アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: SC-Relinquished
特別収容プロトコル: SCP-001-JPの完全な確保および収容を行うには、大規模なCK-クラス再構築シナリオに相当する変化を基底現実に生じさせる必要があります。そのため、通常の確保原則と収容原則に基づくSCP-001-JPの完全な確保および収容は、正常性維持の観点から現実的に不可能であることが倫理委員会によって決議されました(倫理委員会決議-81A-3B6D1)。SCP-001-JPはSC-Relinquishedに分類され、以下の基準が適用されます。
固有確保基準: SCP-001-JPに関連するアノマリーのうち、収容対象となるものを財団が確実に掌握できるよう、常設001-JP対応チームは全球レベルの監視確保体制を整備します。また、この状態を維持するため、渉外部門はSCP-001-JPに対しイ号介入措置を継続します。
固有収容基準: 倫理委員会は、年次001-JP影響評価に基づき年間収容計画を策定します。監督評議会と理事会は、001-JP合同委員会を毎月一回以上開催し、SCP-001-JPの収容状態について評価を行います。
以下は収容の対象です。
- 異常性に関係するSCP-001-JPの情報
- 本報告書および付属文書において指定されたサブオブジェクト(OBJ系列)のうち、特別な収容措置を必要とするもの
以下は収容の対象外です。
- 年間収容計画によって収容対象から除外されたもの
- 異常性に関係しないSCP-001-JPの情報
- 本報告書および付属文書において指定されたサブオブジェクトのうち、特別な収容措置を必要としないもの
説明: SCP-001-JPは、異常性を持った自然環境と社会環境からなる大規模異常複合体(large-scale anomaly complex)であり、他のヒト(Homo sapiens)コミュニティと同様の社会を構築しています。これに加え、SCP-001-JPは基底現実に浸透しており、一部の独立性の高い社会を除いて人類社会の大半がSCP-001-JPとの関係を持っています。一方で、SCP-001-JPの異常性は一般に明らかになっていません。
SCP-001-JPの異常性を構成する主な要素のなかで特に注意が必要とされているものは以下の三つであり、この三つのいずれかに関連したアノマリー件数の合計は、SCP-001-JPの異常性のうちおよそ30%を占めると推定されています。
- 大倉・ハドルストン型実体
- ダエーワ
- テネムニタ人
1: 大倉・ハドルストン型実体
大倉・ハドルストン型実体は、SCP-001-JP人口の大半を占める異常ヒト亜種のほぼ全ての個体に寄生し、その異常性を顕在化させない異常性を持ちます。およそ13000年前から異常ヒト亜種集団であるG-λに寄生していました。
生物は、非生物と同じ要素で構成されており、物理現象の一つとして扱える。しかしその一方で、非生物には適用できないが生物の振る舞いをよく説明できる理論の枠組みがあり、そこでは、生物が置かれた環境と生物の間での作用、生物同士の作用、生物の内部の働きなどについて焦点が当てられている。
こういった理論において、生物は定常開放系として捉えられることがある。系とは、個々の要素が相互に影響力を与え、全体としてまとまりを持ったもののことであるが、何が系の内部で何が系の外部であるか、といった系の取り方は我々に委ねられている。この系の範囲を決定するという行為、つまり内部と外部の境界を引くという行為は、注目する事柄の決定とも言える。生物を一つの定常開放系とみなすということは、捕食、光合成、排泄、発汗、呼吸といった〈物質やエネルギーのやり取り〉と、体温調整や体液の浸透圧の調整といった〈恒常性〉に注目するということである。
このような捉え方は、異常・非異常世界のいずれにおいても、他のあらゆる体系と同様に適用できる現象の範囲に限界があるなど、必ずしも完璧なものではない。SCP-1437-JPやOBJ-0E4は、上記の捉え方で扱うことが困難なアノマリーの一つである。これらのアノマリーは大倉・ハドルストン型実体に分類される現象の中で、最も研究がなされているものと言えるだろう。
[大倉・ハドルストン型実体の特徴]
- 系を擬態する。このとき擬態される側の系はホスト系と呼ばれる。擬態とは、ホスト系と同様に他の系と相互作用し、ホスト系と同様の入出力を行うということである。
