In His Own Image Interlude 1
2007年8月18日:
ラメントは少しクロムフレームに指を滑らせた。出費は高額だったが、ジョーク──こんなことで彼は笑わない──にしては価値があった。最後に勝利の喝采をあげるための、最初の失敗にすぎない。彼は唇を釣り上げて、写真を見下ろした。笑みは殆ど異常で、やがて噴き出した。
ラメントは「彼はどんな顔をするのかな……」とか、そんなことを考えたかったが、どうせいつもと同じ顔なんだろうと理解していた。無表情で、抜け目の無い顔。
彼は包装紙を引き抜いて、ゆっくりと写真を包みだした。半分の笑みを浮かべ、ハッピーバースディを口ずさみながら。
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