彼女の最高傑作
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全部こいつのせいだ。この男がいなければ、赤ちゃんは今もここにいた。私たちの肉と血の、美しい結晶は。

男がいつも側に置いていたバットで、その頭蓋を容易く、銃よりもずっと静かに砕き割る。男の体は重く、頭の大きな傷口からは、血と脳が混ざったものが漏れ出て、リビングから私のアートスタジオにまで流れていた。

新たな傑作用の金属フレームの内にその体を置き、コンクリートが使えるようになるのを待っている間も、男の体は変わらず重く、血を流し続けていた。準備が整ったらまず、この不実な死体に、砂利混じりの粘ついたコンクリートを塗り込める。そこに、男の血と私の汗が混ざる。これを繰り返すうちに、何時間も、何日も経っていた。混ざり、塗り込む。その繰り返しだ。

1週間が経った。スタジオには匂いが漂う。進歩の、血の、セメントの匂い、芸術が創り出されていく匂いが。基本的な形は既に定まり、傑作の頭部が私の上にそびえている。私は塗料を手に取り、仕事に取り掛かる。新たな命を宿していた頃の私のお腹のような、球根状の頭の先から、あの卑怯者と同じくらい大きな足まで、スプレーを大振りに吹き付けて全体を塗装する。細かな部分の作業は主要部よりも時間を要したものの、全てが終わった時には涙が出そうになった。作品を見つめ、その美しさに驚嘆する。全ては、私の痛みと苦しみから生まれた。私はようやく、用を足しに行こうとその場を後にし、新たな赤ちゃんに背を向けた。

石と石とが擦れ合うような音が聞こえる。

そして、全てが暗転した。

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