- ホスト系を擬態するために持つべき内部構造を持たないにもかかわらず、擬態を行うことができる。このため通常成り立つ物理法則を破るといった異常性を持つ。
- 内部構造を捨象すれば、非異常のホスト系と同一視できる。しかしながら、注目する系を替えれば、ホスト系とは異なる振る舞いをすることや、ホスト系が持つような内部構造を持たないことが確認でき、ホスト系と弁別される。
厄介なことに、ホスト系がある程度予測できるSCP-1437-JPと異なり、OBJ-0E4は人間にとって理解困難な系も含めて実質的にどのような系も擬態しうる。ホスト系の種類や規模は非常に多様で、電磁波、素粒子、原子、分子、生物の細胞や器官、個体などに擬態する。現代では、通信ケーブル内を通るパケットやメモリ上に展開されたインスタンス、電子機器の一部などに擬態することもある。それでもなお「最も研究がなされている大倉・ハドルストン型実体の一つ」と呼ばれている理由は、生活環が明らかになっているところにある。OBJ-0E4が複数の段階にわたってその形態を変化させることが研究によって明らかになっているのだ。
OBJ-0E4の形態変化の段階は世代と呼ばれ、生物のライフサイクルに似て循環するものであり、段階ごとに増殖の方法が異なる。これらのサイクルに加え、もともとOBJ-0E4ではなかった非異常系がなんらかのタイミングでOBJ-0E4に変化することで発生することがある。
擬態の段階
世代 |
期間 |
説明 |
I世代 |
数ミリ秒 |
この時期は、周辺に存在する物質を球形に集めたものの集合体として存在し、擬態は行わない。擬態の対象となるホスト系を見つけると、II世代に移行する。 |
II世代 |
不定 |
ホスト系の対象が最も多様な時期。分子、岩石、山岳、植物の一部などの定型のものや、波、情報、パターン、制度などの非定型のものも含まれる。人間の影と接触するとその影にIII世代のOBJ-0E4を送り出す。 |
III世代 |
数週間 |
ヒトの影に沿う形で存在する。細胞の入れ替わりに伴い、ヒトの一部に擬態し、IV世代に移行する。 |
IV世代 |
数十年 |
ヒトの一部に擬態する。もしそのヒトが生殖した場合、相手となるヒトの一部がOBJ-0E4に擬態されたものであるときに限って、その子となるヒトの一部もIV世代のOBJ-0E4によって擬態されたものとなる。そうでない場合、OBJ-0E4はIII世代として子となるヒトの影に沿って存在する。大抵の場合、複数のOBJ-0E4がヒト1個体に共存している。 |
2: ダエーワ
ダエーワは、保持している異常性の違いから主にα-ダエーワとβ-ダエーワの二種に分類されています。どちらも非異常ヒト(Homo sapiens sapiens)と異なり種々の異常性を保持していますが、α-ダエーワは分かりやすい異常性を持つ一方でβ-ダエーワは単純な実験で確認することのできる異常性を持ちません。これらの亜種の判別には異常性を決定するシステムであるOBJ-0E2が使用されています。α-ダエーワの個体はβ-ダエーワに比べて非常に少数であり、OBJ-0E3として登録されています。
アイテム番号: OBJ-0E2
オブジェクトクラス: Quotidian-inconspicuous
特別収容プロトコル: OBJ-0E2-1とOBJ-0E2-2の構成は機密に指定されます。非異常性のヒトゲノムに異常形質決定子を保存する性質が存在するという知見が一般に広まらないよう、定期的に医学、生物学の動向に注視して、必要であれば検閲などの介入措置を取ってください。
OBJ-0E2-3は、少なくとも3箇所以上の管理設備で合計3000個体を限度に飼育されます。OBJ-0E2-3由来の物質が流出しないよう、飼育設備は陰圧を維持し、出入りのために気閘室が設置されます。OBJ-0E2-3に吸血された個体は少なくとも3週間にわたって管理施設内で隔離されます。
説明: OBJ-0E2は、通常の遺伝空間と並列に存在するヒト亜種の特徴を決定する遺伝空間です。OBJ-0E2を保存する現象は非異常ヒト(Homo sapiens sapiens)を含む全てのヒト亜種に共通してみられますが、その内容はOBJ-0E2-3を用いない限り不可知であり、現在特別に収容措置が取られているのはOBJ-0E2そのものではなく、OBJ-0E2-3のみです。
