針山博士の講義:精神影響でない認識災害について
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はい、こんにちは。さっそく始めていきましょう。
この講義では「認識災害」について語らせてもらいます、担当の針山です。
皆さんの中の多くは、先日神山博士の講義を受けた方だと思います。
その時のテーマは「精神影響」だったはずですが、今回は逆です。「精神影響でない」……ちょっと本来の意味とは違いますが、「物理的な影響を及ぼす」と言った方が分かりやすいでしょうか。

認識災害と聞いてまず皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
そこの……ええ、メガネの方。あなたはどう思いますか?

「見ると狂う絵画」。成程。良い答えです。
それは精神影響ですね。それがもし、「見ると心臓発作で死ぬ絵画」だったのなら、精神影響ではありません。これらの例としては、SCP-096やSCP-151が挙げられます。どちらも視覚に起因するもので、非常に危険性の高いものですね。
こう言った類の性質を持つ認識災害には、実はあまり共通点がありません。それぞれ性質が異なりすぎるため、研究が難しいのです。特に致死性の物はデータを取ることさえ困難です。

ではどうするか?
取れる手段は、個別に対策を研究することです。

さて、ここまでが講義の前半、ここからは後半です。
これから、現状で対策や原理が多少なりとも判明してるオブジェクトについて個別に話して行きます。
少し眠くなるかもしれませんが……まあその時はその時です。なんとかしてください。
ではまずSCP-302-JPから始めましょう。これは私が財団で初めて担当したオブジェクトで――


――長くなりましたが、これで全部です。
思っていたより時間がかかっちゃいましたね。ええ、ごめんなさい。

寝ている人は……大体半分よりちょっと多いか。はいはい、起きて起きて!あー、良ければ近くで寝て居る人を起こしてあげてください。ええ、長話は終わりましたから。

眠ってしまったことを気にしていますか?大丈夫です。問題ありません。

さて、ここで種明かしをしましょう。今回私が使っていたマイクは、「これを通して伝わる声を聞くと眠くなる」作用を持っています。これは「精神的な作用」ですね。ごくごく弱い作用ですが、声を強く認識しようとすればするほど強く影響を受けるようになっています。
要するに、私の話に聞き入っていた人ほど眠くなるわけです。

眠ってしまった人は、おそらく話によほど聞き入っていたか、ただ単に眠くなってしまった人でしょう。
起きていた人は多分、話を聞いていると眠くなると気づいて意識的に聞かなかった人か、話を最初から聞く気が無かった人です。何にせよ、どちらが悪いというわけではありません。

覚えておいて下さい。認識災害への最も有効な対処方法は、精神影響でもそうでなくても同じ、「認識しない事」です。
それを自発的に出来た人は、どちらかというと現場寄りの素質があるはずです。

さて、それでは、

講義の後半を、マイクなしでもう一度。

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