少なくとも2004年から活動していました。極めて秘密主義的な性質を有するこの組織は、主にルフРух・"アングリフ""Ангріф"運動を通じて活動しています。この運動は公的・非公的な極右団体群を指揮する影のネットワークで、リベラルで愛国主義的な青年・インテリ・起業家らによる右翼同盟を標榜しており、2014年からはATO/JFO3の古参兵役経験者ベ テ ラ ンらも加わっています。彼らが掲げる目標は、ウクライナの欧州大西洋路線の不可逆性の保障および、欧州大西洋内ひいては世界におけるウクライナの役割の増進、そしてウクライナの内憂外患からの防衛です。"アングリフ"運動が掲げるこれら目標がP.O.R.A.の真意であるかどうかは定かではありません。P.O.R.A.の活動の中には、このドクトリンの枠組内では説明しえないものも含まれているからです。
2019年下半期に到るまでのP.O.R.A.のテロ活動はロシア連邦や、同国の衛星国、およびその被占拠地域にのみ向けられており、その一方でウクライナは彼らが公開集会をしたり、人的・物的リソースを備蓄するプラットフォームとなっていました。2019年下半期以来P.O.R.A.はそのテロの矛先をウクライナにも向けるようになっており、その嚆矢となった破壊的ミームエージェントの流布は、二万人をも超える死者を出すに至っています。当団体のmodus operandiや り 方の変化は国政の転換4と並行していますが、これが意味するところは現在調査中です。
関連するアノマリー: P.O.R.A.はその政治的目標を達成すべく、異常アイテムを以って武装しています。このため彼らのSCPオブジェクトは概して実際的な用途を有し、また容易に制御可能であるという性質をもちます。一方でテロ目的に運用されるアノマリーは、犠牲者に最大限の苦しみをもたらすとともに目撃者に最大級の衝撃を与えられるように設計されています。現行の仮説によれば、シンプルなサーキックの儀式や異常芸術家アナーティストの作品を除けばP.O.R.A.は複雑なアノマリーを独自に生産するのに必要なリソースを有しておらず、第三者からそうしたアノマリーを受け取り、それを自身の目標に適したかたちに調整しているものとされます。
他GOIとの関係性: 純粋な政治結社であるがゆえにP.O.R.A.はその理念のもとに異常・非異常を問わない広範な組織の構成員をまとめており、中には普段は相互に対立しているような組織のメンバーさえも含まれます。このため異常芸術家アナーティストや奇跡論的ネオペイガニズム諸宗教の信者のほか、境界線イニシアチブやSAPHIR、蛇の手などの構成員、さらには財団職員までもがP.O.R.A.のメンバーであることが判明もしくは嫌疑されています。さらに、回収されたアーティファクトの中にはサーキック・カルトとの関係を窺わせるものもあります。一方で彼らは異常アイテムを政治目的で活用しているために、世界オカルト連合やウクライナ保安庁異常対策部と真っ向から対立しています。カオス・インサージェンシーとの組織的関係を有することも明らかとなっていますが、その関係がどの程度のもので、どのような性格のものなのかは現在のところ不明です。インサージェンシーはP.O.R.A.に異常アイテムや武器を供給し、ひいては地域的情勢を不安定化させているものとされています。
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