$Dec_s(x)$(OBJ-0E2-1)は、塩基配列$s$によって定められ、任意の長さのDNAの塩基配列$x$を入力とし、別の塩基配列を出力する非異常性の関数です。この$Dec_s(x)$はペアとなる非異常性の関数$Enc_s(x)$(OBJ-0E2-2)を持ちます。$Dec_s(x)$は$Enc_s(x)$の逆関数であり、合成関数$(Dec_s \circ Enc_s)(x)$と$(Enc_s \circ Dec_s)(x)$は、入力をそのまま出力として返す恒等関数となります。
$H$は、無視する一部の塩基を除いた染色体上の全塩基配列$G$に対して、$Dec_s(x)$を適用することで得られる塩基配列$Dec_s(G)$です。任意のヒト属の個体について、特定の塩基配列$s$が一つ対応するため、もし当該個体の$s$が既知であれば、ゲノム解析を行い$H$を得ることができます。この$H$は、さまざまな超常的性質の情報を含んだ異常形質決定子、より詳しく分類すれば非異常性の染色体上に含まれている核内異常形質決定子として扱えます。例として、特定の位置に存在する長さ██bpの塩基配列$L$(超常種マーカー)によって、当該個体が非異常ヒト(Homo sapiens sapiens)とその他の異常ヒト亜種のどちらであるか、また異常ヒト亜種であれば具体的にどの種であるかが決定されます。
多くの異常ヒト亜種は、細胞核内にある非異常性染色体に加え、通常の真核生物には存在しない細胞内小器官である異常副核の中に$s$を含む染色体(2█番染色体から██番染色体)を保持しています。このうち$s$は減数分裂時に破棄され、受精時に新たな$s$が生成されます。これに対して、現生人類の大半を占める非異常ヒトや一部の異常ヒト亜種は$s$を体内に持ちませんが、なんらかの手段で当該個体に対応する$s$を特定できれば、$H$を得ることができます。$Dec_s(x)$の入力を少し変化させると、その出力は原型を残さない形で大幅に変化するため、修復されないDNAの複製ミスが発生すると$H$は意味をなさなくなると予想されます。しかし実際には、$H$に含まれる乱雑な塩基配列であるノンス砂漠(nonce desert)のみに影響するDNAの複製ミスしか発生しません。このように、出力の一部にしか変化を起こさないような入力の変化は存在しますが、これが狙って起こる確率は非常に低いため、なんらかの異常性が介在していると考えられます。
ヒト亜種の例
亜種 |
対応する塩基配列$L$ |
$s$ |
備考 |
非異常ヒト
Homo sapiens sapiens |
[非公開] |
-
体内に存在しない |
|
α-ダエーワ
Homo sapiens descensus |
[非公開] |
+
体内に存在する |
さまざまな異常性を持つ |
β-ダエーワ
Homo sapiens descensus |
[非公開] |
-
体内に存在しない |
$H$を除き、ほぼ非異常ヒトと変わらない |
その他多数 |
コトナビル(和名: ハシタメコトナビル, 学名: Haemadipsa cotona ancillae, OBJ-0E2-3)は、ヒト属個体の血液を吸うことで$H$の一部と$s$全体を含むDNAを生産、複製し、一定期間体内に保存する機構を保持する、異常性を持ったヒルです。$s$はヒトゲノムに比べて十分長く、$s$が未知のとき以下に示す性質が成り立ちます。そのため、血液中に含まれる$G$の情報が得られても、$H$と$s$についての情報は何も得られません。しかしながら、コトナビルは$s$を体内に持たない個体の血液や、$s$を体内に持つ個体の血液から$s$を含む塩基配列を取り除いたものを吸った場合でも、当該個体の$H$の一部と$s$全体を含むDNAを生産、複製することができるという異常性を持ちます。
性質1(シャノンの秘匿性): 任意の塩基配列$g,h$について、ある個体の$H = Dec_s(G)$が$h$となる確率$P(H=h)$と、ある個体のゲノム$G$が$g$であるという条件の下で当該個体の$H$が$h$となる確率$P_{(G=g)}(H=h)$が等しくなる。つまり、以下が成り立つ。
$\forall g, h \bigl( P(H=h) = P_{(G=g)}(H=h) \bigr)$
このアイテムは、以下の理由により、Quotidianと分類されています。
- 核内異常形質決定子は、非異常ヒトを含む全てのヒト属に共通してみられる。
また、以下の理由により、サブクラスinconspicuousが指定されています。
- 非異常ヒトの核内異常形質決定子は不活性である。
- 一部の例外を除き、ヴェール政策によって一般の組織や個人は異常ヒト亜種のサンプルを入手できない。
- もしサンプルが得られたとしても、このオブジェクトの性質を明らかにするには、無視する部分を除いて一塩基の誤りも生じさせずにゲノムをシーケンスする必要がある。
- $s$が未知であれば、たとえゲノムの解析を正確に行なうことができても、性質1により$H$に関する情報は何も得られない。
- OBJ-0E2-3は人間の飼育環境下でしか生存できない。
- OBJ-0E2-3を所有しているのは確認できる範囲内で財団、GOC、日本生類創研の3組織のみであり、いずれの組織もその重要性を把握し、他勢力に入手されないように厳重な対策を行なっている。
- もしこのような機構の存在を主張しても、ヴェール体制の崩壊無しにその主張を妥当な科学的議論とすることができない。
しかしながら、以下の点には注意が必要とされています。
- $H$はメンデルの法則が適用できない形式で子に受け継がれるが、その実態は未詳であり、更なる調査が計画されている。
- 上記の遺伝によって、β-ダエーワなどの異常ヒト亜種に関わる異常形質決定子が特定のエリアに集積しており、$H$の地理的分布を知っている主体にとってはこれが性質1を破る脆弱性となりうる。ただし、$H$の地理的分布もまた機密情報であり、$H$を調べなければ$H$の地理的分布を知ることはできないため現実的脅威とは見做されない。
アイテム番号: OBJ-0E3
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 〔省略〕
説明: OBJ-0E3は、統計異常または確立異常の一種であり、異常ヒト亜種であるα-ダエーワの体内で発生する異常な反応です。α-ダエーワは、この反応により高い強靭性と回復能力を実現しています。熱力学の適用ができないOBJ-0E3の性質上、α-ダエーワの体内では平衡状態が定義できません。
代表的な反応:
CX-1: ポリエルゴノースの重合反応
反応: ポリエルゴノース(重合度N)→ポリエルゴノース(重合度N+1)
$\Delta H = 3.0 \times 10^{██} \rm{kJ}$
備考: ポリエルゴノゲン(polyergonogen)は、不安定な核種で構成された、α-ダエーワの体内のみに存在する鎖状の有機化合物である。単量体のエルゴノゲンは、自然界に存在しない有機化合物である。本来、極度に不安定であるため、α-ダエーワの体外に出すとガンマ線を出しながらすぐに分解する。
この重合反応は、進行とともにエンタルピーが増加($\Delta H > 0$)しエントロピーが減少($\Delta S < 0$)する吸エルゴン反応であって、天井温度は絶対零度を下回る。通常の環境では逆反応となる解重合反応もしくは エルゴノゲンを構成する原子の核分裂反応しか起こらず、自発的に進行しない。しかしながら、α-ダエーワの体内では、共軛となる発エルゴン反応を必要とせず、自発的に重合反応が進行する。この自発同化作用(spontaneous anabolism)によって作られたポリエルゴノゲンは、必要な時に分解され、その時に生じたエネルギーが生命活動に利用される。
CX-2: PRT-D
概要: 血液中もしくは細胞内において、周辺に存在する溶媒分子が非等方的に衝突し、ある特定の向きの力積のみがやりとりされるという異常性を持つタンパク質PRT-Dを持つ。この性質を除き、PRT-Dの化学的性質や物理的性質には異常性が見られない。
PRT-Dは、ファインマンが仮構したブラウン・ラチェットのように特定の向きにしか動くことがない爪車機構もしくはそれと同等の構造を持っているわけではない。PRT-D周辺の溶媒分子の衝突そのものが非等方的となることによって機能している。そのため、PRT-Dの異常性の本質は溶媒分子の運動にあると言える。単離して当該個体以外の血液などに溶かしたときには異常性が観測されない。
備考: PRT-Dによって作られた小器官である変則異方性ブラウンモーター(Brownian motor with anomalous anisotropy)が肺胞などに存在する。これは、外気の熱を巨視的な運動エネルギーとして取り出し、他に何もしない反トムソン機関として働く。これらの反応によって得られたエネルギーは熱として失われることなく、経絡(meridian)を伝わってエネルギー塊に蓄えられる。エネルギー塊はおおよそ経穴(acupuncture point)と重なる位置に存在する。
3: テネムニタ人
テネムニタは、サミオマリエの祖先である先古サミオマリエ人を中心として成立した広大な多種族海洋帝国です。テネムニタが崩壊する際に多くの遺産が放棄され、サミオマリエ種族の中心地がより南へと移動したため、多くの技術や文化が失われました。テネムニタの記録を辛うじて継承した人々の間では、「忘れられた帝国」と呼称されています。
テネムニタ(tenem nita)、または先古サミオマリエ・タラソクラシー(Pre-Proto-Samiomalie Thalassocracy)は、原始サミオマリエ(Proto-Samiomalie)及び古代サミオマリエ(Ancient Samiomalie)以前に存在し、広域海洋統治の成立から崩壊まで続いたサミオマリエの政体を指す。
現代のサミオマリエの祖先によって運営された海洋を中心とする超大国であり、最盛期は東シナ海と南シナ海を中心として太平洋とインド洋を支配した。現代のサミオマリエと異なり、一定の頻度で他の種族と接触した。人類の関係は基本的には友好的なものではなかったが、基本的に人類の文化や技術に興味があり、しばしば人間と交易した。また、生殖の相手となる人間を拉致することもあった。主に漁労や海洋資源の採掘、またそれらの交易や、海洋の安全保障を生業としていた。
テネムニタの故地は台湾周辺の海であり、貴族の祖となる始原14氏族は台湾から各地へと勢力を拡大した。オーストロネシア語族は、彼らと交易を行う人類とともに太平洋に広まっていった。複数人の統領と貴族による議会を中心とした寡頭制で国家を支配し、地方には統領の代理が置かれた。
ダエーワ帝国の衰退とともに混乱状態に陥り、広域支配が終わる衰退期ののち、議会の停止をもって崩壊に至る。テネムニタの崩壊によって多くの先進文物が失われたため、後世のサミオマリエ社会ではほとんど記憶されておらず、その歴史は一部の伝説の中でのみ語られている。なお、現在のサミオマリエ社会では、一部の首長の家系のみが、テネムニタの血統を伝えているが、継承意識は希薄である。
テネムニタの記録は様々な形である程度残存している。原本、つまりテネムニタの公用語で書かれた文書の多くは海中遺跡群の中から発見される。議会の議事録も作成されており、公開が行われていたため、ここからテネムニタの政治方針を伺い知ることができる。ほかにも、物語、神話などのフィクションから実用的な書物などが発見されている。
ka0'i 3te0pu1ka1t
1tu 3ta10pi11s / 0sqh /
0taqa11si / 0'0h /
ti1pa11sa'i.
'uka 11tu2seq 1tu 3ta'u 'isi.
3ti1tu1paka10p 0pu11ta10pa1t 1tita si 'i'a.
0pi1ta10kaqe1t, su si1tu1pu0'uq 3ta'i 'isi si ' a1pu.
11ti1ta0'a1ke1t 0ta..
0pa10kaqa10p 1taku qe1pi1t.
'i1ta11ta'e1t 1ti2su 'a1tu.
0pa11tesi 0pa11tesi kaka0pusa1t.
第2919の年(0xB67)、第143の日(0x8F)の議事
聞け!凡そ肉の人等には人情などない。我々の宝を盗んだのだ。汝が肉の人等と図ったことは知られているぞ。それは禁止されたことではなかったのか。全てを聞きたいものだ。汝は何を得たか。答えよ、答えよカカブサン閥の者ども!
// 11se1kE11se1ki //
'a10sa
1kipe1t 0pi1'a1k
'a10sa
'a10sa
qa11ti 1kipe1t
'a10sa
11tu1pa11te0tep
te1te1p 1tita
si 'a0ka1pi,
11ta11te0tepe1t
1ti 'a0ka1pi
te1te1p 11ti11su1k.
ki1tu1pe1pEke1p
0pusu0'
si 'i'a,
1ki1tu1pa0p1ka0p
0pusu0'
si 'i'a.
3ta10pa'i..
3ta3ta10pa'i..
1pa 'a3ta10s
si 0pusu0'..
聢と見よ
あなや、怒り牙を、あなや
あなや、畏れ牙を、あなや
アガミは我等の海を泳いでいるぞ
静かな海を泳いでいるぞ
彼女は敵を咬んだぞ
敵を咬み千切ったぞ
笑え、さあ笑え
敵は死した
常設001-JP対応チーム連絡事項
当チームの担当職員は、SCP-001-JPの収容経緯を適切に把握することが求められています。文書hAに十分目を通しておいてください。特に、初回認証の際は必ず文書hAを確認してください。
文書hAを確認するには、以下の画面で再度認証を行なってください。